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Q. サンタクロースって何をするの? A. 良い子のもとへ、聖夜にプレゼントを配ります。 その黄金律に従い、雪の降る夜に4人の影が暗躍していた。 屋根の上にレンガ造りの煙突が突き出した洋館、これが彼女たちの目的地。 さあ、ここに。 住人に気が付かれないように、一杯のプレゼントを詰め込んだ袋を押し込まなくては。 そうしたら、その下に吊るし飾られている靴下にこの袋が滑りこむの。 どうして、とかどうやって、ってのはナイショだけれど、そういうもの。 何せ『私』達はサンタクロースなんだから! 「中々手強いな」 アンサンブルなジゴ袖サンタドレスを纏った不動峰 杏樹の声と表情は、言葉とは裏腹に楽しげに笑っている。 オレンジと金の目を少し細め、躍起になって押し込む彼女の、体と袋の間で豊かな胸が形を崩して押し潰されているのはご愛嬌。 「もうちょっとなの」 ふんわりした白いケープにミニスカサンタなアリステア・ショーゼットの笑顔からは、にっこにっこと言う擬音が聞こえて来そうなほど。背中の翼も心なしか踊っているように見える。 袋を押し込もうと力を込めるたび揺れる桜の花弁は髪飾りがたまに帽子に引っかかりそうになるけれど。慌てて右手でつけなおす。薬指に輝く雪と愛の結晶だけは、サンタになっても外さないのだ。 「あまり大きな音を立てちゃ駄目よ?」 口元に指を当て、しーっ、と。2人に注意を促す斬風 糾華もまた、楽しそうに笑っている。 赤が基調のサンタドレスの中、幻想的に煌めく緑の蝶の飾り。それだけではなく、銀色めいて美しい白髪に戯れる蝶の輝きは、『舞蝶』の面目躍如だ。 「さあ、もう一息みたいよ」 ゴスロリなサンタドレスに6枚の翼を広げた宵咲 氷璃の、今日の日傘はクリスマスツリー風味なデコレーション。一歩引いた位置も態度も言葉もクールだけど、その実心から楽しんでいるのは見て取れる。 その証拠に思慮深げに顎元にやられた手の上、口の端がほら、上を向いている。 ぐいと、手元の感触が変わる。 彼女たちはみな顔を見合わせ――そして同時に表情をほころばせる。 さあ、最後はみんなで一緒に、 『せー、の!』 プレゼントを受け取った相手は、袋を見つけてどんな顔をするかしら。 そんな話に花を咲かせて、サンタたちは次の配達先へ向かうのだ。 ――こっそり気づかれない様に、それがサンタの配達。 けれどもし誰かに見られたとしたって、その人はきっと聖夜の夢だと思うに違いない。 こんなに幻想的で美しく、可憐で華やか、そして賑やかなサンタが4人。 まさに夢見心地と言った所――。 |
不動峰 杏樹(BNE000062) アリステア・ショーゼット(BNE000313) 斬風 糾華(BNE000390) 宵咲 氷璃(BNE002401) |
担当VC:白夜ゆう 担当ST:ももんが |