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ペール・ゴールドの優しい光を受けて輝くステンドグラス。 教会の中にはスーツとドレスの男女。フツとあひるの二人だけ。 今日はクリスマスだから――普段はお酒を飲まないフツがほろ酔い加減でジェイドの天使をステンドグラスと自分の間に閉じ込めた。 逃げ場のない窮屈感にあひるの胸がトクンと高鳴る。 普段は優しいフツの表情はどこか力強くて、嗜虐的な色を見せていた。 「あ……、フツ?」 青年を見つめるジェイド・ブルーの瞳は困惑して、潤む眦は色香を纏う。 少しだけ開いた唇から見える紅い舌は小さく、今すぐにでも奪ってしまいたい衝動に駆られた。普段とは違うペール・グリーンのフォーマルなドレスも背後のマリア像も背徳心を擽るばかりで。 フツは空いた手で綺麗に編み込まれたあひるの髪を撫でる。 ――このままでは人が来てしまうかもしれない。 でも、普段とは違う恋人の姿にあひるの心臓は最高速で鐘を打ち鳴らす。 翡翠の翼が優しい光を帯びて広がりを見せた。フツの身体が少しずつ近づいてくるのに、少女の握りしめた小さな拳には汗がにじむ。 マリア様もう少しだけ時間を下さい。だって今日はクリスマス。こんなに可愛い/格好いい恋人を独り占めしたいと思うのは無理もないでしょう? |
焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054) 翡翠 あひる(BNE002166) |
担当VC:焼きバード 担当ST:もみじ |