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『ホワイトクリスマス』 |
「すみません、買出しを手伝ってもらって」 両手に紙袋を抱えた聖は、薄いサングラス越しにベリル・ゴールドの瞳でシュスタイナを見つめた。 「お昼ご馳走になっちゃったし、その分お手伝いはしっかりするわ」 シュスカは小さく首を振りアメジストの瞳で聖を見上げる。 受け取った気持ちには対価を返す。 同じ場所に立っていたいからこそ、与えられるだけの子供ではいられない。 守られるだけではなく、守ってみせると誓ったから。 「そう言えば私、ミサって参加した事ないのよね……」 シュスカがぽつりと零した言葉に聖は笑みを見せる。 「それでしたら、今夜のミサは是非……」 「ええ。参加させて頂くわ」 三高平に越してきた当初はお化け屋敷さながらだった聖堂も、今では綺麗になって珈琲の香りが漂う喫茶店の様で。 「……あ。雪?」 スノウグレイの雲の隙間からゆっくりと降ってくる小さな雪達。 両手が紙袋で塞がっているから受け止める事はできないけれど。 シュスカのネイビーの髪にひらひら舞い降りた白い妖精は、風に乗って静かに踊る。 「聖堂は暖かくしておかないといけませんね」 集まってくれる人々の為に。慈愛と寛容なる心で聖は来る者を受け入れるのだろう。 |
鴻上 聖(BNE004512) シュスタイナ・ショーゼット(BNE001683) |
担当VC:流聖飛鳥 担当ST:もみじ |