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微熱の理由 |
「夜景、寒いけど綺麗だね」 冬の寒さが創り出す空気は肌に刺し込む様に鋭い。 もう一度、寒いねと尋ねるとアリステア・ショーゼット(BNE000313)は後ろから抱きしめられた。驚いたのは一瞬、きっと勇気を出してくれたのだと、嬉しくて。 そのまま神城・涼(BNE001343)の指さす先に目を向ける。 「うん、そうだね」 誰もいない高台からは街の全てを見渡せる。遠目でもわかる煌びやかなイルミネーションに彩られた街中を並んで歩く、というもの勿論楽しいに違いない。きっと街中が自分達の様な関係を祝福してくれるのだろう。 二人だけで過ごす時間はそれだけで特別、それでも今日この日はもっと特別でありたい。 見せたい景色があるんだ、とこの場所に誘った涼。 普段は軽い態度と余裕を崩したがらないかっこつけ、その涼がきちんと、言葉を選んでくれていた。目を閉じればすぐにでも思い起こせる、愛しい人。 (後のあなたからは、見えてるのかな?) 頬が熱を持つ、何度でも嬉しい熱。 重ねた手から伝わる涼の体温はいつもより高く、自然とアリステアに染み込んでいき二人の温度が溶け合う。 (あなたに私の温度を伝えたい) だから、自分も勇気を出そうと決めて口を開いた。 「あのね、涼。ちょっとしゃがんで欲しいの」 |
アリステア・ショーゼット(BNE000313) 神城・涼(BNE001343) |
担当VC:ハツキリゥ 担当ST:久遠 |