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『きみとどこまでも』
 夜鷹はジェイド・グリーンの翼で夜空に浮かび上がる。
 レイチェルの紅玉の瞳に映る彼は待ちのイルミネーションを背負って、宛ら星の王子様といった所か。
「俺の愛しい黒猫さん、どうかこの手を取ってくれないか。君を、聖夜の特等席に連れて行ってあげる」
 いつもより更に気障ったらしく、大げさに夜鷹は少女に手を差し伸べた。
 差し出された手にレイチェルの褐色の細い指先が乗せられる。
「喜んで、貴方の手をとりましょう。私を虜にする、悪ーい天使さん」
 握りしめた指先に唇を落として、黒猫を誘う悪い天使。
 煌めく夜空に連れ出せば、其処は自分たちだけの世界が広がるのだ。
 眼下にはクリスマスの彩りに花開く、待ちの灯り。
 腕の中には愛おしいレイチェル。夜鷹の赤い瞳は黒猫を映し出す。
 クリーム色のダッフルコート。褐色の少女の肌には良く似合っている。
 スカートから伸びる足は黒いタイツに包まれて。鼻先を掠める黒髪からは甘い香りが漂うのだ。
 殺したがりの黒猫はすっかり甘えん坊な子猫になって、夜鷹の腕に丸まって顔を埋める。
 ――あなたとともに。きみとどこまでも。
 二人の想いは重なってネイビーブルーの夜空にジェイドとガーネットの宝石を散りばめた。
 
レイチェル・ガーネット(BNE002439)
翡翠 夜鷹(BNE003316)
 
担当VC:
担当ST:もみじ