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『ハッピー☆クリスマス』
 こたつって良いと思いませんか。
 誰が泣こうが喚こうが、あったかいんだからぁ♪ って話ですよ、ええ。
 昔は用意するだけでも七面倒臭いシロモノだったっていうのに今やヒーターは薄く軽くなっちゃってこたつ布団もフリースがすごい勢いで浸透してすっかり手軽になっちゃってまあつまりおちょこ置いてもそれが変にぬるくなったりしないって話なんですけども。
 とかなんとかのたまいだした犬束・うさぎはしかしこたつに入っていない。
 表情は例によって読めないが、目が座っている。そのまま呪詛を吐いた。
「あーもう。あの白黒死なない程度に全身の骨砕けねえかな。首とか」
 差し向かいで呑んでたのだろう、こたつに突っ伏していた卜部 冬路はうさぎの声に呻きながら顔を上げた。
「これで良かったんじゃ……若者同士、それが一番じゃよ……」
 ボロ泣きの冬路は瓶を振って酒が出てこないのを知ると真新しい缶をぷしゅっと。
 クリスマス中、ふたりともずっとこの調子。
 ふられた。
 傷の舐め合い。
 それ以上この状況を説明するにふさわしい言葉があるだろうか? ないね!(断言)
「でも、寂しいのう……寂しい、のう……ぐすっ、ぶええーん! うさぎぃぃぃ!」
「うるせえもっと呑め!!」
 ――敗者たちの部屋(さんげきのげんば)から酒の匂いが抜けたのは、新年過ぎてからだったとか。
 
犬束・うさぎ(BNE000189)
卜部 冬路(BNE000992)
 
担当VC:樫か
担当ST:ももんが