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● 「ね、らんでぃさん。あっためて?」 「いいよ、朝まであっためてやる」 そっと髪を揺らす息遣いも、触れた場所から熱くなる体温も、こんなに近くだから感じられるのだろう。 「えへ、うれしい。だいすき」 「俺も大好きだ、ずっと一緒に居ろ」 少し強引な彼の言葉に、胸の奥が高鳴る。でもまだ伝えきれない気持ちが爆発しそうで。 「いっしょにいるよ? ぎゅーってして離れないもん」 もっと体温を分け与えられるように。彼女は彼の背に腕を廻す、この幸せが逃げないように強く。 其の腕が、彼を捕えきる事はできないのだが。 「じゃあ旭。結婚しよう、いつかじゃなくて来年にでもすぐ」 「……うん。したい、な。えへへ、てれる」 彼の心は既に彼女に捕まっていたようだ。 まるで流れるような自然なプロポーズに、とろけてしまいそうだと頬を抑えた彼女の手。 其の、左手を優しく握り、薬指に嵌めた愛の証。嗚呼、夢なら醒めないで。でもこの外の寒さも、彼から貰った温度の暖かさも、全部全部本物。 「メリークリスマス」 あたためるのなら、念入りに。たった一箇所だって逃してはいけない。 冷たい彼女の唇に、彼の唇が近づいて――元々特別な一日が、更に特別な一日へと変化した。 |
喜多川・旭(BNE004015) ランディ・益母(BNE001403) |
担当VC:たぢまよしかづ 担当ST:夕影 |