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「ね、らんでぃさん。あっためて?」
「いいよ、朝まであっためてやる」
 そっと髪を揺らす息遣いも、触れた場所から熱くなる体温も、こんなに近くだから感じられるのだろう。
「えへ、うれしい。だいすき」
「俺も大好きだ、ずっと一緒に居ろ」
 少し強引な彼の言葉に、胸の奥が高鳴る。でもまだ伝えきれない気持ちが爆発しそうで。
「いっしょにいるよ? ぎゅーってして離れないもん」
 もっと体温を分け与えられるように。彼女は彼の背に腕を廻す、この幸せが逃げないように強く。
 其の腕が、彼を捕えきる事はできないのだが。
「じゃあ旭。結婚しよう、いつかじゃなくて来年にでもすぐ」
「……うん。したい、な。えへへ、てれる」
 彼の心は既に彼女に捕まっていたようだ。
 まるで流れるような自然なプロポーズに、とろけてしまいそうだと頬を抑えた彼女の手。
 其の、左手を優しく握り、薬指に嵌めた愛の証。嗚呼、夢なら醒めないで。でもこの外の寒さも、彼から貰った温度の暖かさも、全部全部本物。
「メリークリスマス」
 あたためるのなら、念入りに。たった一箇所だって逃してはいけない。
 冷たい彼女の唇に、彼の唇が近づいて――元々特別な一日が、更に特別な一日へと変化した。
 
喜多川・旭(BNE004015)
ランディ・益母(BNE001403)
 
担当VC:たぢまよしかづ
担当ST:夕影