神を畏れぬ傲慢なる魔術師は呟いた。 「本当に貴女は悪趣味な方だ」 全てを嘲笑する悪意の象徴は軽やかに笑う。 「主も、永きを生きれば分かる事じゃて」 七百年以上の時を過ごす、現在の人類最古参の大魔道も彼女にかかれば児子も当然。 唇の端を吊り上げたウィルモフ・ペリーシュは、人なる身の上で考えられる全ての悪趣味を煮詰めたような人間だが、あくまでまだ七、八百年(にんげん)である。その外見に反してあくまで涼やかなる神の内に広がる洞はまるで虚(うろ)のようであった。 「……まぁ、お手並みを拝見する事にしようかと」 「主の仕事も佳境故になぁ。ほほ、妾の予定が成れば主も少し困るやも知れぬがの?」 アークはこの所、自分の手の者とぶつかる事が多い。 ペリーシュはからかうように言ったラトニャに肩を竦めた。 「それも構いませんよ。神を超える――小生一大のテーマには、『貴方の世界』は相応しい」 ※恐怖神話・現の戦況が更新され、それに伴って崩界度が4上昇しました! |