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ころころ、ころころ。並んで転がす二つの雪球は、次第に大きくなっていき。 降り積もった雪の上、しんと冷え込む寒さも気にならないほどに。風斗とリリは、二人、夢中で雪を転がしていきます。 きゅきゅ、と靴の下で踏みしめた雪が鳴り、二人の歩いたその軌跡には、仲の良い二つの足跡が続いています。 「ふう、こんなものか。オレのほうが、少し大きかったですね」 「ふふっ、そうですね。それじゃ、私のほうが頭ですね」 「ええ。一緒に乗せましょうか」 ひとつ笑い合うと、二人は一回り小さいほうの雪球に手を添えて、大きいほうの雪球にちょこんと乗せます。 それだけでは、飾り気の無いただの雪だるま。二人は、それぞれに用意した小物を添えて、雪だるまをデコレーションしていきます。 「……よーし、完成だ!」 「ええ。素敵です……」 リリの澄んだ青い瞳を思わせる、二つのブルーのガラス玉。かぶったバケツの帽子から垂れる黒いリボンは、風斗の前髪に似ています。 二人の特徴を受け継いだような、可愛らしい雪だるま。 仮に。この雪だるまが、例えば……年頃の子供だったとしたら。傍らに立つ仲睦まじい男女の姿は、きっと、年若く初々しい夫婦のように見えたことでしょう。 再び、ちらほらと降り始めた雪の下。風斗とリリ、それに小さな雪だるまは、暖かい気持ちを胸に抱いたまま、しばしの団欒を楽しむのでした。 |
楠神 風斗(BNE001434) リリ・シュヴァイヤー(BNE000742) |
担当VC:黒無 担当ST:墨谷幽 |