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昔は、姉を肩車して飾り付けをしたものだと、テュルクは幼かった頃の思い出を心に描き、思わず顔を綻ばせます。 暖かい部屋の中。ユーヌとテュルクの姉弟は、二人、クリスマスパーティの飾り付けをしているところです。 「今は、問題なく届くな」 色とりどりのきらめくカラーボールをツリーの枝葉の上に置きながら、しみじみとユーヌがつぶやきます。どうやら、姉弟二人して、同じことを考えていたみたい。 「次は、もっと大きなツリーにしましょうか?」 「部屋に入らないな」 「それは残念」 いつもどこか表情に乏しく、クールな佇まいのユーヌですが、一年に一度の特別な夜のこと。今夜ばかりは、心なしか浮かれているご様子。 テュルクもまた、感情をそれほど顔に出すタイプでは無いものの、姉と二人、共同で作業を進めるこの時間を、どうやら楽しんでいるようです。 「ところで。私も、取り付けたいところがあるのだが」 どちらを? とテュルクが尋ねると、 「ん」 ユーヌが差し出したのは、てっぺんに取り付ける、一際輝かしい星飾り。 「…………」 「ん」 促され。テュルクがユーヌの脇に両手を差し入れ、小柄で華奢な姉をひょいと持ち上げると、ユーヌは難なく、ツリーの上にメインの飾りを据えることができました。 姉と弟。二人の時間は、こうして、ゆったりと過ぎていくのでした。 |
テュルク・プロメース(BNE004356) ユーヌ・プロメース(BNE001086) |
担当VC:あにゅ 担当ST:墨谷幽 |