|
インディペンデンス・ネイビーの夜空に輝くのは広場にある大きな樹と、そこに託された色彩のキャンドルランプ。 純白の翼にピオニー・レッドとナイト・グリーンのイルミネーションが煌めいていた。 湯気を放つカップの紅茶は寒々しい世界を少しだけ温かいものにしてくれる。 ホワイト・レドのポンチョとお揃いのワンピースに身を包んだ少女は隣の『お兄さん』といつもの様に笑い合う。彼のマーリー色のダウンジャケットは暖かそうだ。 雷音のマラカイトグリーンの瞳は目の前に差し出されたポインセチアの赤色を見つめている。 花の様に咲くそれは聖夜(ノーチェ・ブエナ)と呼ばれるもの。心優しい雷音へのプレゼントにはきっとこれが良いだろうと選んだ快は贈り物を愛おしく抱きしめる雷音に笑顔を向ける。 「ありが……っぁ」 感謝の言葉を伝える前に大きな瞳から溢れた透明な雫は、ランプの明かりに照らされた雪の上にぽたりと落ちた。 「わわ、嬉しすぎて、その、恥ずかしいのだ」 涙と共にオパール・ピーチに染まって行く少女の頬。 両手に抱え込んだポインセチアでは流れる涙を隠せない。 けれど、其の代わりに―― 「――光栄だよ」 快の温かい指先が雷音の透明な言葉を掬い上げた。 |
新田・快(BNE000439) 朱鷺島・雷音(BNE000003) |
担当VC:TsuYama 担当ST:もみじ |