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 恋人としてクリスマスを迎えるのはこれが2回目となる二人だが、そんな日に相手の部屋に訪れるのはまた違った意味になるだろう。なるんじゃないかな。なって欲しい。そんな願望に、快は拳を握る。
「どうしたの?」
「ああいや、なんでもない!」
 レナーテは快の様子を見て不思議そうに首を傾げる。
 尤も、快にしてみれば挙動不審は当然のことかもしれない。
 レナーテの部屋は、シンプルながらも落ち着いた色合いの家具が配置されていてなんとも彼女らしい。だからこそ快にとって、今最も緊張する場所なのだ。
「暗くなってきたわね」
 窓の向こうから街灯の灯りが差し込んでいる。快は緑色のカーテンを閉めようとしたレナーテの肩を抱くように手を回すと、ベッドに座るよう彼女を促し、緊張した面持ちで口を開いた。
「レニャーテ」
 噛んだ。
 このタイミングで噛んだ。
 赤と青が混ざっていっそ紫に顔を染めた快がうなだれるのを見て、レナーテは驚いた顔を柔らかな笑顔に変えた。その表情に、快の緊張が和らいでいく。
 守りたい気持ちで、強くなってきた。
 だけど、本当に守られていたのは自分だったのだ。
 今だって――心を柔らかくしてくれるのは、いつだって彼女だ。
「レナーテ。その……」
 彼女の笑顔の隣に居続けるために――あとは、自分の心に従おう。

 ――Merry Christmas.
 
 
新田・快(BNE000439)
レナーテ・イーゲル・廻間(BNE001523)
 
担当VC:auau
担当ST:ももんが