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「綺麗だな」 「うん。そうだね」 インク・ブルーの夜空の星が降ってきた様なクリスマスのイルミネーション。 街路樹に巻きつけられたカナリー、ストロベリー・ピンク、オリオンブルーの電灯はひよりと雪佳の時間を奪っていく。 それは少女の小さな肩が冷えきるのを知覚できないぐらいには見ていて楽しい光のメリーゴーランドだった。 「くしゅんっ」 ひよりのモーベット色の長い髪が揺れる。 「寒い?」 「ん、大丈夫なの」 「……ほら」 雪佳を見上げれれば広げられた腕があった。それの意味する所は言葉に出さなくても分かるだろう。 「ゆきよしさんっ」 パール・ホワイトのふわふわブーケから小さな白い羽根が見えた。風を受けて彼女の甘ロリな衣装もふわりと靡く。 ぎゅうぎゅうと少女なりのめいいっぱいの力で抱きついてみるけれど、それは彼にとって柔らかな抱擁であったのだろう。 あまりにも嬉しげに抱きついてくるひよりの顔に、雪佳の頬も染まっていく。 自身の胸元に埋められた小さな頭をそっと撫でて、彼女の肩を優しく抱いた。 既に充分に温まったひよりの体温を感じるけれど――――きっとそれは気のせいだから。もう少し、このまま抱きしめていていいだろう。だって、今日は特別な日なのだから。 |
雛宮 ひより(BNE004270) 桃村 雪佳(BNE004233) |
担当VC:ちろりるら 担当ST:もみじ |