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ゆらゆらときらめく炎はアムブロジア色。二人がじっと見つめる先には一つの燭台が置かれていた。 瀟洒なレースのクロスには聖夜に相応しい繊細な文様が刻まれている。 真鍮細工のキャンドルの中心には可愛らしい天使。二人を見守っているようにキャンドルの炎を優しく反射していた。 「メリークリスマスですっ! えと、こんなステキなクリスマスは初めてですっ」 いつもの様にフォーマルな格好をした三郎太の胸元に光るのは、隣に居る計都から貰ったピアスの片割れ。 「三郎太かわいいよ三郎太」 彼の照れた表情が、彼女にも伝わっていく。照れ隠しの褒め言葉と共に少し息を付いた計都。 「いえ、今夜は『かわいい』じゃないわね。素敵な王子様♪」 普段は比較的ラフな格好をしている彼女が、この日の為に少し大人びた衣装を選んだのは、隣のクリーム・イエローの髪をした彼を少なからず意識しているからだろう。 「三高平に来てから……なんだか素敵な事ばかり起こってる気がしますっ」 こうして二人だけの時間を過ごせるのなら、それはどんな場所でも素晴らしい色彩を持つのだ。 たとえ、テーブルクロスの下は卓袱台であろうと、暗がりに障子や畳が見えようとも。 二人で居れば、幸せな思い出そのものだ―― |
九曜 計都(BNE003026) 離宮院 三郎太(BNE003381) |
担当VC:TsuYama 担当ST:もみじ |