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重密度の金属同士がぶち当たる、低く重たい激突音が、剥き出したコンクリートの壁をびりびりと震わせる。 逆十字のシンボルを掲げる兵舎、その脇に併設された訓練所では、浮かれがちな世間を置いてきぼりにするように、激烈な技の応酬が繰り広げられている。 「いっけえええ!!」 「甘いっ!」 空中から、その超重を活かして振り下ろされる黒い巨剣をバックステップで避けると、カルラは弓引くように拳を構え、撃ち放つ。銃弾にも等しい破壊力を備えたその拳を、フランシスカは巨剣の峰で受け止め、衝撃を殺さぬままに六枚の翼で空を打つと、後方へくるりと翻って床へ降りる。 「……ああ。そういえば、今日はクリスマス・イヴだったか」 「え? あ、言われてみればそうだね」 仕切り直しの流れに、二人はふいに窓の外で降り落ちる白い雪を眺める。 「ま、別に、そういう相手とかいないしねー」 「そうだな。それに、トレーニングは毎日するものだしな」 に、とフランシスカは愉悦の笑みを浮かべ、カルラの瞳は、再び鋭い光を帯びていく。 ふわりと空へ舞い上がり、黒き翼翻し、振るうは漆黒を纏いし巨剣。 赤き残光を残して駆け、揺るがぬ決意乗せ、撃ち貫くは真紅の拳。 血塗れた二人、闘いの夜は終わらない。 |
カルラ・シュトロゼック(BNE003655) フランシスカ・バーナード・ヘリックス(BNE003537) |
担当VC:須藤怜 担当ST:Device |