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窓の外を覗けば、はらはらと舞い降りる、儚く白い淡雪たち。 暖かい部屋の中で、色とりどりのボールや綿菓子みたいにふわふわの雲、きらびやかなイルミネーションで彩られた大きなツリーと、床に並べられたプレゼントの間に立ち、いそいそと飾り付けをする一人の女の子がいました。 胸が大胆に開いたミニスカートのサンタ服に身を包んだ木蓮は、羽織ったケープの裾を揺らし、少し恥ずかしそうに頬を赤く染めながら、指につまんだオーナメント……ツリーを飾る一番のメインであるそれを、はにかみながら眺めます。 きらきらと綺麗な金色の星にちょこんとしがみつく、可愛らしい狼の人形。それは、木蓮の一番大事な、大事な婚約者を象徴するものなのです。 木蓮は、目の前でゆらゆらと揺れる主役の狼をどこに飾ろうかとちょっぴり悩んだ末に、ついっと背伸びをして、一番目立つところへとそれを飾ります。 「……へへ。あいつ、喜んでくれるかなぁ……♪」 思わず顔がほころび、二つに結った三つ編みと一緒に、たゆたう雲のようにふわふわの尻尾がゆらりと揺れます。 今夜はクリスマス。一年に一度、恋人たちの特別な夜。 木蓮は、早鐘を打つ胸をきゅうと抱きしめながら、幸せな気分でその時を待つのでした。 |
草臥 木蓮(BNE002229) |
担当VC:村正宗 担当ST:Device |