|
● クリスマスと言うものは、本来平等に訪れるものである。 ところがどっこい、ここ「なのはな荘」ではあまりにクリスマスとかけ離れたクリスマスが繰り広げられていた。 そう、皆のものが感じていたのは、「クリスマスに起きる小さな奇跡の予感」なんて上等な代物じゃあない。 「カ レ - テ ロ の 予 感 ! !」だ。 「カレーを食べるのです。カレーライスにライスカレー、我が軍は後10年は戦える」 いつものように無表情にカレーをパクつく香夏子。 彼女のカレーに対する愛情は24時間365日、常にMAXだ。時折、最大値を超えるけど。 とまぁ、そんなノリで「なのはな荘」のクリスマスはいつも以上にいつも通りだった。あえて言うなら、それぞれがサンタとかトナカイとか、それっぽい衣装に身を包んでいるのが差異と言えようか。正月だったら着物、ハロウィンだったら南瓜模様の衣装、という程度の違いしかない気はする。正月だって、「おせちはどうでもいいけどカレーだね」という程のダリィーズだし。 「みんな、カレーのお代わり出来たの♪」 サンタ衣装のルーメリアが皆の元へ、カレーをたっぷりと詰めた寸胴を持ち込む。 どうやら、先ほどまでのものは前座ですらなかったらしい。 「はーい、新しいカレーですよー」 「あーん」 カレーを受け取った小梢は、友哉の口の中へとカレーを流し込む。 無表情に熱々のカレーを飲み込んでいく友哉は逆に怖い。 なお、これは訓練を積んだE能力者だから可能なことです。視聴者の皆さんは絶対に真似をしないで下さい。「痛覚遮断」ってステキだね! 国内でも記録的なE能力の無駄遣いだけど。 カレーのカレーによるカレーのための祭典。 この日の「なのはな荘」を評するならそういうことになるだろう。 別にクリスマスだからはしゃがなくっちゃいけないという法律がある訳でも無い。むしろ、はしゃげと言われたらはしゃぐ気が失せるのがダリィーズだし。 大好きな友達と、心行くまでカレーを食べて、カレーを食べる。 カレーライスだって、キャンドルを立てればあっと言う間にクリスマスカレーに早変わりだ! 気が付けば、あれだけあったカレーも綺麗さっぱりなくなっていた。 「ごちそうさまなの」 「それじゃあ、デザートにカレーだねー」 こうして、聖夜も更けて行く。 ま、これもクリスマスなんだろう……多分。 |
春津見・小梢(BNE000805) ルーメリア・ブラン・リュミエール(BNE001611) 宮部・香夏子(BNE003035) 杉原・友哉(BNE002761) |
担当VC:もっか 担当ST:KSK |