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 夜の空に燦然と輝く星々の光を集めて地上の街に散りばめたイルミネーション。
 ハイドレンジア・ブルーに彩られた小さなステンドグラスが光を受けて煌めいている。
 降りだした空からの天使と青の光芸に彼氏と彼女は声を上げた。
「わぁ、見てみて!」
 指をさした方向に視線を向ければ雪の結晶を模ったエンジェル・ブルーのガラス細工。
「綺麗だな」
 嬉しそうな彼女の笑顔に彼の頬も綻ぶ。
 猫の毛の様な黒髪とカフェ・オ・レ色のくるりとした髪が触れ合う程近くに寄り添った二人。
 オータム・グローリーの長いマフラーは一つ。それを二人で巻いている。
 遠目から見ても仲睦まじい事が分かった。
「でも……この瞳には叶わないな」
 彼の唇から紡がれる愛の言葉に彼女の頬はオパール・ピーチへと染まって行く。
 恥ずかしげなその仕草は可憐な少女そのものだった。
 やがて、彼女は隣に居る恋人の腕を取り、ぴったりと頬をくっつける。
「私、すごく幸せだよ」
「ん、俺もだ」
 いつまでも、いつまでもこの幸福な時間が続けば良いと二人は思っていたのかもしれない。
 大切な人と過ごす時間がこんなにも満ち足りたものなのだと改めて実感する。
 地上に舞い降りた光の天使達は恋人たちを祝福するように、オリオン・ブルーの灯りをともしていた。
 二人の姿は、春の暖かな日差しの中で囀る小鳥の様だった。

 そんな甘い時間を過ごしているカップル達を避けるようにふらふらと歩いて行く自分といえば……コンビニ袋片手に死んだような目で行き交う恋人たちを一瞥するだけ。
 ワンカップとサバ缶が袋の中で音を立て合う。―――それがまるで恋人たちの甘い囁きに聞こえて。
 こんな無機物な飲食類にさえ自分が独り身だという事を実感させられるなんて。
 ああ、飾り気の無いグーズグレイのモッズコートに12月の冷たい風が入り込んで来た。
 ―――今日はとても寒い夜だった。

 
霧島 俊介(BNE000082)
蘭・羽音(BNE001477)
ヘルマン・バルシュミーデ(BNE000166)
 
担当VC:かりん
担当ST:もみじ