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アーケードに設置されたクリスマスツリーはカーニヴァルレッドやカスティール・ゴールドの丸い飾りに覆われている。 イルミネーションの光は気持ちを伝える事が出来ない二人を優しく包み込んでいた。 「……」 「……」 幼馴染の二人は相手が側に居る事が当たり前で育ってきた。 けれど、この様なある種『ロマンチック』な場所に来るのは初めてだった。 否、正直言うと初めてでは無かったかもしれない。 しかし、こんなにも顔が熱くなる程の『恋心』を抱いてからは初めてだった。 司朗はいつもの服じゃなくネイビーのボタンパーカーでキメてきたというのに、深雪は相変わらずのホットパンツスタイル。 いや、まぁ、どんな格好をしても可愛いんだけど……って違う違う! ぐるぐると回る思考回路に比例して司朗の頬もどんどんと桃色に染まって行く。 それを隠したくてグラナート・レッドのマフラーで口元を隠した。 ―――触れ合う指先。 お互いの距離は近すぎて心地よくて。 それを壊したくないから、踏み込む勇気が無い。 ああ、けれど。 神様、どうか……この触れ合った指先が離れませんように。 今だけでいいから。 司朗の想いは深雪にも伝わって。暖かい指先をそっと握り返したのだ。 甘酸っぱいクランベリーの様な―――淡い恋のいろ。 |
遊佐・司朗(BNE004072) 宇佐見 深雪(BNE004073) |
担当VC:あにゅ 担当ST:もみじ |