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【黒銀の誇り】を見れば指す時間は午後9時過ぎ。
 ということは、ミュゼーヌはこの公園のベンチに3時間も前から座っていたことになる。
 ラピスラズリの夜空からしんしんと降る雪は彼女の上に一つ一つ積まれていた。
 イルミネーションに彩られたツリーは冷たく青い光を放っているだけ。
 温かさ等、微塵も感じない。

 ―――サクサクサク。駆け足で近づいてくる音。
「はぁ、はぁ……すみませんっ、遅くなりました……」
 キャラメル色のダッフルコートから伸びる手を膝に付きながら。
 綺麗に切りそろえられた髪は風でボサボサ。中性的な顔は冷たさで赤くなっている。


 それは、ミュゼーヌとて同じこと。
 彼女の頭やペールアクアのクラシカルロングケープには雪が積もっていた。
 けれど、彼女はそんな事どうだっていい。
 だって、逢えた嬉しさの方が何十倍も大きいのだ。
 泣きそうになるのを堪えてミュゼーヌは言葉を紡ぐ。
「ううん……メリークリスマス、三千さん」
 今まで温かみも感じなかったイルミネーションの灯りが、三千が来た瞬間に色彩を帯びた。
 忙しくて会えなかった分、今、この時間を存分に楽しみたい。

 彼が居るだけでこんなにも世界の色が違うのだ。
 それは、ちょうど1年前、水面の光を見ながら愛を誓ったその時から、ずっと。
 ―――これからも、ずっと。
 
ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)
七布施・三千(BNE000346)
 
担当VC:乙衣ゆと
担当ST:もみじ