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●お家でクリスマス 「シェリーさん、クリスマスは一緒に部屋で過ごしませんか?」 めずらしく、いつも受身の雪待 辜月(BNE003382)のほうから提案して、今年はお家でクリスマスディナーと決まった。 朝からふたりで部屋の飾りつけをして、午後はプレゼントを買い物に街へ。 帰って来てからはふたりで、というよりはほとんど辜月が一人で料理を作っている。 「雪待、まだか? いいにおいに、先ほどから妾のお腹がぐうぐう鳴っておるぞ」 「ぇと、もう少しですから」 揃いのエプロンを身につけて初めは張り切ってキッチンに立っていたシェリー・D・モーガン(BNE003862)だったが、生来料理は苦手ということもあって早々に部屋へ引っ込んでしまっていた。 辜月は少し色づきでしたチキンをオープンから取り出し、表面にオリーブオイルを塗って中へ戻した。 チキンは昨夜からニンニクとレモンとブーケガルニで漬け込んでいたものだ。 さてはて、愛情をたっぷり込めた手料理は彼女に気に入ってもらえるだろうか……。 「お待たせいたしました」 チキンを盛った皿を両手に居間へ入ると、シェリーが手を伸ばしてきた。 「はやく、はやく。もう待ちきれぬ。……おお、美味しそうじゃ!」 自分が作った手料理に目を輝かせるシェリー。 辜月にとって、それはなによりのクリスマスプレゼントだった。 |
雪待 辜月(BNE003382) シェリー・D・モーガン(BNE003862) |
担当VC:市街 担当ST:そうすけ |