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ゆらゆらと、仄かな光が揺れる。 そこに居るのは二人、恋人だけが織りなすプライベートの空間だ。 色とりどりのキャンドルが足元を彩り、彼等が過ごす時間を暖かくも柔和に演出する。 最後の一つに灯りを移し終え。一層明るさが増した部屋内にて、お互いの姿を見つめながら草臥・木蓮(BNE002229)と雑賀・龍治(BNE002797)は柔らかく微笑み合う。 そこへ手元に蝋燭を持ったまま。木蓮の身体を、龍治が優しく抱き留めた。 (……!) 一瞬。息が、止まる。 それはソファの上で龍治に後ろから抱え込まれる様な構図で。木蓮は突然の事に最初は少し、驚いた。 密接し合う二人の間に言葉は無い。だけど暖かな体温が伝わって来る。 そして僅かに速い鼓動が、龍治の心中を直に感じている様で。木蓮の心もじわり、暖かくなった。普段は寡黙な彼の、愛情表現が嬉しいのだ。 「このまま、時間が止まれば良いのに」 「……ああ、そうだな」 木蓮の手の中で揺れる灯りを見つめ、ぽつりと龍治が呟いた。蝋燭を抱えたままの木蓮も微笑み、頷き返す。 優しい灯火に彩られるこの空間は、今は誰にも邪魔される事がなく。穏やかな時間がただ、流れるのみ。 ……だから一緒に。二人で過ごそう。 ゆっくりと、ゆっくりと。 |
草臥 木蓮(BNE002229) 雑賀 龍治(BNE002797) |
担当VC:ヒワタリ 担当ST:裃うさ |