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赤のチェックのテーブルクロスが目に眩しい。もみの木を象ったリースに絡まる金銀モール、ベルにトナカイもちろんサンタさんも! 「ん~♪おいしいわぁ!」 「よかったです。どんどん食べてくださいね」 クリスマスカラーにお化粧した鈴宮紅茶館『フィーリングベル』にて、椿は七面鳥に舌鼓。 雪色シュシュで束ねた髪がひょこひょこご機嫌に踊るのに、慧架は満足げにこくこく。真っ赤なたれねこみみがへろれん、とっても嬉しいと揺れる。 「あれ? うちだけ? 他の人来やへんの?」 「ふふふー、今日だけ特別という事でお酒を用意しました」 生クリームを頬につけた椿に微笑み返し、慧架はどんっと酒瓶を置く。 ――シャンパンじゃないよ、日本酒だよ! 椿さんオーダーです。 とくとくと注げば、ちびりと縁を舐めるように味わう椿。 「これは……極上やねぇ」 美味しい料理にお酒――『クリスマスパーティーとは違うんやろか…?』そんな疑問は頭から霞と消えて、椿は慧架とグラスをあわせふにゃり。 「和食もいります?」 「え、あるのん? ええねぇええねぇ」 満ちる命の水に喉を鳴らし、椿はとろんとした瞳ではしゃぐ。 もっと仲良くなりたくて、ひとりだけを招いた小さなパーティ――紅茶館から溢れそうな遊楽を纏い、夜は更けていく。 |
鈴宮・慧架(BNE000666) 依代 椿(BNE000728) |
担当VC:乙衣ゆと 担当ST:一縷野望 |