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はしゃぐ子供のようなジングルベルが溢れる街角にて――。 じー。 綿雪、電飾、リボン、縞々ステッキ……両手いっぱいのツリー飾りを抱えた優希は、それを纏うツリーは緑か雪色どちらがいいか思案中。 ……の、ふりで。 (今日の大和は普段に増して可憐に見える) 彼女を直視できないのを誤魔化していた。 「優希さん?」 「あぁ」 三度呼んでようやく振り向いた彼の頬は赤い、けれど表情は変らず戦場に赴く真剣さ。 (もしかして、緊張しているのはわたしだけではないのでしょうか?) 大和にふわりと笑みが灯る。 その愛らしさに心奪われかけて、優希は慌てて口火を切った。 「母上に楽しんで貰う。その為には何でもやるぞ」 ツリーの会計を済まし並んで歩きだす、母の待つ家まであと少し。 「俺の家族の分まで、大和の母上にはいつまでも健やかでいて欲しいのだ」 ――今在る人は支え、だからこそ尊く愛しい。 「わたしと母が楽しむだけでは駄目、優希さんも、ね?」 ――歩んだ路は人の礎、やはり尊く愛おしい。 母を大切にしてくれる心は嬉しい、けれど、 「さ、リラックス、リラックス」 「あ、あぁ……」 叶うなら、彼と、彼が過去慈しんだ人達も一緒に今日という日を寿ぎたい。 いつだって心は傍らにあると、信じたいから。 |
焔 優希(BNE002561) 三輪 大和(BNE002273) |
担当VC:つとう 担当ST:一縷野望 |