|
冷たい空気が満ちる冬の夜、今宵は何処も彼処もクリスマス一色。 街の喧騒から離れ、三高平市内を見下ろすことの出来る小高い山の展望台に足を運んだ新田・快(BNE000439)とレナーテ・イーゲル・廻間(BNE001523)は夜景を見つめていた。 二人の瞳に映った景色は眩く煌めいている。 振り仰げば澄んだ夜空。見下ろせばイルミネーションに彩られた遠い街のひかり。 「……綺麗ね」 白く染まった息を吐き、レナーテが小さく呟く。 その言葉に頷いた快の視線は夜景を見つつも、ちらりとレナーテの方を見ている。楽しげに夜景を見つめる彼女の横顔が愛おしくて、快の瞳にも自然と優しい色が宿っていた。 (綺麗なのは夜景だけじゃなくて――それ以上にレナーテだって) 胸中に浮かんだ言の葉を告げようとも思ったが、快は言葉の代わりに彼女の肩を抱く。 どうしたの? という疑問交じりの眼差しが向けられたが、レナーテ自身もすぐに彼の意図を理解し、そっと身体を寄せた。 其処に言葉は要らず、傍に居れば寒さすら紛れてしまう。 確かな温もりと幸せを感じ、二人は寄り添い合いながら三高平の夜景を暫し眺め続けた。 |
新田・快(BNE000439) レナーテ・イーゲル・廻間(BNE001523) |
担当VC:しんりミツバ 担当ST:犬塚ひなこ |