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その国では、クリスマスは12月25日ではない。――1月7日なのだ。 サンタクロースと色違いの『厳寒じいさん』なる老魔法使いが子供を袋に入れて連れ去らぬよう、供物を捧げる日なのだと言う――伝承とは往々にして、その地に伝わる物語と融合してしまうということなのだろう。 ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)はそのようなことをグダグダと――完全に赤ら顔である。 「ベルカ? 指示が曖昧でこのままでは清掃率が上昇しません」 「なんかもーこのままでいいわー♪ イドもこたつにはいれー」 「……このままでいい? Y、了解しました」 言われるままに掃除をやめ、着座する街野・イド(BNE003880)。様々な意味で『和風』と呼びにくい室内で、しかしコタツという存在は異彩を放つ。その机の上に広げた雑誌には、『和のお正月特集』。ふと、ベルカの目が雑誌とイドとを行き来して。 やがてぶひゃひゃ、と大笑いを始めた。 「白いな! そして段だ! まったくお前は可愛いなー、こいつめっ! かがみもちー!」 「この行為に何か意味があるのですか?」 されるがままのイドの頭の上で、蜜柑が鎮座ましましていた。 ―― ☆Merry Christmas☆ |
ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829) 街野・イド(BNE003880) |
担当VC:藤丸あお 担当ST:ももんが |