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● 雪が空を舞って、街に降り注ぐ。 降り積もった雪は、飾り立てられた街の灯かりを受けて、優しく輝く。 今日はクリスマス・イブ。 あちらこちらで小さな奇跡が起きる、そんな特別な日。 そして、ここでも1つの奇跡の種が芽を出そうとしていた。 「さすがに冷えますね」 「でも、これならちっとも寒くないッスよ」 凜子とリルは2人して仲良く、雪の降る街の中を歩いていた。買ってきたパーティーの準備を手に、他愛のないおしゃべりに興じながら。 顔が紅潮しているのは寒さのせいか、それとも他に理由があるのか。 2人の間を結んでいるのは赤いマフラー。それはあたかも運命を繋ぐ赤い糸そのもののようで。 「今日はどうなるでしょうか?」 「きっと楽しくなるッス」 「ふふ、きっとそうなりますね」 リルの屈託のない笑顔に釣られて、凜子も微笑みを返す。 「凜子さんと一緒なら、リルはいつでも楽しいッス」 思わずリルの顔が凜子の顔に近づいてしまう。 ほんの一瞬だけ、世界が止まる。 「急ぎましょう? あんまりゆっくりしてると遅れてしまいます」 年上らしく居住まいを正した凜子が促すと、リルも従って歩き出す。ほっとしたような、ちょっと残念そうな表情で。 クリスマスには奇跡が起きる。 奇跡が起きるまでの時間は、あと数時間……。 |
氷河・凛子(BNE003330) リル・リトル・リトル(BNE001146) |
担当VC:やむむ 担当ST:KSK |