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さて、『予想混じり』の緊急事態だ。
六道フィクサード――厳密に言えば紫杏を主人とする『紫杏派』だな。
その紫杏派が『倫敦の蜘蛛の巣』――つまり、バロックナイツ第十一位ジェームズ・モリアーティの手下共と連携して三ツ池公園に攻めて来た。
周辺の封鎖と避難は辛うじて間に合った。被害を最少規模で食い止める為、アークはこれから三ツ池公園での迎撃戦に向かう事になった。 |
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六道紫杏の狙いは『閉じない穴』です。
彼女は恐らく――研究成果をより完璧にする為にそれを欲しているのでしょう。『楽団』モーゼスの強襲から日を置かずに攻めて来た理由は不明ですが、紫杏派には『倫敦』も加勢していますし、これは半ば暴発的な……感情的な仕掛けなのかも知れません。
兎に角、何としてもこの動きを食い止めなければいけないのは同じです。 |
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懸念材料もある。
第一に『倫敦』の連中の実力は未知数だ。
第二に『楽団』の連中がこの血生臭を嗅ぎ付け、三ツ池公園に侵入した事が既に確認されている。連中の目的は死体漁りに過ぎまいが、そんな連中を積極的に対処できない以上、状況が意味するのは簡潔だろう。要するに『紫杏派を取られれば悪手』、『リベリスタが死ねば最悪』だ。 |
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『閉じない穴』の周辺はアシュレイさんが『無限回廊』で防御してくれていましたが……
……その、六道紫杏が丘の上広場周辺に進撃。『無限回廊』を破壊したようです。
凪聖四郎もルートを変えて『閉じない穴』をランデブーポイントに動き出したみたいです。 |
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……肝心な所で。大方モリアーティの仕掛けだろうが……!
アシュレイはどうした。あの女ならそれでも何か食い止める手が…… |
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え、えーと。通信が入っています。
「あはは、破られちゃいました! 後はお任せします!」
……アシュレイさんはこの動きに後をリベリスタに任せて逃走した模様です…… |
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元からあの女に全幅の信頼は置いてねぇ。
予め最悪の事態を想定して直衛部隊は展開済み。
期待程度は働いた。ここからは地力勝負って訳だ。やってやれよ! |