● その女性は、木々の多い山の中で鳥の声を聞かないことを不思議に思わなかった。 いい天気だからと、よく知らないあたりまで足を伸ばしたのが悪かった。 緑の多い、良い街だと思って越してきたのはまだ今年の春先のこと。 仕事だ何だと追い立てられてはなかなか落ち着くこともできず、街の地理など頭に入っていなかった。 ふらふらと歩いて回って、部屋から見えた山の向こうに回ったのだと思っていた。 ――帰宅するのに、山をこえれば近道になるだろうかと思ってしまったのだ。 「困ったなあ……」 ころんとして可愛らしいサボは、山歩きには向いてない。 さっきもトゲがかかとに刺さった。 痛みと不安で、涙が浮かびそうになる。 ……泣いてもいいかも知れない。 ココには誰もいないんだもの。 強がることはないのかも知れない。 そんなことを考え始めた彼女の腕が、急に何かに引っ張られる。 「な、なに?」 どこかに引っ掛けたかと見てみれば、小さな手が袖を握りしめていた。 「――さる?」 小さな、地面に立ってようやく彼女の膝に手が届くだろうか、それぐらいの大きさの、さる。 よく見れば、尻尾はまるで蜥蜴のようなのだが――彼女はそれには気づかなかった。 「ききっ」 サルは小さな声で鳴き、あっという間に彼女の肩に登ってしまった。 ふわりとした毛が喉をかすめ、そのまま擦り寄られれば、なんとも気持ちが良い。 「かわいい。どこかの家で飼われてたのかな?」 その背中を撫でてやろうとして、彼女は急に、地面が近づいてきたのを見た。 ――違う。自分が倒れ込んでいるのだ。 「え……」 痛みが走る。 ぶつけた顔より、耳が痛い。 いや、耳より、その奥が痛い。 「あ、ああ、あああ」 奥が、おく、奥、何かが突き込まれ、これは、なに、鼻の奥がいたい、気管に何かが入って、痛い、目の方まで何かが、痛い、目が見えない! 目から何かが流れだしたのがわかる、熱いのは、これは、血なのか、それとも、眼球なのか、痛い、いたい、痛い、ごりりと鼻の奥で何かが、痛いやめて、口の中に入ってこようとして、痛い、胃が痛い、違う食いちぎられた、痛い、痛い、痛い! 「ああああああああああ!!!」 彼女に駆け寄る同じようなサルが、いち、に、さん。 それを彼女が見なかったのは、不幸なのか、幸いなのか。 ● 「さる」 リベリスタには、そう言って目を閉じた『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)の顔が、いつもより青く見えるような気さえしていた。 「……昨日、ある街で女性の死体が見つかった。 その場にあったのは、身につけていた物の他には皮膚と髪の毛だけが残された骨。 調べてみた結果が、さっきの資料。――彼らが今まで何を食べてきたのか、知らない。 だけど、丘からは鳥の声が全く聞こえないと連絡が来ていた。 ――食べつくしたんだと思う。彼らはお互いを食べることはないみたいだから」 餓えて、もっと大きなものを食べようと決めたところに通りかかったのが彼女の不運。 耳から尻尾を突き入れられて、平衡感覚をなくした後は、生きたままゆっくりと食べられた。 「これが、全部で4匹いる。山の中に、潜んでる」 イヴがみなまで言わずとも、リベリスタにはわかっていた。 「サルたちを、倒してきて」 強く頷く面々の顔を、イヴはまっすぐに見返していた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ももんが | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2011年11月20日(日)23:31 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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● 「キィィィィィィィィィァァァァアアアアア!!」 金切り声。 金属を切る音などというレベルではなく、金属すらも切り裂きそうなほどに鋭く、暴力的な音の炸裂。 背筋をぞわりと撫でるような不快感はそのままリベリスタ達の体にとどまり、苛むものへと変じてしまう。 襲撃者たちの怯んだ隙を、彼らは逃さなかった。 「ぐう!」 苦痛の呻きが上がる。 サルの、鱗がびっしり生えた尾の一撃から『大食淑女』ニニギア・ドオレ(BNE001291)を庇った『デモンスリンガー』劉・星龍(BNE002481)の声だ。しなやかに動く尾は、異常な鋭さと硬さを持って獲物の皮を破り肉に潜り込む。傷の深さは治癒を許さず、激痛は意識の平衡を奪う。 「物騒な猿ッスね!」 前衛で壁として矢面に立つつもりだった『守護者の剣』イーシェ・ルー(BNE002142)は思わず歯噛みした。 ――リベリスタ達が訪れたのは、他のすべてが死に絶えた山だった。 「小さいとはいえ山一つ静かにさせてしまうなんて、食欲旺盛なアザーバイドですね」 感情探査を試みた『わすれ路の鞘』志筑・沙耶(BNE003128)は肩を落とす。 いくら探れども伝わるのは、空腹を訴える感情のみ――恐怖や諦観さえも見つからない。 浅倉 貴志(BNE002656)が熱を見る目で山の中を見渡した所で、熱を持った存在は4つしかない。 空腹のサルたちを探すのに、食物を持って来た者もいたのだが――『下策士』門真 螢衣(BNE001036)は己の式神に山の中を走らせた。 サルたちを見つけたら、奇襲を避けるために式神で誘導する心算だったのだ。 しかし相手はかなりの空腹を抱えた素早いサルたちであり――新たに見つけた、動く、そしてかじった所で食べられなかった式神の出現は、彼ら本来の警戒心を強めさせる結果になってしまった。 しかし討伐のためには山に行かないこともできず――リベリスタ達が山を歩く頃には、式神が屠られた時点で一所に固まっていた熱源は山中にバラけてしまっていた。 サルたちに気付かれたことを悟った時点でリベリスタたちは警戒を強めて山に足を踏み入れたが、警戒したのはサルたちもまた同様である。隊列を組んで登ってきた相手に、四方から襲いかかったのだ。 空腹の感情が彼らの原動力であり、食べられるもの――温かい、新鮮な肉――が目の前にある以上、逃げることはサルたちの選択肢にはなかった。 そのまま交戦が開始され――現在に至っている。 「ギッキャー!」 「ギギッ!」 交差するように振るわれた二本の尾が、仲間に意識を向けていたイーシェへと襲いかかる。 一本が金やすりの様に鎧を削り割り、そしてその下の肌と肉を抉り、もう一本がその傷口に突き込まれる。 「ぃぐぁ……ぐぅっ!?」 走る激痛。尾から塗りこまれた不快感が更に追い討ちをかける。 先の金切り声が体内で蘇り物理的な殺意を持って荒れ狂う。 「そこまでです!」 苦しみ悶えるイーシェの身体を掠めるように、纏わりつくサルに一瞬で間合いを詰める影。 瞬間、アザーバイドは貴志によってその全身を地面に叩き付けられていた。 「異常食欲といえるまでのアザーバイドたちですね。 既に被害者が出ている以上、早急に殲滅しないといけません」 それは正に雪崩の如く一瞬の強撃。その猛威に晒され如悲鳴も上げれぬほどの衝撃に喘ぐサルを貴志は険しい目で見下ろし、次いで気遣わしげな表情になってイーシェを見た。 ニニギアは魔方陣から呼び出した魔力の矢を放ちながら、唸る。 「こんなに可愛いのに凶暴だなんて!」 怪我の激しいイーシェや星龍に治療を行いたくとも、治癒を受け付けぬ呪いがそれを許さない。 「大丈夫ッスよ……! 山の安全の為にも、ちゃちゃっと片付けちゃうッスよ!」 未だ少し苦しげながらもイーシェはそう請け負い、全身から破壊的な闘気を漲らせる。 渾身の一撃を喰らいつつも意気軒昂な様子の彼女に、無傷のもう一匹が警戒の唸りを上げ、凶器である尻尾を逆立てる。 その尾に、衝撃が走った。 「ギャッ!?」 「邪魔な尻尾……ぶっとばしますよぉ! あははははっはっははっは!」 響き渡るハイな笑い声。フィンガーバレットの銃口から硝煙を立ち上らせ笑うのは、トリガーハッピーの女道化『ヴァイオレット・クラウン』烏頭森・ハガル・エーデルワイス(BNE002939)。尾を吹き飛ばそうとした急所狙いの早打ちは、しかしサルの素早い身のこなしを完全に捉えたとは言いがたく、尾の付け根に近い背に撃ちこまれた。しかし傷から来る痛みにアザーバイドはその表情をより険しくしてリベリスタ達を睨みつけ――その表情が、別の理由から来る不快感に、さらに歪む。 「見た目は可愛くとも、野生動物に迂闊に近付いちゃならない。 ……当然の事だが、改めて認識させられるな」 神々しく光り輝く鍛え抜かれた筋肉。金属の小楯とメイスを構える『侠気の盾』祭 義弘(BNE000763)の邪気を退ける光が、リベリスタ達を苛んでいた金切り声に植え付けられた呪詛と不快感を打ち払ったのだ。 獲物が易々と喰われてくれないことに、サルはいらだちを募らせる。 2匹に強襲された後衛の面々も、大人しく襲われたままではない。 長弓を構えた沙耶は集中力を高め、螢衣は呪言を唱え守護を成す結界を周囲に展開する。 そして『不屈』神谷 要(BNE002861)の放った十字の閃光がアザーバイトの一体を打ち据えた。 神秘の力の威力に欠ける彼女の一撃はさほどの痛痒を与えなかったが、その代わり怒りを呼び覚ます魔力が浸透し、サルは憤怒の顔にはっきりとした敵意を浮かべる。 ずがん!! と、山中に重い轟音が響いた。 「4体全て、ここで……確実に仕留める」 先ほど貴志に地面に叩きつけられたサルを今度は木に叩き付け、静かに宣言したのは『消えない火』鳳 朱子(BNE000136)だ。 全身のエネルギーを集中させ振りぬいた右手の紅刃剣は、片手で持てる限界まで長大であり、その一撃を喰らったアザーバイドは身をくの字に折り苦しむ。 その大振りの攻撃と仕草は目立ち、満身創痍のものを含め2匹のサルが一斉に飛び掛かり尾を突き立ててその身を抉るが、DIVAの名を冠する装備に身を包んだ朱子の守りはは堅牢の一言に尽きる。 更に彼女の特性は激痛から来る衝撃を受け付けず、サル達はその表情を困惑に染めた。 「ギキーッ!」 「ギッギャ!!」 布陣を打ち崩さねば、勝てない。 サル達にもそれが分かったのだろう。 朱子を狙ったのとは別のサルたちが要を狙い、クロスするように突きたてようとした尾には必死の気合がこもっており、要のコートと彼女自身をしたたかに切り裂いた。 「思いの外厄介な相手ですね……。 ですが、神秘と関わりの無い方にこれ以上被害が出る前に、必ずここで仕留めてみせましょう」 愛用のコートの状態をさっと確認し、要は改めて決意を固めた。 ● 戦闘は長引いている。主な原因はサル達の身のこなしだ。 素早い動きはリベリスタ達の猛攻を上手くいなし、直撃を避ける。 「あはっ! 痛そうですね、お猿さん! もっと痛くしてあげます!」 「ギャッキャー!!」 今もまたエーデルワイスの銃弾を、飛び退く事で危なげなく避けきったサルは既に、もう一体と連携してイーシェの身を引き裂くべく身を翻している。 後衛でも同様に2匹が示し合わせて要のブロックを押し退け、ニニギアに肉薄している。 言葉こそ解さない物の、サル達の知能は低くなかった。 高い防御性能を誇る朱子を後に回す事を早々に決めると、前方後方それぞれ2匹で一人を集中狙いする作戦で治癒の間に合わない速攻を狙う。ニ度目を放った金切り声は、その呼び起こす異常がまたも即座に癒されたのを見てからは一度も使っていない。 「……小賢しい」 朱子が苦々しく呟く。その言葉は正にリベリスタ達全員が心底より思っている事。 屠ったと思った螢衣とニニギアが運命を燃やし立ち上がったのを見て以来、難敵と認識したのか回復手を執拗に狙う事を止めた事だけが幸いだった。 「鮮やかな……華を……咲かせ……」 腹部を前後から硬鱗の尾二本に貫かれながらもエーデルワイスは指先の銃口をサルの頭部に向けたが、しかし果たせないまま倒れ臥す。 同時、イーシェもまた鎧を穿つ二本の尾に胸部を貫かれる。 「まだ、まだまだ、全然大したことねーッスね」 だが彼女の騎士道は言っている、ここで倒れるべきではないと。 運命を捧げ踏み止まり、脂汗を拭って強気に笑う。 「捕らえました!」 風向きが変わったのはその時、沙耶が展開した気糸の罠がサルの一匹を絡め取った瞬間からだ。 サルは振り払おうと悶えるが幾重にも重ねられた気糸は一向に緩まず、その尾と口を縛り固定している。 縛られた仲間にビクッと気をやったもう一方のサルの、最初に一撃を喰って以来前衛のリベリスタと戦い続け満身創痍のその脇腹にライフルの銃弾が直撃した。星龍が貫通の魔力を篭めたその一撃にサルは一瞬白目を剥くが、剥き出した歯を食い縛り踏み止まる。 「我が符より、三つ出でて……、啄め鴉!」 だがその足掻きも、螢衣が満身創痍の身を押して式符を放つまでだった。 啄むと言うには余りに鋭いその嘴はサルの腹を深く抉り、断末魔の声を上げ倒れたアザーバイドは四肢を僅かに揺らめかしたのを最期に、二度と動かなくなった。 仲間の死に直面し、サル達の表情が敵意よりも怯えの色を強く見せ始める。 それを後押しするように周囲を神々しい光が照らした。仲間を苛む邪気を払う為に要が放ったブレイクフィアーだったが、アザーバイド達にして見ればそれは先刻から自分たちの不利を招いているものだ。 「キゥァアアアア!」 「ギィッ!」 体の自由が効く2匹が後退しようとしたのも、無理はないだろう。 「何処に……行く気?」 その一方の行く末を遮る赤い影。 ずがん!! 再び響く轟音。 朱子の紅い大剣に切り払われ吹き飛んだ先は、リベリスタ達の構える陣形のちょうど真ん中。 義弘の放つ十字の閃光が、貴志の振るう火炎の拳がその毛皮を焼き、アザーバイドが必死に逃れようと逃げ回れども、それが限界。 騎士の誉れを意味する銘を持つ剣、雷光を纏うそれが人に仇為す異界の獣に深々と突き立てられた。 「アンタらに喰わせる命なんて存在しねぇッス!」 そのイーシェの宣言が、絶命したサルの耳に届いた最後の音だった。 後退しかけたもう一匹のサルは、後方で後衛の者達を相手取っていた傷の浅い個体だ。ニニギアの放った魔弾を受けてなお倒れず、そして獣ゆえに強い生への執着は獅子奮迅の奇跡を産む。 一瞬で二撃。沙耶と星龍の首筋を穿ち、怯んだ隙を縫って手近な木に駆け上がろうとする。 ――だが、獣の生存本能に負けるほど二人の覚悟も安くない。 躊躇なく運命を支払った二人が放った銃弾と気糸が背と前足を貫けば、最早落ちるしかない。 落ちた先に待っているのは、螢衣の式符、星龍の凶弾、要の幅広剣。 ――またの名を、確実な死。 「キァアアアアアアア!!」 響き渡るは断末魔。 それを聞いた最後の一匹は、尚一層必死に己を縛る気糸を引き裂こうと力を篭める。 気糸はびくともしない。 「お前達は狩りをしているだけなのかもしれんが、人間を餌にされては敵わん」 「……排除しなければいけない」 見れば義弘が、朱子が、ゆっくりと近づいてきながら武器を振り上げつつある。涙さえ流しもがき続ける。 気糸はほどけない。 どうしてこんな事になったのだろう。自分たちはただ何時も通りに食事をしていただけなのに。 何時も通りではない、始めてみる土地、そこで何時も通りを、己らの理と我を貫き続けた。 それこそが非なのだと。獣でしかない彼らに理解しろと言うのは少し酷かもしれない。 だが、それは必要な事なのだ。この世界、ボトムチャンネルを守る為に。 リベリスタ達は己らの理と我、そして正義を執行した。 ● 「そういえば、この猿はアザーバイドッスよね? どっかでゲートが空いてるかもしれねーッスから、調べてみるッス」 イーシェの一言に、同じ懸念を持っていた朱子も頷きを返して草をかき分け、木々の奥に向かおうとする。 「俺も行こう」 義弘も立ち上がり、二人に同行する。 サルに殺された女性の遺骸は既に警察のもとにあるという。 脅威の排除に成功した以上、彼女がどうして変死したのかについて納得の行く嘘を並べた報告書を作る作業が始まるのだろうが――それはアークの職員の仕事だろう。だが、もしかしたら彼女の身元を示すものなどが残っているかも知れない。 今はあのサルたちがきた道を確認し、まだ残っているようならば塞がねばならない。 もう二度と彼女のような犠牲者が現れないようにすることが先決だ。 山といっても、そんなに大きなものではない。バグホールは程無く発見され、破壊されることだろう。 「普通の、暢気にお芋とか齧ってるお猿に会いに行きたいです。 サル団子を眺めて和みたい……」 ニニギアの応急処置を受けながら、沙耶が呟く。 フェイトを得てアークに所属を始めてから未だ日が浅い沙耶の怪我が、どうしても一番酷いものだった。 包帯を巻かれながら、持参したさつま芋を渡すことができたらサルたちは食べてくれたのだろうか、と少し考えこんで頭上の木々を見上げる。紅葉した木々には特に目立つ被害はなく――おそらくサルたちは肉食だと結論を持つ。見向きもされなかっただろう、としょんぼりした。 風が葉を揺らす音の他には、虫の声すらしない山。しかしもう、過剰な捕食の脅威に怯える必要はない。 「以前の生態系を取り戻すには時間がかかりそうですね」 森が再び安全になったことを喜びつつも、貴志の表情は少し物憂気なものとなった。 その時。 「……チゥ」 草の根元を、恐る恐るといった風情で小さなネズミがかき分け、飛び出してきた。ネズミにとっても予想外だったのだろう人間の姿に目を丸くし、足早に草の中に戻っていく。 さっきまではたしかに何もいなかったはずなのだが――動物の本能か何かで、山が安全になったことを察したのだろうか。どんな場所でだって、生き物はいつも生きることに対して貪欲だ。 案外早く、生態系は戻ってくるのかも知れなかった。 「もしかしたら人間はエリューションの影響を受けたサルだったのかもしれませんね。 本当のところは分かりませんが」 螢衣がふと、そんな言葉を口にした。 <了> |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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