●トリックオアトリート。 ホロウィンの裏側で、暗躍せんとするフィクサードがいた。 「イエス・アリス! ノー・ロリータ! バニッシュメント・イン・ロリババア!」 彼らの名はLKK団(ロリババアコノヤロコノヤロ団)。幼女を愛で、遠くから見守り、しかし年齢12歳以上の女性は女性と認めず見た目がロリっぽくても許さぬと豪語する団体である。 「ハロウィン! それは子供に悪戯されたりお菓子をあげたりする古き良き祭りである! 特によーじょがぶかぶかオバケな衣装に扮してる姿はまさに芸術! 至高の極みといっても過言ではない。まさに国宝。否、神秘の秘宝! 脈々と続くハロウィンの歴史はまさに幼女の存在があってこそ! しかし悲しいかな。触れれば消える粉雪のような幼女に紛れる中古が存在するのだ!」 ダン! と机を叩く男。 「その名はロリババァ! 上位世界からの影響のより覚醒し、見た目を我等が神である幼女に似せ、騙し、そして搾取する! このような悪魔を生かしていいものか!」 「バニッシュメント・イン・ロリババア!」 「バニッシュメント・イン・ロリババア!」 「バニッシュメント・イン・ロリババア!」 シュプレヒコールの中、拳を振り上げて立ち上がる男達。 「よろしい。ならば戦争だ。 我等LKK団は三高平のハロウィンにてロリババア殲滅を宣言する! 作戦名は『カボチャの槌』! 我に続け、同士よ!」 おおおおおおおお! 演説の熱に載せられたLKK団達は席を立ち、戦闘服に着替えるのであった。 カボチャ仮面と鎌と黒いマントに。 ●そんなふざけたトリックはぶっ潰す。 「フィクサードを止めて」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)はいつもと変わらぬ平坦な口調で集まったリベリスタたちに告げた。 「彼らは三高平市で行なわれているハロウィンに参加し、見た目は若いけど高年齢のリベリスタたちを攻撃するつもり。 仮装行列に紛れて近づき、持っているカマでざくっと」 「仮装してるのに相手の年齢がわかるのか?」 「リーディングを使う」 そこまでやるかね、と呆れ顔のリベリスタ。 「彼らはパンプキンヘッドの仮装をしている。フェイトの有無は確認できるけど、三高平には覚醒者も多いからフィクサードが祭りの地域に入られると追う事は難しくなる。 だからこの場所で迎撃」 モニターに写るのは、三高平市の地図。そこから少し離れた場所に光点が光る。市街に入る一本道。見通しもよく、祭りの時は人通りも少ない。戦うにはうってつけだ。 「彼らはここで車を止めて市内に入る。戦闘になれば彼らの目的を優先するため、逃げに入る可能性が高い」 「つまり、連中の足を止める必要があるわけか」 一本道とはいえ、蜘蛛の子を散らすように逃げられれば追うのは難しくなる。なんとかして彼らの気を引かないと、逃げられてしまうだろう。 「彼らは自らの思想に深く浸かっている。そこを刺激すれば足を止めるはず」 「自らの思想ねぇ」 リベリスタたちはモニターを見る。演説をする男の姿。その内容を頭の中で反芻し、なんとなく理解する。 「フィクサードの戦闘力は高くない。ただ数が多いので逃がさないように気をつけて」 イヴの視線に見送られて、リベリスタたちは顔を見合わせながら外にでた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年11月13日(日)22:08 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●LKK団がんばる 父性本能という言葉がある。 自分に比べて劣る存在を守り、愛で、そして見守る。自己犠牲を厭わずあくまで影から見守ることが大事なのだ。例え実子がなくともそういった感情や本能は存在する。母性本能が子を抱く愛なら、父性本能は成長を見守る愛。男や女など関係なく、誰もが持ちうるモノなのだ。 LKK団は規模が大きく且つ自由奔放であるがゆえに、多数の派閥を持つ。しかしその根幹にあるのはそういった父性本能。幼き子供を遠くから見つめ、守り、そしてできれば一緒に遊びたいというものである。 つまりまぁ、何が言いたいかというと……。 「ほら、おいで。楽しい玩具あげるから」 「わーい。おかしおかしー」 「ふへへ……幼女でござる……!」 「うわぁ。うぅ……怖いよ……」 「幼女パラダイスを作る為に……作るために!」 「いや……いや……来ないで……」 「ゴスロリ幼女にシーツオバケ仮装幼女。拙者の手の中で震える二人の幼女。逃れる勇気もなく、ただなすがまま。新雪を踏み抜くように拙者は無垢な少女を――」 「そこまでだー!」 LKK団にしてみれば、幼女をお菓子で誘拐しようとしたり強面の男がいたいけな少女を捕らえようとしているのを、黙って見過ごすわけにはいかないのである。カボチャ頭の10人組は各々のポーズを決めて立ち尽くす。 「ポニテ幼女萌えのカボチャレッド!」 「振り向き笑顔幼女スキーのカボチャブルー!」 以下省略。 10人のカボチャ戦隊ロリコンダーは幼女を襲う強面のお兄さんをスキルを駆使して倒しましたとさ。 シナリオ結果:大成功。 あとがき。 お疲れさまです。ロリ誘拐を無事阻止できました。さすがLKK団です。 それではまた三高平市で。 ●車の中で などと。 遠くで『кулак』仁義・宵子(BNE003094)と『自称・雷音の夫』鬼蔭 虎鐵(BNE000034)がアーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)と『剣華人形』リンシード・フラックス(BNE002684)を誘拐しようとしているところをLKK団に見つかり、タコ殴りあっている。そんな状況を遠くで見ているものがいた。 「まーたLKK団かえ! 懲りぬ奴らじゃ……」 ちなみに彼らがいる場所は『エア肉食系』レイライン・エレアニック(BNE002137)が運転する車の中。LKK団が乗ってきた車空少しはなれたところに停車し、彼らの様子を見ていた。 リベリスタの作戦は、挟撃作戦である。虎鐵がリンシードとアーリィを誘拐する演技でLKK団を足止めし、残ったものが退路を断つ形で挟撃。 LKK団はリーディングを使って対象の実年齢を調べる。そして幼女誘拐で相手を足止めする以上、誘拐されようとしている女子は本当に幼くないといけないのだ。つまりこの車の中にいる者たちの年齢は……。 「どうせわらわはもうすぐ還暦じゃ! くそぅ……」 ハンドルをバンバンと叩きながら悔やむロリババアその1、レイラインさん。 「私だって好き好んでこんな状態になったんじゃないぞ。ぶー」 その隣でむくれるロリババアその2、『雪暮れ兎』卜部 冬路(BNE000992)。色々あって実年齢は高いが見た目も精神的にも少女の冬路は、LKK団の考え方とはソリが合いそうにない。まさに天敵。けして許せぬ相手だ。 「今時のロリ子はぐるぐさんよりずっと大人なんだからねー」 『Trompe-l'œil』歪 ぐるぐ(BNE000001)は知名度の高さを隠す為に顔を隠す布を巻く。とはいえ赤と緑のオッドアイまでは隠せない。ロリババアその3。アークで(多分)最年長なお方である。 「男として全くなっちゃいないんだから」 LKK団の方を見ながら『蒙昧主義のケファ』エレオノーラ・カムィシンスキー(BNE002203)は息をつく。おのれの主張は自由である。だがそれで他人を排斥するのではただの悪党である。エレオノーラは精神を読ませないような特殊な波を発しながら、車内のリベリスタにOKのサインを送った。 この車内の平均年齢約74歳ほど(2011年11月現在)。皆見た目は若々しく、とてもそんな年とは思えない。 さてそんな彼らの見つめる先は、誘拐演技の行く末である。 「くそ……拙者の幼女パラダイスが……パラダイス計画が!!」 悔しがる虎鐵。遠のく幼女パラダイスを思い、拳で地面を強く叩く。……演技、ですよね? 「大丈夫ですか、美しき幼女さん。もう大丈夫。ハロウィンから外れてきたのかな?」 シーツオバケのアーリィとゴスロリ少女のリンシードに優しく声をかけるLKK団の一人。幼女には紳士である。 「変な大人とかいるから、気をつけたほうがいいよ」 「うわ、自分のこと棚にあげて何言うかな。……私みたいなのが言うのもあれだけど人道に叛き過ぎだわ。反旗もビックリよ」 戦闘開始と同時に離れていた宵子がつっこんだ。そんな外野にはお構いなしにLKK団は幼女を愛でつつ、リーディングで心を読もうとする。 「……あれ、リーディングできない?」 「なんだって……?」 スキルに対抗するにはスキルである。心を読むスキルも、特定のスキルで阻害されることもある。それは自らの活動を阻害する第3勢力がいるのだ。それはつまり。 「リベリスタか!」 LKK団はここにいたってようやく相手の意図に気付く。車の中にいた四人も、ここが好機かとばかりに車を降りてLKK団の逃げ道を塞ぐように道に立つ。 「車出せー!」 「ぎゃあ! パンクしてる!」 「とりっくおあ、とりーと……お兄ちゃん達の車、壊しちゃった……」 「くぅ! そんな上目使いで見つめられると許しちゃう!」 リンシードの『お願いおにいちゃん』な視線にLKK団は思わず許してしまう。ダメな大人だ。 「いや待て。車はもう一台――」 「えい」 アーリィの放った気糸が二台ある車のうちのもう一台のタイヤを穿つ。空気が抜け、バランスを崩す車。 「ちょー! 悪戯が過ぎますよ、お嬢さん。めっ」 それでいいのかLKK団。それで許すのがLKK団である。 ともあれ、LKK団の足は潰した。八人のリベリスタに囲まれ、カボチャ頭はそれぞれの武器を持ち、 「よし、走って三高平市内に逃げ込もう!」 いきなり逃亡モードに入るのであった。 ●リベリスタの猛攻 「さて……幼女を語りながら戦闘でござるよ……!」 虎鐵は鬼影兼久を抜き放ち、LKK団に向き直る。黒の刃がぎらりと光った。体内のギアを上げ、自らの速度を上げていく。セリフがもう少しまともだったらそれなりには決まってたのになぁ、パパ。 「なんだと? 幼女を語ることに関してLKK団にかなうと思ってるのか?」 「そもそも幼いと言う事は……」 「冷静になって考えると、ただの気持ち悪い人でしか無いよね」 「言うな! そんな現実聞きたくな……うぉ!?」 幼女について語りだす虎鐵とLKK団たちを見て、宵子が冷静に突っ込みを入れた。精神に50ダメージ。その隙を逃さず宵子が特攻する。自ら鍛え上げた拳を信じ、必殺の間合いで必殺の踏み込みを持って、握った拳を叩き込む。前進、前進、前進あるのみ。その気迫はLKK団の一人を追い詰めていく。 「そんでもって、ぶっ飛ばす!」 宵子の拳がLKK団に叩き込まれる。拳を意味する称号の如く、彼女は主張も戦場も拳で押し通す。 ばさぁ、と白い布を脱ぎ捨ててアーリィはその姿を露にした。おお、とLKK団の視線が彼女の姿に止まる。揺れる横ポニーがとても可愛い。 「LKK団ってなんかちょっと怖いけど……」 その視線に少し慄きながら、集中を高めて気の糸でLKK団の一人を穿つ。逃げようとしていた男の足が止まり、視線をアーリィに向けた。十歳の色白銀髪少女に、食い入る様に視線を突き刺す。 「魂が燃え滾るぜ! この熱い思いを幼女に!」 怒り状態の表現ですよ? 「お兄ちゃん……私と、遊ぼうよ……」 ゴシックなドレスを翻し、リンシードが剣を振るう。言葉はLKK団を足止めするための演技。虚ろな瞳で見つめられ、ズギューンと心臓を射抜かれるLKK団の一人が足を止める。震え荒れる剣を一度は受けるが連続で振るわれる剣戟を捌ききれない。 「やべぇ、この幼女強い!」 「ふっふっふ。では仕方ないなぁ。お兄さんも遊んであげよう」 「俺のことはいいからお前は先に行け!」 「お前だけにいい思い……じゃねぇ、苦労はかけさせねぇぜ!」 引っかかってる引っかかってる。 「いいでござるか!? 幼女は国の至宝でござる! あの守ってあげたい感がいいでござる!」 「おっさん、LKK団に入らんか? いい同士になれると思うぞ」 「断る! 確かに拙者も幼女は好きではござるが、ロリババアを差別するのはもっての他でござる!」 虎鐵はLKK団の一人と切り結びながら互いの主張をぶつけ合っていた。その気迫を刀に載せて振り下ろす。盾に振り下ろし手首を返して相手の腹を凪ぐように真横に。オーラが剣の軌跡を追いかけるように淡く光る。 「所詮、リベリスタとフィクサード。相容れぬということか!」 「いや、あまり関係ないから。そういうの」 LKK団の固い口調に、宵子は静かに否定の言葉を告げた。 ●年の功 エレオノーラは戦闘開始と同時にテレパスのジャミングを解除する。LKK団のリーディング使いはようやく全員の年齢と性別を理解した。戦闘手番を費やしてまでやることなのかそれ、と言われれば応ともと言うのがLKK団である。 「そこの三人はロリババアだ! そして……」 ぐるぐたちを指さして叫ぶLKK団。最後にエレオノーラを指差し、 「こ、こいつロリババアですらねぇ。男だー!」 「なんだってー!?」 その事実にショックを受けて怒りの表情をあらわにした。 「ねえねえどんな気持ち? ロリだと思ったらジジイだと気付いた時ってどんな気持ち?」 「神は死んだー!」 「あら意外と哲学的」 頭を抱えて膝をつくLKK団の男。失意のまま武器を持つ。感心したようにエレオノーラは薔薇の彫り物が為された投げナイフを構え、速度に任せて切りかかった。力ではなく手数でLKK団を傷つけていく。 「おのれ幼女の皮を被った悪魔め! その姿を持ってどれだけの存在をたぶらかしてきた! その罪もはや許されぬ! ここで天罰与えるが我等LKK団の使命!」 「「「イエス・アリス! ノー・ロリータ! バニッシュメント・イン・ロリババア!」」」 「ロリババアで何が悪いんじゃー! うわーん!」 冬路は泣きながらバスタードソードを奮う。逃げようとするLKK団の先に回りこみ、力任せに剣を振り下ろす。ちっちゃい体の冬路の剣が、大の大人を吹き飛ばし挟撃の間に押し戻した。 「大体なー! 私はババア呼ばわりされるほど人生生きておらんのじゃ! 体は確かに七十六才じゃが、心はまだ十代なんじゃー!」 「うわ、痛いおばあちゃんだったんだ」 「ちくしょうこいつぶっころーす!」 半泣きになって冬路は剣を振るう。 「おのれLKK団! 幻影剣、幻影剣、幻影剣じゃ!」 レイラインは怒りに任せて猫の爪のようなバールを振り回す。幻惑を生む武技がLKK団の虚を付き、ダメージを蓄積していく。傷つきながらレイラインと相対しているLKK団は逃亡経路を調べようと視線をそらす。が、 「お兄ちゃん達、とりっくおあとりーとぉ♪」 「うるせぇこのババア! その年でおにいちゃんとか言うな!」 「ほーれほーれ、お主等が大好きな仮装幼女じゃよ~♪」 「このババア、二度と口が開けないようにしてやる!」 ババアババアとうるさいわ、と思いながらレイラインは挑発に乗るLKK団に笑みを浮かべる。とにかく逃がさないことが肝要だ。あとむかつくんでこいつは殴る。 そんな混戦の中、こっそり逃げ出そうとするLKK団をぐるぐが捕捉する。戦場を見回し、冷静に戦局を見ながらぐるぐは逃げ出そうとするLKK団に声をかけた。 「LKKとやらも大したことないのですねー」 ふーやれやれ。肩をすくめてがっかりとしたポーズをとるぐるぐ。 「あんまりロリババいうからアークで最年長なぐるぐさんが授業参観に来てあげたってのに」 「は、安い挑発だぜ」 LKK団もそれが足止めの挑発であることはわかっている。とにかく今は脱出を―― 「やっぱりロリコンってのは根性もアレもスモールサイズなのです?」 「ススススススス、スモールちゃうわ!」 男の沽券に関わる単語なのだろうか。思わず足を止めて言い返す。なにが、とは言わぬが華だ。 「だって小さい子しか相手できないんでしょう?」 「違う! ロリコンとは庇護欲すなわち守ってあげたい思いが他人よりも強く出ているだけだ! 確かに小さくてすべすべしてやわらかい幼女にそういう気持ちがわかないといえば嘘になるがそれはいわゆる生物の本能的なアレであって肉体的なサイズの大小はそれとは切り離してもらいたく申し上げる!」 「必死ねー。小さい小さい」 「小さい言うなー!」 「まぁ、そんなことはどうでもいいんだけどね」 ぐるぐの放つ気の糸がLKK団の一人を縛り上げる。挑発で熱くなっていたLKK団はその糸に絡みとられ、動きを封じられた。 「畜生! 小さくないんだ。小さくないんだぞ!」 肉体的なダメージは皆無だが、精神的にきびしい一撃だったのだろう。LKK団は気糸を解こうとしながら、瞳に涙を浮かべていた。 ●逃亡 リベリスタはLKK団を前後ろで挟撃している。それは前にも後ろにも逃がさないようにという布陣だ。 しかし彼らの目的は三高平市に入っての活動。足である車を破壊されれば逃げる先はハロウィンパーティの繰り広げられている三高平市内しかないのだ。何せカボチャ頭の仮装はハロウィンパーティ以外の場所では悪目立ちする。逆に言えばハロウィンパーティ内にもぐりこめば森中の木の如く紛れることができるのだ。 「全員三高平に向かって走れー!」 「あ、やばっ!」 挟撃している為、片側の人数は少なくなる。四人のリベリスタが抑えれる数は四人。怒りに駆られたり戦闘不能になった者が二人。残った四人のLKK団はブロックを突破して三高平に向かって走り出す。 「お兄ちゃん、行かないで……」 「はっはっは。そんな目で見られたら仕方ないなぁ」 「行っちゃうの……?」 「うぐぅ。……そんなはずないじゃないか。ボクは君を見捨てないよ」 リンシードとアーリィが涙ながらに訴えて二人を足止めする。わかっているのだ。このあとの運命は。しかしロリコンという魂には逆らえない。 「逃がさないわよ。紳士なら自分の矜持にかけて背中を見せるべきではないわ」 エレオノーラが逃げるLKK団の背中にナイフを投げる。くるくると回転して背中に刺さるナイフ。それに耐え切れず地面に伏した。 「お前たちの犠牲は忘れない! この俺が三高平に入って任務をおわぁ!?」 走っているLKK団が突然何かに足を引っ掛けて転ぶ。 「あ、引っかかった」 それは冬路が仕掛けたワイヤートラップ。足元の高さに仕掛けられたワイヤーに足を引っ掛けて転ぶカボチャ頭。倒れたカボチャ頭に近づく宵子。その背中に胸を押し当てた。 「あたってる! やわらかいものがあたってる!」 「どう? やっぱロリボディじゃないと駄目?」 「いえ、そんなことは……ああ、でも小さい方が安心するかも」 「あっそ。折角このよいこちゃんが正しい道に引きずり込んでやろうってのにさ!」 身体を離して、拳を握る。マウントポジションで拳を叩きつけた。何度も何度も何度も。 「よ、よいこは倒れている相手に拳でオラオラしたりしません……」 言ってそのフィクサードは力尽きる。 残ったLKK団はリベリスタに囲まれて青い顔をする。最もカボチャ頭に阻まれ、その素顔は見えないのだが。逃亡の最大のチャンスを潰されてしまえば、もはや正面突破しかない。しかし逃亡を頭において行動していた彼らには、それが不可能であることはわかりきっている。 「さぁ、覚悟を決めるんじゃ」 レイラインが武器を構えて言う。逃亡した相手に対する追撃策を考え、トラップまで仕掛けたリベリスタとLKK団の戦意の差は歴然であった。 カボチャ頭、ふるぼっこ。 ●ハロウィンの街に 「ロリもロリババアも同じでござる! だがロリババアは経験がすごいから実は母的な包容力も兼ね備えてるのでござるよ!」 虎鐵は捕らえたフィクサードに向かって説教をしていた。ロリババアの素晴らしさを語っている。いきなり価値観は変わらないだろうが、それでも一歩ずつ歩み寄ることは重要である。 「ね、気持ちいい?」 ぐるぐは自分が捕らえたLKK団をふみながら、純粋無垢な笑みで尋ねた。ババアでなければ、と悔しそうに悔やむLKK団。 「何、思ったより地味な顔ね」 カボチャ頭をはぎ、LKK団の顔を見るエレオノーラ。その正体は何処にでもいそうな二十代の男の顔であった。連行してもらう為、アークに連絡する。 「さ、帰ってひとっ風呂浴びよ。お疲れさまー」 アークの局員がLKK団を引き取りにやってくる。大きく紫煙を吐き出してタバコの火を指で消した宵子は、軽く身体を伸ばしながら帰路についた。 他のリベリスタもその言葉と共に三高平市に足を運ぶ。いつもより騒がしいハロウィンパーティの街――三高平市に。 ハロウィンパーティの三高平市は、いつもより騒がしい。 その喧騒は平和の証。それを守ったリベリスタたちに、カボチャ頭の祝福を。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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