●三高平市営陸上競技場 三高平市はリベリスタの町である。 アーク、ひいては時村財閥によって建造された新設都市。そこにはリベリスタに限らず様々な人が住んでいる。 アークを支える人達、施設。そういった協力者達も生活しているのだ。 当然彼らの福利厚生を支える施設も存在し、これはその一つである。 三高平市営陸上競技場。そこでは日々スポーツが行われている。 市民の健全な肉体の為に作られた施設は、運動の為に毎日頑張っているのだ。 だが今日はその競技場の中、サッカー場に異変が起きていた。 そこでは見慣れない集団がアップを行っていたのだ。 彼らはシルエットのような姿をしており、はっきりと個人を認識することは出来ない。 そんな彼らではあるが、健全なトレーニングを行っているのは間違いなかった。 さらに、彼らは集まってきたギャラリーに気づくとこう言い放ったのだ。 「サッカーしようぜ!」 ●ミーティングルーム あれ? チャプタータイトルいつもと違わなくね? 「よし、みんなきけ」 集まったリベリスタ達に『黒服』馳辺 四郎(nBNE000206)はそう切り出した。 彼はいつもどおりの胡散臭い笑顔。集まったリベリスタ達を見、満足げに頷き言葉を続ける。 「今回はですね、三高平市内にエリューションが発生しまして。いや、明確な害意がある相手ではないようなのですけれどね?」 そう言いつつ四郎はリベリスタ達に資料を配る。 「今回の相手はサッカーを要求して来ている、サッカー選手の概念が具現化したE・フォースです」 どうやら今朝方出現したというその集団はサッカーをしたいと言っているらしい。 放置するわけにもいかず、なんとかしなくてはいけないのだがただ倒すのも芸がない。 「そこで今回、有志を募りまして彼らとサッカーで勝負しようということになりましてね。 完膚なきまでに試合で叩きのめした後、きっちり始末をつけましょうという話なのですよ」 普通にサッカーをするというだけならば誰でも良い話である。だがこの話がリベリスタに来たのには、エリューションである以上にとある理由がある。 「ただ、彼らはそのエリューションとしての能力を最大限に生かしてきます。 ですから、使うのですよアレを。そう、必殺シュートを」 さらっと酷いこと言ったこの人。 「ですので我々も心技体全てを生かして彼らと試合を行い、勝利して解決しましょう。期待していますよ」 超人サッカーの始まりである。 「ああ、あと今回は私も同行しますね。監督として皆さんに的確な指示を出してあげますよ、ハハハ」 おい、今なんつった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:都 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2011年11月13日(日)22:52 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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●試合開始前 三高平市営陸上競技場。 そこでは本日、サッカーの試合が行われる予定がある。 エリューションとリベリスタの全力を尽くした試合。常識を超えた戦い。 幸いにして本日の空は晴れ模様。見事な秋晴れでまさにスポーツ日和というやつだ。 サッカーグラウンドではお互いのチームがアップを始め、準備万端。 ベンチにも青いベンチが置かれ……いや、それ備品じゃない。 そこに座ったドラマティックが止まらない『いい男♂』阿部・高和(BNE002103)が熱い視線を対戦相手であるエリューション達へと送り、言った。 「やらないか」 Q.何を? A.サッカー。 よし、これで大丈夫。 何はともあれ、それぞれがアップを行い試合に備えていた。 「うゆ、キャプテンという大役。わらわに相応しいポジションじゃな」 『さくし。』久那城・姫子(BNE003131)が胸を張り試合を今か今かと待ち望んでいる。 「皆さん、精一杯援護します。」 マネージャーを務める『フロントオペレイター』マリス・S・キュアローブ(BNE003129)がエールを飛ばす。 「よし、みんなきけ」 『黒服』馳辺 四郎(nBNE000206)がドヤ顔でリベリスタ達に声を掛ける。 「相手はバランスの取れたチームです。まあサッカーの化身みたいなものなのですから、偏りが出る訳もないのですが。 逆に言えば突出した部分もありません。そこを狙っていけば勝機はあります」 そういうのはブリーフィングの時に言ってください。そういった空気が仄かに漂う。 「サッカーというものは式鬼は全く知らぬが、まあ心配はいらぬ」 なんですと。 さらっと『鬼出電入の式神』龍泉寺 式鬼(BNE001364)はルールを知らないと言ったのである。 「要は白黒の蹴鞠を敵陣の網に放り込めば良いのであろう?」 確かに大体その通りである。 「私もあんまりルール詳しくないんだけど」 「アタシも全然わからないけれど、とにかく相手より点数多く取ればいいのは確実だよね?」 なんてこった。 神代 凪(BNE001401)や『超絶悪戯っ娘』白雪 陽菜(BNE002652)もルールを良く知らない。 「テレビで見たことがあるのでバッチリです(キリッ)」 いや、キリッじゃねえよ。 『第4話:コタツとみかん』宮部・香夏子(BNE003035)は堂々たるものであったが、知らないことに変わりはない。 チームの半数以上がルールを知らないという現実がここに立ち塞がったのだ。 だがそこで四郎が言い放った。 「まあなんとかなるでしょう、どうせサッカーですし」 適当すぎである。 「まあ、あっしも学生以来でやすからね。何十年ぶりかはわかりやしませんが、精一杯やらせて頂くとしやしょう」 『切られ役』御堂・偽一(BNE002823)が体を解しながら言った。 結局のところ、全員選手でもない以上は多少の経験の差など大差はないのだ。 「それではそろそろお願いします」 審判を勤める男の言葉にリベリスタ達はそれぞれピッチへと出発する。 さあ、キックオフ。 ●前半 審判のホイッスルが高らかに響いた。 ボールはまずはリベリスタ達からとなっている。エリューション達が初心者であるリベリスタに配慮してくれたのだ。 エリューション達の陣形は3-5-2のスリーバック。 より防御を重視し、前衛はワンポイントの突破力に掛けた陣形だ。 一方対するリベリスタ達のフォーメーションは3-4-3。 こちらは攻守にバランスのとれた、もっともスタンダードなフォーメーションである。 尤もリベリスタ達はサッカーに関しては素人も同然。奇を衒っても仕方ない、といった所だろうか。 さて、試合は始まりFWである凪がボールを送る。 「それじゃいくよー!」 ボールを受け取った、同じくFWの陽菜がドリブルで敵陣地へと近づいていく。 基本的にリベリスタ達は常人より運動能力は高い。なので始めてやるスポーツでもある程度は大体こなせるはずなのだが―― 「甘いぜ!」 相手はサッカーのエリューション。ならばそのサッカーに関する能力は常人の比を遥かに超えている。 相手のDFがあっさりとボールを奪い、MFへと回す。受け取ったMF達は見事なパスワークを発揮して一気にリベリスタ陣営へと切り込んだ。 「てやー!」 香夏子がカットに入るが、やはりそこはまだ不慣れな前半。文字通りサッカーをやる為に生まれてきたエリューション選手はボールを回し、香夏子をかわして敵陣へと入り込んでいく。 「今だ、1番!」 MFがFWの一番へとボールを上げ、1番は見事にトラップ。 「挨拶代わりだ! くらえ、俺の全身全霊のギガシュートッ!」 技名を絶叫し、1番がボールを全力で蹴った。 瞬間、凄まじい電光が走る。ボールがプラズマに包まれ、圧倒的破壊力を持ってゴールへと放たれた。 「させないよ! ――浄化の光壁!」 そのシュートをGKである『フェアリーライト』レイチェル・ウィン・スノウフィールド(BNE002411)が真正面から受け止める。プラズマと光がぶつかり合い、周囲の空気がオゾン化する匂いがフィールドに漂い……シュートは見事に弾かれた。 「なん……だと……」 自信のあった必殺シュートだけに、とめられたことはショックだったのだろう。1番が呆然としているが、ボールはフリー。空中に上がったボールを即座に2番が押し込もうと跳躍する。 だが、そのボールは即座に空中から前へとセンタリングされた。 「やはり空中戦は試合の華の一つでやしょう?」 偽一が文字通り『宙を舞い』、ボールを確保して前へと送ったのだ。 翼の加護に守られたその身は自由自在に空を舞い、空中戦を制する。半ば反則にすら見える状態ではあるが―― 「……えーと」 審判は呆気に取られている。ならば問題はない、笛は鳴っていないのだから。 「機先を制されてるぞー、それでもリベリスタかー」 四郎からの野次もなにげに飛ぶ。やかましい。 「試合終わったらよろしくな!」 そんな四郎へと高和がウィンクを飛ばす。さすがに何か嫌なのか、即座に四郎は黙り込んだ。 さてはて、リベリスタが様子見、慣らしのために消極的な試合になっている間にエリューション側は次々と攻めてくる。 的確なパスに積極的なディフェンス、そこから行われるカウンター。リベリスタ達が消極的な分、守備的な布陣をしていなければ一点二点取られていたかもしれない。 だが、気配を消しては的確に相手の移動を塞ぎにかかる式鬼、中盤で香夏子や姫子が相手に圧力を掛けることでかろうじて点はとられずに時間を消費することとなった。 前半終了間際。業を煮やしたエリューション側が思い切った作戦に出た。 3番へボールが渡った時、正確なロングシュートを得意とする彼はセンターラインからシュートを放ったのだ。 「これが伝統の技だ!」 バナナシュート。カーブのかかったシュートの中でも特に変化が激しいものがそう呼ばれる。 ましてやコインも打ち抜く正確さで放たれたその一撃は、並のGKでは止めることは出来ない。 だが、そこに一人の人影が躍り出た。 「何ィ!?」 その人影は先ほどまで存在を認識出来ていなかった。フリーなエリアだと思ったからこそ、3番はシュートを放ったのだ。 「よかったのかい? 俺の前でバナナという単語をホイホイ使っちまっても」 高和はこのタイミングを狙っていたのだ。気配を消してフィールドに潜伏し、相手の必殺の一撃を打ち砕く時を。 バナナ狩り。そう彼が名づけた必殺のカットは正確に相手の軌道を読み、ボールは高和の尻へと吸い込まれるように真っ直ぐ飛んで―― 「アッー!!」 審判の笛が鳴る。前半戦、ここで終了。両者無得点。 ●ハーフタイム 「サッカー初心者に対して何かなー? さっきの野次は」 「いやーハハハ。ありのままを言ったまでで痛い痛い」 そこには陽菜にひたすらチョップを打ち込まれる四郎の姿が! ●後半 再び審判の笛が高らかに鳴った。 コートの位置を交代し、後半戦開始。 今度の先手はエリューション側。無得点で突入した後半、点を取らなくては試合に勝つことは出来ない。 そこでエリューション達が取った行動は……即攻である。 前半戦と変わらない見事なパスワーク。初心者であるリベリスタ達を翻弄するように、その技術を遺憾なく発揮してエリューション達は敵陣営へと攻め込んでいった。 「さっそくだけどそのボール貰ったぁー!」 「ぐはぁっ!」 そこにすかさずぶつかりに行ったのは凪。覇界闘士としての技と力、その全てを込めたハイパータックルは容赦なく相手の選手を吹き飛ばす。 そのままタックルを貰った不幸な6番は錐揉み状態で吹き飛び、地面に叩きつけられ――動かなくなった。 「え、え? えーと、あれ?」 あまりにも大胆なその一撃に審判唖然。普通の試合ならファールを取るところだろう。だが、余りにも吹き飛ばされた相手の飛距離が非常識すぎた。審判はそれに対応出来なかったのだ。 「だけどボールは渡さない!」 即座に4番がボールを拾い、すかさずシュートを放つ。 「バウンティシュート!」 叫び放たれたシュートは目にも留まらぬ速度の蹴り足により、反応することすら難しい。 『キャプテン、シュートがそちらを通ります!』 「ほう、まかせておけい!」 それを補うのは、ベンチから様子を見るマリスからの指示だった。ピッチ内の選手からは一歩引いた彼女は的確にテレパシーにより選手達へと指示を出せる。やはり監督なんていらんかったんや。 「目に物見せてくれるわ! とうっ!」 指示を受けた姫子が宙を舞う。事前にサッカーを学んだ――漫画で――彼女は最高の切り札を携えこのピッチへとやってきたのだ。 姫子は華麗にボールへと飛び、ボールは――見事に姫子への顔面へと突き刺さった。 顔面ディフェンス。伝統の根性技である。 確かにセービング性能は高く、ボールを最も近い位置で視認出来るため、ディフェンスの技としては理に適っているのかもしれない。だがその代償は…… 「ぶべらぁー!」 錐揉みで姫子が吹っ飛んでいき、地面へと顔面から突き刺さる。 当然である、高速で飛来する物体を顔面でとめる、ましてやエリューションの放つ必殺技である。 地面へと刺さった姫子は見事に動かなくなった。遣り遂げた顔で。 「キャプテーン!(笑)」 見守る四郎の悲痛な叫びがフィールドへ響いた。 「だが同情はしない!」 エリューションもプロのサッカーエリューションである。例え相手の選手が不幸な事故(?)に遭おうとも、試合は続いている限りボールを追い続けるのだ。 「もう一発だ!」 即効である限り、とまるわけにはいかない。1番が再びシュートを放そうと足を振り上げたその時…… 「甘いぜ! こっちを見ろ!」 「何――?」 『てるてる坊主』焦燥院 フツ(BNE001054)が1番へとかけられ、思わずそっちを見た時。フツが閃光を放ったのだ。 「うおっ、まぶしっ!」 フツから照らされるその輝きは仏の後光か初日の出か。眩しさに1番の目が眩み、シュートを打つ蹴り足が空振りする。 「貰ったぁ! チーターダッシュ!」 その隙を逃さずに、ちょっと照れながらも律儀に叫ぶ『ビタースイート ビースト』五十嵐 真独楽(BNE000967)がその素早さを生かしてボールを奪う。 『今なら相手のディフェンスが手薄です!』 リベリスタ達へマリスの指示が飛んだ。即効を狙ったエリューションは、フォーメーションを前へと上げ過ぎていた。それは格好のカウンターチャンス。 「ほらよ、ソニックブレイカー!」 ボールを受け取った『デモンスリンガー』劉・星龍(BNE002481)がチャンスを逃さずシュートを即座に放つ。 鋭い針のようなその一撃はフィールドを貫いて相手ゴールへと向かった。 「と、め、る!」 相手のGKが身構え、ボールを迎え撃ちにかかる。その体は数倍にも膨れ上がったかのような存在感を放ち、ボールを正面から受け止めた。 「うおおおおぉっ!」 凄まじいオーラのようなものとシュートがぶつかり合う。オーラが削ぎ取られ、周囲に撒き散らされ……ボールは見事に止められ、弾かれた。 「残念、もう一発! 業炎シュート!」 だが、凪が即座にボールを拾いシュートを放つ。 常に前衛としてハーフラインより前をキープしていた彼女は即座にリバウンドへと対応出来たのだ。 燃え上がるボールがキーパーの横を貫き、ネットを揺らす。 ホイッスルがグラウンドへと響いた。先取点、リベリスタ。 試合再開し、再度エリューションの先攻。 カウンターを警戒したエリューションは消極的なパス回しへと移行し、地道にリベリスタ側のゴールを狙おうとしていた。 だが、試合に慣れてきたリベリスタもまたそれに対処が出来るようになってきていた。慣れれば運動能力の高い者が多いリベリスタ、決してひけは取らないのだ。 「食らえ!」 センタリングを上げたボールを空中で捉え、2番が強烈なシュートを放つ。 「おっと、そうはいきやせんぜ!」 そのボールを偽一が自らの体を使い、カットする。シュートの衝撃は凄まじく、激しく偽一は吹き飛ばされるがボールだけはきっちりカットし、味方のほうへと飛ばしていた。 「見せ場を作りつつも被害はあっしのみ、そして舞台を繋いで盛り上げる。切られ役の心意気ってやつでやす」 叩きつけられながらも不敵に偽一は笑う。自分の仕事はしたとばかりに。 浮いたボールは式鬼の所へと飛ぶ。式鬼はそれを道剣で絡めとり、前衛まで大きく飛ばした。 「って、おい!? 反則だろう!?」 「何がじゃ? これは術の一種であるから規則には反しておらんぞ?」 思わずエリューションがツッコむが、式鬼は平然と答える。以前みた映画でも同じようなことをしていたと言い張る始末だ。 「審判! 審判!」 「え、ええ? 何ですか?」 審判に詰め寄るエリューション側だが、審判はまったく状況を認識していなかった。 さっきから応酬される超人技。ある程度は理解していたつもりだったのだが、理解を超えた試合は彼からまともな判断力を奪っていたのだ。 フィールド全体がどうしていいかわからないという空気に包まれる。その時、ボールを持っていた香夏子がベンチの方を見ると……四郎がなにやら目配せをしていた。 『えーと……いいから続けてしまえ、と監督が』 ご丁寧にテレパシーでマリスの通訳まで入る。 「あ、そう? じゃあやりますよ?」 香夏子、ルールに不明とは言え躊躇わず。 ボールを確保して攻め込み始める香夏子に、エリューション達はあわててディフェンスを始める。笛が鳴ってない以上、この試合は継続しているのだ。 「おっと、そうはいきません」 ディフェンスに回るDF達を彼女は車道鯖版徒を使い潜り抜けていく。影にアシストされ、切り込んだ彼女はパスを回した。 「陽菜さん、あれをやりますよ」 「オッケー、あれだね!」 パスを受け取った陽菜。その瞬間彼女の体から闇が噴出し、周囲を包んだ。 見通すことの難しいその闇は彼女に対するディフェンスを困難とする――夜目の利く、陽菜と香夏子を除いては。 闇に紛れ、一気に攻めあがった二人。ゴールを目前にし……必殺のシュートを放つ。 「1$スナイピングシュート!」 針の穴すら通す正確なその一撃は……見事に狙い通り直撃する。 GKの――急所に。 「ぐあっ……!」 一部から全身を貫く凄まじい衝撃にGKは動きが止まる。だが、倒れない。ゴールを守るのが彼の使命であり 「えい」 そこに寸分狙いを違えず、香夏子の渾身のシュートが叩き込まれた。GKの急所に。 ――GK撃沈。 GKが失われたゴールなどただの網である。最終防衛ラインを失ったエリューションに勝ち目はなく……そのまま大差をつけられ、試合は終了。 こうしてサッカーをやるために生まれたエリューションは敗北を知り、消滅したのである。 8-0。リベリスタの圧勝であった。 ●試合終了 「「「ありがとうございました!」」」 対戦相手の消えたフィールドにお礼の言葉が響く。 結果的に無茶苦茶な試合ではあったが、お互いに全力を振り絞ったのだ。 勝者には栄光を、敗者には敬意を。健全なスポーツとはそうあるべきなのだ。 「それにしても野次ばかりで役に立たないフォーチュナさんには焼肉でも奢ってもらわないと……って?」 ベンチに陽菜が視線を送った時、その事実は発覚する。 すでに四郎はそこにいなかった。これを予見してとんずらしていたのだ。 フォーチュナ能力の無駄遣いである。 さておき、サッカー場に平穏が戻ったのだ。 だがこれが最後のエリューションとは思えない。 スポーツを愛する心がある限り、第二第三のエリューションチームが現れないとも限らないのだ。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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