●真理の報せ かつて起こった首のない騎士による連続殺人および未遂となった事件。 そして、それから暫く。事件を調べていたフリーのジャーナリスト兼リベリスタ、白瀬 真理(しらせ・まり)が襲われた事件。 ――それらの事件の鍵となっているのが、占いの館『Wheel of Fortune』だった。 過日の件からこっち、真理は調査に全力を傾けているが、店はずっと閉まったまま。 とは言え、法を犯してまで店に侵入して家捜しするというつもりはない。 店さえ開けば、敢えて客として訪れ姿を見せてみるという手も使えないこともない。しかし……できればそれは最後の手段にしておきたいと考えていた。 「仕方ない。お店の調査はアークにお願いするとして、私は浦野香織さんを……」 ――浦野 香織(うらの・かおり)とは、最初の事件で狙われた新人OL。 それ以前の2件と、何らかの共通点があるのは間違いないのだが、血液型が同じという訳ではない。 (年齢や職業、趣味やら癖に至るまで、私が洗えるコトは全て洗ったし……) その上で、コレといった共通項はまったく見つかっていない。敢えて言うなら女性という事実はあるが、占いをしに来る客は圧倒的に女性が多いのだから、これもアテにはならない。 「……だとすると、やっぱり店で何かがあったってことよね!?」 無意識のうちに声を漏らしながら、手帳を取り出す真理。手帳には、これまでの調査結果がびっしりと書き込まれている。 その中から、これまでの被害者と浦野香織について調べたページをめくる。 1人目:40代の主婦。近所でも名が通るほどの倹約家、いや守銭奴。安い物を買うとか値切るとかに留まらず、正当な対価ですらも何かと理由をつけて払わずに済ませようとするタイプ。占いの内容は不明だが、投資相談の類ではないか!? 2人目:受験を控えた高校3年生。進学を希望するも、志望校への合格率は絶望的だったらしい。勉強のストレスか、それともこの年齢特有か、自身の意に添わないことを言われたりするとすぐキレる。占いの内容は志望校の合格云々か!? 浦野香織:新人OL。エリート志向が強く、玉の輿に乗るための努力を欠かさないタイプ。明るい性格で媚びるのが上手、人間関係に聡いという噂。アルコールは強い方ではなく、しばしば記憶が不確か。占いは……恋愛関係か!? 「仕方ない。直接当たってみますか……」 真理は、即座に浦野香織とのアポを取ると、取材の準備に向かう――が、歩き始めてすぐ思い出したように携帯を取り出した。 「おっと、いけない、いけない……アークの皆とはギブアンドテイクの契約だったっけ」 呟きながら、携帯のメモリーを呼び出す。 「あ、もしもし。今夜なんだけど、ヒマ? 浦野香織の取材、一緒に行ってみない? 大丈夫、アポは取ったから。それと情報提供なんだけど、今夜、久しぶりに『Wheel of Fortune』が店を開けるんだって。常連らしい娘のツィートで知ったの。チャンスだと思わない? 何か分かったらお互い後で情報交換しましょう」 言いたいことだけをバッと一息に告げると、真理は一方的に携帯を閉じた。 ●『Wheel of Fortune』 「……同盟者の彼女からの連絡は、以上。さっそくだけど、どちらかの希望はいる? 1つは彼女と共に3人目の標的だった浦野香織との接触。もう1つは客を装って『Wheel of Fortune』を訪ねる――どちらも直接的なキケンは無いと思うけど……」 アーク本部に設けられた1室で、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は集まった面々に向かって告げた。 「けど?」 リベリスタの1人が、イヴの歯切れの悪さに気付く。 「『Wheel of Fortune』を訪ねる方……そっちはこれまで同様、後でデュラハンの襲撃を受ける可能性がある……」 分かってるでしょう、という表情をみせるイヴ。 「時間的には取材と訪問が被るはずだから……仮に襲われるとしても、その頃には合流できるし、問題ないでしょう? それより、この機会を上手く利用して襲撃の真の動機なり目的なりを明らかにする――それが今回の最大の目的。そのために何が必要か、よく考えて手を打ってね」 イヴは、にこりともせず淡々と告げたのだった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:斉藤七海 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年11月05日(土)22:29 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●取材 そして占い 「ところでさ、あんたの血液型は何だっけ?」 「えっ、私? 私はO型だけど? ちなみに、1人目の主婦もOね。で、受験生は神経質なA型で、これから会いに行く浦野香織は……えっと、二面性のAB型よ」 合流してすぐの『ハッピーエンド』鴉魔・終(BNE002283)の問いに、ほら、バラバラでしょう? と応える真理。 「だな。だとすると一連の事件……店名にもなっている『運命の輪』。つまり占いで出た何かの転機とかの結果が引き金になっているのかも」 なんてことを考えつつ、幻視を用いて真面目な好青年を装う終。 そして、『小さな侵食者』リル・リトル・リトル(BNE001146)、『宿曜師』九曜 計都(BNE003026)と共に、浦野香織との待ち合わせのホテルへ。 ロビーで互いに自己紹介を済ませると、さっそく取材場となるレストランに入る。 「ふぅん。記者さんって言うから、どんなかと思ったら……意外と若いのね」 会う前は幾分畏まって見えたのに、席に着くなり香織の口調が砕けてきた。 (やっぱり、タダの人っすね。特に何かを隠ぺいしてる様子もないっすし……) 計都がすかさず幻想殺しを以て、彼女が何らかの擬態でないことを確かめる。 「ええ。彼らはウチの見習いなんです。私たちのような弱小メディアは、早いうちから人を育てないといけないから」 彼女の機嫌を損ねないよう、真理がへりくだりながらもインタビューを開始。まずは○月×日の行動を……と、占いに行った日のことを尋ねる。 「昔の事だから、正直言うとあんまり覚えてないのよねー」 と語る香織に、思い出せる範囲で構わないから……とも。 「そもそも、何でその日は占いなんかに行ったんス?」 リルが尋ねた。 「あの日は会社のお花見でね。初めてだったんで楽しくって……でも、帰りに少しだけ気持ち悪くなって。道端で少し俯いてたの。少しして顔をあげたらちょうど、占いの看板が目の前にあったって訳。そしたら行っとくでしょ、普通」 「そうだよね。やっぱり何かの引き合わせかも知れないし。まさに『運命』?」 終が話を合わせながら、笑顔で酒を勧める。何しろ、舌を滑らかにさせる秘薬のようなものらしいから。 「それで、何を占ってもらったんだっけ?」 「そんなの決まってるでしょ。何が楽しくて、臭いオジさんにお茶を淹れたり、コピーなんかのつまらない事を笑顔でやってると思ってるのよ。玉の輿だっけ? いつ乗れるかってね」 「うんうん。好きでもないのに笑顔ってイヤだよね☆ で、占い師は何だって?」 「それがね……素のままをさらけ出せ、だったかな。隠したままでは良くないことが、とか何とか。まったくヒドいでしょ。素が出せるなら苦労はないっての!」 「あとは……何か聞かれたっスか? 例えば、家系の話とか?」 リルは適当に相槌をうちながら、話を核心に持って行く。何か、共通のキーワードがあるんじゃないかと踏みながら。 ――そして、同じころ。 占いの店『Wheel of Fortune』では、一番手に『我道邁進』古賀・源一郎(BNE002735)が店内に入っていった。 「何を、占いましょう?」 聞いていた通り、透けるような白い肌の女性が語りかける。 薄暗い店内ではヴェールの下までは見えないものの、醸し出す雰囲気から、相当な美人であろうことが窺えた。 「日の元を歩かぬ人生を生きたが、今一度此の侭で良いか悩んでいる」 着流し姿の源一郎は、その姿に似つかわしいとは言い難い様子で打ち明ける。 「それは……『日陰者』ゆえの差別に対する悩みでしょうか」 明らかに異人なれど流暢な日本語の彼女に感嘆しながらも、首を振る。 「人生の意味……これで良かったのか、あるいはこのままで良いのか。我の人生について、此の占いを願う」 占い師は、解りましたと告げるや、続いて血液型を尋ね、その答えを待って筮竹を選び取る。 「では、あなたの祖を知っていますか?」 祖父より先までは知らない。源一郎が素直に答えると、頷いて筮竹を振る占い師。やがて……。 「わかりました。あなたの悩みは無用のもの。あなたの血脈は戦地動乱こそがより良き道。今一度、自らの心に問うのです……何を望むのか。望むなら、更なる水先案内を授けましょう」 勧誘、のようなものかとも思ったが、ひとまずは結果を受け入れてみるだけで十分とする。 そして去り際。 「興味故尋ねるが、此の世界は汝が瞳に如何映る?」 「世界? 我が身に過ぎたることは分かりかねませぬ。私の瞳に映るは目の前の未来、そしてその先のあるべき姿……」 それだけを聞き終え、店を後にする源一郎。そんな彼と入れ替わるように店に入ったのは、『百獣百魔の王』降魔 刃紅郎(BNE002093)。 ブランド物のスーツにオールバック、サングラスに金の首飾りや宝石の指輪など、きわめて派手な恰好で悪趣味な人格を演出。 「何を……占いに?」 戸惑い気味な女占い師の問いに、ギラギラとした欲望を語る刃紅郎。女、金、権力……それはこの上なく激しく、そして身勝手なこと果てしない。 「楽にそれらを得る方法を示してみせろ!」 「かしこまりました。では血液型とルーツを」 との言葉に、O型である旨と家柄の現在について答えると、例によって筮竹占いが始まる。 「近く、劇的な変化が訪れましょう。その機を逃さず掴むならば、望みは思いのまま……。ただしその手は安易なれどリスクが高い……」 「ふん……誰にでも言える結果だな。だが一応、心に留めておいてやろう」 と、あくまで傲岸な態度はそのままに、これ見よがしに車のキーを弄びつつ帰り支度。キーに付けているのは、件の騎士の留め金で作ったキーホルダー。 「……あ、あなたは……」 その留め金を見た瞬間、占い師の蠱惑的な瞳に変化が灯った。 「何か言ったか?」 (……そ、それはわが仕えし王家の…………まさか、この男が!?) 「いえ、探……ではなく、近く貴方に運命の導きがあるやも。心しておくと良いでしょう」 「楽しみにしておこう」 女占い師が何らかの行動に……確かな予感と共に、刃紅郎は『Wheel of Fortune』を後にした。 ●鍵 ――再び、浦野香織。 「家系? 確かに、そんな話もあったかしらね? でも私、親のことくらいしか知らないし」 「たとえば、身内に不思議な力を持った人がいるとかは?」 計都が尋ねる。 (新興組織を作るなら、スカウトするのが早いかも? 革醒する可能性の高い人をチョイスして、 青田刈り的に勧誘をするためとか?) 「はぁ? 何それ、エスパーとかって話? さすがマイナー記者は違うわね。それより、一体何なの、さっきから。命を狙われてるって言うから来たのに……」 嫌味な態度の傍ら、香織も不安を覚えているようで。すかさず終が料理を勧め、接待に余念がない。 「他には何か聞かれたっすか? 例えば、転機が……とか」 そこですかさずリルが突っ込んで尋ねる。 「お天気の話? じゃなくて、転機? それどころじゃないわ。あの占い師ったら、恋愛運を見てって言ったのに、お酒を止めろだの、今の仕事じゃ続かないだのとロクなこと言わないのよ。こっちもいい加減、頭に来たわ」 「もしかして、それで何かを売りつけようとか? よくあるッスよ。霊感商法みたいな!?」 「それで? 結局、何かトラブルになった訳?」 終がより具体的な話に繋げるべく尋ねるが、香織は商売っぽい話こそ否定するものの、トラブル云々についてはお茶を濁すような態度。 そこで、リルがそんな香織の胸中を読み取ろうと試み、計都はそれでダメなら魔眼で……なんて事を考えながら。 ――そして、再び占いの館。 店を3番手に訪れたのは、『さすらいの猫憑き旅人』桜 望(BNE000713)。 (やっぱり被害の3人は、みーんな思いっきり否定してそうやしなぁ……なら、あーしは少し角度を変えてどんな答えが来てもノーリアクションで通してみるんやよ) なんてことを考えながら、キラキラとした表情で扉をくぐる。 「何を占いに?」 「うーん、何でもええんやけどね……」 何となく、と言いつつ血液型はちゃんと告げる。が、祖先などの話になるとあまり……。 「なんやったかな~。あーし、猫やからねー」 曖昧な反応にがっかりしつつも、客に対しては真摯に占う姿勢らしい。 「近いうち、争いごとに巻き込まれる……と」 「ふーん、そうなんや」 (客商売やし、きっと反応してもらえないのも結構答えると思うんやよっ……) が、望の関心のなさげな態度にも動じることなく、占い師は他になければ終了ですね、と。 (あれ? アレアレ!?) 逆に望が反応に困った有耶無耶のうちに、本当に終わりを告げてしまう。 「……なんや、イマイチやなぁ」 去り際、一言を残すのと交換に、巻き込まれる――という言葉だけを受け取りながら。 そして、続いて占いに入るのは、『墓守』アンデッタ・ヴェールダンス(BNE000309)。 (誇り高き死者を操るって、随分失礼な話だよ) 胸の奥に怒りの炎を灯しつつ、彼らをちゃんと眠らせてあげたい、と願う。 そして、占いの希望を聞かれるよりも早く告げる。 「僕の将来の仕事の事とか占って欲しいです!」 「分かりました、仕事ですね。血液型は……はい、AB。ルーツはエジプトの職人? なるほど、私の所とはだいぶ違うようですね」 日本人ではない辺りに、幾ばくかの親近感を覚えたのか、少しだけ余談が多く感じられる。 そして、例によって筮竹を一捻りするや、 「貴女はやがて、デスクに向かう仕事に就くと良いでしょう」 「え、占いってそれで終わりなの? もう少し具体的にならない? だいたい、そんな竹と血液型だけでやった思い付きみたいな占いなんて、信用出来るの?」 「信じるも信じないも、それは貴女方の心の問題なのです」 「えーっ、エジプトで会った由緒正しい占い師はもっと凄かったなあ。そんな誰にでも出来るような占い、どうせ当たらないでしょ!」 「勿論、必ず当たるなどとは言いません。捉え方でどうとでもなるでしょうから」 つまり、占ってもらった人次第、と告げる。当たらないと思うなら、何を言っても当たらない……それだけの自負を窺わせる言い回し。しかし、次のアンデッタの言葉で、店内の雰囲気が一変する。 「こんなんじゃ、お金なんか払えないし! なんだよ、こんなもーん!」 テーブルに置かれた筮竹を掴んで、ポーンと床に放るアンデッタ――その瞬間。 「貴様もか! ならば1つ絶対の予言を授けよう。数日内に死が訪れん、と! 分かったらさっさと消えるがいい」 その変貌ぶりは火を見るよりも明らか。アンデッタは店を出ると、すぐに仲間たちに知らせる。スイッチを、確かに踏んだよ……と。 そこで、少し間を空けるべきと判断した『ガンスリンガー』望月 嵐子(BNE002377)は、ここまでの取材や占いの様子を踏まえての推理タイム。 すると、契約のような真似はないものの、何らかの動きを匂わせる結果は多いと分かる。 (もしかして、何かの種を撒いてる?) そして何より決定的なのは、リルが読み取った浦野香織のトラブル。 ――浦野香織は説教じみてきた占いに怒り、お金を払わず店を出たらしい。そして、後ろに何かを言っている占い師。その言葉の中身は、アルコールと共に消え去ったようだけれど。 これならアンデッタのケースと、1人目や2人目の犠牲者たちとはもう少し共通していて不思議はない。 ならば、次に確かめるべき手段は1つ。白瀬真理のケースと言えた。 ゆえに嵐子が訪れたのは、占い師が店を閉めようとする寸前。相談内容は何でも良かったが、敢えて軽く、楽しく遊んで暮らしたい……と切り出す。 そして、些細な点も逃さぬように一挙手一投足にまで注意して観察。 「スリルを求めるような生活を改めた方が良いでしょう……あとは1つ所に腰を据えた生活の方が良いかも知れません」 「ねぇ、それよりキミが占いに持ってるのは……誇り? それとも別の目的?」 「……さて? 仕事に誇りを持つのは当然でしょう? それとも貴女は誇りがないとでも?」 嵐子の挑発に、占い師も決して負けてはいなかった。 「そうだね、ありがとう。でも、やり過ぎは、良くないと思うよ。これアタシからの忠告……」 が、占い師からの返事はない。 肩を竦めながらも嵐子は、去り際に幻視で隠したままのTempestをチラ見せし、彼女の反応を窺う。 (革醒しているのなら気付くはず……) その読みは正解。ほんの一瞬。占い師の視線は確かに銃に注がれていた……。 ●戦闘 結局、取材班は最後に真理が通り一遍の話を流すように尋ね、彼女にもし誌面に出る時は連絡するとだけ伝え、ホテルを後にする。 終了寸前に計都が尋ねた『アシュレイ』や『ジャック』、『バロックナイツ』と言った単語にも、香織は大して反応を示さなかったし。 さっそく互いに連絡先を交わして白瀬真理とも別れると、8人のリベリスタは速やかに合流。ターゲットと思しきアンデッタの元へ。 そして合流するや、他への迷惑が掛からぬよう人気のないところへ……。が、その時の事。 彼らの前方には1台のチャリオット。そして後方からは2人の首なし騎士が姿を見せた。ちょうど先の2件を合わせたかのように。 (やっぱり……ただ、手下に襲わせてるのは気に食わないっス) リルの元からすかさず黒いオーラが迸る。先制の一打。とにかくチャリオットだけは最優先で叩く。 そして刃紅郎は手慣れたもので、確実に数を減らすべく闘気を纏わせ後方の騎士を叩く。 「仕方ねーか」 終はフットワークを最大限に発揮し、後方の騎士たちを立て続けに貫いた。 そして望の足許からは影が伸び上がり、彼女自身を守るように立つ。 (あーしの実力じゃ、突出する訳にも行かないし、やねっ) そうしているうち、ターゲットのアンデッタに向け、チャリオットが突進。先に動いた者たちを除き、リベリスタたちを悉く轢いてゆく。 それを喰らいつつも精密な射撃を以て応じる嵐子。戦いの緊張が体内で恍惚に変わってゆく。 「これまでにも幾度か遭遇しているんだったな。どれほどのものか、見せて貰おう」 源一郎の無頼の拳。問答無用の強烈無比な一撃、チャリオットを牽く首なし馬に叩き込まれる。そしてほぼ同時に、計都の元からは式神の鴉。そして主たる標的のアンデッタの元からも同様。 一方で後方の騎士たちは近くに来た者たちを中心に、隙あらば……と嵐子を狙う。 こうして、さすがにチャリオット付きという事もあり、それなりに苦労は強いられたものの、懸命の応戦を経て、騎士たちを撃退――それ自体は、まさに刃紅郎の言う通りの結果。 状況だけを見るならば、標的となった2人を始末すべく遣わされた、と言えよう。 ●これから 「さて、どうしたもんかな?」 終が言った。 途中、現れたゲートのような物には、騎士に先んじて飛び込もうとした所、寸前で閉じてしまい達成はならず。 「でも、もし占い師が黒幕とするなら、こうして集まってるトコ見られたよね?」 とアンデッタ。でも、その胸中にはこの心配より別の事が過ぎっていた。 (良かったよ。これで占いの彼女が無実だったら僕、チョー最悪だったもんね) 「だとすると……今度は向こうから動く、か?」 源一郎は微かに心躍るのを感じていた。やはり修羅場を生き抜いて来たが故か!? 「にはは♪ 何にしても襲われたのはやっぱり占いのせい、ってことやね。占いは当たるも八卦当たらぬも八卦。力を抜いて聞くのが一番やね♪」 望が安堵の息をつきながら告げた。 ――結局、全ては自分次第。そんな想いを胸に抱きながら。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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