●とある人里離れた山中にて 「ぴ?」 ころろん、ころん。 ふかっと白い羽毛がつつむまんまるが、同じく桜色とライムグリーンとスカイブルーのまんまるから滑り落ちた。 「ぴよ?」 つぶらなおめめしぱしぱ、体ごと首を傾げるように傾ければ、ころろんと他の仔が寄ってくる。 「ぴよぴよぴよ~」 4羽は黄色、鳴き声からすると非常に正しい色ですな! 「びよッ」 うち1羽はぶさかわ系。濁る鳴き声とほっぺをひっぱったようにたれた目が……あ、愛らしいといえんこともない、ザ☆マニアック。 ぎゅむぎゅむぎゅむ。 寒いのか小さな生き物らしく身を寄せ合って、8匹はぴよぴよよ。籠に入れればそのままカラフルなマカロンっぽくておいしそうだ。 まぁ、こいつらが入る籠とは相当巨大なわけですが。なにしろ直径50cmのまんまる、大人でも一抱えは優にある。 ところでですね。 そんなふかもこまんまるを狙う、良くない化けものがいるわけですよ。 研いだ爪で『カシュッ』とひっかいて破いちゃいたいらしいんですよ。 ――許せんな! ●ブリーフィングルームにて 「……ですので、皆さんでE・ビーストを倒して来て下さい。そしてこのぴよぴよさん達を元の世界に返してあげてください」 『運命オペレーター』天原 和泉は(nBNE000024)が示す資料には、野犬から変じたであろうE・ビーストが4匹。 フェイズ1にしては耐久力が多少は高い物の、攻撃は単純で爪でひっかいてくる程度。 ただし。 「奴らの狙いは、このぴよぴよアザーバイド8匹です。そして8匹は耐久力は雛鳥らしくないものの……アザーバイドらしく、強いです」 どんな攻撃かと問われれば、和泉は「目からビームです」と返した。 びーってでるらしい。 つぶらな瞳から。 「当たるとダメージと共に『ショック』状態に陥ります」 確かに色々と心にずどんと来るだろうさ。 「ぴよぴよさん達は最初、恐慌状態に陥っています」 突然野犬吠えつかれて怯え固まっているところに皆は駆けつける。 最初はE・ビーストと助けに来た皆の見分けがつかずビームは無差別に飛ぶ、が、 「E・ビーストからの攻撃を一度でも『かばって』あげれば、皆さんを味方と認識し攻撃行動をやめます」 リベリスタ側が1人でも護れば「なんかこの人達は味方っぽいぴよ」とまとめて認識してくれる。 たが、彼らは一個体それぞれに意識があるので、庇われていない仔は相変わらず無差別攻撃をしてくるので注意。 「更には、一度でも攻撃を喰らうとぴよぴよは破れてしまいます」 カシュッ! ぷしゅるるる~。 和泉は風船に針をさす仕草をしたあと首を振った。 「目の前で仲間が殺されたら、落ち着いていた仔もまた恐慌状態に陥ってしまいます。どうか1羽も欠けることなく、元の世界に返してあげてくださいね」 お願いしますと頭を下げた後で、そうそう、と彼女は地図に丸をつけて1人に差し出す。 「……この辺りにですね、人が来ない穴場の元キャンプ場があるんですよ。よく私も使わせてもらっています」 アウトドアが趣味な娘は、眼鏡の奥の瞳を柔和に細めると締めくくる。 「野犬を倒した後、しばしここで別れを惜しむのもよいかもしれませんよ」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:一縷野望 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2011年10月23日(日)22:17 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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●ぴよぴよレスキュー隊! 山肌が、爽やかな青葉が暖か色の黄や熟しの赤に姿を変えるこの季節。ついお出かけしたくなりますね。 ところで。 さっきからスゴイ勢いで警報音が鳴ってますよ、踏み切りのあの音を8つほど集めた感じで。 ぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよ! ぴぴぴっビよぴよぴよぴよぴよぴぴぴぴよッ! ぴよぴよぴよビヨぴよぴよビヨぴよぴよぴよぴよビよぴよぴよッ~! 悲鳴の主のカラフルひよこさん(直径50センチ・まんまる)を囲むのは、邪悪な表情で唸る野犬4匹。 みんな爪が異常なぐらい発達していてすっごい長くて尖ってます。お腹から内臓げろぐちょはみ出させてる奴がいたりします。 悪そうです。 どう考えてもこっちが悪者です。 「きしゃー!」 なんだか妖鳥っぽい叫び声をあげて1匹野犬が地面を蹴ったぞ。もちろん目的はひよこさん、ライムグリーンの美味しそうな仔だ! 「ぴよ達には指一本触れさせない」 それよりはやく、ぴよぴよと同じ翡翠が一閃! 『angel's knight』ヴァージニア・ガウェイン(BNE002682)が割り込んだ! 「ぴ?」 ぴよが状況を理解する、前に……目にも止らぬ幻めいた軌跡がはみ出す臓物を掻いた。それに続くように『Kryl'ya angela』エレオノーラ・カムィシンスキー(BNE002203)の金属棒が薙ぎ払うように殴打する。 「あたしは偏にひよこさんをもふもふする為に……倒す!」 きりっ。 毅然と立つエレオノーラに、先陣切った『エア肉食系』レイライン・エレアニック(BNE002137)がふっと笑う。 2人足して139才とは到底思えない思えない瑞々しくも麗しい……ごめんなさい、そういうことは言いません。 「ぴよぴよのとこには絶対に行かせな……へ?!」 颯爽と駆け付け2匹目に惑わしの剣を斬り入れた『ハッピーエンド』鴉魔・終(BNE002283)は、恐ろしい光景を目の当たりに、した。 「「「ぴよ!!」」」 黄色4匹がまんまるっちー顔をあげれば、つぶらなおめめが七色の光を帯びる。 びー。 びー。 びー。 「ギャン!」 襲いかかった野犬にざっと3ビーム、焦げ焦げの穴だらけの奴はもう既に棺桶に片足つっこみなう。 「びよっ」 「すっげ……うぼわぁ~」 びびー。 ちょっと遅れたぶさかわのビームは終の脇腹に着弾、痛い。体もそーだけど心が特に、イタイ。 「はは……ぴよこの瞳は100万ボルト……」 頭でぴよぴよひよこがくるり。 「ん! 守れるよう頑張る」 ショック状態の彼の隣で『蜥蜴の嫁』アナスタシア・カシミィル(BNE000102)別の野犬をフレイルでがつん。 「ぴよちゃん達、もう怖くないですよぅ」 ビームを出しながらも怯え震える3羽の雛鳥(ぶさかわはなんか脇へ転がってます)に『ぴゅあで可憐』マリル・フロート(BNE001309)は安心させるように優しく声をかける。 「あたし達がわるいわんこから守ってあげるですぅ」 固まる内、僅かに小さい1匹の前に立ち手を振れば、『百の獣』朱鷺島・雷音(BNE000003)とエリス・トワイニング(BNE002382)が残りの黄色2匹のカバーに廻る。 「大丈夫だ。君たちはボクたちが守るのだ」 「……ん」 野犬たちがうなり声を上げて威嚇する間に、次々と見知らぬ疾風がぴよぴよさん達の元へ辿り着いていく。 「安心してね」 桜色の仔の前に立ったのは『大食淑女』ニニギア・ドオレ(BNE001291)だ。飛びかかってきた野犬に腕を噛ませながら、無事な手は柔らかな桜をなでこなでこ。 「ぴ、ぴよ……?」 すり。 懐くように身を寄せるふかもこを、ニニギアは壊れものをを扱うようにそっと抱き上げた。 「誰も欠けることなく元の世界に返してあげるよ!」 怯えるライムグリーンにヴァージニアが微笑みかける脇、スカイブルーの仔が抱え上げられる。 「ぴよ?」 「勇者が来たからにはもう大丈夫なのです!! 護ってあげるですよ」 不躾な野犬は荘厳なるゆうしゃのつるぎで叩き落とすようにガード。『勇者を目指す少女』真雁 光(BNE002532) は震える青空ににっこり。 ふわもこピヨちゃんとハイキングでキャッキャウフフ。 ……そんな簡単なお仕事だと勘違いしていたこともありました、てかこの瞬間までそう信じてました。 そんな『宿曜師』九曜 計都(BNE003026)に、涙をためた純白っ仔からビームが刺さった。 「ぎぃぃやぁぁあああ!!!」 (まさにエンジェルバード……!) 計都の悲鳴を背景に『ダンディ雷音』ガルフォード・ハウエル(BNE003065)は、ふかふかで愛らしい声の雛鳥に想いを馳せた。 「てゆか、ひよこがビーム撃ってくるとかっ?! むしろ、あたしが庇ってほしいッスよ!!」 ――ああは言ってるが、計都はまだ耐えられる。 癒し手としての判断も的確に……金髪紅眼のダンディは跪き純白の天使に「大丈夫かな」と深き声で語りかけた。 「ぴ?!」 「我々が必ず守るので、怖がることは無い」 ガルフォードは紳士の中の紳士、驚き瞳をしぱしぱさせる純白をむやみと怯えさせないようにノータッチだ。 「てて……」 ビームで焦げたおしりを撫でる計都と、 「びよ?」 ぶさかわなアイツの目が、あった。 ●悪いわんころは駆逐だー 「もうぴよぴよのとこには絶対に行かせないよ」 終含め達4名の攻撃組は野犬を阻みつつ攻撃を加えていく。 うん。 上手くカバーするとだな、確かにぴよぴよさんが破かれる危険は著しく減るわけだが。 びー。 びびー。 びーびーびー。 「にゃぎゃー」 「ひぃぃ!」 かばわれたと認識しない仔は変わらずビームを打ってくるわけで、飛び交う悲鳴悲喜こもごも。 だが野犬は1匹減り2匹減り……。 「怖くない怖くないわ~」 「ぴよ~」 一度かばわれたすっかり落ち着いた桜抱くニニギアは後退、比較的安全な場所から喉を震わせ味方を癒し、エリスも追随。 「なーんか残念な感じの子ッスね?」 かこん。 なんか頷くような仕草してぶさかわが計都の元に転がってきた。 「てゆか、微妙に仲間の輪から押し出されてないッスか?」 自分で零れてた気もします、でもなんかおちこぼれシンパシー 「びよ子は、あたしが守りぬくッス!」 ぎゅむっと母性愛、弱点は豊満じゃない胸。 ところで、びよ子ですが。 びー。 ビームで満身創痍の野犬をうったぞ! 「よぉし、合体攻撃だ!」 「ぴよ!」 ヴァージニアの腕でライムグリーンの仔も力強く鳴いた。 「可愛いは正義だ、ジャスティス・ぴよ・キャノン!」 びよ子の攻撃を後押すように追い打ち、3匹目の野犬がダウン。 「ありがと!」 満面の笑顔でサムズアップ、最後の1匹へと終は走り込む。 負けを悟った火事場の馬鹿力、野犬は強引に前衛を振り切りひよこの元へ突撃してきた。 「……ッ! スカイブルーって響きがカッコイイですよね!!」 だがそいつの攻撃なんのその。 背中を引っかかれてもゆうしゃは笑顔。そんな光に腕の中の空ぴよも誇らしげに「ぴよ!」っと鳴いた。 「ぴよちゃん達には触れさせないのですぅ」 これ以上は寄せ付けぬとマリルの矢が額を貫き、 「ひよこのためにも、頑張ってくれたまえ」 ガルフォードはエレオノーラへ癒しの息を吹き付ける。 「柴犬だったらちょっと危なかったけど、容赦しないわ……これで最期よ」 朽ち十字が空を斬れば、忌まわしの野犬は首を叩きおられ動きを止めた。 ●れっつもふもふ☆ 「みんな、お疲れさま! 無事に守れてよかったね」 8匹の無事を寿ぎ、ニニギアはみんなの怪我を唄声で治しきる。 さてさて、ぴよぴよさんを連れて和泉さんオススメのキャンプ場に移動です! 「可愛い。このぴよぴよ可愛い!」 時に回復手や深手の仲間を庇っていたヴァージニアは、ここぞとばかりにライムクリーンをもっふもふ☆ 「こんな大きなひよこさんをもふもふできるなんて……」 ぴよぴよぴよ。 エレオノーラが抱っこするのは自分の髪色にそっくりの一番淡い黄色の仔 「神は信じてないから運命に感謝するわ」 「ぴよよ?」 もふ。 へにゃ~。 緩んだ顔にくすり笑い声。アナスタシアの屈託のなさに膨れつつも「ほら一緒に」と淡色レモンをもっふり手渡す。 「コワかったよねぃ、すぐ故郷に帰れるから安心するんだよぅ」 「ぴ~♪」 ぱたぱた。 まんまるから小さな翼をはためかせ、ちょっとエレオノーラの羽根を真似てみたり? 「ああ、ぎゅっと抱きしめたい……然し気を付けないとはじけてしまうのだったね」 苦悩するガルフォードを遠慮がちに伺っている純白っ仔。 まどろっこしいとレイラインが見本を見せるべく、胸にぎゅー。 「ふふ、高速もふもふを喰らうのじゃ~♪」 もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ☆ 「ああ、そのように激しくは……!」 しかしガルフォードの心配も他所に、 「ぴ~よ~♪」 白羽根まんまるは幸せの唄で応えた。どうやらこの世界のひよこというか動物全般より頑丈な様子。 「まさしくプリティデビル」 ダンディ紳士の膝の上でおめめしぱしぱ、ぴっ♪ 「ぴよちゃん達はこっちの世界に冒険に来たのですぅ?」 「ぴ~よ?」 マリルの問い掛けに返るのはのんびり声。危険なエリューションもいるから気をつけての言葉に「ぴよ!」と体全体を前にゆらす。 通じたのかな? とマリルはポケットをごそごそ。 「雷音ちゃん、ぴよちゃん達ってこっちのひよこと同じもの食べ……」 「ぴよぴよ、ぴよ?」 黄色い子とおでこをもふっ、お話し中の雷音にゆるり柔らかな笑い声。 「いや、違うのだ! ちゃうねん! なのだ」 じたばたじたばた、恥ずかしがって言い訳するのにますます深まる笑み。 「気持ちはきっと通じてるとあたしも思うですぅ」 地面に撒いたトウモロコシをぽりぽり、2人の少女は黄色い子2匹をもふもふなでなで。 「ひよこたちと……もふもふ?」 楽しげな2人に問い掛けるように小首を傾げるエリスにあわせ、腕の中のレモンもかくん。 「エリスちゃんとぴよちゃんもこっちなのです」 手招けばエリスもとことこ近づいてくる。 いーい? と許可とり3匹がトウモロコシを啄む様をデジカメにカシャリ☆ 「はわぁー……幸せです。まんまるでふわもこで……」 きゅー。 光が抱きしめれば。 「ぴよっ」 蒼天が澄んだ声で返す。 そしてすりすり。 「ぴよ~」 「なんですかボクに何を求めてるのですか! もふもふしてもいいでのですか!」 全力でYESだと思うぜ! はわーはわーはわーと光がもふもふ空間に突入する傍ら、計都はびよ子に上着をかけた。 「びよっ」 地面に撒かれた餌をつーてんつーてんつーてんてんてんてん。 無心についばみたまに「びよ」 顔をあげてまんまる体を揺らしても、どーしてもたれめぶちゃいくは否めない。 「ぴーよぴよ」 発声練習、母の愛。 仲間はずれにならないように、ならな…………。 「ぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよ!」 あ。 他のがなんか寄ってきたぞ。 「びよっ」 「ぴぴ」 「ぴよぴよ」 「ぴー」 「びよっ」 「ぴよ~♪」 実はとっても仲良しさん、むしろ個性がうけて人気者? そんな様に母計都はうんうん嬉しげに頷いた。 「どの子もかわいいねっ」 ずっとずっと撫でていた桜色の仔も合流し8匹は楽しげにぎゅむぎゅむ。 群れる子全員を順番に撫で撫で、ニニギアはそれぞれちょっとずつ違う撫で心地を堪能する。 「ふわふわだわっ ほよほよだわっ」 全力で癒されるニニギアの隣、終がしゅたっと手をあげた。 「先生、自分はぴよぴよにぎゅむぎゅむされてみたいです!」 つまりですよ。 マカロンの如く寄り合っていたあの中に、混ざりたいって事ですね! OK! 「ぴよ~」 体育座りをする終のそばに、まず近寄るはびよ子。続けて黄色3匹に、スカイブルーが元気にいった! ライムグリーンと羽根つなぎ桜の仔が終の肩に、ちょっち重くてもキニシナイ。 最後は内気な純白さんが、おひざにもふっ。 もふもふ。 もふ。 ふかもふ~。 「えへへ、ナカーマ」 照れたように笑うところも、エリスがカシャリ。 「ほう、マシュマロも食べるのか」 終の手からふかふかマシュマロをつつくのに、ガルフォードは感心したように瞠目する。 「いっぱい食べて大きくなぁーれ☆」 「おっきくなったらニワトリさんみたいになるのかなぁ?」 それはそれで可愛いとのマリルにエレオノーラは優美に笑う。 「そうね……貴方達の世界にはでっかいニワトリさんもいるのかしら?」 エレオノーラの指にじゃれる様に、そのまままんまるがいいとは終。 「ほんに可愛いのじゃ」 「だねぃ」 レイラインとアナスタシアも護れてよかったと頷く。 「あったかいね」 ヴァージニアがもう一度膝にのせるたのはライムグリーンの仔。 柔らかな感触、確かな温度。 ……胸に去来するは、星に憧れた少女の掌。 彼女もアザーバイド、二度と逢えないけれども掛け替えのない、友達。 頬をのせればふかっとした感触と共に元気な鳴き声がぴよぴよ返る。 大丈夫。 この仔達は元の世界で大きくなるよ……ちゃんとキミ達が護ってくれたからね。 ●ばいばい タイマーをセットし、8匹と12人は電子データにおさまった。 ――名残惜しいけれど、そろそろお別れ。 「最後にもう一回だけぎゅっとさせてほしいのですぅ」 「ボクもだ」 いい? とマリルと雷音が問えば、一番懐いていた仔2匹が胸に飛び込んできた。言葉は通じない、けれど気持ちはわかる……きっとそう。 「びよ子……強く生きるッスよ」 「びよっ」 そっちもな。 そんな感じで差し出された羽根で握手の計都。 「ばいばい、ありがとう!」 とっても可愛かったとニニギアが言えば、ぴよぴよ達は口々に「ぴよぴよ」と。 もうどの声がどの仔かわかるぐらいにみんなは彼らとふれあった。だから名残惜しさもひとしお。 「泣いてなんていないのです。勇者は泣かないのです」 碧天抱いてきゅっと目を閉じる光に「笑顔で見送ろう」と、ガルフォードが優しく諭す。 「そうだね、寂しいけど皆、元の世界に帰るのが一番の幸せだもんね」 「うう、はいなのです」 ヴァージニアの言葉に顔をあげ、光はスカイブルーの仔を地面におろす。 「ぴよっ」 ゆうしゃとして恥じぬように、そう言われた気がした。 「仲良くするのじゃぞ」 「大きくなるんだよぅ」 剣となりて護ったレイラインとアナスタシア、その隣でエリスは手を振り始める。 ……1羽1羽、元の世界へ飛び込んでいく。 ……ちっちゃな翼をちたちた羽ばたかせて、そんな仕草に「最後まで可愛いんだから」とニニギア。 「貴重な体験だったけれど、あまりこういう事がない方がいい、のよね?」 全員が無事帰ったのを確認し、エレオノーラは行き交う道は壊す。ちゃんとここまでがお仕事です。 「ぴよぴよ最高! ぴよぴよフォーエバー!」 ……バイバイ☆元気でね♪ 終の弾けるような笑顔に背中を押され、みんなも破顔一笑。 ――ありがとぴよよ☆ |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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