●王者の凱旋 「遂に、この時が来たか」 その声は厳かだった。ほんの一部しか写っていないにもかかわらず、その全体像は容易に想像できる。規模、形状、存在感。それは人類が今まで遭遇してきた「それ」のサイズとしては、酷く一般的にすら思える。だが、それだけだ。 だが、サイズなど「それ」が在るという事実の前には小さい問題だ。それは存在だけで厄災。かつての死の使いとして標榜されなかったのか不思議ですらある。 「残された戦力は僅か。このまま待つに徹すれば、何れこの国も逼塞する」 何かすげぇかっこいいこといってるけど、そのフォルムで言われても今更感満載でもうこっちとしてはどうすればいいの、とは思う。結論決まってるんだろうし。 「では」 「うむ、準備せよ。総力戦だ」 傍らに僅かにすげぇの見えた。……マジかよホイホイ買って来い。 ●殲滅戦です 「セブンスレイ……ああいや、セブンレイズか? 兎に角、そんな感じの通名を持つアザーバイドとの戦闘は、今回が概ね最後になるだろうとアークは踏んでるらしい。けど、ラストだぜ? あちらさんも敵兵フルスタックで突っ込んでインベイジョン・オア・スーサイドみたいな感じで来てるってこった」 直訳するなら『侵略か自滅か』というところだろうか。このフォーチュナ――『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)も直接関わっていたわけではないだけに、表情にはやや暗いものが落ちているように見て取れた。 「ここに集まってもらったお前らは、直接アザーバイドと対峙することはない」 伸暁のなんてことのない一言に、リベリスタ達は快哉を上げた。そりゃ、そうだろう。大型のアレと何度も戦うなんて、正直願い下げだ。 「ただし、別種のアザーバイドとの接触と、共闘に近い行為は不可避だ。お前達の役割は、メインで戦う班のバックアップと戦後処理が中心となる」 ガッツポーズを半ばまで上げたリベリスタの動きが固まる。振り上げた拳が小刻みに震えているが、ここは天下のアークのブリーフィングルームだ。どこに振り下ろしても大丈夫だろう、多分。 『別種のアザーバイド』。この意味を飲み込めた一部のリベリスタは、先に増して震えを起こしている者も見受けられた。当たり前か。ある意味アレよりおぞましいし。 「まあ……会ったやつも居るんだろうな。アザーバイド『曹長』、スパイダーなフォルムでヒュージ・サイズなヤツだけど、今のところ人間に対して害意は無いらしいから、そこは安心していいだろうな」 安心できるんだろうか。不安を満面にしたリベリスタ達の思考を見透かしたように、伸暁は続ける。 「主な行動は『曹長』との意思疎通によって戦場周辺の被害を比較的抑えることと、戦場に現れる『下位種』――言っちまえばごくごく普通のアレを残らず殲滅すること。メインの班の戦闘の影響で、際限なく現れると言っていい。で、戦場がここで、侵入経路がこことこことここ。お前らには、三班程度に別れてもらう。『曹長』には一番通路が広いここに陣取ってもらいたいが、そこはお前達の腕の見せ所だな」 そんなこったろうと思ったよ――そんなリベリスタ達の魂からのため息が聞こえた気がした。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:風見鶏 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2011年09月24日(土)23:27 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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●既知との接触 三高平倉庫街外縁、迎撃経路・1。 アザーバイド『曹長』の出現位置にほど近いその場所には、『七色』撃退作戦の別働隊が集結していた。 というのも、その経路に於いて『小さな侵食者』リル・リトル・リトル(BNE001146)が提案した仕掛けがそこそこ大規模であること、予め全員の顔が割れている状態であることが望ましいこと、『曹長』への忌避感が少ないものが割と多数であること、などが挙げられる。まあ、一番目の理由は補助的なものでしかないのだが。 「蜘蛛さんはかわいいと思います。ここにいると危ないよってつんつんすると、移動した後でちょっと様子をみるようにじっとする姿は小さな子供みたいですよねっ」 そう力説するのは、経路2での作戦行動に参加する『のんびりや』イスタルテ・セイジ(BNE002937)。いや、普通の蜘蛛にそこまでフレンドリィに接することができる辺りパねぇと思うのですが。 「蛛さんは純粋にかっこいいと思うのじゃ。ものすごく強いみたいだし」 経路1、『不誉れの弓』那須野・与市(BNE002759)は語る。彼女に関しては、純粋に強さへの憧憬もあるのだろう。自らの卑下がそれとなく混じってしまう部分もあるが、それはまあ、致し方ないと言うべきだろうか。 「あれもあれで不気味じゃあるが、うまい事共闘できりゃ御の字だな」 上手く割りきって戦場に現れたのは、『男たちのバンカーバスター』関 狄龍(BNE002760)だ。そう言えばこの人、先日妖精と組んずほぐれつがあったそうですが調子は大丈夫なんでしょうか。大丈夫ですね、うん問題ない。 リベリスタ達がなんやかんやしていると、突如、彼らの前の空間が引き歪み、アスファルトが溶け崩れた。中から現れたのは、圧倒的な質量を誇る前肢。続いて、顎を始めとした頭部、腹部を経てその全身が顕になっていく。 便宜名『曹長』。『七色』と同じ世界に存在するアザーバイドであり、同時にその天敵でもある強力無比なアザーバイドだ。 (何やら騒がしいとは思っていたが……よもや、また見えるとはな) (初めましてっス、曹長さんで間違いないっスね) 曹長が出現するや否や、「やーん、曹長さん、かわいい」などとのたまうイスタルテはさて置き、彼の思念を通常言語として捉えたリルが一歩前へ歩み出る。交渉要員として唯一と言える彼女の交渉如何が、この作戦の成否を半ば分けているとも言えるだろう。 (滑稽な名。それは私の事か? 私には「(聴取不可)」という名があるのだが……貴様等は、知らぬな) (リルはリルっス。後ろに居る人たち共々、曹長と協力したいと思ってるっス) (……面白い事を言う) 「……大丈夫、かな」 「大丈夫でしょう。アシダカグモはああ見えて実際結構な益虫です。この曹長も信用に値すると思いますよ」 心配そうに状況の推移を見守る『ゼログラヴィティ』星川・天乃(BNE000016)と、それに応じる『デストロイド・メイド』モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)。こと、天乃はマントと仮面を装備し、完全防備を決めている。『七色』との戦闘経験が豊富な彼女なりに構築した護身術は、間違いなくこの状況を打破できると踏んでのことだろう。 「ところで、私みたいな銃器持ったメイド少女が害虫駆除って、何処かで聞いた事のある話ですね」 そう言えば一昔前にいらっしゃいましたね、そういうの。モニカさんの矮躯で言われると実に……実に合ってますね、グッドですね。 (だが、奴らは放っておいて可いのか? 暫しすればここに辿り着こう。私が行かねば) (大丈夫っス。リルたちの仲間が倒しにいったっスから。こっちが終わったら確認に行くッスよ) 懐疑的な思念を纏いつつも、曹長の目は既に緑でその半数が染まっている。ひとつだけ灯していたセカンドコンタクトと比べれば、圧倒的安全状況と言えるだろう。彼とて、こうくり返しボトム・チャンネルに足を運べば心変わりや慣れも発生するのかも知れない。 (……仕方無し。信じておくとしよう) その思念を最後に動き出した曹長を見て、リルは仲間に向けて深く頷きを返したのだった。 ●迎撃戦、用意 迎撃地域・経路2。 ぽつりぽつりと、餌と棒を立てて回る作務衣姿は、『食業守護者』土器 朋彦(BNE002029)のものだ。口元は柔らかく上弦を描き、今回のメンバー中では尤も柔和であろうと、アークの職員も揃って旨をなでおろしていたが、そこは天下のアークのリベリスタ。そう一筋縄キャラであろうはずもない。 「足手まといにならない様に頑張りますね」、と丁寧に頭を下げた『悪夢<不幸な現実>』稲野辺 雪(BNE002906)に対し、「大丈夫だよ」と彼はいう。 「僕は理論上、三十分はフレアバーストを打ち続けられるからね。任せてくれないか」 ぞくり――と。雪が感じた寒気は決して冗談の類ではないだろう。笑っている。確かに朋彦は笑っているのだ。しかしその眼の奥に感じる意思は決して生易しいものではない。恐る恐る彼の胸元を見た雪は、何となく、本当に何となくだが納得した。 焙煎機。コーヒー豆を煎る為の機械を取り込んだ外見の彼にとって、「あれ」はどんな存在かなど考えるまでもない。 「何だか賑やかだな……まあ、いいが」 そんな二人を上空から観察しているのは、『普通の少女』ユーヌ・プロメース(BNE001086)だ。彼女は、自らが汚れることを嫌って上空へ飛び、戦いに挑む形になった。そりゃまあ、誰だって汚れたくはないし、対策ができるなら是非して欲しいと思う。彼氏持ちならなおのことということで。 「こちらは連絡が取れました。出来れば、取りこぼしがないように頑張りますので……何とか食い止めましょう!」 イスタルテのそんな言葉に応じるメンバー。波濤の気配は、徐々に近づきつつある。 「曹長ばかりに目立たせはしません。デストローイ」 圧倒的な質量、確定的な余裕。両方を携え、モニカは経路2のド真ん中に陣取った。物理的破壊のホープ、一撃殺虫デスメイドはやはり格が違ったようだ。 だが、そんな圧倒的火力でも、次々と現れる蟲の波濤の前には完全とは言いがたい。 「モニカさんの攻撃の死角を狙えれば問題ないよね……」 両手いっぱいの買い物袋にホイホイを詰め込んで、『気紛れな暴風』白刃 悟(BNE003017)は彼女のやや前へと陣取った。モニカの切り札は全体攻撃。視野と彼我の判断が主となる攻撃であるがために、予想外には対処が難しい。だからこその連携であり、対処なのだ。悟の初依頼が「これ」であるのはちょっと可哀想だが、アークが提供する比較的簡単なお仕事と割り切ってもらえれば。本当に「簡単」だとえらいこっちゃなんで。 「齧られても死にはしねえのに、なんであんなに気持ち悪いんだろうなあ」 携帯の通話状態を確かめ、狄龍は心底不思議そうに自分の感覚へ疑問を持った。病気の媒介になることは少なくないかも知れないが、だからといって取って食われる手合いではない。少なくとも、成人は。 「数が揃えば、相手に不足は、ない」 仮面の奥から、静かに天乃の声がした。マントを羽織った彼女の姿は正に死神。これから起こるであろう波乱をその身一つで表現しているといって、過言でなかった。 ●波濤 「本隊から連絡が来たのじゃ! 衛士一体の撃退を確認したらしい! 余裕が無いらしいから、気を張って対処すべきかもしれんのじゃ!」 曹長に和菓子を出し、和やかに進めていたリルだったが、余市の報告を聞き、即座に準備態勢に入った。……といっても、彼女の仕掛けは九割が完成しており、あとは適宜仕掛けに沿って動けばいいだけである。 曹長の位置の更に前、後衛である『食欲&お昼寝魔人』テテロ ミ-ノ(BNE000011)の更に後ろの二箇所へ仕掛けたのは、ブルーシートとワイヤーを繋いだものである。戦場である中心から外側に向けて掃き出せば、ブルーシートが確実にその残骸を拾い上げ、処分が効率化するという考えから。加えて、通路も洗剤入の水を撒き、通路幅をブルーシートで埋めるという圧倒的対策力。 加えて、『箱庭のクローバー』月杜・とら(BNE002285)の撒いた餌の数々。リアルにゴキブリがホイホイついてきてザックザクに切り裂かれるルートである。 「黒も茶もいらっしゃ~い☆ 左手にグリモアール・右手にスリッパ・心に殺意をあゆれでぃ?」 「さぁ、来るッス!」 「準備万端なのじゃ、来るのじゃ!」 (……滾るな) ミーノの守護結界を背に、各々が勢いを増す。正に完全たる防壁。どうしてこいつら組ませた。1ターンキルデッキくらいパーフェクトハーモニーじゃないか。 続いて、経路2。既に戦闘は始まっていた。 猶予なく衛士二体が倒れたからか、その数は想定よりはやや多い。だが、そこは殺意絶好調の朋彦擁するこのメンバー。 大群が経路へ飛び込んでくるやいなや、イスタルテの神気閃光がお出迎え。七割ほどがひっくり返ってピクピクし始めた。どうやら、ショック状態らしい。まさに虫も殺さぬ神聖術師スキルだが、何かその、ごめん、なんかきめぇ。 「潰しても潰しても湧いてくるな」 無表情で、ユーヌが氷雨を撃ち放つ。ひっくり返っていた連中と、残り三割中二割五分ほどを一網打尽に貫き潰す。因みに、全体スキルで一網打尽にできないのは折り重なっていてあんまり視認できないからです。マジでな。 「さあ、宴を始めようか」 そして、朋彦。すげぇいい笑みで、イスタルテと雪の間、密集地点へドカンと一発フレアバースト。その気になれば三十分の魔法戦車は伊達じゃないらしい。 「大丈夫。ぼくが仕留めます」 最後、残された一分は雪が次々と撃ち抜いて、その穴を埋めていく。初依頼とは思えぬ鮮やかな銃捌きであったとか、なんとか。 しかしこれは第一波。二体分の全力の三分の一にはまだ遠く……。 「まだ、来るんですか?」 来ます。 経路3。 「団体様、ご案内です。一気に倒して差し上げましょう」 蟲に人語は解せない。でも、目の前に降り注ぐそれらがどれだけ洒落になってないかぐらいは、分かる。 アスファルトを穿つ弾丸の嵐。凡そモニカの視界に入り、認識されたすべての「それ」は、瞬く間にアスファルトへと弾丸による磔刑に処されていく。 「有象無象の区別無く、切り刻む、だけ」 くぐもった声でマントを翻し、天乃はクローを振り下ろす。弾丸の嵐を悠然と抜け、右足を軸とした舞いで次々と吹き飛ばし、斬り散らす。 「お姉さんたち強いなー! なんて……ね。数でどうにかなると思った?」 虫たちへ向け、無邪気な声のままに悟はホイホイをほうり投げる。弧を描いて、見事射ち漏らした群れの前へ着弾したそれに次々と群がり、ついには物理法則とかどうでもよさげに飛び上がる。推進力半端ねえ。世界狙えるぞこれ。 「うん、それを待ってた」 でも、そんな夢はぶち殺す。マジックミサイルで空への夢もデストロイ。悟君かっこいー。 「チッ、まだこんなに残ってやがる……! テが回らねえ!」 狄龍も、バウンティショットを駆使して次々と撃ち落としていくものの、それでも数十匹単位の取りこぼしを許してしまう。少なくとも。彼だけではなく、すべてのルートで起こりうるレベルの微量の討ち漏らしではあるのだが。 戻って、経路1。 リルとの意思疎通が完璧だった曹長にとっても、このテのサイズは勝手が悪いか。 ノータイムマイライフによる前面制圧は、制圧範囲を乗り越えてくる勢いで。お前ら、そんなにとらの撒いた餌が食べたいのか。 「それじゃ一発、いっくよー☆」 とらの軽快な一言からスパーン、と弾ける神気閃光。まさに虫も(以下略) 「そこはリルが蹴散らすっスよ! 台所の平和のためっ!!」 「ミーノも頑張ってぺしぺしするのー」 続けざまに、リルのダンシングリッパーとミーノの斬風脚が舞い、斬風脚は直線状を、ダンシングリッパーは舞う範囲全てを尽くなぎ払っていく。この猛威は大体神秘の所為。 「わしのことじゃし、ヘマをしそうじゃがな……」 と、明るくもネガティブに口にしつつ、余市は射界を見定めて一撃を放つ。ヘマどころの話ではない。狙った距離感ではほぼ皆中だ。 「ナイスっス、このまま一気に畳み掛けるっスよ!」 リルの声援が、ミーノの守護結界が、彼女を励ます力と成るなら。 余市の前に、今時分での敵はない。 「しっかしよォ、ペースが早まってないかコレ? え、そんな余裕が無い!? ……分かった、全部ブッ倒せ! ケツは俺達が持ってやるよ!」 狄龍はそう言い切って、乱雑にポケットへと携帯を突っ込んだ。それを見た他のメンバーが懐疑的な視線を向ける中、彼の口から告げられたのは、 「ペース配分はできない。残りが一気に来るから頑張ってくれ、とさ。……やべぇぜ、これは」 激化する戦線の呼び水であったことは、想像に難くない。 ●激流は下へ 「今日の僕は修羅と識れ。業火の海と行こうじゃないか。はははははは」 笑顔のまま、次々と集ってくる虫ごと自らをフレアバーストで吹き飛ばす朋彦。だがしかし、彼の体は火傷は負っても燃え広がる気配がない。火炎無効の加護は圧倒的であるのか、はたまた彼の狂乱か。一切の気負いなく、フレアバーストが夜を焦がす。 「あぁん!? このクソ虫が!!」 こちらは、勢いに押されて無頼の拳でたたきつぶしてしまった雪君。 まあ分かるよ。スリッパならまだしも素手じゃしょうがないよ。 「み、皆さん大丈夫ですかー!?」 イスタルテが次々と符を貼っていくが、今回は……大丈夫だろう。簡単なお仕事だし。 「バーベキューだ!」 一方、こちらはホイホイ使いきって全力モードの悟君。気合入ってます。フェイト使う覚悟も万全です。 でも、流石にフェイトは使わなくてもいいからね。頑張ってる頑張ってる、そろそろだよ。 「そこ……お願い」 「この程度ならまだまだ大丈夫そうですね。一撃殺虫の名は伊達ではありません」 まだ引きずってたんだ。 「まだまだいくよー☆」 とら、ノリノリ。 「ここここ、こっちに来ないでなの~」 ミーノ、ガクガク。 (……足りぬなぁ) 曹長、すいません不満は無しでお願いします。 そんなわけで。 三高平の台所事情をかけた一大決戦は、下位種に対しては圧勝の向きを見せたのであった。 事後。 「リルさん、曹長にお礼をお願いします。残念ながら帰っていただかなければいけない旨も含めて」 「曹長さん、どうもありがとうございました」 (……ってことらしいっス。今回は助かったっスよ) モニカとイスタルテは、バグホールを背にした曹長へ謝辞を述べようと、他のメンバーを先行させ、自分たちだけ残ったらしい。こと、イスタルテは身振りまで加えてあったためか、曹長への意思疎通は絶大だったらしい。半ばリルの仲介が要らないくらいだ。 (む。体よく扱われた気もするが、これはこれでおもしろきことよ。……しかし) (しかし?) (戻って好いものか……胸騒ぎがするのだ) 胸、確かにありますけど。胸部。 とかそんなツッコミはさておいて、リルの前から消えていった彼の言葉は、三人の心に小さなしこりを残し、撃退班との合流と相なったのだった。 「お風呂……」 そうだね、天乃ちゃんは髪長いからシャワーは必須だね。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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