●主を失ったモノ 「行ってくるね、ペス」 そういって私の頭を撫でてくれるのは鏡花お嬢ちゃん。私めが使える主でございます。 鏡花お嬢ちゃんは車に乗ってお出かけ。今日から『家族で帰郷する』らしく、しばらくの間、家には戻らないそうです。言葉の意味はわかりませんが、しばらくの間は私めがこの家を守る役割ということは理解しております。 「わん」 私めは一吼えしてお嬢ちゃんを送り出しました。ふむ、しばらくは静かですが、こういうのも悪くはないですな。 「……交通事故で、一家全員死亡……」 「……対向車のトラックが酔っぱらっていて車線を超えてきたんだとさ。ハンドル切る間もなかったみたいで……」 「……酷いもんだ。遺体は皆バラバラ。娘さんのは顔が原形をとどめてない……」 「きょーかちゃん! きょーかちゃん! うわあああああああん!」 「……皆様、今日はお集まりいいただき有難うございます。私が喪主の――」 なんなのでしょうか。黒い服を着た見知らぬ人がたくさんやってきて、大泣きしています。 吼えて追い出そうにもいうことを聞いてくれず、むしろ優しく抱き寄せられました。 よくわかりませんが泣かないでください。泣き出したいのは私のほうです。全く、鏡花お嬢ちゃんも早く帰ってくればいいのに……。 「財産分与する対象はなし。しばらくこの家は放置だな」 「あの犬は、どうします? 引っ張っても動きそうにありませんよ」 「主の死が理解できないのか。喪中症って言うんだよな。ああいうの」 「保健所呼びますか?」 「……放っておこう。誰にも迷惑をかけるわけでもないし」 主なき家に、その犬は待ち続ける。 いつまでも。いつまでも。 ……命尽き果て、それでもなお。 ●アーク 「イチヨンサンマル。ブリーフィングを開始します」 録音機にスイッチを入れて、資料を開く。『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)は集まったリベリスタたちの顔を見ながらこれから起こるであろう神秘の説明を始めた。 「討伐対象はエリューション・フォース。フェーズは2。護衛にエリューション・フォースのフェーズ1を五体連れています」 「E・フォース。……思念体か」 「場所は郊外の一軒家。そこで飼われていた犬が死んで、その想いがエリューション化しました。 『家主が帰ってくるまで家を守る』……その思いを今なお引き継いでいるようです。なので、皆様が屋敷の門をくぐれば、エリューションは現れるでしょう」 「ちなみにその家主って言うのは……?」 「すでに故人です。家族全員、交通事故で死亡しています」 首を振り、沈痛な表情で新聞のコピーを見せる。『高速道路で正面衝突!』……数十年前の記事だ。その事故から、ずっと帰らぬ主を待っているのか。 「戦闘になれば犬のエリューション・フォースを呼び出します。誤ってこの家に入ってしまった野良犬が襲われ、エリューション化したものと思われます」 和泉はリベリスタたちに地図を見せる。郊外とはいえ、ぽつぽつと他の家もある。こういう場所は『人を隠すなら人の中』の作戦が通じないため、逆に余所者が目立ってしまう。 「人目を避けるために、作戦開始時間は夕刻か夜半がいいと思います。もちろんこれは私の提案なので、最終的な作戦は皆様にお任せします。 今現在、人が襲われるという未来は見せません。しかしそういう未来が『視え』てないだけかもしれませんし、フェーズが進めばその限りではありません」 心情的にそのままにしておきたいところもあるが、そうもいかない。リベリスタである以上、エリューションは放置できないのだ。 「皆様、よろしくお願いします」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年09月02日(金)21:15 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●夕刻、門をくぐるもの 昼と夜の挟間。空が朱色に染まる時刻。一台のレンタカーが廃屋の前に止まる。 運転しているのは『銀の月』アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)。九人乗りのワゴンを運転しながら、今回倒すべき相手のことを思う。 死してなお帰らぬ主を待ち続ける犬。その想いがエリューション化した存在。命を賭して役目を全うする様は人間以上かもしれない。 (しかし、待つ時はもう終わりに致しましょう) ハンドルを切る。目的の家が見えてきた。その駐車場に車を止めて、リベリスタたちは車を降りる。 (ご主人を待つペスの気持ち、ボクには解る) 『愛を求める少女』アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)は主を待つペスに共感を感じる。自分に愛を教えてくれた神父を待ち続けている自分とペスはとても似ている。 しかしペスは野良犬を殺した。その野良犬にも待つものがいたかもしれないのに。アンジェリカはブラックコードを手に、戦意を高めていく。 「妄執を絶ち、家族の元へ逝かせてやるのが情けじゃろう」 人払いの結界を展開しながら『伯爵家の桜姫』恋乃本 桜姫 鬼子(BNE001972)は言う。主人の家を守る思いは立派だが、その主はもうここに帰ることはなくペスももう屍。ここに留まっていてもただ悲しい日々が過ぎるだけである。 「何とも可哀想な奴ダネ。忠義物ナ分始末が悪く、悲しいところだョ」 まだ癒えていない傷が痛むのか、体の節々を押さえながら『盆栽マスター』葛葉・颯(BNE000843)は車から降りる。車内禁煙のマナーに従いタバコを咥えていただけの彼女は、タバコに火をつけながら紫煙を吐き出す。 (その魂、とっとと解放されるとイイ……それも優しさサ) 吐いた紫煙にため息が混じっていた。その紫煙も夕焼けの風に吹かれて消える。 「犬はあくまで人間とは別ですから」 『錆びない心《ステンレス》』鈴懸 躑躅子(BNE000133)は柔軟しながら言葉を発する。廃屋である以上、門は閉じられている。野良犬が通ったと思われる隙間はあるが、人が通るには小さすぎた。塀を乗り越える為、身体をほぐす。 「あまりにペスの行動を人間の感情で推し量るような過剰な感情移入は、判断を誤る危険があります、ね!」 跳躍し塀を乗り越える。手入れなく荒れ果てた庭。草木は生え放題だが、戦闘に支障はないだろう。そのまま塀から降りて躑躅子は内側から門を開ける。 (……とはいうものの、冷静に処理しきれるほど私は人間ができていません) だから、ペスを執着から解き放ってやりたい。安らかに眠らせてやりたい。 リベリスタが門をくぐる。その視線の先に見える犬の姿。 ペス。もはやこの世にはいないものを、帰ってくると信じて待ち続けた犬。その思いのエリューション・フォース。 (それがペスの思いを踏みにじる行為だと判っていても) 神谷 要(BNE002861)は黒いコートを翻し戦闘の構えを取る。ペスを殺せばもう待つことはできなくなる。ここで殺すことが待つことを選んだペスの行為を止めることとわかっていても。 「私たちがすべき事はただ一つです」 エリューションは倒す。それだけは譲ってはいけないこと。如何なる思いがあってもそれがエリューションなら世界の為に倒す。それがリベリスタなのだ。 亡霊の犬が吼える。それに呼び寄せられるように現れる五体の亡霊。 家を守る。その思いのみを胸に、エリューション・フォースは地を蹴った。 ●家を守る犬 「侵入者が多くて大変だな、番犬。だが最優先にすべきは私だ!」 『紅翼』越野・闇心(BNE002723)はその二つ名に恥じぬ紅い翼を広げる。躑躅子をかかえ、ペスに肉薄した。躑躅子を降ろして低空飛行でデスサイズを構え、振りかぶった。オーラをまとい力を増し、その勢いを殺さぬまま横薙ぎに払う。 肉を裂く感触はない。だがその存在が薄れていくのを確かに感じる。 「寂しいよね。苦しいよね」 『雪風と共に舞う花』ルア・ホワイト(BNE001372)は悲しそうにペスに語りかける。体内のギアを上げ、常時でも素早いルアの速度をさらに上げていく。 「待っても待ってもいくら待ち続けても、あなたの大切な人達は戻って来ないの」 否定の意味を込めて、ペスが吼える。その悲しみを受けるようにルカは動いた。一気に距離を詰めておのれの速度を最大限に振るう。ブレーキは掛けない。攻撃用のナイフを何度も繰り出し、この場に留まろうとするペスの思念を切り裂いていく。 痛みなど感じない思念体だが、リベリスタが自分の役割を奪いに来たことは理解できる。手痛い攻撃をしてきたルアに牙をむけ引きちぎろうとする。 「長い間この家を守ってきたあなたには敬意を表します」 その間に入ったのは躑躅子。オーラを鎧化して防御力を増し、硬化した腕でペスの牙を受け止める。痛くないわけではない。だが、 「ですけれど、貴方の家族はもう戻ってくることはないんですよ」 この事実の方がもっと痛い。死者は蘇らない。必死になって家を守ってきたこの忠犬の思いが報われない。同じ『守る』という使命を抱いている躑躅子の心に、ペスの行為はどう見えたのだろうか。 「……貴方の執着は、ここで断ち切らせていただきます!」 防御に徹し、ペスの真正面にたつ躑躅子。他のメンバーが野良犬を退治するまで、耐える作戦だ。 「スマンの。恨みはないが倒されてくれぃ」 鬼子は天冠型の幻想纏いからダウンロードしたガントレットに炎を宿し、まっすぐに拳を野良犬のEフォースに叩きつける。力任せの一撃ではない。真っ直ぐとした姿勢、真っ直ぐの構え。基本に忠実な一撃。まるで舞を見ているような印象を受ける。気がつけば吸い込まれるように拳は当たり、Eフォースが炎に包まれる。 アンジェリカは両手に自分の髪の色と同じ色の糸を持ち、野良犬たちの周りを回るように移動する。ペスから分断するのと同時に、横に回り持っている糸でその首を狙っていた。 (キミ達に罪はない……。苦しまないように殺すから……) 右に、左に。アンジェリカは静かに飛び回る。神父に拾われる前までは感情が欠落していたアンジェリカ。あのときの自分ならこの野良犬たちをただ作業のように殺していただろう。夕食の食材を捌くように淡々と。 彼らにこのような感情を抱く自分は、あの時と何か変わっただろうか? やることは変わらない。結果として効率よくEフォースを殺す。だけど、違うのだろうか? 思考は一瞬。そして相手の生まれた隙もまた一瞬。アンジェリカはその隙を逃さず、黒の糸を野良犬の首に巻きつけた。手ごたえはない。だがその形が薄くなり、そして消えていく。 「消えるべきだョ、君達は……」 颯はナイフを構えて野良犬のエリューション・フォースに向かう。軽く左に跳んで、すぐ右に。簡単なフェイントも、速度に強く覚醒した者が行なえば幻影を生む。その残像が消える前にそのナイフは野良犬の心臓と思われる部分に衝き立てられる。その一撃で霧散するほど野良犬は弱くはないが、それでもダメージは大きい。 「今小生にできることハ、君達を終わらせるだけだョ、うン」 誰もが平穏でありますように。颯が戦う理由はそんなささやかで、しかし到達には程遠いことだ。ここにいる犬たちは彼女の価値観からすれば苦しんでいるだけ。早く解放してやらないといけない対象。そのためにナイフは振るわれる。 「これより先にいかせません」 要はブロードソードを構え、野良犬に向き直る。自らのオーラで身を守りながら、全身をバネと化し、一気にブロードソードを叩きつける。盾であり剣。剣であり盾。それが彼女。その二つを持って、今護れるものを力の限り護る。周りに気を配りながら、自分にできる最大限のことを模索しながら。 「まとめて焼き払います。皆様、伏せてください」 アーデルハイトがてを構え、指示を出す。世界の裏で暗躍していたシュピーゲル家の血族。貴族の義務として世界の敵を討つ。それは使命でもあり、そして決意でもある。銀時計を握り締め、体内に流れるマナの動きをコントロールする。 合図と同時にアーデルハイトが炎を生む。上手くまとまった野良犬に向けて紅の華が爆ぜる。炎に巻かれ、傷つけられていた野良犬が消えた。 順調な流れだ。リベリスタたちは誰しも優勢を感じていた。このまま押し切れば勝てる。 そんなリベリスタの耳に響くペスの咆哮。帰らぬ主を待ち続け、それでも帰ってくると信じたペスが主を呼ぶ遠吠え。 リベリスタたちがその音を聞き、心が震える。 傾いていた天秤が、わずかに戻った。 ●悲しき遠吠え (私はここにいますよ) (今でもあなたの帰りを待っていますよ) (待たされて怒ってるなんてとんでもない。私たちは家族です。怒るはずがありません) (だから早く帰ってきてください。よくやったと私の頭を撫でてください) 咆哮にのって流れてくるのはペスの想い。テレパスで心に響くわけでもないのに、確かにその咆哮から家族を待ち続けた犬の気持ちが伝わってくる。 アンジェリカが抗する為に用意した対策は、直接精神を揺さぶる衝撃には無意味だった。鈍ったところに野良犬のエリューション・ビーストが攻め立て、一気に不利になる。 (うう……。ずっと、待ってたんだね) ぼろぼろに涙を流しながら、ルアはペスを見る。刃が鈍っているのは自分でもわかる。でも、でも。頬を伝う暖かい液体を、止めることができようか。戦意が折れたわけではない。ただ辛かった。ペスの想いが、どうしようもなく。 (倒すしかない……わかってはいるのですが……!) 要も武器を持つ手が緩む。心ではわかっている。だけど調子が戻らない。弟を失った自分と、家族を失ったペスを重ねてしまう。運命が一歩違えれば、自分がああなっていたかもしれない。あるいは運命がペスのほうに一歩味方をしてくれれば、エリューション・フォースにならなかったかもしれない。意味もなく考えてしまう。 「あなたの悲しみは理解しました」 アーデルハイトはおのれの武器である漆黒のマントを握り締め、ペスの想いを受け止める。延々と待つ悲しみ。しかし自分を不幸とおもわない誠実さ。 否、本当の不幸はその行為が報われないという事実を知らないこと。ただ幸せが待っていると信じ、不幸の道を歩む忠犬。 なんて道化。目隠しをして落とし穴に向かって歩いていく。そんなコント。 しかしそれを笑うものはここにはいない。報われないとはいえひたすらに家族を待つ一途な想いを、一笑に付すことができようか。 「あなたは立派です。家族の方も誇りに思うでしょう」 躑躅子は輝く光を放ち、リベリスタの心に活を入れる。震える手は止まり、一歩踏み出す勇気が生まれた。彼女自身も遠吠えによる衝撃を食らいながら、しかしその心は錆びつきはしない。ただまっすぐに相手の思いを受け止め、そして自分の心を示す。 揺れた天秤は戻る。リベリスタたちは前を向き、そして破界器が思念体を削っていく。 「そちは野良犬共を食い殺し、その運命をねじ曲げた」 鬼子は符術でリベリスタの傷を癒しながら、ペスに視線を向ける。確かにその境遇には同情するところがある。だがしかし、他者の命を奪っていい道理はない。 「まったく、どんだけご主人様大好きなんだ」 ペスの攻撃で腕を出血させながら闇心は口の端をゆがめて笑う。翼を広げて地面近くを滑空しながら飛び交い、武器に紅のオーラをまとわせ、一気に振るう。返す刀でさらに思念体を薙いでいく。 「これで最後だネ」 颯のナイフが、最後の野良犬の思念体を切り裂いた。咥えたタバコから灰がおちる。その灰が地面に落ちるより早く、野良犬は消え去った。 「ボクは君を倒す……」 アンジェリカが黒糸を持ち疾駆する。黒いオーラを携え、ペスの頚部に狙いを定める。 (でも約束する。君と君のご主人の事は、ボクが決して忘れないよ!) 約束を心に刻み込み、黒糸が舞う。ペスの首に絡まり、そして糸がぴんと張られた。そのまま黒糸を弾き、衝撃を加える。 絶命の咆哮はなかった。最後の最後まで主を待とうとペスは立ち続け、そのまま消えていった。 ●祈り 戦闘後、アンジェリカはペスと野良犬の遺体を探す。それは思いのほか早く見つかった。 (忘れないよ、君と、君のご主人の事) 遺体を埋葬し、その過程で見つけたペスの首輪にサイレントメモリーを使う。初めてこの家に来たときにつけてもらった首輪。家族と犬との確かなつながり。そこから読み取れる断片的な思い出に涙するアンジェリカ。 「……家族と一緒になれたらいいですね」 躑躅子は天を仰ぎ、呟いた。この世では会うことのできなかった家族に、せめてあの世で会うことができれば報われるのではないだろうか。 「そうじゃな。あの世でご主人と再会するがいいのじゃ」 線香に火をともし、手を合わせる鬼子。天に昇る煙が、あの世への道しるべ。ただ切実に鬼子は冥福を祈る。 (これが一番良い結果だった筈です……) 天に昇る煙を見ながら、要は自分の行為を思う。ペスと家族を合わせる方法はもうない。ペスをこのまま放置するわけにも行かない。戻るべき主を亡くした家を護り続けても、その先には何もないのだから。 「フン、守り通せなかったことを悔やむか?」 闇心はペスの遺体が埋まっている場所に視線を向けて言葉を放つ。 「お前にそこまで慕われる主人が、頑張りを無視して叱りつける様な理不尽をするものか。 一生懸命な姿は、必ず主にも届いている。胸を張って会いに行け」 ペスの健闘ぶりは、彼女自身が身をもって感じている。リベリスタの生き様を知らない彼女は、この戦いを通じて何かを感じ取れたのだろうか。ただエリューションを倒すだけ、という感情以外の何かが。 「ごめんね。ごめんね、ペス」 ルアはペスの首輪を抱きしめて、涙を流して謝っていた。流れる涙も、傷ついた傷もそのままに彼女は謝罪する。今ようやく苦しい思いを解放させたとはいえ、それはペスの思いを力ずくで断ったに過ぎない。 もちろんそれは正しい行為なのだ。それでも、それでも涙は止まらない。熱くなる胸と目頭を治めることができない。 「縛る鎖は断ち切りました。今度は己でお往きなさい」 アーデルハイトは十字を切ってここで倒れた犬たちの冥福を祈る。灰は灰に。塵は塵に。死者の魂はあるべき場所に。魂はそれぞれのあるべき場所に帰っていくだろう。そう信じている。 太陽が完全に落ち、夜の天幕が庭を包む。 その頃にはすでにリベリスタたちの姿はなく、あたりは静寂に包まれていた。 人に飼われた生き物は、死後虹の橋で飼い主と再会するという。 誰が言ったことなのかはわからない。真実かどうかもわからない。 確実に言えることは、ペスの魂はもうここに現れることはないことだけだ。 帰らぬ主を待つ魂は、もうここにはいない。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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