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*これは宴会シナリオです

●宴会です
「ここに壁を用意しました」
『無貌の予見士』月ヶ瀬 夜倉(nBNE000202)がぱし、とコンクリート壁を叩く。壁。リベリスタはオウム返しにしたが、壁。と返されるだけだった。
「ここにペイントボールもあります」
「ペイントボール」
「ペイントボール」
「そしてここに少女漫画がありましたですね。こんな描写があったんですよ」

『お前の頭があった部分を矢が飛んでったぜ(抱きながら)』
 とか。
『お前を俺色で染めたい』
『えっ』
『だからペイントボールを用意した。俺の好きな色で俺の好きなお前を染めればもっと好きに』
『素敵! 染めて!』
 とか。
『何時までも一緒にこのダイオウイカのイカ臭さを嗅ごう』
 とか。

「どうですかね。ダイオウイカの死骸の一部も真空パックで届くんですが」
「どうした。何があった」
「……何かが」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:風見鶏  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2015年03月12日(木)22:59
 最後の最後くらいは。ね。ほら。絶対あるってこういう少女漫画。

・目的
 コンクリート壁(アーク本部のホールの一部)にアクションペインティングを施す。匂い? 知らんなァ!

●必須行動
 なし。
 インクとか持ってきますしペイントボール投げてもいいし。ブルーシート敷きますんで好きにやっちゃってください。
 当然、何事もなかったかのように後ろに用意されたなんか豪華なサンドイッチセットに手を付けてアフタヌーンティーブレイクに興じてもいいです。
 ね。楽しみましょう。

●登場NPC
『無貌の予見士』月ヶ瀬 夜倉(nBNE000202):雑用。なんかあったらどうにかなる。

 狩りとかなんのことか全っ然わかんないなー(すっとぼけ)
 ご参加お待ちしております。
参加NPC
月ヶ瀬 夜倉 (nBNE000202)
 


■メイン参加者 8人■
ナイトバロン覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
ハーフムーンデュランダル
梶・リュクターン・五月(BNE000267)
サイバーアダムクロスイージス
新田・快(BNE000439)
ハイジーニアスデュランダル
新城・拓真(BNE000644)
アウトサイドホーリーメイガス
神谷 小夜(BNE001462)
ナイトバロン覇界闘士
設楽 悠里(BNE001610)
フライダークマグメイガス
シュスタイナ・ショーゼット(BNE001683)
メタルイヴダークナイト
黄桜 魅零(BNE003845)


「うわぁ、なんてことだ。夜倉が動かなくなっているじゃないか。こんな酷いことを誰がやったんだろうなあ」
 白々しいにも程がある声が、アーク本部で響くとかどれだけこの男は嫌われているのだろうか。その逆だったそれはそれで怖いから考えたくはない。
頭部からこれみよがしに滴り落ちる赤は、それが血だったとしたら明らかに何かおかしい処理を施されているだろうというくらい鮮やかだし、腹部とか脚部の色合いはもう人間の体液ですら無い。それでも、小刻みに動きショック症状にあることを匂わせる動きは間違いなくダメージを受けていることが伺えるし、リベリスタ達の鎮痛(に見えなくもない)な面持ちは事態の深刻さをうかがい知る事ができた。
 何より、快が真剣に心配を……してないな! まっっっっったくしてないわ! 棒だわこれ!
「夜倉だからな。仕方ないな」
 うん、と何故か満足気に納得したのは五月なので誰かこの小娘を連れて行け。即死級のボーク(後述)を悠然と投げに行くこの存在を許したらいけない。
取り敢えず、何があったかと言えば間違いなく事故が起きたわけで、何故か設置されていた小夜のカメラが一部始終を捉えているのだが、畜生あれはインターバル撮影か。

皆微妙に心配しつつ夜倉が病院に連れて行かれる予兆すらないので、起き上がるまでの間に今回の顛末を記すべきではないだろうか。
そうしたほうがいいに違いない(断言)。


 現場の設営作業をいち早く終わらせた夜倉は、やや疲れ気味の顔で揃えたカラーボールやらなんやらを纏めると壁面をカメラで撮影する。実際にペイントが終わったらなんやかんやでいい感じに彩り良くなるのだろう。
なるんだよね?
そんな彼をよそに、自分のやりたいことをてきぱきと進めていく小夜にはあたかも、夜倉が見えていないようにもとれた。現に彼を半ば見ないようにして、できるだけ近付かないようにして立ち位置というかカメラ位置を調整していたのだから当然だろう。設置が終えたら随分と満足気にお茶を啜っているので今回は害がなさそうだが、できるだけ邪魔しないようにしよう。心中で夜倉は誓った。

 ともあれ、宴会(という名のペイント)の準備が終わった以上は参加者を待つのみで、あとは参加する面々が楽しめばそれでいい。それでよかった、筈である。

「宴会といえば野球だな!」
「…………は?」
 テーテーテテテテーテテーテーテー
「これは宴会だ。だからこそ野球だ」
「なにそれ」
 テレーテテーテーテテテテテテテー
「任せろ。俺は高校ではラグビー部だが中学までは野球部だったんだぜ!」
「ちょっ経験とかちょっ」
 テレレレレーレレレレッレレー

テッテレー。



 米剃墓悪流(べいすぼおる)。
それは秦の始皇帝時代に万里の長城を築くために編み出された殺人術を人知れずスポーツにフンダララ。なんかもうそれっぽければいいような気がした悠里はすでに整合性とかどうでもよかったらしい。
 キャッチャー姿で既に臨戦態勢に入った彼にツッコむ者は居なかった。
「ピッチャー背番号25! メイだ!」
「バッティングっていうのは、技術なんだ。それを味あわせてやるよ」
 何処と無く命がけの雰囲気を漂わせる五月に、技巧派バッターも裸足で逃げ出す雰囲気作りを欠かさない快。
バッターボックスで数度バットを振る彼を見て、夜倉はもう突っ込まなかった。

「へいへい!ピッチャービビってる!」
「何故オレがあおられてるのだ」
「あ、ピッチャー味方か」
 そっからかよ。
仕方ない、とばかりにカラーボールを構えた五月が、スムーズな動きから一投を放つ。
滑るように下降軌道に入ったボールは、快のバットに吸い込まれ……る寸前、不可思議なバット運びで絶妙にそのわずか上を通過する。正確には、軽く触れているのでファウルチップの扱いになるのだが、回転が加えられたペイントボールは勢いを増し、吸い込まれていく。そう、悠里のマスクに。
爆ぜ割れたペイント液はお約束よろしく目の中に入ることはなかった割りに顔を大いに染めることとなった。最初から悠里狙いの五月と捕球させじと動いた快のコラボで最悪なことになったのだが、続く何球かも同じ展開だったのでよしとしよう。

「メイ!! 4番バッターの僕がお前をけちょんけちょんにしてやるぜ!!」
 クリンナップなんてあったのかどうか。兎に角そうと主張するのでそうであるに違いない夏栖斗は、いきなりの予告ホームラン的なアレだった。だが、さて。果たして投げられるボールって前に跳ぶんでしょうか。
「って、おい、メイお前、それ明らかにペイントボール的なもんじゃない! なんで僕だけ?!」
 五月が構えたのは酷鉄仇……何時ぞや、色狂いのフィクサードが拗らせた初恋を成就させようとした時に巻き込んだ部下の装備なのだが、まさか五月と打ち合ったその武器が今まさに手放される(意味深)とは誰も思わなかっただろう。俺もだよ馬鹿。
「男は皆、刀を持っている……鞘に大事に閉まって居ては武士の名折れだぞ」
「え? 刀? なんのこと? 野球に刀とか関係ないだろ!」
「意味が分からないか……でも、オレは知ってる。何時までも子供ではいられないのだ……」
「刀と鞘と子供どういう関係性? 悠里なんで理解した風な顔してんの? ばかなの?」
 理解した風、というよりは。
「へいへい!バッター、一人暮らしの彼女の家(防音設備完璧)に朝から朝までいて何も起こらずに貞操守ってる!」
 完璧分かって言って、あの、それで守りに入るとかばかなの?

「っていうか、こんな鉄球打ち返せるか?! 吹き飛ぶわ!!」
 まあ吹き飛ばす為のアーティファクトですし……。

 斯くして無事に夏栖斗はペイント色に混じってその身を挺したモニュメントとして跡を残しましたとさ。

ときに、そんな盛り上がりとよそに本来の楽しみ方をするために現れた拓真は、ペイントボールとじっくりと向き合っていた。
アクションペインティングについては疎いが、どういうものかは直感的に理解したらしい。ちょっとぐらいの一歩はいいだろう、というところ。
「どうせなら、少しばかりチャレンジしてみるか……」
 狙うモチーフは犬。コミカルさを重視して、なら出来なくもないものである。ボールを一個一個、全力で投げ込む彼の目の前で千差万別にペイントがなされていく。飛び散り方が予想できないのも醍醐味と、黙々と続けるが、どう考えても犬には似せられない。似ても似つかない。飛沫の飛び散り方が派手でどうにも、である。
「──」
……結果として。彼に芸術の才能を疑わせる程度に前衛的な犬らしき物体が出来上がったのだった。それはそれで味があるので、よし。


「野球! なるほど、やったことないからわかんないけど」
 偶然にも巻き込まれる形となった魅零が、軽くバットを振る。すでにやきう色に侵食されたこの環境については敢えてスルーだ。
(皆楽しそうだなあー、さわやかな少年少女達ッ!いいね、すんごく素敵)
「おヴっ」
 びちゃぁっ。
(最近色々あったけど、本来ならこうして平和の中で生きているはずなんだよね)
「うげェっ」
 ぐしゃぁっ
(本来の世界って意味分かんないけ――)
「ヘブッ!!!」
 ぐわしゃぁっ。
物思いに耽っている間、悠里が完全に五月のサンドバッグみたいな扱いでペイントボールと戯れていたわけだけどまあ、そういうことである。ここまでぼろぼろにされてよく何も言わないっていうか気付かないっていうかおかしいだろこれ。
「野球とは、多分恐らく玉を人に当てればいいんであろう顔面セーーーフ!!!」
 五月に当ててあわよくば、という展開を狙ったのだろうが、世の中うまくイカない。ファウルチップどころか正統派ファウルみたいな感じで、タイミングとかの関係で破裂しなかったペイントボールが浮き上がる。放物線を描いたそれは、
「ぐふっ」
 夜倉の頭部へ顔面セーフだ。ドッジボールじゃねえか。

「カラーボールを投げればいいの?」
 そのド級のカオスにあって、ごくごく当たり前の事実を理解したシュスタイナ。ああこれは成功ですわ、とかああペイントイイ感じになりますわ、とか。安堵の笑みを浮かべた夜倉はやっぱりこの娘を甘く見ていたのかもしれない。
バッターボックスに立ち、周囲のただならぬ雰囲気を理解して、彼女が何を考えるかなんて言わずもがなだった。

「ね。これって何処に飛ばしてもいいの?誰かに当たっても、『事故』で片付けられるのよね?」
 事故はよくあること、事故なら許される、事故は仕方ない出来事――ぐるぐると自分を納得させるための赤色灯が付いて、シュスタイナから良識を剥ぎとっていく。許されてもいいだろう、最近の依頼がちと殺伐に過ぎた彼女には、致し方ない思考回路なのである……だろうか。
常のように悠里狙いで放たれたボールは、彼の顔面を強かに打つ……前に、シュスタイナのバットに吸い込まれる。
「ごめんなさいね。的があった方が打ち易いの!」
「何を言っぐふっ」
 超エキサイティンとかそういうもんでもなく、何で割れなかったのかとか疑問は明後日に置き、そのピッチャー……否、夜倉へのライナーは見事彼の腹部を撃ち抜いた。それだけならまだしも、その後数球連続で跳ぶのだから堪ったものじゃない。

斯くして、夜倉は前衛的ペイントで悶絶する羽目となったのだが。
証拠となる動画は小夜がそそくさと持ち帰ってしまったので、屍を誰も拾ってくれない第惨事。
幾らなんでも恨まれすぎだろうコレ……。大丈夫なのかよ……。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 なんだろうこれ。なんだろう。

 ペイントボールなのでフェイトはその、減ってないです。