● 日本の神秘界隈の激変は、七派の戦力バランスをもあっさりと崩壊させた。 舵取り役を司っていた逆凪とてそれは例外ではなく、内部抗争……謂わば『兄弟喧嘩』に頭を悩ませる結果となっている。 何故か? 逆凪当主・黒覇の異母弟、凪聖四郎が指揮する『直刃』の急激な戦力強化がその背景にある。 七派の崩壊からあぶれたフィクサードや、海外とのパイプを用い増強したそれを何に傾けるかといえば、大それた話、『世界征服』なのである。 無論、それが如何に馬鹿馬鹿しい高さの目標か、など理解済みである。理解しているために、日本の明暗両面の組織を呑み込むことを目途とした。彼を知る者なら、彼らしい、蛇のような所業だと顔を顰めたかもしれない。 それ故の『逆凪黒覇暗殺計画』であり、アークの戦力漸減のための二正面作戦なのである。 方や、逆凪のバランス崩壊。 方や、戦力増加を兼ねたアザーバイド召喚儀式。 当然、彼一人で補えるレベルは限られている。必要なのは、限りなく大量の人間の死と、出来るだけ多くの有力な革醒者の死……価値こそ違えど、命が要る。 生まれながらの王として振る舞う黒覇から、蛇の手に渡れば七派システムは愚か、国内の神秘事情も表向きの社会情勢も更なる激動は避けられないのは自明だ。 「……ですから。我々は二正面作戦の何れもを阻止する必要があります。ですが残念ながら、時間も人材も有限です。ここに集まってもらった皆様には儀式の阻止をお願いしたい」 「黒覇の暗殺阻止じゃないんだな」 戦力バランスと現状をスクリーンに表示させた『無貌の予見士』月ヶ瀬 夜倉(nBNE000202)に対して剥けられたリベリスタの声は不満気だ。 大なり小なり、逆凪と関わりがある故に恩を売りたいとでも考えたのか、それ以外の理由かは理解できないが。その言葉に柳眉を逆立てるほど、短絡な者はこの場にはおるまい。 「アザーバイドの出現数を考えれば妥当な話です。ここで止めなければ或いは暗殺失敗からの二の矢を許すことになりますから、何としても止めなければなりません。ご協力を。 ……それで、彼らはどうやって命を蒐集するか。そこで必要とされるのがアーティファクト『proscriptio』。所有者の半径10m範囲で命を蒐集するアーティファクトです」 「ああ、清々しいほどに分かりやすいモンが出てきたな。とにかく虐殺、俺らが来ても近づいて殺すと」 「ま、そういうことです。君たちには名古屋港に赴いてもらいます。つまりは、東海地方ってことですけれど……港ですからね。大型船の出入りを狙うんでしょう。海運の要衝でもありますし、都合もいい」 「それで、フィクサードの情報は?」 「……『巡輪太鼓』榛生 浅鵜(はしばみ あそう)。倫敦で凪聖四郎のサポートの為赴いた、そこそこの忠臣ですよ。当然、これを期にタガが外れてる上にアザーバイドも喚ぶでしょう。厳しい戦いですが、皆さんなら勝てると、信じさせていただきます」 ● If it were now to die, 'Twere now to be most happy. for I fear My soul hath her content so absolute That not another comfort like to this Succeeds in unknown fate. (今ここで死ねたら、この上ない仕合せだ。それというのも、これ以上の喜びは行く先知れずの運命ではもう二度とやって来ないような気がするからだ。) ――ウィリアム・シェイクスピア『オセロー』より 行く末の知れない運命で絶頂期を見定めることは、人間にとってこの上ない重大事である。 見定めることが出来ない人間から不幸になって死んでいくものだと、男は何より知っていた。 何度か「それっぽいもの」に遭っても、彼はまだだ、まだだと待ち続けた。……随分と老いてしまったが。今ここを絶頂期と定義するなら、それは「死ぬには良い日だ」と強がっているだけなのかもしれない、とも思う。 「……坊っちゃんしてたあの人がこうも皮が剥けるってのは、どう喜んでいいのかわっかんねえな……」 へへ、と無邪気な顔を見せた壮年の男は、死と隣り合わせであっても笑っていた。 その手のバチが、何を生み出すかわかっていても、笑えるのだ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:風見鶏 | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2015年02月15日(日)23:40 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● カチッ――と、時間経過を知らせるように耳に届いた歯車のようなノイズは何だったのだろう。下界に呼び出された悪意の声でないことは明らかだったので、幻聴だったことはわかっている。ならば、何で? それはきっと「タイムリミット」の音なのだろうと理解する。夢見がちなロマンチシズムに手を貸す程、老兵は夢に寛容であった覚えはないが、あの青年の表情一つ見て取った彼には、それが夢まぼろしの為に向けられた表情ではないことは明らかだと、理解した。 だからか。目の前に現れた相手の言葉の真意など知らないまでも、事情を訳知り顔で語る態度の是非は既に議論に乗せるまでもない。 「故に二発。貴方は私に打ち込んでいい。それで死ぬというなら、それもいい」 「カス当たりしか許しちゃくれねえ割に知った口叩くじゃねえか、嬢ちゃん。義理か何かで殺し合いを語るなら辞めときな」 受け止める理由があると嘯いた『黒と白』真読・流雨(BNE005126)に、浅鵜の反応は冷ややかなものだった。だが、攻勢に出た自分たちを押し留めた状況に至り、その言葉は軽くはないことだけは心中で感じ取り、歯噛みした。 殺しあうには余りにも、アークのリベリスタは理想主義者(あまちゃん)すぎる。納得など、最初からする気が無いというのに。 (……いや、違うか) 戦力を傾ければ自分一人「だけ」なら容易に突破するであろう手練を飽くるほど投入した癖に、この女が単騎で押しとどめようと動いた理由はそれだけではあるまい。 それを甘いと断じてしまうのは取りも直さず、アークに対する過小評価も甚だしい。笑えぬ冗談に、彼は心中で毒づいた。 「人の命を力に変えて、なんで悪趣味ね」 「えぇ、悪趣味ですよね……それに、許されることではありませんから」 『アークは常に一般人を最優先とする』、という俗説にして事実である原則を以て、『揺蕩う想い』シュスタイナ・ショーゼット(BNE001683)と『黒犬』鴻上 聖(BNE004512)は等しく不快感を露わにしていた。『直刃』フィクサードが浅鵜という支えをして過度な散開をしないのは、彼らの接敵に有利に働いた。だが、アザーバイドに関してはその限りではなく、ある程度の戦力分断を余儀なくされる結果となるのは苛立たしい限り。 事の発端としてはやはり、凪聖四郎の暴走が先に来るのだろうが……その行動は、逆凪との共倒れを待つ以上にリスクが大きすぎた。 人命を異界との接点に使う『proscriptio』。類似するアーティファクトは数あれど、その組織力と要求されるであろう人命の規模を考えれば到底、他より抜きん出て許すことの出来ない行為であることは明らかだった。 当然、彼ら二人は浅鵜との交戦経験がある以上は思うところがあるのだろうが、いのちの輝きに優先されるほどのものではない。 「港内に銃器等の危険物を所持した集団が確認されました! 危険ですので直ちに避難を行って下さい!」 近目に寄って見れば真偽を判別できるのだろうが、遠巻きに指示を飛ばす分には本物と見紛う精度の警官服。何処から持ちだしたのかは兎角、『ハッピーエンド』鴉魔・終(BNE002283)の前では問うまい。既に根回しを済ませ、順調に一般人の避難が進められていることから、少なくとも『一般人からは』命を奪うことが出来なくなりつつあることは明らかだった。最も問題となるのは中規模客船だが……殆ど退避が終わったそれの前に、ふらと現れたのは生物的な一つ目に機械的球形のアザーバイド、『クロックダウン』。自発的な爆発を行わないにせよ、近づけ過ぎることは出来ない。咄嗟に前に出た終は、僅かな一般人からは死角になるよう巧妙に刃を振るい、その姿を氷に閉ざす。 その隙をついて、僅かな人間を『もっそもそそ』荒苦那・まお(BNE003202)が倉庫側へと誘導する。十分に距離を取らせることを前提条件に戦うことは叶わなかったが、たかだか十秒を稼ぐには十分な措置だ。 当然ながら、フィクサード達が黙ってそれらを見逃そうはずもないが。リベリスタたちを射程に収め攻め手に回ったところで、散会した彼らを纏めて狙うことは叶わない。クロックダウンを有効利用するには、当座の配置は不利に働いた格好となった。 「他所見している余裕があるの?」 戦場を広く見なければならないのは敵味方の別はない。だが、かといって目の前の脅威を見逃していいわけでもない。その点において、彼らは一瞬なり至近の警戒を解いてしまっていたのだろう。でなければ、『疾く在りし漆黒』中山 真咲(BNE004687)の接近をこうも容易く許すことはなかったはずだ。 イタダキマス、と小さく吐き出されたその声と共に振りぬかれた“スキュラ”の威力はすさまじい。それが刃の実体ではないとしても、十二分に与えられた痛覚は彼の認識に齟齬を来す程度には圧倒的であった、と言っていい。 混乱に紛れ、『芽華』御厨・幸蓮(BNE003916)が動く。 まおが自らへと駆け寄り、守りに入ったのとほぼ同時に展開されたのは、空間断絶を目途とする高位魔術。彼我戦力の何れもが空間の中に放り込まれ、深く知識を持たねば切り抜けることもかなわない。 「世界の興亡この一戦に有り! いざ、参る!」 戦場に朗と響く声で戦闘への意思を宣言したのは、『無神論の盾』ラインハルト・フォン・クリストフ(BNE001635)。興亡とまで断ずることが出来るか否かは差し置いても、放っておけば遠からず日本を破滅に導くのは自明の戦いだ。不利から始まる戦いで、欺瞞の有無や勝利への算定など後回しだ。 自らを賦活させた勢いのまま、正面に揺蕩うクロックダウンへと踏み込んだ彼女を遠くからの銃弾が襲う。……到底、止まるものではないのだが。 「浅鵜のおじさま。以前お会いした時の事、覚えてるわよね」 「悪ィな、切った張ったの中で前か今か、嬢ちゃんが誰かなんて区別なんて付けられねぇ」 何処と無く意地の悪い浅鵜の笑みは、老獪なりの剣呑さを孕んでいることがよくわかる。自らに向けられた視線に背筋が凍る思いを覚え、その真意を掴む前に足が竦みそうになる。だが、支えるでもなく、視線を受け止めるように前に出た聖の頭がすっと下がるのを見て、彼女ははっとした様に彼らと視線を繰り返し、交わす。 「あの時は仲間内での意思疎通が通らず、不義理な不意打ちとなってしまい申し訳ありませんでした」 「お前らよォ」 年月を経て相応の分別を付けた、と思わせる精悍な面持ちに、しかし浅鵜は感心するでもなく聖を睨みつける。だが、その口元が愉快そうに歪んでいることをシュスタイナは見て取った。 「殴りに来たのか謝りにきたのかはっきりしろよ。駄々っ子一匹の尻拭いできる場でもねえだろ」 「今更なのは百も承知。それでも『組織』としてじゃなく『個人』として。……本当に、申し訳ない事を……」 声を絞り出し、謝罪を告げるシュスタイナを再びの睥睨が貫きにかかる。声も出ない恐怖感が彼女を襲うが、今度はその足は震えなかった。 「今回は、揺らぐ事無く敵なのでご安心を」 「『だから負けました』等と言うほど、私は。『私達』は優しくありません」 聖も、流雨も、心得ている。 少なくとも、その戦場で、綺麗事だけで戦いの全てを終わらせられるなどと思っている愚図は居ない。 「ひどい事、まお達は許せませんので。止めたいと、思いました」 「男はいつでも少年の心を持っていたいものだけど、いつまでも子供みたいに迷惑かけてていいわけじゃないからね!」 純粋な抗弁と、純粋『に見える』真っ直ぐな言葉と。距離をとって対峙した彼らの問答は、既に結論ありきで走りだしているというのに。 「分かっちゃいねえなぁ、坊主。迷惑もかけられねえ夢なんざ夢じゃねえよ、現実だ。どう思ってるのか知らねえが」 ――『元服』の邪魔はさせない。 そう、老兵は笑いながらバチを振り下ろす。号令一下、『直刃』は整然と攻勢を再開した。 「散るべき戦いなど有りはしない。戦に生きた者が笑って死ねる世界の為に。総員、突撃!」 先の号令の倍に比する声を張り上げ、ラインハルトはこれに応じた。相手に声が届かない距離で、この戦場で見えない若人の元服と嘯くその男の腹の中を理解しきれぬままで、それでも戦う、戦わせろと述べる為に。 ● 終が冷気を叩きつけようとした相手は、短く吐いた息と共に盾を前方へと高く掲げた。“氷棺”とナイフの二刀流から放たれた技量を正面から、避ける隙無く受け止めて尚、その視線は凍りついていなかった。ぱらぱらと落ちた霜を煩わしげに見やりながら、しかし攻めには転じない。背後に隠した味方を思えばこそ、動く気配を見せていない。 ゆらりと立ち昇る気は、間違いなく中堅どころの『直刃』から一歩踏み込んだ重々しさを漂わせているが、終がそれに何らかの反応を示すより早く、横合いからの突風が男を切り刻む。 続く攻撃が届くより早く、彼の背後から癒やしの波が流れるが、止め処ない集中攻撃は躊躇すらも吹き飛ばす。続けざまに放たれた遠間からの斬撃を盾で受け止めた男は、全身の傷を押して一切の痛痒を見せては居ない。少なくとも、本来なら息も絶え絶えな程度には負傷は重ねている筈なのだ。 (戦闘力もですが、あれは精神面での強化も十分されているようであります……普通に戦ったら確実に、相手方は全員……) クロックダウンに踏み込んで“無神論者の大盾”を振るったラインハルトは、視界の端での戦闘に若干ならず危機感を覚えた。相手を殺さずに捕縛するには、相手の覚悟は重すぎる。 軽妙なやりとりを重ねていた老兵が、その実抱えている覚悟の重さは彼女の想像を大きく上回っていることは明らかだった。然して、それを甘さと断ずるのは余りにも酷な話だ。 「機雷様の間合いが適度に重なっていて狙いにくいです」 「巻き込むことを前提に攻撃を繰り返してくるんだから始末に追えないね。無理をさせるようで済まない」 幸蓮へ向けられる攻撃を庇う形で、まおはフィクサードの攻勢を押し留める。だが、周辺を意識して動かなければならない彼女らと異なり、フィクサードの動きは単純だ。捨て鉢、と言ってもいい。 自分たちのダメージなど一切度外視で、クロックダウンを「効率的に起動させる」事に終始した戦術を取ってくるとなれば、それは確かにリベリスタにとって脅威となる。 起爆させずに押し留めることは無理ではない。……事実、既に1基は爆発させることなく破壊出来ている。爆発に巻き込まれたら只では済まないことは事実だが、彼らを前にして極端に気負う程の状況ではないこともまた、現実だ。 命を奪わないように制圧する、というのはどうやら簡単には行かないらしい。 アーティファクトの脅威性を理解した上で、何とか対処できないか考察するが……真咲には、生半可な加減では危険でしか無いという結論を打ち出す他無かった。 歯車が噛み合ったような音を立て、機雷に備わった目がぎょろりと周囲を舐めまわす様は悪夢的だ。聖が打ち込んだ刃が機構を破砕し、自爆を押しとどめたとしても、それは残しておくだけで脅威になる。思い切り振り上げた得物で、4基目に刃を向ける。 させじとばかりに横合いから踏み込んできた女性のレイピアは、しかしその初動を止めることはかなわない。大型ミキサーに飛び込んだ兎か何かを見るような末路を要求された相手は、それでも表情が凍りついている。折れた刃をすかさず真咲へ切り上げる胆力は恐るべきもの、その一言に尽きる。二度に亘って振りぬかれた“スキュラ”で機雷は破壊されたというのに、内蔵を吐き出しながら止まらない。生ける屍よりも質が悪いのは、無表情ながら瞳の意思が確固としている事実ひとつ。 嗚呼、これは感謝を向けなければ。 徒に命を引き伸ばすべき相手ではないと、簡潔に理解した。 「『proscriptio』、見っけ☆ やっぱり浅鵜さんが持ってたんだねー」 リベリスタ達にとって幸いだったのは、刃を落としても死なぬまま動きを止めた『直刃』が若干ながら存在したこと。死んだとして、その瞬間にさくりと、酷くあっさり件のアーティファクトの位置を確認できたこと。この二点に尽きる。 彼我の戦力差に加え、浅鵜の号令による死と負傷の恐怖からの払拭は確かに脅威であったし、リベリスタ側でも回復が追い付いていない状況を生んでいる。機雷が適切に処理できなければ、恐らくは潰走も免れなかっただろう。 「本音を言えば、貴方とは何の負い目もなく戦いたかったのですが」 「何に引っ張られてやがんのか知らねえが、そう思うなら気負わず突っ込んできな。お前さんみてえなタイプは手抜きしてなんとかなる類じゃねえだろうがよ」 「手抜きなんて出来ません。不義理の上塗りは御免です」 義理でなんとかなるものではない。義務で戦いがうまくいくはずがない。だが、シュスタイナや聖と同じ程度には、流雨は彼に負い目がある。少なくとも、本人の『認識』の中では。 だから、だろうか。何合にも亘って切り結んで、十分な隙……否、後続の仲間に猶予を与えるための『タメ』を生み出した彼女は、背後から全身し、浅鵜を受け止めた少女に僅かな視線を投げかけた。 「私はこの国の戦人を尊敬しているのでありますよ」 「……唐突だな。それがどうかしたか?」 ラインハルトは神に祈らない。神は死んだし、神秘を求める足取りは止まらないだろうと理解している。取りも直さず、それは神に頼らぬ人の意志を高く評価していることでもある。 守り続けてきたこの国の人間であれば尚の事。 もう、戦いの趨勢はついているとして。倒さねば終わらぬ戦いだとして。それとは別に、確かな言葉がまだ足りない。 「仲間が貴方を裏切りました。ごめんなさい」 「甘ぇ甘ぇと思ってたけど底なしだぜ、本当に。あまちゃんなお前らは信用しねえ。その腹で何考えてるかなんて知りやしねえ。だが」 好きにしな、と笑った男の覇気はこの期に及んで、最も重いそれだった。彼の覚悟を汲んだのか、アーティファクトがぎらりと閃く。 それからの戦いを『戦闘』と書き著すのは最早、勝者の傲慢という他ないだろう。 彼らの祭りの終わりなど、幸蓮にも、他のリベリスタにも見えていたものである。 砕け散った『proscriptio』は、それでも不満気に明滅を繰り返す。死を覚悟した男の魂を吸えないことに、どこまでも不満げに。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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