●超演劇とは! 脚本も監督もなく打合せも根回しもなくアドリブと言う名のぶち壊し合いでどこまでも高みに昇って行くカオスにして高尚な演劇スタイルのことである! ●クリスマスとは、12月24日にひたすらイチャイチャしやがるカップルたちを地獄の業火で燃やしイルミネーションの前でチュッチュしてるカップルたちをなんかネバネバしたゲル状のプールに叩き込んでお家のベッドをギッシギシさせてるカップルたちを氷の浮いた海へ引きずり込むという哀と恨みと憎しみのばぁぁくねつゴットフィ(以下略)。 ある日、掲示板にナビ子がチラシをはっつけた。 『孤児院のみんなに向けてクリスマス演劇をしよう!』 とポップな血文字(血文字!)で書かれたチラシには、なぜか機関銃を乱射する兵隊の笑顔と『まことクリスマスは地獄でおじゃるふーほほほ!』という間違ったフキダシが書かれていた。 下にはキャストやらなんやらが書かれている……。 脚本白紙。 配役不明。 監督不在。 裏方無用。 それはそれは完全な見切り発車状態である。 タイトルは。 『クリスマス・オブ・カオス!』 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年12月24日(水)22:54 |
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■メイン参加者 22人■ | |||||
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●よい子のみんなー! アークのみんながクリスマスの演劇を見せてくれるよー! きょうはたのしいくりすますいぶ。 子供はくつしたを吊るして眠りについて、サンタさんを待っています。 こんな日には聖なる奇跡が舞い降りて、不思議なことが起こるのです。 今日はどんな奇跡が起きるのでし――。 「大人しくしろトリィィィオラァ! 唐揚げにすんぞオラァ!」 「やってみろオラァ! プレゼント全部置いてけオラァ!」 泥の上で比翼子と秋茄子さんが泥レスしていた。 助走をつけてドロップキックをかます秋茄子さん。 「これを見てみろよ! はやりの胸空きタートルネックだよ! しかも長ミニだよ! つまりワタシ・オア・ダイ! だろ!?」 「シャラァッ!」 両手ばさきをクロスしてのタックルをかます比翼子。 「わたしどう考えてもいい子だろうが! たわし500個売ったんだぞ! 何の効果も無いブロンズアクセを! だからプーレーゼーンートー!」 「プレゼントはワタシだっつってんだろチキィィン!」 泥の上で魅惑のキャットファイトを繰り広げる二人。そんな彼女らをガン無視し、俊介が屈伸運動をしていた。 「さーっ、よい子にはプレゼントをあげないとな! 俺サンタだし! あれ、俺もよい子だし貰えるかな? プレゼント貰――はぐっ!?」 俊介の側頭部に厚底ブーツの蹴りが叩き込まれ、白目を剥いてぶっ倒れた。 後頭部をぐいぐい踏みつけるユーヌ。 「お前は悪い子だろう? よい子にはプレゼントを、悪い子には……なんだったか? 踏めばいいのか?」 「ふっ、ふまれるのは嬉しいけど……」 「そうかそうか、ソリになりたいと? なら……よし」 ユーヌは俊介の首に縄をかけると、その末端を自動車の後ろにくくりつけた。 「……え」 「都内は雪が積もっていないそうだ。よかったな、アスファルトの上を滑れるぞ」 「ごめんむりこれ死んじゃ――」 「ほら、がんばれがんばれ(2014年ネット流行語大賞ノミネートワード)」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 俊介が赤い大根おろしみたくなっていくのをバックミラーで確認しながら、凛子は眼鏡をちゃきっとなおした。 「また、後で治療しないといけませんね……」 凛子の車はウィングで風をきりながら、新宿の町を颯爽と走っていったのだった。 あと途中で轢かれる遥平。 場面は変わり、ロサンゼルスかどっか。 トナカイとカップルとピザの配達人が大量に行き交う町から逃げ、魅零はひとり裏路地に駆け込んだ。 「マズイところに来ちゃった。早く退散しなきゃ――ぎゃふ!?」 魅零は誰かの胸にぶつかり、鼻を押さえて後じさりした。 また誰かにぶつかってしまった。因縁をつけられても困る。 「すみません、前見てませんでし……ふぁっ!?」 顔を上げ、魅零はびくりとした。 なぜなら相手が葬識だったからだ。 ガションといってスポットライトが落ちる。 魅零は独白を始めた。 「だめ、今一番会いたくない人に会っちゃった。彼なりの優しさから他逃げてしまった自分が、会ったらいけない人……」 何があったのか知らないし人のために説明すると、魅零ちゃんが葬識のフェイスブックアカウントでコンビニの冷凍庫に詰まったりアイスをレンジにかける写真をアップして炎上させた過去があるのです嘘です。多分あれじゃ無いかな、色恋沙汰じゃないかな。蝋燭に火ぃつけるイベントのやつじゃないかな。 逃げようとした魅零の手を、葬識が掴み、殺すように抱きしめた。 うつむく魅零。 「……いらない子はいないって、本当ですか。黄桜みたいなゴミクズ、必要とされますか」 「そうやって、自分を守っていたいんだ?」 「…………」 「わかるよ、俺様ちゃんでも。いいからいいから、いいからさ……ぬくもろっか」 「……はい」 魅零は目を瞑った。 「人って、あったかいんで――」 「そろそろくたばりなァ!」 そこら中のドラム缶やらビールケースやらが吹き飛び、壁が崩壊し、血まみれの天乃が転がり出てきた。飛んできた瓶に当たって死ぬ遥平。 片腕は既にぶらんとしており、片目からは黒い液体が漏れ出ている。 天乃は世にも艶めかしい目をして、振り返った。 「メリークリスマス。いい夜、だね」 「よそ見してんじゃねえよ。まだ殺してねえぜ、オイ」 建物の中から。タンドリーチキンを食いちぎり、左手に持った銃を水平に構えたままゆっくりとウィリアムが近づいてくる。 「お前が死ねば俺は町のボスになれるんだ。全てのクリスマスプレゼントが俺のものになるんだよ。大人しく撃たれてくれよ、な?」 「「そこまでだー!」」 突如どっからともなく鳴り響くヒロイックBGM。 ライトの逆光を浴びながら、モヨタとナユタがアシンメトリーなポーズをとった。 荒ぶるサンタと荒ぶるトナカイを表現した二人はプリキュ……じゃなくて。 「正義のヒーロー、ロボトナカイ!」 「見習いサンタの、ロボマスター!」 二人はトゥッと言いながらクロスジャンプからの宙返りをしつつ着地。 「子供たちからプレゼントを奪う悪党め、許さないぞ!」 「正義の連係攻撃だ!」 二人はトゥッと言いながらクロスジャンプからの宙返りをしつつ着地。 「トナカイキーック!」 「捨て身タッーックル!」 二人はトゥッと言いながらクロスジャンプからの宙返りをしつつワイヤーアクションで突撃。 が、ウィリアムとて伊達ではない。 二人を空中で迎撃すると、くるくると銃を回した。テンガロンハットをついっとあげる。 「こちとら『左利き』ポニーだぜ。そんな攻撃がきくかよ」 「ナユタ……ここはおいらに任せて」 「そんな、モヨタを見捨ててなんて」 「行くんだ! よい子にプレゼントを配るのがサンタの使命だトナ!? 必ず追いかける、だから!」 「くっ……必ず、また会おうな!」 ナユタは目を瞑り、その場を走って逃げ出した。 「行ったか。でもごめん、約束守れそうに無いトナ」 モヨタは瞬間移動すると、ウィリアムの背後にくっついて羽交い締めした。 「はっ、話しやがれ!」 「バイバイ、ナユタ」 モヨタは激しく発光し……。 …………。 ……。 そしてロサンゼルスかどっかは核の炎に包まれた。 ●忘れているかも知れないけどこれはクリスマス演劇だよ 3014年。アンドロメダ星雲。 紅白歌合戦のトリに出てきそうな衣装装置に収まったアラストールが両手を掲げてキラキラしていた。それに立ち向かったらしき遥平が死んでいた。 嫌に荘厳な音楽をバックにゆっくりと下りてくるアラストール。 「私はこの世界のラスボスです。実はこの世界は私が作った電脳世界なのです。艱難辛苦は私の手のひらの上……あとは私を倒すだ……け……?」 「……」 後ろにいつの間にか回り込んでいたSHOGO・ライバックがアラストールの首をこきゅっとやった。白目をむいて気絶するアラストール。 朔は紅色の鉢から豪快に酒をあおり、したたった酒の滴を手の甲でぬぐった。 赤い唇が柔らかく濡れ、ちろりと出た舌が上唇を舐めた。後ろでアル中で死んでる遥平。 「私は婚館『蜂須賀』の女主人だが、その正体は国家転覆をもくろむテロリストの長だったのだ。既にこの国を転覆する情報と作戦は整っている。力だけが全てを決める世界を作る。いざ――蜂須賀、総員抜刀せよ!」 「……」 刀を抜いた朔の後ろで残りの蜂須賀一族(大体みんなバケモンか何かだと思う)が抜刀する……かと思いきや、誰も刀を抜かない。 何が起こったのだと振り返れば、SHOGO・ライバックが肉切り包丁をナイフの要領でくねくねさせながら構えていた。 一瞬にして八つ裂きにされる朔。 大帝国ジャスティス王朝。 パプペポン神殿を三倍重ねにしたようなやつのてっぺんに、一代目大統領こと竜一がふんぞり返っていた。 周りでは民という民が放射状に並び、竜一に向けて土下座を繰り返している。 竜一は全ての策が成功して調子乗ってる時のルル山さんみたいなポーズで顎肘をつくと、よしなにとか言って手を翳した。 「なにがクリスマスイブだよ、何が性の六時間だよ! オレはいちゃいちゃちゅっちゅできなかったんだぞ! できるやつは皆敵! 皆敵だからね! 世界中のリア充を爆破するために核の雨を降らせてやろうぜ! レッツパーリィ!」 『かくのぼたん』って書かれてる赤いスイッチをぶっ叩く竜一。 が、何も起こらない。 眉間に皺を寄せてボタンをよく見ると、マジックで小さくこう書かれていた。 『Kill You』 「し――SHOGOオオオオオオオオオオ!!」 爆発する三段パプペポン神殿。 そんな光景を背に、SHOGO・ライバックは葉巻きに火をつけた。 むかしむかしあるところ。シンデレラという子が居ました。 「シンデレラ、こんなまずいもの食べられないわ!」 アンジェリカは美味しいスープの入ったお皿をひっくり返し、パンを食いちぎりながら吐き捨てるように言った。 「まったシンデレラは何も出来ないんだから。シンデレラー! シンデレラはどこにいるの! 早く来なさいな!」 パンパン手を叩いてから、窓のふちんとこに指をはわせてみる。 「まあ! こんなにホコリがたまってるじゃないのさ! シンデレラ! シンデレラ早く来なさい!」 次に洋服ダンスを開き、スイカでも持ち運ぶのかなってくらいのブラ(寄せてあげるやつ)を指でつまみ上げる。 「なによこのスイカップ! 気に入らないわ、私への当てつけね!? そんなものは切り落としてやるわ! この鎌で切り落としてやるんだから! ガラスの靴だって粉々にしてやるから! 一生貧乏で過ごせばいいわ! オーッホッホッホッホッホ!」 高笑いするアンジェリカ。 そこへ。 「お母様」 シンデレラ・SHOGO・ライバックが渋い顔で現われた。 コック帽と天使のブラ、ガラスの靴を装着している。 次の瞬間、アンジェリカの脳天に穴が空いた。あと遥平が流れ弾で死んだ。 どっかの街で煙草をポイ捨てした遥平が、頭から生コンクリートをぶっかけられた。 そのままコンクリートの海へ蹴り落とされ、さらなるコンクリを注ぎ込まれていく。 紗夜はそんな様子を眺めながら、フフッと笑った。 「うん、そうなんだ。私、悪魔なんだ。悪い子に罰を与える存在……それが悪魔なんだ」 乾いていくコンクリと生き埋めになった遥平を眺めながら、紗夜は顎肘をついて微笑む。 「他にも悪い子はいるかな? いたら……そうだね。このコンクリートに名前を刻んであげるよ」 「……」 振り返る紗夜。握ると電流を通電させられるレバーをゆるく掴むSHOGO・ライバック。 彼がレバーを握った途端、悪魔とコンクリ床と遥平はまとめて吹き飛んでいった。 陽子は煙草くわえ麦わら帽子を被った陽子が、釣り竿を手に桟橋を歩いていた。 それを見たジジイたちはこのシケた海で魚なんて釣れるわけがないと笑うが、陽子は無視して桟橋の先端へと椅子を置いた。 浅く座り込み、釣り糸を投げる。 するとどうだろうか。 突如として糸が引き始め、ジジイたちがまさかと立ち上がる。 陽子は慌てて竿を上げようとするが、あまりの強さに釣り竿が海へ引っ張り込まれてしまった。 これはいけない。海を覗き込んでみて……目を丸くした。 そこにいたのは巨大な……それはそれは巨大なオニダルマオコゼのバケモンだった。あわをくって逃げ出す陽子。彼女の後ろを追いかけるかのように、桟橋が次々と破壊され、木製の床がはじけ飛んでいく。 陽子が陸地へ転がりこんだ所で、海からバケモンが飛び出してきた。口の中からにゅっと出てくるせおりの顔。しっぽの所に刺さってるアラストールさん。あと遥平。 わなわなと震える陽子。口からこぼれ落ちる煙草。 そこへ。 「エクスペン○ブルズ4出演希――」 手ぶらで現われたSHOGO・ライバック――が頭から喰われた。完全に消化されたらしく骨だけ残してペッてはき出された。 「……」 「……」 SHOGOの骨を黙って見下ろす一同。 と、そこへ。 「お兄ちゃん!」 たった一発の弾丸が飛来。せおりのバケモンを貫通。せおりはその場でどっさりと倒れ、動かなくなった。 そこへ黄金の翼と虹色の燐光を出しながら虎美がゆっくり下りてきた。 「私こそが妹オブ妹! お兄ちゃんにすり寄る薄汚い泥棒猫どもを排除するものである! 邪魔するものはなんであろうと容赦しないよ!」 そして虎美は町中を飛び回り、虹色の燐光をばらまき人類を一人残らず死滅させ、僅かに残った人類は地下シェルターと月の基地へと逃げ延び、その二つの人々は歴史の全てを黒き歴史として封印したのであった。 それから数え切れない年月を経て、ターンエー虎美が掘り出される。 遠き空から来たる超理想幻想ドラゴンナイトお兄ちゃんに反応し、幾年月を飛び越えて再起動した。 「お兄ちゃんお兄ちゃんぺろぺろ今年のクリスマスは二人きりだねやっと戻ってきてくれたんだね私嬉しいよぺろぺろ去年は一人だったなんてことはないよねないよね今年は大丈夫だよねお兄ちゃん愛してるううううううううう!!」 解き放たれる黒き歴史。巻き起こる戦争。竜一のよしなに砲。踊り出すアンジェリカ。飛び交う量産型アラストール。立ち上がる蜂須賀一族。死ぬ遥平。吊りをする陽子。爆発するせおり。生コンクリぶっかける紗夜。冷凍刑から開放されるSHOGO。今度は自分だと自爆するナユタ。涙をぬぐって走るモヨタ。死ぬまで打ち合うウィリアム。核を独占しようとする明奈。団子と酒で満足する比翼子。踊り出す俊介。それを踏みつけるユーヌ。宇宙へ飛び立つ凛子。スペースシャトルの中でやたらくっつく葬識と魅零。 歴史は繰り返し、幾度も滅亡と戦争を繰り返す。 しかしそのたびに、彼らにはクリスマスが訪れた。 そして何度めかの2014年12月。 新田快は樽の前で手を叩いた。 寒造りの季節なのだ。酒造りは繊細かつ重労働。 麹室では麹米の破精具合を見ながら切り返しや麹蓋の積み替え。破精込んだ麹を、酵母と水とよく混ぜる酒母づくり。もとに蒸し上がった掛米をの三回に分けて投入し、醪を作る段仕込み。蒸米の糖化と、糖のアルコール発酵が並行して行われる。日本酒の工程における最大の特徴「並行複発酵」だ。発酵が終われば、醪をから新酒を絞る上槽が待つ。 かつて杜氏は、農閑期の季節労働者であった。 だが、時代の変化により、社員の杜氏起用や、杜氏兼蔵元という形態に変わりつつ有る。 それでも杜氏という技術者が、酒造りという伝統芸能の担い手である事に変わりはない。 「今年もいい酒が……」 「メリークリスマス」 酒樽の中から半裸の女がざばぁっと出てきた。 星川天乃である。 現在フェイトは5である。 「殺し合いには、いい季節。踊って、くれる?」 「う、うわあああああああああああああああああ!!」 目をギラギラと光らせ、襲いかかる天乃。 半裸で逃げ出す快。 夜の町を酒まみれの半裸で死の追いかけっこをする男女。 そんな背景のもと、下からスタッフロールが流れていく。 メリークリスマス・オブ・カオス。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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