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<凪の終わり・剣林>The battle before the storm


 自分を取り囲むリベリスタ達を前に、武蔵トモエはふと思う。
 自分にもリベリスタとなる未来はあったのではないか?
 彼女が『剣林』に入ったきっかけはと言うと、ジャック・ザ・リッパーの起こした一連の事件において革醒した所を『剣林』のフィクサードに救われたからだ。『剣林』に周りを顧みない人種が多いことを考えると、これは運が良かっただけだ。
 幸い、元々体育会系の社会に生きていた自分にとって、『剣林』の空気は決して苦痛ではなかった。『剣林』も家族や友人を失い、力を求める彼女を認めてくれた。
 しかし、あるいは。
 あの場に来たのがリベリスタであったのなら、自分はリベリスタとして戦っていたのかも知れない。
「たったそれだけの人数で来るとは、俺達も見くびられたものだな」
 リベリスタの声がトモエの意識を現実に引き戻す。
 そうだ、今更「もしも」の話をして変わるものではない。トモエはスラッと刀を抜き放つと場にそぐわない明るい声でリベリスタ達に応える。
「そう思わせちゃったなら、すいませんでした。でも、これで十分です。これから増援も来るはずですし、やらなくっちゃいけないこともありますから」
 自分がフィクサードを止めることは出来ない。『剣林』には十分過ぎる程、仲間と言える者達がいる。自分だって『剣林』の人間として手を血に染めることだってあった。
 何より、自分は『剣林』の持つ強さを選んだのだ。
 新潟で起きた事件の話は聞いた。バロックナイツに強い恨みを抱く彼女としては、放置できない話だ。
 首領である百虎にしたって、外国(よそ)から来たものに機先を制せられ、忸怩たる思いはあるだろう。
 だけど、そんな想いだけでどうにもならないことなど十分過ぎる程に学んでいる。自分にはもっと力が必要だ。師である『日本最強』を越える程に、最強の魔術師の集うバロックナイツを滅ぼす程に。
 そして、世界の理不尽全てを撃ち滅ぼす程に。
「救急如律令」
 トモエの声に応じて、宙に孔が開いた。
 咆哮と共に姿を見せた龍はリベリスタ達を威圧するかのように、悠々とその巨体をくねらす。
「『蓬莱』のアザーバイドの力、篤とご覧あれ」
 そして、圧倒されるリベリスタ達に対して、トモエは声を張り上げる。
「剣林派が一、武蔵トモエ。いざ参る!」
 この世界に救いなどは無い。
 だから、トモエは力を求める。
 世界を書き換える程の強さを求めて。


 すっかり冷え込んできた12月のある日。リベリスタ達はアークのブリーフィングルームに集められる。そして、リベリスタ達に対して、『運命嫌いのフォーチュナ』高城・守生(nBNE000219)は事件の説明を始めた。
「これで全員だな。それじゃ、説明を始めるか。あんたらにお願いしたいのは、リベリスタ組織『ストーム』の救援だ。彼らが『剣林』の強襲を受けている」
 『剣林』は主流7派の中でも武闘派で知られ、その実力は折り紙つきだ。個々の戦闘力は随一とされ、真っ向から戦って無事で済む相手ではない。無意味な殺生を好むタイプでないのは救いだが、それでも話し合いで穏便に付き合える連中でもない。
 ここ最近では再び勢いを盛んにし、崩界を促進させかねない騒ぎを引き起こしている。今回のものも、そうした一環なのだろう。リベリスタ組織が減れば、それだけ崩界に抗う人員は減る。極めて簡単な話……言ってしまうと、『剣林』らしいやり方だ。
 ペリーシュの動きが追い風になったことを『剣林』は好むまいが、アークの立場としては止めるために動かざるを得ない。
「襲撃に来ているのは武蔵トモエというフィクサード。以前にアークと交戦した経験もある奴で、若い割に実力者だ。そいつがアザーバイドを引き連れて攻撃を行っている」
 首領である百虎に師事する少女で、強力なExスキルも習得している。フィクサードにしては真っ直ぐな気性の持ち主ではあるが、神秘の力の行使に禁忌は無いし、道を変えるつもりも無い。そこらの神秘犯罪者よりも危険で困った人種と言えるだろう。
 以前と比べて、百虎の使用するスキルを元に、新たな力を手に入れている。
 加えて、『蓬莱』と呼ばれるリンクチャンネルから召喚されたアザーバイドは強力だ。
「他にも『本隊』と呼ばれる『剣林』の精鋭だって来ている。『ストーム』に対しては過剰な戦力ではあるし、連中はアークが来ることも想定済み……『剣林』の性質考えれば、むしろ望んでいるのかもな」
 『剣林』はリベリスタを呼び込んでどうこうと細かいことを考える組織ではない。むしろ、来たるべき決戦への先駆けを果たすと言った所なのだろう。トモエと同様に緒戦を派手な勝利で飾るために、そして死に花を咲かせるも覚悟の上でやってきた連中だ。
 彼らは『ストーム』の拠点に向かう道に陣取っている。多少の時間はあるものの、下手に時間を取られては『ストーム』の救援には間に合わないだろう。
「説明はこんな所だ」
 説明を終えた少年は、その鋭い瞳で睨むように、リベリスタ達に送り出しの声をかける。
「あんた達に任せる。無事に帰って来いよ」




■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:KSK  
■難易度:HARD ■ ノーマルシナリオ EXタイプ
■参加人数制限: 10人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2014年12月17日(水)23:17
皆さん、こんばんは。
剣林の本気、KSK(けー・えす・けー)です。

●目的
 ・フィクサード及びアザーバイドの討伐
 ・「ストーム」の救助

●戦場
 都市部から離れた一帯にある『ストーム』のアジト。
 守生の指示に従って、救援に向かいます。
 リベリスタ達がアジトの外へ到達したタイミングで、『ストーム』とトモエの戦闘が始まります。
 アジトの内部はそれなりに広い構造になっているため、戦闘に支障はありません。アジトの外から内部の戦場に移動するには2ターン程時間がかかります。互いにスキルの効果を及ぼすことは出来ません。
 足場や灯りに不自由はありません。

●剣林フィクサード
 ・武蔵トモエ
 バトル好きでフィクサードらしからぬ真っ直ぐな性格をした少女。また、ジャック事件の中で家族と友人を失っていて、バロックナイツを憎んでいます。その一方でリベリスタと相容れない思想も多数持ちます。
 デュランダルの中級スキルまでを使い、BSに対しての耐性は高い他、「120%」を持ちます。
 また「剣星招来」という神遠貫のExスキルと、「盤古の断片・陰」という防御力を高めるExスキルを使用可能。
 『神獣鏡』というアーティファクトを首から下げ、アザーバイドの使役を行っています。
 一般的なフィクサードと比べて、実力はかなり勝ります。
 拙作『<混沌組曲・破>古の都に明日は無い<近畿>』等に登場していますが、読んでいなくても問題はありません。
 アジト内部にいます。

・『本隊』のメンバー
 デュランダル×2・クロスイージス×2・クリミナルスタア×2・ホーリーメイガス×1です。
 一般的なフィクサードと比べて、実力はかなり勝り、上級スキルを使用します。
 アジトの外にいます。

●『蓬莱』のアザーバイド
 いずれもアジト内部にいます。
 ・龍神
  鹿の角、蛇の胴体。鷹の爪を持つ10m程の怪物です。1体います。
  『蓬莱』と呼ばれるリンクチャンネルより呼び出されました。
  毎ターン、常に2回行動を行います。
  能力は下記。
  1.飛行能力
  2.雷の息吹 神遠貫 雷陣、麻痺
  3.暴風 神遠域 圧倒
  4.引き裂き 物近域 失血、崩壊
  5.絶対者

 ・蝗神
  直立した蝗のような姿をしたアザーバイド。8体います。
  能力は下記。
  1.食いちぎり 物近単 連、虚脱

●ストーム
 アークと協力関係にあるリベリスタ組織です。アークと連携してエリューション事件の鎮圧を行っていました。
 現在、残っているのはクロスイージス×2・覇界闘士×2・ホーリーメイガス×1です。
 実力は並みのリベリスタと比べて若干勝りますが、真っ向から剣林と戦って勝てる程ではありません。


●Danger!
 このシナリオはフェイトの残量に拠らない死亡判定の可能性があります。ご注意下さい。


参加NPC
 


■メイン参加者 10人■
アウトサイドデュランダル
鬼蔭 虎鐵(BNE000034)
アークエンジェホーリーメイガス
来栖・小夜香(BNE000038)
ハイジーニアスデュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
ギガントフレームクロスイージス
ツァイン・ウォーレス(BNE001520)
ナイトバロン覇界闘士
設楽 悠里(BNE001610)
ハイジーニアスクリミナルスタア
禍原 福松(BNE003517)
ハイジーニアスホーリーメイガス
海依音・レヒニッツ・神裂(BNE004230)
ハーフムーン覇界闘士
翔 小雷(BNE004728)
ハイジーニアスクリミナルスタア
城山 銀次(BNE004850)
ハイジーニアスソードミラージュ
ベオウルフ・ハイウインド(BNE004938)


 嵐はいつだって唐突に訪れるものだという。
 しかし、それは正しいとは言えない。いつだって、前兆は存在する。
 それは静寂の形を取るのかも知れないし、別の嵐なのかも知れない。
 どのような形であれ、確実に存在する。
 だから、1本道の守りについていたフィクサード達も慌てはしない。アークの到来など、とうに知れているのだ。
「アークを待っててくださったんでしょう?」
 簡素な外套を纏う『ヴァルプルギスナハト』海依音・レヒニッツ・神裂(BNE004230)が悪戯っぽく笑う。その笑顔は幼女のように無邪気で、妖女のように艶やかだった。
 並みの革醒者ならその場を率先して逃げ出すような相手に対して、臆することなく挑発的な視線を向ける。
「ええ、ワタシもちょうど『それなりに強くて』『それなりに頑丈な』的を探してたところなんですよ! 試し撃ちさせてくださいな。素敵な利害の一致でしょう?」
「『剣林』相手にそんな交渉持ちかけるたぁ、さすがは『癒さないホーリーメイガス』だなぁ」
 ここに来たリベリスタ達は世界にその名を轟かせたリベリスタ組織アークの中でも最精鋭だ。強さを求める『剣林』にしてみれば垂涎の相手と言える。
 そんな彼らの興味を引かんと、『はみ出るぞ!』結城・”Dragon”・竜一(BNE000210)はやや芝居がかった動きで前に進み出た。
「運がなかったな、貴様ら。いや、剣林としては、運が良かった、のだろうかね」
 竜一の手にはいつの間にか、刀と剣が握られている。
 既に一刻の猶予も無い。中に仲間が切り込むための時間を作る。それだけだ。
 そして、竜一は渾身の力を込めて剣を振り下ろすと同時に、高らかに宣言した。
「存分に味わえよ……あれこそが、希望の箱舟! アーク最強・設楽悠里だ!」」
「噂通りの奴だな、本当に!」
 フィクサードのツッコミと同時に、場を暴君としか評しようの無い圧倒的な力が支配する。
 リベリスタ達の目的は『剣林』フィクサードの討伐、そしてリベリスタ組織『ストーム』の救出だ。救出に向けて仲間を送り込むためにも隙を作りたい、というのが海依音や竜一の思惑である。しかし、フィクサードとしてはこの場に並んだ実力者の首はいずれも魅力的で、通すつもり等さらさらない。
 故に暴君は道を生み出した。
 いや、『破壊』したという方が正しいのかも知れない。
 慌てて陣形を立て直そうとするフィクサード達だが、それを許してやる程リベリスタ達は甘くない。
「そうやすやすと止めさせるわけにはいかないのでな」
 言葉を発したのはベオウルフ・ハイウインド(BNE004938)だ。
 フィクサード達の体勢を立て直すべく動こうとしたホーリーメイガスを中心に神秘の閃光弾を炸裂させる。如何にも武人然とした雰囲気を漂わせていたベオウルフからの、予測の外側から飛んできた攻撃にフィクサードは虚を突かれる。
 その間隙を突くように、数名のリベリスタ達が道の先へと突き進もうとする。
 体勢を立て直したフィクサード達が止めようとするが、それよりも速く1人の男が立ち塞がった。
「有名人が気になるのは分かるがよォ……舐めてんのかァ? テメェら、俺を、見ろ」
 鋭い眼光を光らせて、フィクサード達をねめ回す、その男の名は『悪漢無頼』城山・銀次(BNE004850)。かつて『剣林』に敗れ、今再び『剣林』打倒のために立ち上がった男だ。
 銀次の顔そのものを覚えている敵はいなかった。しかし、城山組の名は知られており、フィクサード達を釘付けにするには十分なものだった。いや、彼の強固な自我(エゴ)が世界そのものを書き換えたのだ。暗黒街の盟主が背負う意地は、ときとして魔法以上の神秘を可能とする。
 そして、獲物が釣り針にかかったことを確信すると、銀次は凄惨な笑みを浮かべて殴り込みをかけた。
 殴り込むのが銀次ならば、切り込んでいくのは『元・剣林』鬼蔭・虎鐵(BNE000034)だ。
「さって一丁蹴散らしてやるかな」
 簡単な言葉とは裏腹に、虎鐵の身体を破壊神を思わせる闘気が虎鐵の身を覆っていく。そして、その闘気をそのまま暗黒の瘴気に変えてフィクサード達に叩きつける。
「お前は……鬼蔭虎鐵か!」
「最近剣林の動きが活発になってやがる……百虎の差し金か?」
 虎鐵の表情はどこか楽しげに見える。旧知のものに会う様に、親しげな様子だ。いや、実際相手が古巣の人間だからだろう。生粋のバトルマニアである彼にとって、刀で語り合える人間というのはある意味で肩を並べて戦うリベリスタ以上に気安い存在とも言えるのだ。
「いよいよ言うとおり決戦の舞台を整えて来てるのか……面白ぇじゃねぇか!」
 快哉の叫びと共に虎鐵はスッと刃を自身の手前に構え、目を細めて呟く。
「ぶっ潰してやるよ」
 その言葉を嘘にしないだけの破壊力を、虎鐵は持っている。
 一方、フィクサード達の攻撃を冷静に受け流しながら、『ガントレット』設楽・悠里(BNE001610)は思う。この奥にいるというフィクサードのリーダー、1人の少女のことだ。
(そう、たまたまだ)
 アークに来る前の自分のことを悠里は思い出していた。
(僕と彼女の違いは、たまたまアークに来た、たまたま剣林に拾われた、それだけだろう)
 『ただの人』でしかない悠里もまた、『剣林』に拾われていたのならそこでフィクサードとして戦っていたのかも知れない。運命がたまたま選んだだけというのなら、たしかに彼女と自分は『似ている』。
(だからこそわかることも、わからないこともある。
 言わなくちゃいけないことが、ある)
 だからこそ、ここでむざむざと止まってはいられない。悠里の拳を覆うガントレットが一際の白い輝きを帯びる。
「ハァッ!!」
 悠里は気合と共に氷の拳を放つのだった。


「アークだ、援護する!」
 『桐鳳凰』ツァイン・ウォーレス(BNE001520)の溌剌とした声が、強大なアザーバイドを前に絶望していた『ストーム』の者達に勇気を与える。
 救援が来たということもさることながら、ツァインというクロスイージスの名はそれ程までに国内に知れ渡っているのだ。
「イージス下がってホリメをガード! 他は遠距離で援護頼む!」
 そんなリベリスタ内での評価を知ってか知らずか、ツァインは手早く簡単に指揮を執る。すると、自然と『ストーム』の士気は高まって行った。
 それでもなお、状況は芳しいとはお世辞にも言えない状況だ。
 ツァインは場を率いるフィクサードが十分な使い手であることを理解している。加えて、率いるアザーバイドも並々ならぬ力を有していることは見れば分かる。『ストーム』のリベリスタ達と比べて実力が勝るのは間違いないし、彼らを守りながら戦うのは困難なオーダーだ。
 しかし、むしろ『善悪の彼岸』翔・小雷(BNE004728)の心は猛っていた。
「あれは、本物の龍か。虎の因子を持つ俺の前に現れるとはなにかの因果か」
 小雷の目がきらりと金色に輝く。
 若きリベリスタの中に宿るのは獣の力と、人の心。
 彼の制する獣の力が、目の前の巨大な獲物を狩れと叫んでいるのだ。ましてやそれが、虎の宿敵と呼ばれる魔物ならなおさらのこと。
「まさか本物の龍と戦うことになるとはな」
 軽く舌なめずりして、バンテージの巻かれた拳を軽く打ち合わせると、フィクサードやアザーバイド達へ挑発気味に手招きをする。
 恐れは無い。
 あるのはこれから倒れずに戦い抜くという誓いだけだ。
 想いの強さと言うのであれば、『ANZUD』来栖・小夜香(BNE000038)だって決して負けてはいない。戦場において癒し手――ホーリーメイガスが持つ戦いの重さは、パッとイメージされるものよりも遥かに重い。彼女らが背負うのは命の重さ。それを護ることは、なによりも過酷な戦いだ。
 小夜香はぼんやりと手を光らせながら、すっかり散らかされてしまったアジトの内部、そして傷付いた『ストーム』のメンバーをつぶさに観察する。
 被害は十分に出ている。
 故に、これ以上の被害が出ないようにしなくてはいけない。
「私は皆の言葉が届く事を願い、そして無事を祈り……精一杯支え、護り、癒しましょう」
 十字の錫杖を掲げて、小夜香は6枚の翼を広げる。
「それが私の戦いって言うものよ」
「だと言うのなら、その戦いにも勝利を刻ませてもらいます。『剣林』の名に懸けて」
 小夜香に対して、フィクサードの少女が刃を向けてくる。
 対して小夜香は軽く頷いて、回復スキルを使用するための詠唱を開始した。
「負けるつもりが無いのはこっちも同じさ」
 そう言って、『ラック・アンラック』禍原・福松(BNE003517)は咥えていたキャンディを噛み砕く。彼の目に宿る光は、闘神を思わせ鋭くフィクサードを射抜く。
 以前は友軍として戦場を共にした。
 しかし、過去は過去。今は今。
 今は敵だ。
「以前、剣林の宴会で言った通り、やる以上は本気でやらせて貰う」
「こちらもそのつもりです。勝利を刻んで、『決戦』の始まりを飾りますよ」
 互いの目には敵に対する怒りも、対することへの悲しみも無い。
 あるのはただ、闘いだけだ。
 リベリスタとフィクサード、彼らは相容れない存在であるが、戦うという点でだけは同じだ。戦うことでだけ、分かり合うことは出来る。
 故に福松は戦いに偽りを持ち込まない。
 自身の全てを真正直に叩きつけるだけだ。
「お前達に倣って名乗らせて貰うなら……アークのチンピラ、禍原福松、推して参る!!」


 アジト内部で戦闘が始まった頃、外側の戦闘は一層の激しさを増していた。
 無事に虎鐵を送り出すことに成功したものの、それは背水の陣を敷いたとも言えるのだ。相手は純粋に数で勝っている。しかも、武闘派『剣林』の最精鋭である。国内でもこれに勝るフィクサードはそう多くない。
 しかし、同時にこの場にいるリベリスタ達もまた、奇跡の箱舟アークの最精鋭だ。国内で彼らに勝るリベリスタ等いないのだ。
「さすがに手強いな」
 表情を崩さずに淡々と事実を呟くベオウルフ。
 海依音を庇うようにしながら、戦況の推移を眺めるに、状況は悪くない。先に挙がった不利は、十分に戦術(タクティクス)で補えている。それでも、フィクサードの攻撃力は決して油断できない。
 放置すれば、負けはしないまでもかなりの戦力を削り取られてしまうだろう。
「ならば……!」
 ベオウルフは上位存在の力を呼び込むべく詠唱を行う。
 現れた力は癒しの風へと姿を変え、リベリスタ達に力を与える。
「ちょうど良いぜェ。身体も暖まって来た所だ!」
 はっきりと勢いづいたのは、銀次だ。既に全身は血に濡れているが、知ったことではない。むしろ集中力は研ぎ澄まされ、殺気を向けるフィクサード達の動きがはっきりと感じられる位だ。
「カッ、問答は不要だよなァ。死ねよや剣林ぃいいいい!」
 銀次の周りを取り巻くように黒いオーラが現れ、八岐大蛇を思わせる形を取る。すると、それらは彼の拳に合わせるように荒れ狂い、混乱していたホーリーメイガスの首を捻じ切った。
「定石だろうが! 仇討ちたいってならかかってこいや! 撫で斬りには丁度いいってもんよ!」
 殲滅戦と言わんばかりに激しく拳を振るう銀次。
 一方、海依音は軽やかに杖を操る。
「ここは任せて先にいけとか、萌えるシチュじゃない」
 戦場でこのような軽い冗句を口に出来るのが海依音・レヒニッツ・神裂という女の強さだ。彼女の姿だけを見ていると、聖女が信者に微笑みかけているように見えるかも知れない。
 だが、実態は逆十字を背負い、神を呪う悪女だ。
 そんな女が、状況を他人任せにするなどと言うことがあろうか。いや、無い。
「それじゃあ、耐えてみて下さいね」
 先の宣言通り、軽くウインクした海依音は天に呼びかける。
 すると、場に現れたのは強大なチカラだった。
 最後の審判を思わせる炎は、癒しにも使える海依音の魔力をただただ破壊の力に変えてフィクサード達に降り注ぐ。
 破滅の炎の中で刃を交える守護者(リベリスタ)と破壊者(フィクサード)の戦いは、まるで黙示録の世界を再現しているかのようだ。
「やるじゃないか。それでこそふさわしいってもんだ……設楽の相手に!」
 ノリは相変わらずの竜一であるが、さすがに先ほどまでと戦術を変えている。
 ここまでの混戦になっては先ほどまでのように大技で攻めかかる訳にはいかない。全身の力を集中し目の前の敵に叩きつける。
 竜一の言葉に苦笑する悠里も次第に戦いのペースを上げていた。
 攻撃そのものは丁寧なコンビネーションパンチだ。しかし、フットワークが明らかに軽やかになっている。その動きによって、次第にフィクサード達も翻弄されていってしまう。
「さぁ、そろそろ終わらせてもらうぜ。トモエたんをくんかくんかはむはむしたいからなぁ!」
 さらっと碌でも無い台詞を口にして、竜一は渾身の力で二振りの刃を振り下ろす。
 こんな性格ではあるが竜一とて随一のデュランダル。その破壊力は防御の暇も与えず、フィクサードを武器ごと打ち砕くのだった。


 全身に気を巡らし、小雷は迫る悪神の攻撃を受け流す。
 周囲を取り囲む敵の攻撃を、小雷は剛柔一帯の構えで迎え撃った。
 リベリスタ達の使命の半分は、『ストーム』を逃がすこと。ならば、自分に引き付けてしまえば、彼らに向く攻撃は減る。簡単な話だ、言うだけなら。
 しかし実際のところ、敵の攻撃に耐えきることが出来なければ仲間が1人倒れるというリスクもはらんでいる。
「どうした、この程度か!」
 そんな危険な役割を小雷は見事にこなしてみせた。
 それどころか、盛んに挑発的な軽口まで叩いている。
 いや、不遜な口を叩くのは彼だけではない。
「おいおい剣林はいつからこんなもんに頼るようになったんだよ……アァン?」
 『龍』とは古代中国において神が与えられた存在だ。天地自然の化身とも言われ、畏れられた存在でもある。しかし、アジトに突入した虎鐵はそれを……つまらぬものと断じた。
 アジトの内部に到着した虎鐵は、早速不機嫌そうに告げる。通常の神経を持つ者なら、暴威を振るアザーバイド相手に対してこんな口をきく者はいないだろう。
 だが、虎鐵にしてみれば「気に入らない」、それだけの話だ。
「少なくともあなた達相手に1人で勝てる程自惚れてはいません」
「己の力しか頼らねぇのが剣林だと思ってたんだがな!」
 怒りを隠そうともせず、虎鐵は漆黒の刃を振り抜く。すると、憤怒は暗黒となって悪神に食らいついた。
「嬢ちゃん、テメェの太刀筋からはたしかに百虎の匂いがするな」
 肩に刀を置いて虎鐵はフィクサードに声を掛ける。その様子からは一片の油断も見出すことは出来ない。あの百虎が弟子などと言うものを取ったのも意外だが、それだけの何かを見せた相手なのは想像に難くない。
 だからこそ、負けられないのだ。
「テメェも強さを求めている口だろ? だがな、百虎を越えるのは俺だ……!」
 力強く宣言する虎鐵。
 そして、増援の存在はリベリスタ達に力を与える。
 矜持の問題を抜きにしてしまえば、戦力としてアザーバイドの力は純粋に高い。『ストーム』の実力に対しては、過剰な戦力と言える。それを思えば、最初からアークとの戦いは織り込み済みだったのだろう。
『今のうちよ。距離を取って……』
 そこまで読み切った上で、小夜香は『ストーム』のリベリスタ達にテレパスで密やかに指示を飛ばす。ここでアザーバイドの無差別攻撃に晒されるよりは、外側の方がまだしも安全と言える。このタイミングでなら、『ストーム』が逃げられる目は十分にある。
『分かった。気を付けてくれ!』
 曲がりなりにもリベリスタ潰しを目的としている以上、単に隙があるだけであればフィクサードも見逃しはしなかっただろう。だからこそ、小夜香は念話を用いた。武闘派集団であるだけに、『剣林』にこの手の搦め手は有効な場合が多い。
「出来れば外の連中を助けて欲しい! ここは大丈夫だ、行けッ!」
 敵の攻撃が届かなくなったタイミングを見計らって、ツァインは大声で叫ぶ。
 依然としてアザーバイドは存在し、戦力も減った計算になる。しかし、心置きなく戦える分、考えようによっては圧倒的に不利な状況ではなくなった。
 最早我慢は不要とばかり、福松は戦場に弾丸をばら撒く。
 すると、跳弾は複雑な軌道を描き、弾丸はわずかに急所を外しながらもフィクサードの身体に吸い込まれていった。
「チッ、まだ足りないか!」
 福松は生命力を吸い取られるような感覚を味わいながら毒づく。並みのスキルでないことは理解していたが、通常のものに比べて加護を破り辛い。しかも、反撃のオマケ付きだ。
「甘く見られたのなら心外ですね」
「いや、決してお前をナメている訳じゃない。アークとは言えオレは所詮チンピラだ、殺す相手くらいは自分で決める」
 福松は主人公になりきれない時分の事を知っている。
 それでも、運命を選ぶのは自分の仕事だ。男の仕事は決断すること。他の誰にも譲る訳にはいかない。
「気に入った奴は殺さない、例え悪党だろうとな!」
 目の前のフィクサードが放つ魔剣に合わせるように、福松自身も魔剣を召喚する。
 甘く見たから手を抜いているのではない。目の前のフィクサードを止めるために、福松は全力を尽くす。彼は決めたのだ。殺さずに、勝つと。
「かぁ~、本当に強くなったなぁ武蔵よぉ……」
 周囲に星のように煌めく魔剣の姿に、ツァインは感心したような声を出す。以前の戦いでは痛み分けのようなものだ。その頃から幾多の戦いを経て自分も強くなったが、敵も強くなった。喜べるような話ではないはずなのに、何故かそれがとてつもなく嬉しい。
 しかし、声とは裏腹にその身から迸る闘気は尋常なものではない。
 7の守護で不足なら8つ。
 4の角と4の覆いを持つ黄金の楯。
 敵の持つのが壊す強さなら、自分には護る強さがある。
「叫べ、オハンッ!」
 魔剣に貫かれ、ツァインの全身に衝撃が走った。それでも、大地を踏み締め思い切り踏ん張る。ここで倒れてやるわけにはいかない。たとえ、運命を燃やしたとしても。
 自身の身を襲う痛みすらも力に変え、ツァインは十字に剣を振り抜いた。


 気付けばアジト内部に動く影は、数を減じていた。当初戦場にいた『ストーム』はリベリスタの力添えのお陰で撤退し、蝗神達もリベリスタによって叩き潰されていったからだ。
 それでもなお、状況は五分とは言えなかった。
 多くのリベリスタ達が運命の炎を燃やし、ギリギリのところで耐えている状態だ。
「慈愛よ、あれ」
 小夜香の癒しが無ければ、それすら困難だったろう。
 しかし、その天秤が崩れる時がいよいよやって来た。
「外は片付いた! 支援に入るよ!」
 外でフィクサードと戦っていたリベリスタ達が、アジト内部に踊り込んできたのだ。悠里は早速、フィクサードの抑えへと向かっていく。
「『ストーム』の人達は待機するよう言ってあるから大丈夫、安心して」
「分かった。後衛、貫通あるぞ! 前衛との立ち位置に注意! 小さいのをとっとと片付けるぞ! やばくなったら自分の身を守れ!」
「フフフ、福きゅん、ワタシに惚れてもいいのよ!!」
 ツァインが手短に状況を伝えると、海依音は明るい声と共に黙示録の炎を解き放つ。
 生き残っていた悪神達はうめき声を上げながら溶けて行く。しかし、そのような凄惨な地獄絵図を生み出しながら逆十字の聖女には自身の所業を恐れるような風は無い。
「まだまだ、行けます、よね?」
「逃げるという選択肢はすでにないぞ。越えられりゃしないのさ、設楽のしたラインはな!」
 限界以上の力を以って、アザーバイドの鱗を竜一の刃が切り裂いていく。
 内部に突入したリベリスタの粘りと、外側で戦うリベリスタ達の突破力。その2つの力が上手い具合に噛みあい、一気に状況は好転した。
 だからと言って、竜一もここで手を抜くつもりは無い。1人たりとも逃さないつもりで来ているのだ。
 それは『剣林』も同様。邪魔な取り巻きがいなくなったのを良いことに、敵を巻き込むような攻撃を遠慮せずに始めた。
 状況は決して楽観を許さない。互いの消耗が激しい以上、裏を返せば状況の危険性は増している。そして、それを恐れないのが銀次と言う男だ。
「百虎の弟子とか言う話だったなぁ、なんだかんだで面ァ合わせてなかったが……まァいいさ、相手が誰であれ剣林であるなら叩ッ潰すだけのことよ」
 血に濡れた拳を握りしめ、銀次はフィクサードの顔を真っ直ぐ殴りつける。一流のリベリスタであっても3度は死んでる怪我を負いながら、なお銀次の戦意は衰えない。
「剣林百虎の直弟子を殺せりゃあ、其れには意味があるってもんよ!」
 かつて『剣林』と戦った時には自分の身内も殺された。相手が女子供などと言うことは、この世界において意味は無い。
 『剣林』に宣戦布告を叩きつけるのなら、上等な相手だというもの。『剣林』を討つために手段を選ぶつもりは無い。そして、『剣林』を斬るのに城山である事以上の理由は不必要だ。
 と、殴り抜けたところで、銀次の身体から力が抜けていく。如何に丈夫な男と言えど、実際に不死身な訳ではない。しかし、寸での所で仲間が支える。
 ベオウルフもまた、先の戦いで負った怪我の痛みをこらえながら詠唱を行う。
「やらせはせん」
「癒しよ、あれ」
 数が揃った以上、リベリスタだってフィクサードの優勢をみすみす許しはしない。ベオウルフと小夜香の呼び込む癒しの力がリベリスタ達に力を与える。
(力を求めるっていうのも行き着く所まで行けばこうなるって事なのかしらね。ただまだ引き返せない事もない位置、だとは思うけども)
 力を振るいながら、小夜香は嵐の渦中にいるフィクサードの少女に目をやる。あの耐久度もおそらくアーティファクトから得たものなのだろう。それでも、十分に戻れる場所にいるとは思う。
(ま、初対面の私より彼女の心を打てそうな人は他にもいるわ)
 だから、小夜香のやることに変わりは無い。
 精一杯、護り、癒し続けるだけだ。


 『強さ』だけの話をするのなら、どちらに傾いてもおかしくなかった。
 『覚悟』を加味したとしても、それは変わらない。
 であれば、差を生んだのはそれ以外の所なのだろう。
 互いに少なからぬ戦力が倒れ、それでも彼らの戦いは終わらない。嵐の前の前哨戦などではない。個々が既に、嵐の最中であった。
 互いに奥義を尽くし、勝利をもぎ取らんとしているのだ。
 悠里の見た所、という差異はあれ、攻撃者への反撃と防御力や状態異常への耐性を与えるものだ。フィクサードの持つ加護は並みよりも破り辛いというのもあるだろう。名前からすれば対になる技があるのかとも邪推できるが、この場においては重要ではない。
 ただ、相手が防御力を選んだのであれば、虎鐵が選んだ道はひたすらな破壊力だ。相手を殴れば自分も少なからず怪我を負うが、それを恐れる必要は無い。先に敵を倒してしまえばそれで良い。
「確かに硬ぇな。だが、テメェの防御なんざ関係ねぇ。いくら硬かろうと貫通させれば問題ねぇだろ?」
 虎鐵の限界を超えた一撃が放たれる。直撃すればそれこそ、『日本最強』の一撃にすらそうそう負けはしないだろう。さしもの強大な防御も打ち砕き、相手は運命の炎を燃やして凌ぐのが精一杯だ。
「俺も自分の刀を磨き続けた。だがまだ足りねぇ……強さが足りねぇ」
 虎鐵も目の前の少女と同じだ。何かを守りたいと願い、そのために力を欲した。そしてそれと同時に、闘いそのものを愛している。それを喰らえば、あの頂にも手は届くはず。
「ダテにテメェより剣林をやってた訳じゃねぇからな?」
「わたしだって……まだまだ力が必要なんです! 世界を変えるために!」
「自惚れるな!」
 その時だった。
 アザーバイドの巨体がどうと地面に崩れ落ちる。周囲に粉塵が舞い上がった。
 その中から出てくるのは小雷。
「理不尽を変えるための力が欲しいだと? 貴様一人で何ができる! 一個人にできることなどたかがしれている。アザーバイドの力を借りたところで同じだ。まして力で不条理を消し去るなどとは、所詮は子供の駄々事!」
 小雷に少女の気持ちは痛い程分かる。以前彼女と出会った時に、かつての自分と同じものをその瞳の中に見た。小雷もまた、家族も故郷も失っている。それどころか、討つべき仇すら失った。
 世界の不条理は良く知っている。それでも、耐えなくてはいけないことがあるのだ。それでも。拳を振るうことを止めたりしてはいけないのだ。
「理不尽を絶やしたいなら、自分が理不尽になっちゃいけないよ」
 少女を取り囲むような位置取りをしながら、悠里は語る。『運命』が自分と違う道を与えた少女に。
「僕は君を同じ志をもった仲間だと思う、だからこそ言う。君は『剣林でいながら、非道を許さず、理不尽を絶やすべきだ』」
「何を馬鹿なことを……それがリベリスタの台詞ですか?」
「だろうね、難しいことだろうとも思う」
 悠里にだって、自分がどれだけの無茶を言っているのかは理解できている。リベリスタ組織であるアークにだって、全てを救うことは出来ていないのだ。
 だけど、
「僕はアークにいるけど、大の為に小を犠牲にはしない。全部守ってみせる」
 少なくとも矜持だけは曲げたりしない。そのためなら、いつだって死に物狂いで手を伸ばしてみせるだろう。
「その意地が貫けないなら、君はバロックナイツや剣林百虎はおろか……僕にすら、勝てない」
 そこまで言うと、悠里は拳を構える。
 膝を大地につき、肩口から血を流しながら、福松は血に濡れた手で帽子の向きを直す。
「お前は、理不尽を打ち滅ぼしたいんだろう? ここでオレと刺し違えるのが、お前の死に場所なのか?」
「もう一度聞く、俺達とともに戦う気はないか? 不条理だらけだが、今は耐えてくれ」
 福松と小雷の言葉は終わった時、崩れていく『ストーム』のアジトにほんの少しだけ静寂が宿る。
 それは嵐の前の静けさ。
 巻き上がる炎の音だけが、パチパチと聞こえてくる。
 沈黙を破ったのはツァインだった。
「根だ、武蔵」
 戦った相手だから分かることがある。
 騎士として生きるツァインだが、その根底には戦いに対する独特の価値観がある。戦いでなければ伝わらないものがあるのを知っている。
「人は留まると根が生える、勝手にな。それが理由になる事もある……少なくとも俺は、今までのお前が間違ってたなんて思わねぇよ。ま、小難しい話は後だ。おっ始めようぜ!」
「テメェを踏み台にして更に強くなってやるよ。さぁ、闘争をしようじゃねぇか」
 虎鐵は猛虎の表情を浮かべると、全身に闘気を滾らせた。
 そう、どんな嵐の中であっても、戦いの灯かりは導いてくれる。この場にいるリベリスタ達には、その道しるべを見ることが出来る者達がいる。
 リベリスタ達の言葉にフィクサードの少女も刀を構え直す。
 それを見て、ツァインは相好を崩すと、己のフレームに神気を巡らせる。コアから溢れ出る力が、剣にまで達する。
「生えた根を断ち切るのは痛くて当然。後はお前が決めろ、俺は少しだけ先を行かせて貰う」
 これ以上の言葉は不要と、ツァインは口を閉じる。
 そして、言葉も無く踏み込みと共に、渾身の一撃を解き放つのだった。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
『<凪の終わり・剣林>The battle before the storm』にご参加いただき、ありがとうございました。
信念と刃を交える戦い、如何だったでしょうか?

後続の到着が割と理想的なタイミングになったのが主な勝因でしょうか。
それぞれの信念もあって、良いプレイングでした。

武蔵・トモエはアークの手によって捕縛されました。
当座は軟禁状態になるでしょう。現状では、リベリスタになることもありません。

それでは、今後もご縁がありましたら、よろしくお願いします。
お疲れ様でした!