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皆、大事な話がある……シャワー回だ!

●アークリベリスタ
 ここは武道館のシャワールーム。
「……っ!? すみません!」
「ん?」
『停滞者』桜庭 劫(BNE004636)がシャワーを浴びている時に、うっかり『茨の冠』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)が扉を開けてしまった。見られた劫よりも見てしまったリリのほうが恥ずかしくなって慌てている。

「……というシーンを隠し撮りされていたらしい」
「「「「やけに冷静だな、おい!」」」」
 劫の言葉に集まったリベリスタたちは一斉に声を上げた。証拠とばかりに持ってきた写真には劫とリリが写っており、劫はカメラ目線でドヤ顔までしている。隠し撮りとは何だったのか。
「何で劫なんだよ! リリのほうじゃないの!?」
「全くだ! 男のシャワーシーンに何の価値がある!」
『覇界闘士<アンブレイカブル>』 御厨・夏栖斗(BNE000004)と 『はみ出るぞ!』結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)は声を露にして主張する。健全な男の子として、叫びたいことはあるのだ。気持ちはよくわかる。何故そっちかと。
「この写真から察するに、犯人は分かっているようですね」
『騎士の末裔』ユーディス・エーレンフェルト(BNE003247)は写真を見ながら半ば呆れたように呟いた。劫には慌てている様子はみられない。むしろ撮られて居直っている。
「この人たちです」
 ユーディスの質問に答えたのは、リリだった。返事と共に出したのは革醒者のリストが数枚。能力の詳細などが書かれてあるが、特筆すべき点は彼らが住んでいる場所である。
「……三高平在住って書いてるように見えるんだけど?」
 書類の一点を見て『そらせん』ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)が呟いた。ご丁寧に通っている学校まで書いてある。書類の出所もアークで、それなりに詳しい個人情報がかかれてあった。
「有賀誠。今年十歳になったばかりの小学生です。小学校の仲間と一緒にいくつかの非戦スキルを駆使して街中を探検している……のですが」
「ああ、なんとなく理解した。悪戯心で盗撮するようになったのね」
 ええ、と頷くリリ。若干思春期に目覚めたこともあるのだろう。あるいはそっちがメインの可能性もある。
「子供の遊びだな。で、どうするんだ?」
「捕まえて叱る程度でいいだろう」
『銀狼のオクルス』草臥 木蓮(BNE002229)が写真を手にしながら口を開き、『八咫烏』雑賀 龍治(BNE002797)がどうでもいいとため息をつきながら答えた。
「ええ、そう思って彼らに会いにいったのですが……叱っている途中で逃げ出してしまって」
 申し訳なさそうにリリは肩を落とす。聞けば逃走用にスキルを組んでいたようで。流石に破界器を使うわけにもいかずに逃亡されたという。
「うまく不意をつかなければ逃げられるのか」
「じゃあ囮作戦ね。皆でシャワーを浴びておびき寄せましょう」
 ソラの言葉にリベリスタが頷きそうになる。誰かがシャワーを浴びて、そこに現れた有賀達を捕まえる。成程うまくいきそうだ。だが……。
「皆……? 男もか?」
「彼ら、男も撮るわよ」
 マジで!? と驚くが劫が撮られた以上は間違いないだろう。見ればメンバーの中に女性もいる。
 ともあれ、シャワーを浴びるお仕事の開始である。

●五年三組探検隊
「次のターゲットはアークのトップリベリスタ八人だ!」
 リーダーの有賀が方針を決める。持ってきた資料はリリたち八人の資料だ。
「よし。作戦は任せろ」
 サブリーダーの遠野が頭脳を回転させる。行動力のリーダーと頭脳の自分。名コンビだ。
「筋肉……ああ、速度重視のソードミラージュの筋肉と、近接のデュランダルと覇界闘士の筋肉! そしてスターサジタリのも……! たまりません」
 若干危ない目をして、森岡がやる気を示す。メガネの奥の瞳が、このチームのレーダーとなる。
「……むー。大人な女性もいるのね……」
 一人、責めるような視線でリーダーの有賀を見る小谷。不満そうな顔だが、反対するつもりはなかった。
「何怒ってるんだよー、郁子」
「おこってないもーん。どうせ私は子供ですからー」
「あーあ、また始まったー」
「ふふふ。有賀くんといっこちゃんの夫婦喧嘩はいつもの事です。それよりも作戦を決めましょう」
「「夫婦じゃない!」」
「はいはい。とりあえずいつもどおりの作戦で――」
 それは神秘の有無を除けば、どこにでもいそうな子供の会話だった。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:どくどく  
■難易度:EASY ■ リクエストシナリオ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2014年11月02日(日)22:45
 どくどくです。
 舞台が三高平市なので、お相手はリベリスタ。

◆成功条件
 チーム『五年三組探検隊』の捕縛。あと盗撮データの回収。
 リベリスタ&ギャグシナリオなので多少の怪我は治りますが、殺したらアウトです。

◆敵情報
・チーム『五年三組探検隊』
 三高平小学校五年三組の子供達です。
 非戦を駆使して様々なところに入り込み、その証拠として写真を撮っています。なおマニアに売れば、相応のお金になるぐらいの代物です。全員ジーニアス。
 戦闘系のスキルは何一つ持っていません。

・有賀・誠
 探検隊のリーダー格。十歳男性。将来は世界の為に闘うリベリスタになりたいと思い、その訓練をしている。
 まぁ、お姉さんの豊満な身体に興味がないといえば嘘になるのでした。
「気配遮断」「ツールドマン」を活性化しています。

・遠野・秀樹
 探検隊サブリーダー。十歳男性。有賀とウマがあい、一緒に行動しています。作戦を立てるのは基本的に彼。そういう意味では主犯です。
 同年代の女性の身体に興味が無いといえば嘘になります。ロリな体型とか。
「超幻覚」「ハイテレパス」を活性化しています。

・森岡・七海
 探検隊構成員。十歳女性。筋肉大好きな少女。いろんな意味で一番乗り気な少女です。電子機器を持っていませんが、瞬間記憶で覚えます。
「瞬間記憶」「千里眼」を活性化しています。

・小谷・郁子
 探検隊構成員。十歳女性。誰かの後をついていくタイプ。有賀の為にがんばりますが、若干不満はあるようです。
「テレキネシス」「透視」を活性化しています。

◆場所情報
 武道館のシャワールーム。男子女子分かれています。
 写真を取れるスポットは、シャワー室正面のドアを開けるか。外に繋がる小窓を開けるかです。
 基本的には誰かがシャワーを浴びて囮になり、その隙に誰かが抑える形になるでしょう。
 探検隊は様々な手段で隠れ、突破しようとしますが……まぁ、難易度イージーです。そんなに頭を悩ます必要はありません。
 むしろ重要なのはシャワー回です。ええ、それ以上に必要なものがこのシナリオであろうものか!

 皆様のプレイングをお待ちしています。

参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
ナイトバロン覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
ハイジーニアスデュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
ノワールオルールソードミラージュ
ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)
ハイジーニアススターサジタリー
リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)
アウトサイドスターサジタリー
雑賀 木蓮(BNE002229)
アウトサイドスターサジタリー
雑賀 龍治(BNE002797)
ノワールオルールクロスイージス
ユーディス・エーレンフェルト(BNE003247)
ハイジーニアスソードミラージュ
桜庭 劫(BNE004636)

●更衣室に向かう廊下で歩きながら会話してると思いねぇ
「どの様な教育を受ければ、その歳でその様な趣味に走るのか。全く以って理解が及ばん」
 深いため息と共に『八咫烏』雑賀 龍治(BNE002797)は少年達の行動を嘆く。強いて言えば、悪事というよりは悪戯レベルという辺りが子供らしいか。諦めたように自分を巻き込んだ恋人を見た。
「ん? どうしたんだ?」
 その恋人である『銀狼のオクルス』草臥 木蓮(BNE002229)はどこ吹く風とばかりに、視線に笑顔を返す。龍治には『依頼だから手伝え』と詳細を告げずに巻き込んだのだ。だってほら、自分達以外のシャワーシーンみたいじゃないか。
「まあ、得た能力を使って何かしてみたい、という年頃でしょうか」
 若干呆れた口調で『騎士の末裔』ユーディス・エーレンフェルト(BNE003247)が今回の相手のことを評価する。自分の足でどこまで走れるか。そんな欲求と子供ながらの行動力が合わさったといったところか。無論、犯罪を見逃すつもりはない。
「小学校五年生、異姓の裸に興味を持ち始める年頃かしらね?」
 見た目は小学五年生の『そらせん』ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)が白衣のポケットに手を入れて歩く。これでも大人のソラは自分が同年代ときのことを思い出す。あの頃の男子はまぁ、そんな感じだった。
「覗きたくなる気持ちはわからんでもないよ」
 うんうんと頷きながら『覇界闘士<アンブレイカブル>』御厨・夏栖斗(BNE000004)は少年達に同意する。異性の裸に興味がないわけがない。実際に行動するかは兎も角、それを覗きたいという気持ちは理解できる。
「ああ。だからこそ言わねばならぬことがある」
 口元を引き締め『はみ出るぞ!』結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)は少年達の気配を探る。気持ちは分かる。だからこそ彼らの行為を止め、言わねばならないことがあるのだ。先輩として。あと電子機器データほしい。
「別に隠れてる部分は隠れてるし良いんじゃない?」
 男はそこまでダメージないだろう、と気だるげに『停滞者』桜庭 劫(BNE004636)が欠伸をする。一応今回の被害者なのだが、だからこそなのか少年達の行動を許容している節がある。
「落ち着き過ぎです!? 少しは慌てて下さい!」
 その劫の様子にむしろ『茨の冠』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)の方が慌てふためく。語気を強めても馬耳東風の劫に肩を落とし、それでもめげずに拳を握る。こんなところで心折れているわけにはいかない。
「ほ、他の方の名誉のついでに、貴方の名誉も守りますよ!」
「ついでか」
 リリの決意に突っ込みを入れる劫。
 何はともあれ、シャワー回の始まりである。

●シャワーシーン。ここ書くのに三日時間をかけました。
 リベリスタは全員でシャワーを浴びて子供達をおびき寄せることになった。
「え? 全員で浴びる必要ないと思いますけど?」
「命中基本値222のアル・シャンパーニュ」
 見張りに適したリリがそう提言するも、劫がそれを説得(物理)する。
「魅了されてしまいました……」
 魅了ってそういうBSじゃないんだけど、まあいいや。
 
「まあ、正直見られても困りはしないんだけど」
 夏栖斗はシャワーを浴びながら、そんなことを呟く。それでもタオルを巻いておくのはエチケットか。それっぽい状況を作り出す為に、軽く運動もしてきた。纏わりつく汗をお湯が流していく。
 褐色の肌をお湯が流れ落ちる。柔軟な動きを要求される覇界闘士の体は、基本的に引きぼった筋肉が主だ。。格闘術の為に関節周りの筋肉が鍛えられ、敵の攻撃に耐えるタフネスを示す厚い大胸筋と腹筋。
「俺の目的は、見つける事じゃない。見せつける事だ!」
 二番手、竜一。こちらは隠すつもりのない全裸状態。でも右手の包帯をはずさないのは拘りか。数多の戦場を乗り越えたことを示す傷を、勲章と取るか見るに耐えないととるかは人それぞれだろう。
 二刀を扱う竜一の筋肉は、肩と腕が大きく鍛えられている。左右対称に鍛えられた肩の筋肉。多彩な攻めを生み出す上腕部と前腕部の筋肉。それを支える大腿部の筋肉。力だけではなく技術を鍛えてある竜一の引き締まった肉体。
「どうせ写すなら男前に写してくれ」
 キリッ、とカメラ目線の劫。丸で子供達がどこから写真を撮るのかわかっているかのようだ。まぁ、集音装置で音の発生源はモロバレであるが。所詮は子供、デジカメの起動音設定をONにしたままなのでした。
 速度と緻密な剣技を趣とする劫は、やはり足の筋肉に注目すべきであろう。地面を蹴る為の下腿部の筋肉。そして動きの軸となる背骨を支える背筋。しなやかな筋肉はシャープな印象を与え、その体をお湯が滑っていく。
「俺様は龍治と一緒に入る! いつも通りが一番じゃん?」
「い、何時も通りなど……よ、余計な事を言うんじゃない」
 四番手は龍治。因みにその前の発言は一緒にシャワーを浴びようとした木蓮の台詞である。お熱い事で、という仲間達の視線に耐えながら何とか追い返す龍治。けして嫌がっていないのは、揺れる尻尾が証明していた。
 狙撃手である龍治は、その命中精度を増す為に如何に銃の衝撃を受け流すかという筋肉が鍛えられる。肩、背中、そして臀部。伏せても立っていても銃を撃ち、そしてその衝撃を最大限吸収する為の筋肉。ただ銃を撃つだけに鍛えられた鍛練の表れ。
「か、帰ったら龍治にシャワーハット付けて洗ってやるぅ……!」
 追い返された木蓮はぐすぐすと泣きながら女子シャワールームに戻る。それがどう復讐につながるのかは兎も角、木蓮はメガネを外し、着ていた服を脱いでシャワールームに入る。シャワーから流れるお湯の温度にほう、と息を吐く。
 編んでいた髪をはらりと解き、白く長い髪をシャンプーで洗う。それをシャワーで洗い流せば、泡は肩から起伏のある木蓮の胸部を滑り、そのまま腹部から足元へと流れていく。そしてお湯が肌を温め、ほのかに赤く上気する。
「教師として道から外れる前にどうかしてあげないと」
 高校教師のソラが彼らを担当に受け持つのは五年後になるのが、そんなことは関係ない。一教師として悪事を行う子供にオシオキと教育をするのが教師の勤めなのだ。あと、若い子の身体。いやま、ソラも見た目は子供なのですが。
 ビキニ水着を着て、シャワーを浴びるソラ。その体は若いのではなくむしろ幼い。だがそれは未熟な花ではなく清冽な蕾の美しさ。庇護欲を誘いながら大人の振る舞いを持つ。アンバランスな女性の魅力がそこにあった。
「相手が子供であることを考えると……」
 どこから写真を撮ってくるかを考えながらユーディスはシャワーを浴びる。子供の思考、子供の行動、子供の目線。判断材料はそれなりに多い。お手並み拝見といきましょうか、と息を吐いて神経を集中して周囲を探る。
 背中まで伸びた長い金髪。シャワーのお湯はそこをすべるように流れていく。それは正に金色に輝く滝の如く。ユーディスの白い肌と美しい金髪に流れるお湯。湯気がうっすらと隠すがその美しさはそれでもなお感じ取れる。
「これも、罰……なのかも知れません」
 リリは極力体を隠そうとして、それが趣旨に反することに気付いて諦める。これも子供達の明るい未来の為。そう自分自身を納得させて、肩の力を抜いた。とにかくうまくおびき寄せないと……。
 リリの肌をシャワーのお湯が滑る。お湯は肌の感触を滑やかさを表すかのようにリリの肩からふくよかな胸を伝っておなかをを伝って太ももへ流れていく。お湯のぬくもりに肌が桜色に染まり、心地よい吐息がその唇から漏れた。

「筋肉、筋肉、筋肉!」
「すげー。なんか悪いことしてる気がしてきた」
「……悪いことなんだがな」
「むー」
 さて子供達はというと、有賀のツールドマンでシャワー室の扉を開け、小谷のテレキネシスでカメラを操っていた。何かあった時は遠野が超幻覚で猫の幻覚を出して誤魔化し、森岡の千里眼が周囲に注意を計る。まぁ、そんな盗撮方法だった。
 しかし所詮は子供だまし、来るとわかっていれば対応できる。
「あそこだー!」
 気付いたりベリスタが一斉に子供達に殺到する。
「あ、ばれましたわ」
「逃げろー!」

●説教タイム
 逃走劇に幕を下ろしたのはソラだった。水着を着てシャワーを浴びていたことで着替えずにすぐに追えたことが要因の一つだ。勿論、元々の素早さもあるのだが。
 捕まった四人はソラの前に正座させられていた。
「他人を辱めていいのは、辱められる覚悟のある奴だけよ」
 ソラは言いながらカメラから記憶媒体を抜く。それをポケットに入れながら子供達を見た。
「狩るか狩られるか、ここは戦場……つまり、分かるわね?」
「へ? あの? どうして手をワキワキさせながらこっちに近づいてくるんですか?」
「実は私、瞬間記憶持ってるのよね」
「わっ。服脱がされる!? 狩るか狩られるかってそういうこと!?」
「若い子の身体……」
「待てぃ!」
 若干血走ったソラに静止をかけたのは竜一だった。ソラはしぶしぶ遠野の服から手を離す。でもいいものは見た。
「って着替えずに来たの、竜一」
「きゃー! お兄さん服着てない!?」
「無論だ!」
 至極当然とばかりに言い放つ竜一(全裸)。因みにソラについで速かったのは服を着なかったからです。わーきゃー騒ぐ小学生(主に女子)を見ながら、真摯な声で竜一(全裸)は語りかける。
「誰かを殴るには、殴られる覚悟を負うべきだ。何かを殺すには、殺される覚悟を持つべきだ。
 ……なら、全裸を見るには?」
 一泊間を置いて竜一(全裸)は続けた。己の体を誇示するように胸を張り。
「わかるな。見られる覚悟が必要だ。俺にはその『覚悟』がある!」
 あるなら、その覚悟を示して見せろ。出来ないなら、おとなしく、こんな事はやめて真っ当な道を行くんだ――おぐ!」
「りゅーちゃんやめてやれよ! 見せるな!」
 追いついた夏栖斗が竜一(全裸)の頭をはたく。他のリベリスタもようやく追いついてきた。
「……な、なあ。もしやレンズに曇り止めまでしてたりする?」
「勿論です。抜かりはありません」
「プロだ……!」
 木蓮の問いに遠野が目を光らせる。感動する前に叱りなさいよ木蓮さん。後ろで龍治が何を聞いているんだ、と呆れ顔だった。
「人が完全に正しく生きる事は、とても難しいのです」
 子供達の目線に合わせてしゃがみこみ、リリが口を開く。どくどくSTのシナリオだけでもリリには色々悩ましい事件があったわけで、この台詞自体は若干重くはあるのだがギャグシナリオなのでスルー。
「過ちを犯してしまった時は、どうすべきでしょうか? 素直に認めて反省し、迷惑をかけた方と神様にごめんなさいをするのです」
「はーい。ごめんなさい」
 素直に反省の意を示す子供達。元々悪戯自体が目的だったということもあるが……ソラと竜一(全裸)の行動に怯えていた部分があるのは否めない。本気の大人、怖い。
「まあ、悪戯ってのはわかるけど、やりすぎたらアウトだぜ?
 君たちの技はこんなことをするためにあるんじゃない! わかった?」
 夏栖斗が腕を組んで子供達に説教する。子供心ながらの行動だが、それでもやりすぎは良くない。
「じゃあどういう風に使うんですか?」
「それを一緒に考えようぜ。僕なら――」
 説教モード終わりとばかりに子供達の輪に加わる夏栖斗。アークリベリスタの先輩として、後輩に伝授したいことはいくらでもある。
「そうですね。行為自体は褒められたものではありませんが、その創意工夫は見事です」
 ユーディスが今回の子供達の動きを聞いて呆れと感心の入り混じった顔をした。目的の為に想像力を働かせるのはいいことだ。子供ならではの常識に捕らわれない発想、と言うのもある。だが、それはそれ。
「因みに今まで撮った写真のデータはどうしてるんですか? パソコンに保存しているとかでしたら、すぐにけさないといけないのですが」
「データ? 保存しきれなくなったら消すよ」
「ああ、成程。心配はないようですね」
 その言葉を聞いてユーディスは納得する。誰かに気付かれないように写真を撮る行為自体が目的のようだ。何せ子供の財力だ。パソコンを買ったり新しい記憶媒体を買ったりは難しい。
「で、そのメモリーはどこに?」
 子供達の指が一斉にソラを指した。こっそり逃げようとしていたソラは、思わず足を止める。
「わ、分かっているわよ。消して持ち逃げしようとか思ってないから」
 思っていたな、先生。諦めたように肩をすくめて、ポケットから記憶媒体を出す。それを受け取る竜一(全裸)。
「お前たちも十分に反省したと思う。だからこのことは俺たちの胸の中に納めておこう」
 竜一(全裸)が子供達にむけて熱く語りだす。そのまま背中を見せて歩き出す。
「だがもし。この反省の後に暗闇の荒野に『覚悟』をもって進もうとする者がいるなら……俺の背を追え。覗く『覚悟』と覗かれる『覚悟』を持つものだけが進める道。その道を俺が作っておいてやる。
 そしていつか俺を追い越し、自分だけの道を行くがいい」
 背中越しに子供達に語り、ゆっくりと歩き出す竜一(全裸)。覚悟あるものの背中。それを静かに見つめている子供達……。
「なぁ、メモリーもって逃げるつもりみたいだがいいのか?」
「「「まてー!」」」
「逃げるんだよォー!」
 劫の冷静な突っ込みに、我になったリベリスタが竜一(全裸)を追いかけた。
「……いいか、あんな大人になるんじゃないぞ」
 龍治が全てを諦めたように肩をすくめ、子供達に告げた。

●少年少女の未来
「ところで龍治の筋肉はどうだった?」
「凄かったです。アウトサイド×スターサジタリの筋肉ってああなってるんですね! 凄く触りたかったです!」
 一段落した後で木蓮は七海に質問した。彼女は千里眼で直でシ-ンを見て、記憶しているのだ。
「だめだ! 龍治の筋肉は俺様のものな!」
 木蓮の言葉に顔を背ける龍治。どんな顔をしているかはお察しください。
「そんなに筋肉が好きなら自分の筋肉を鍛えるんだ! 見放題触り放題だぞ!」
「そ……それは盲点でした!」
 これが『筋肉ラプソディア』森岡・七海と呼ばれるリベリスタが生まれる要因になろうとは、夢にも思わぬ木蓮であった。
「小谷様、少しこっちへ」
 リリが小谷を皆から離れた場所に手招きして呼び出す。
「有賀様は今大人の女性にあこがれているみたいですが」
「それは……だって、大人の人がキレイなのは確かだもん」
 その言葉にしっくり胸が痛む小谷。目線をそらそうとする小谷にリリは言葉を告げる。
「好きと憧れは、また別の感情なのですよ。本当に好きなものに対する態度は、言葉ではなく行動に現れるのです」
 え、と言葉を返す小谷に恋愛成就のお守りを渡すリリ。
「お姉さんの私が言うから、間違いないです。今は思うままに」
 そんなリリと小谷を見ながら劫は有賀を呼び出していた。
「なんだよ兄ちゃん」
「なぁ、あの子のシャワーシーンとかは興味ないのか?」
 小谷を示す劫。その言葉に焦りながら、何とか平静を保とうとする有賀。
「バッ、郁子の裸なんか昔何度も見てるからいいんだよ!」
「ああ、幼馴染なのか。昔っていつだ?」
「小学校に入る前……」
「今じゃ大分変わってるぞ。見たいと思わないのか?」
「……今の、郁子の」
 言葉に詰まる有賀を見て、劫は脈ありかなと判断する。有賀の肩を叩いて仲間の待っているほうに送り出す。
「ま、その気持ちを大事にしな」
 ――この後、有賀と小谷の関係が揺れ動くのだが、それは別のお話である。

 こうして『五年三組探検隊』の活動は一旦お開きになった。
 お開きになったとはいえ、四人は仲良く学校で遊んでいる。他に興味があることが起きれば、再び探検隊は結成されるのだろう。
 さて肝心のシャワーシーンのデータはというと――

「……まだ消してないの?」
「だってピン頼まないといけないから……じゃなくて興味あるし」
「僕は見ないからね! いつでも自力で覗けるんだから!」
「これは『覚悟』あるものだけが、見ることのできる景色なのだ!」
 まだ、リベリスタの手の中にあった。


■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 湯気のないバージョンは円盤で(ありません)。