● 流れ着いた小さな世界 どこで生まれたのかは、覚えていない。自分が何者なのかも、覚えていない。久方ぶりにしゃべってみようとしたけれど、喉から漏れたのはザーザーという ノイズだけ。腕を動かせば、間接に詰まった土塊が錆と一緒にこぼれ落ち、肩に止まっていた雀が、驚いて空へと飛んでいった。 ゆっくりと立ち上がったその巨体は、13メートルはあろうか。細い体に、薄紫色の鋼の装甲、鳥を思わせる独特の頭部に、赤い瞳はカメラのようだ。 ロボットだった。 テレビ画面の向こう側で、小さい頃から慣れ親しんだロボットだ。それが現実に存在し、岩肌剥き出しの山の斜面に倒れていたのだ。 テレビの向こうならいざ知らず、リアルに目の当たりにしてしまえばひどく現実味にかけるその光景は、しかしアーク所属のリベリスタ達にとっては、見慣れないまでも、辛うじて理解できる光景だっただろうか。 曰く、アザーバイドと呼ばれる存在であろうことは、一目で理解できた筈だ。 或いは、アーティファクトの一種かも知れない、とそう推測したものもいただろう。 なにはともあれ。 壊れかけの巨大ロボットは、山の頂上付近に開いたDホールから現れ、この世界に留まっている異世界からの来訪者である。 ロボット目指して山を下って来る、揃いの軍服を着た一団と、その一団の最後尾に立つ、真っ黒いボディに鋭いクローを備えたもう1体のロボットも同じ世界から来たアザーバイドだ。 『あいつらに捕まってはいけない』 なにも覚えていないぼんやりとした記憶の中で、そのロボットは、ただそれだけは理解できた。 壊れかけの体を引きずり、ロボットは急ぎ山を下る。 ここがどこなのかも、わからないまま。 ● ストライカー 「記憶喪失……ロボットの場合はデータの破損かしら? とにかく、そういった状態に陥った巨大ロボットを、無事に元の世界へと送り返すことが今回の任務よ」 送り返すだけなら簡単だったんだけどね、と、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)はモニターを見つめて溜め息を零した。モニターに映るのは、壊れかけのロボットを追いかける軍服の一団と黒いロボットの姿であった。 「私達が助ける巨大ロボットの名前は(ストライカー)。相手側の黒いロボットは(ブレイカー)と呼称するわ。ブレイカーは、10名ほどの(アーミー)と共にストライカーを追跡中」 ブレイカーの目的は、どうやらストライカーの破壊か鹵獲のようだ。一方、こちらの任務内容はストライカーの護衛と、送還である。この世界に長く留まられては、世界の崩壊へと繋がってしまうからだ。 「アーミーは射撃攻撃を、ブレイカーは爪を使った斬撃や格闘を得意としているわ。それに比べ、ブレイカーには武装はついていない。ただ、コクピットに乗った者の適正に 合わせ、武装や性能を変化させる、という特殊な能力を有している」 生身のままブレイカーと戦うのは、いかにリベリスタといえど骨が折れるだろう。 上手く事を運べば、ストライカーに乗って戦うことで、幾分戦闘を楽にすることもできるかもしれない。 「言葉が通じない可能性もあるから、それなりの注意は必要になるわ。Dホールの破壊も忘れないでね」 それにしても、まるで漫画かアニメのようね。 と、そう告げて、イヴは仲間たちを送り出した。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:病み月 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年10月18日(土)22:23 |
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■メイン参加者 4人■ | |||||
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●狙われたストライカー 巨大ロボット。山の中腹で、片膝をついて追手を見やるそれは、そうとしか言えない風体をしていた。紫のボディに、鳥に似た頭部を持つ大きさ十数メートルを超えるサイズの巨大なロボットだった。身体の一部が破損しているのか、オイルが零れ、所々スパークしているのも見受けられる。 満身創痍というべきか、崩壊寸前というべきか。 そんなぼろぼろになったロボット(ストライカー)を追ってきたのは、兵士10名からなる部隊と、黒いボディに鋭い爪を備えた別のロボットだった。黒いロボットの名前を(ブレイカ―)という。彼らが求めているのは、ストライカーという存在だ。胸部にあるコクピットに人が乗り込むことで、乗った者の能力を得るという異質の性能を備えている。 『---------------』 聞き慣れない機械音でブレイカ―はストライカーへと語りかける。ストライカーからの返答はない。ストライカーの発声機能は既に破損し、失われている。 声を失ったストライカーにできることは、僅かばかりの抵抗だけだ。巨大な爪を備えたブレイカ―と違い、ストライカーにはおよそ兵装と呼べるパーツは存在しない。 ストライカーは、コクピットに人が乗り込まねば、真価を発揮できないのだ。 ストライカーの周囲を兵士が取り囲む。爪を掲げたブレイカ―が歩み寄る。 その時だ。 「元の世界に帰ってください!」 まんぼうに似た奇妙な形状の剣を振り回しながら雪白 桐(BNE000185)が戦場へと飛び込んできた。 ●巨大ロボット出撃 「やーん。巨大ロボと戦ったら、リベリスタでも潰されちゃいそうですよぅ」 桐が剣を旋回させ、兵隊の注意を引いている隙に『モ女メガネ』イスタルテ・セイジ(BNE002937)がストライカーの眼前に飛び込んだ。空を自由に舞うことができるイスタルテは、ストライカーの目の前に移動し、身ぶり手ぶりで自分達が敵ではないことを伝えようとする。 彼女の意思が通じたのか、或いは元々誰相手でも敵対するつもりがないのか。ストライカーは、ただただじっと、イスタルテの様子を観察していた。 「ロボットといえば美少女ではないでしょーか!? 熱血でもリアルでもヒロインがいないと話になりませんよ」 大上段から剣を振り抜き『アーク刺客人”悪名狩り”』柳生・麗香(BNE004588)がブレイカ―の眼前に飛び出す。突如乱入してきたリベリスタ達に対して、どう対処すればいいのか、ブレイカ―は判断に困っているようだ。掲げた爪で、麗香の剣を弾きつつ、周囲に視線を巡らせた。 ブレイカ―の視界に映ったのは、ストライカーの元に接近するもう1人の人影である。 「なんだっけ、あ、昔見たアニメでやってたわ。えーと。あたしの名前は由香里、ストライカーさんは狙われている! ……これでいいんだっけ?通じる?」 どう? と、イスタルテと並んでストライカーへコンタクトを試みるのは青島 由香里(BNE005094)である。どうやら由香里は、ストライカーのコクピットに乗り込む心算であるようだ。 イスタルテと2人がかりで説得しているのを確認し、ブレイカ―は、突然の乱入者たちが、自分達の任務を遂行する障害になると判断した。 元々、ストライカーの捕縛が主な任務であった為、連れてきた兵士の数も少なく、その装備も戦闘よりは捕縛、妨害に長じたものとなっている。 まずは、目の前にいる麗香を排除するべきだ。 そう判断し、ブレイカ―は、爪を高々と掲げ麗香へと狙いを定める。 ブレイカ―の爪を、麗香の剣が受け流す。衝撃を殺しきることはできず、麗香の姿は粉塵に飲み込まれ、見えなくなった。 麗香の姿を探すブレイカ―の腹部に、真空の刃が突き刺さる。鋼のボディに僅かな傷がつき、ブレイカーは一瞬、怯んだように見えた。 元より巨大な身体をもつブレイカ―にとって、普通の人間が自分相手に牙を剥くという状況は、極めて稀な、言わばイレギュラーのような出来事である。 ブレイカ―の意識が、麗香に向いたその隙に、イスタルテと由里香はストライカーとの意思疎通を試みていた。 「葉が通じない? ジェスチャーと愛と根性で頑張れば何とかなるわよ」 「あなたを守った上で、ブレイカー達をなんとかするつもりなんで、協力してくださいっ」 麗香が、ブレイカ―を足止めしている。桐の剣が、兵士の撃つ弾丸を弾く。言葉の通じないストライカー相手に、身ぶり手ぶりで意思を伝える。人数的にも、戦力的にもあまり余裕があるわけではない。巨大ロボの相手を、麗香1人に任せるのも限度がある。 必死の訴えが通じたのか、よろよろとストライカーは立ち上がり、胸部のコクピットを展開した。 「よしっ!」 と、笑って由里香はコクピットへと向かう。 その時だ。 「避けてっ!」 そう叫んだのは、桐だった。イスタルテと由里香が振りかえると、そこには視界一杯に広がる鋼のネットがあった。どうやら、兵士の1人がストライカー捕縛用に用意し、放ったものだった。 ネットに囚われ、2人はもつれあうようにして地面に落ちる。もがけばもがくほどに、網が絡まり身動きがとれなくなる。行動を阻害されるだけで、麻痺や呪縛などの効果がついているわけではない。さほど時間をかけずに脱出することは可能だろうが、周囲を囲む兵士が邪魔だ。さすがに10人もいては、桐1人だけで対処することは難しい。 「ここで暴れないでください、大人しくストライカーとゲートへ戻るなら手出しはしませんからっ」 巨大な剣を、縦横無尽に振り回し、桐は兵士のただ中へと飛び込んで行く。兵士の放つ弾丸を弾き、剣で敵を斬りつける。巻き起こる旋風が砂塵を舞いあがらせ、視界を悪くする。 同士打ちを避けるためか、それまで途切れることなく断続的に続いていた兵士の威嚇射撃が止んだ。その隙に、イスタルテと由里香は網から無事に脱出することに成功。 翼を広げ、空へと舞い上がったその瞬間。 「おおおおおっ!?」 悲鳴と共に、麗香の身体が飛んできた。 「テキ! テキ! ビフテキ~!!」 麗香が剣を一閃。真空の刃が放たれ、ブレイカ―の爪を弾いた。 しかし、圧倒的なまでの体格差はいかんともしがたく、麗香の斬撃ではブレイカ―の攻撃を僅かに逸らす程度のダメージしか与えることはできない。 巨大な爪が、山の斜面に突き刺さる。風圧と、衝撃波、地震の如く地面が揺れて、麗香は僅かにバランスを崩す。咄嗟に体勢を立て直し、地面に突き刺さった爪に飛び乗り、そのまま頭部目がけて駆けあがっていく。 大上段に掲げた剣に、自身のオーラを蓄積させる。この一撃を頭部に叩きこめば、幾らか有効なダメージを与えることも可能だろう。 巻き起こる砂塵の中を突き進み、肘を抜け、上腕部へと差しかかる。 瞬間、真横からの衝撃が麗香を襲う。逆の腕で放たれたパンチ。ブレイカ―の拳が、麗香の身体を捉えたのだ。骨と内臓がぐちゃぐちゃになるような衝撃。前後左右の感覚が消え、視界が暗転。重力から解放された、と錯覚する。自分が今、ブレイカ―に殴り飛ばされ、宙を舞っているのだと気付いたのとほぼ同時、麗香は、イスタルテと由里香を巻き込み、山の斜面に激突していた。 意識を失っていたのは、一瞬のことだ。イスタルテは、くらくらする頭を振って起き上がる。身体が痛い。吹き飛ばされて来た麗香に巻き込まれ、岩盤に激突したのだと理解する。傍らには、呻き声をあげる由里香と、血塗れの麗香の姿があった。 ブレイカ―は、ゆっくりとストライカーへと接近中。こちらへ銃口を向けた兵士を、桐が蹴り飛ばし、退ける。戦線復帰にかかる時間はどれくらいか。翼を広げ、回復術を使用。淡い燐光が周囲に飛び散って、傷ついた仲間を癒していく。 動けるようになった麗香と由里香が、戦場へと駆けもどっていくのを見届け、イスタルテは空へと舞い上がった。翼を広げ、誰よりも先に、ブレイカ―の眼前へ。 「うう、メガネビームじゃないですよう」 腕を振るい、閃光弾を放つ。ブレイカ―の眼前に、眩い白光が広がって、周囲一帯を真白く染め上げる。閃光に視界を焼かれ、ブレイカ―の爪が一瞬止まった。 ストライカーは、壊れかけの腕を掲げて爪を弾く。コクピットに誰も搭乗していない状態のストライカーでは、ブレイカ―の腕を弾くだけで精一杯だ。 しかし、そこにさらに2発、攻撃が追加されれば話は別である。 「アク……メツ!」 「わお! リベリスタの身体能力ってすごいよね」 麗香の剣と、由里香の拳がブレイカ―の上体を叩いた。バランスを崩していた所に、追加攻撃を受け、ブレイカーはその場に倒れる。斜面が崩れ、倒れたブレイカ―の半身に大量の土砂が積もった。 由里香は素早く踵を返し、ストライカーの元へと向かう。 一方麗香は、剣を掲げてさらに追い打ちをかけるべく、ブレイカ―へと斬りかかった。 『------!!』 『--!? ----!!』 言葉は聞き取れないが、兵士たちは慌てたように何事かやり取りを続けている。その間も、銃の引き金を引き続けるものだから、桐は剣と動きを止めることが許されないでいた。 1人1人は大した脅威ではないが、なかなかどうして狙いが正確なのである。おまけに、任務に忠実なのか、桐との戦力差を見せつけられても怯まない。 戦いを続けるうちに、数の優位が目立つようになってきた。最初は掠める程度だった弾丸も、桐の疲労と、蓄積するダメージによって次第に命中率があがっている。 手足から血を流し、脇腹にも1発の弾丸を浴びた。それでも桐は、止まらない。 「っっっせぃ!」 愛剣の重さを利用し、下段から上段へ、砲丸投げのような体勢で斬撃を放った。桐の剣に斬り伏せられ、数人目の兵士が深い傷を負い、自身の流した血だまりの中に倒れ込む。 「聞く耳持たないのなら、殲滅させてもらいます」 他人に危害を加えたわけでもない。かといって、このままこの世界で自由にさせては世界が崩壊してしまうかもしれない。 血に濡れ、剣を掲げ、桐は目の前の兵士たちを睨みつけた。 ●ストライカー覚醒 地面に倒れたブレイカ―の顔面を、麗香の剣が斬り付けた。オーラを込めた渾身の一撃は、流石に効いたらしく、ブレイカ―の頭部、目に当たる部分に大きな傷が残る。 「ボトムの親善大使である我らアーク一党が見事彼を助けてみせようではありませんか」 ストレイカーの元へは、他の仲間が向かっているはずである。それなら今、自分がすべきは目の前のブレイカ―を足止めし、その戦力を削ぐことだ。 麗香は、ブレイカ―の頭部に張り付いたまま剣を振るい続ける。嵐のような連撃が止む事はない。 『-----!!』 ブレイカ―が吠える。鋭い爪が、麗香を襲う。自分の顔ごと、麗香を攻撃した。爪が麗香の身体を切り裂く。爪は、ブレイカ―の首元に深々と突き刺さり、スパークを撒き散らした。 衝撃に煽られ宙に跳ね退けられた麗香の身体を、更に逆の手の爪が襲う。麗香の腹部を、爪が引き裂き、鮮血が飛び散る。 血に濡れた麗香の身体が、地面に叩きつけられ、大きく跳ねた。まるで物のように、受け身をとる事さえ叶わない。 それでも剣を離さないのは、麗香のリベリスタとしての矜持か。 血塗れのまま、麗香はふらりと立ち上がった。満身創痍。すでに戦闘を続けられる状態じゃない。 麗香にトドメを刺すべく、立ちあがったブレイカ―が爪を振り上げた。 その時だ。 『三高平アーク無心流究極必殺、スーパーどっさい!』 機械音混じりの由里香の声。疾風の如く地面を疾駆し、ストライカーがブレイカ―の眼前に急接近。広げた掌を、その頭部に押しつけ、そのまま全力でブレイカ―の身体を地面に叩きつけた。 由里香はどうやら、無事にストライカーのコクピットに乗れたらしい。それを確認し、麗香は意識を失った。 ブレイカ―の爪と、ストライカーの拳が交差する。激しい打ち合いに巻き込まれることを恐れ、兵士は何処かへ姿を消した。そうでなくとも、桐との交戦によってすでに満足に戦える状態ではなかったのだ。 兵士からの攻撃はない、と確信し桐はその場に膝をついた。 「やーん。だ、大丈夫ですか?」 そこへやって来たのは、気を失った麗香を抱きしめたイスタルテであった。桐のダメージが酷いのを見て取ると、翼を広げ燐光を撒き散らす。光は、吸い込まれるようにして桐の身体へ。桐の傷は、少しずつだが癒え始める。 2人は、激しく打ち合う2体のロボットへと視線を向けた。 ブレイカ―は焦っていた。ブレイカ―だけではない。兵士たちもだ。元より、戦闘能力のないストライカーを捕縛するためだけに編成された部隊である。ストライカーと、その本来のパイロットが合流しないようにこんな異世界にまで分断し、追いたてて来たのに、まさかこの世界で別のパイロット適合者が現れるとは予想外だった。 おまけに、こちらのパイロットは格闘戦を主とするらしい。 元いた世界にいたストライカーのパイロットは魔法使いだった。威力は強大だが発動の襲い魔法に備え、近接軽量装備だけで来たのが仇となった。 兵士たちにも、ブレイカ―の劣勢が伝わっているのだろう。慌てふためき、既に撤退の準備を始めているものも見受けられる。 ストライカーの拳が、ブレイカ―の胸部を捉える。ドン、と衝撃が体を突き抜ける。このままでは押し負ける。そう判断し、無理な姿勢から攻撃を仕掛ける。 突き出した爪が、ストライカーの頭部に深い傷を刻みつけた。 「ほら、あたし格闘で戦えるから、あなたを操縦してあげる! 二人は合体、融合体!」 コクピットで、由里香が叫ぶ。彼女の言葉の意味は理解できないが、想いは伝わる。ストライカーにとって、彼女は敵ではない。自身に力を貸してくれる仲間だ。 それなら、自分も彼女を信じてみよう。 ストライカーが彼女を信じたその瞬間、ストライカーの身体に変化が起きる。 コクピットを中心に、ストライカーの身体が閃光に包まれた。頭部、両腕、両脚と、ストライカーの薄紫のボディを覆うのは、武骨な黒いアーマーだった。 固く、軽く、そして速い。 パイロットの能力をトレースし、装備と性能を構築する。単体では戦力を持たないストライカーのもつ、最大かつ固有の能力。 「どっさい!」 一瞬でブレイカ―の懐に潜り込むと、その身を掴みあげ地面へと叩きつける。衝撃が地面を揺らす中、放たれた掌打がブレイカ―の頭部を破壊した。 ブレイカ―の身体をDホールへと放り込む。兵士たちはすでに、ブレイカ―を見捨てて撤退していた。敵がいなくなったのを確認し、由里香はストライカーのコクピットを降りる。彼女の全身を、盛大な疲労感が包んでいた。 「別れの時……されどロボットは泣かない!」 そう言ったのは麗香だ。恐らく、ストライカーに言葉は通じていない。 しかし想いは伝わったはずだ。 ぐっ、とストライカーは拳を握って掲げて見せる。4人のリベリスタもそれに応え、拳を突き上げた。 時間にして、僅か一時間程度の邂逅。 元の世界へと帰るストライカーを、リベリスタは見送る。 この時の経験が、その後、元の世界で戦いを続けるストライカーの未来を大きく変えることになるのだが、それはまた別の話。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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