●ルゴ・アムレスの黒塔 ボトム・チャンネル。 それは階層上になっている世界において、一番下であるという世界のこと。 故にボトムチャンネルは上位世界からの脅威に晒されてきた。時折Dホールを渡ってくるアザーバイドにより、大きな被害を受けることもある。それに対抗するためにリベリスタは徒党を組み、組織だって警戒に当たっているのだ。 さて、上位世界にもいろいろな世界がある。ボトムチャンネルよりも広大な世界も在れば、ただ樹木が一本生えているだけの世界も。時間が止まった世界もあれば、今まさに消え去ろうとする世界も在る。 そんな世界の一つ、ルゴ・アムレス。 半径五キロ程度の大地に、天を衝くほどの黒い塔が存在する世界。そこは多種多様の戦士達が集う修羅の世界。 その塔の上にこの世界のミラーミスがいるといわれ、今なお塔は天に向かって伸びていた。何を目指しているのか、誰にも分からない。狭い世界ゆえに、塔はどこからでも見ることができる。 そして塔の中は、階層ごとに異なっていた。町が丸ごと入っている階もあれば、迷路のような階もある。そしてこの階は……。 ●射撃戦 黒塔8階には何があるか。そう意気込んだリベリスタは一面の空洞に唖然とする。 半径二キロ、高さ三百メートルほどの巨大な空洞。仄かな光は宙に浮く岩から放たれている。上階の階段を探そうにも目印となるものが何一つない。どうしたものかと悩んでいるところに、近づいてくる気配があった。 「上の階に行きたいのなら、そこの岩に乗るがいい」 「だが、この黒塔のルールに従い我等と戦ってもらおう」 話しかけてきた者の特徴を一言で示すなら『犬の双頭人』だ。二つの犬の頭をもつ直立歩行する獣人。首から下はむしろボトムチャンネルの人間と相違ない。見るに二つの首がそれぞれが別の意識を持っているようだ。 「君達と私達のチームで戦うことになる。君たちはあちらの岩に乗り、私たちはこちらの岩に乗る」 「岩と岩の間を無理に飛ぼうとしないほうがいい。強風が吹いてるからな」 犬男の指す岩と岩の間は、攻撃が届くか否かの距離だ。剣や槍などは全く役に立たないと思ったほうがいいだろう。遠距離攻撃のみの戦いとなる。 だがそれは相手も同じ条件なのだ。 「準備ができたら岩の上に乗ってくれ」 「軽く二度岩を蹴れば、岩は浮かびだす。そこから勝負開始だ」 一匹だけど二つの意志を持つアザーバイドは、自分の眷属とも言える部下を引き連れ連れて一足先に自分達の岩に乗る。 準備を終えたリベリスタが岩を蹴り、奇妙な浮遊感と共に岩が浮かび上がる。隠れる場所のない射撃戦が、今始まる。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年08月14日(木)22:20 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 日々戦いに明け暮れるリベリスタ。そんな彼らから見たルゴ・アムレスの黒塔に対するイメージはというと、 「試練のような塔だな、まるで異世界のボーナスステージ」 『真夜中の太陽』霧島 俊介(BNE000082)の呟きがある意味的確であった。戦闘して上に昇る。理由らしい理由はそれこそ『何があるか見て見たい』という好奇心だ。ボトム・チャンネルの因縁めいたものはなく、純粋な戦いのみが待っている。 「いろんな事考えなくて、ただ戦うだけなのは気分的に楽かも……」 書物を広げながら『NonStarter』メイ・リィ・ルゥ(BNE003539)が呟く。長くアークで戦えば、精神的に疲弊することも多い。それを思えばただ戦うだけという環境はありがたい。だからといって、気を抜くようなことはしない。 「何が皆を戦いに駆り立てるのか……ま、せっかくの縁だ」 ため息をつくように肩をすくめる『赫刃の道化師』春日部・宗二郎(BNE004462)。力を求めるという空気は正直、好きにはなれない。力を求めれば、いずれその力により破滅する。そんな恐怖が宗二郎を身震いさせる。道化師の仮面を手にして、心を落ち着かせた。 「上に昇りきるまでの短期決戦。長期戦なら得意なんですけどねぇ」 だからといって短期戦が苦手というわけでもありませんよ、と『桃源郷』シィン・アーパーウィル(BNE004479)が腕を組んで頷く。僅かに宙に浮きながら、自分達が乗る岩の上で漂っている。視線は岩の上で気合を入れている仲間達に向く。 「足場限定の射撃戦ですか。射撃に命を賭けてらっしゃる方だと楽しまれそうですね」 弓の弦を調節しながらシェラザード・ミストール(BNE004427)が岩に乗る。闇を見通す目で真上を見れば、そこには幾つもの浮かぶ岩。今から登る暗黒の空間こそが、射手のステージなのだ。シェラザードは弦をいつもより強く、張る。 「腕試しにはちょうどいいな。あと少しで技巧の粋が見えそうなんだ」 銃を手にして『アリアドネの銀弾』不動峰 杏樹(BNE000062)が口を開く。向こうも射撃戦には自信があるのだろう。今まで積み重ねた技術を試すにはちょうどいい。弾丸を装填し、相手の姿を見る。犬に似たアザーバイドたちは、油断なくこちらを見ていた。 「正々堂々とした相手だね。珍しく全力でいけそうな状況だし頑張っていくよ」 『大魔法少女マジカル☆ふたば』羽柴 双葉(BNE003837)はアザーバイドたちを見て、そう呟いた。不意をつかず、ルールを説明する。勝負に対して紳士的なのだが、だからといって戦いが楽というわけではないのだろう。それは承知の上だ。 「出来る範囲を精一杯やらせていただきます」 幻想纏いから破界器を取り出しながら『quaroBe』マリス・S・キュアローブ(BNE003129)が構えを取る。様々な状況でも対応できるようになるのが理想の彼女にとって、数多くの経験ができるこの異世界は気に入っていた。この上の階には、何があるのだろうか? 「準備は整ったか?」 アザーバイドの問いかけに、応と答えるリベリスタ。頷く犬の双頭は岩の上で二度岩を蹴った。浮かび上がる岩。リベリスタもそれに倣い、踵で二度岩を叩く。 エレベーターに似た浮遊感。それを感じながらリベリスタたちは破界器を構える。 刃では届かない間合。そんな戦いが今始まる。 ● 「木漏れ日浴びて育つ清らかな新緑――大魔法少女マジカル☆ふたば参上!」 最初に動いたのは大魔法少女マジカル☆ふたばこと、双葉だ。最前列でワンドを振るい、オーラ全開でポーズを決める。きゃぴるーんとか擬音がつきそうなポーズで相手を指差して、相手の気を引こうとする。 「紅き血の織り成す黒鎖の響きは朗々と天に響く。其が奏でしは信者を弔う葬送曲――」 四種の異なる魔力が双葉の胸元で収縮する。見よ、魔術の妙たるマグメイガスの技法。 「我が血よ、黒き流れとなり疾く走れ。静謐の鎖。死者への祈り――葬操曲・黒!」 呪文と共に練り上げた魔力が鋭い矢となって敵陣に突き刺さる。先陣は切ったとばかりにリベリスタは続く。 「それでは行きますわ」 弓を構えたシェラザートの周りに青色のフィアキィが飛ぶ。淡く発光して魔力をシェラザードに与える。ボトムチャンネルではない魔法技術。それは故郷ラ・ル・カーナを遠く離れてもなお届く世界樹の恩恵。 足を開き、矢を番える。魔力解放と共に解き放った矢は、真っ直ぐに敵陣に向かって飛び、そして複数の光弾に爆ぜる。矢の速度を殺さぬままに光は敵に降り注ぎ、激しい光が敵の標準を狂わせる。 「範囲牽制は私達ミステランが得手とする事、そのまま動かないでくださいね」 「ボクは体力も防御も攻撃力もないけどね……」 メイが『和歌集・写本』を開きながら自虐的に呟く。メイの練り上げる魔力が、長髪を揺らす。構成される裁きの光は、真上に打ち上げられそして敵に振り下ろされる。なるほどメイ自身の言葉通り、鋭くはないように見える。 降り注ぐ光を避けるべく構えるアザーバイドたちは、光の速度と軌道修正の精密さに慄くことになる。まるでこちらの回避する先を読んでいるかのような的確な光の動き。裁きの光が敵に降り注ぐ―― 「ひたすらに当て続け、相手に対する嫌がらせの様な搦め手だけは自信あるんだよ……」 「私が遠距離戦のフィールドで負けるわけには行かないな」 自らの矜持と仲間を護るために、最前で敵を挑発する杏樹。紺のシスター服を翻し、魔銃と呼ばれる破界器を構える。流れるような構えと、そしてそこから発される魔弾こそが、彼らにとって最大の挑発となる。 杏樹は五感を研ぎ澄まし、敵陣の情報を可能な限りイメージする。同時に狙いを定め、引き金を引いた。神秘の力を篭めた炎の魔弾が放たれる。小さく、されど業火を伴う弾丸。敵陣で爆発し、炎の舌が蹂躙する。 「む。双頭のほうは避けたか」 「頭が二つあると、視界も違うんでしょうかねぇ」 上昇する岩に合わせて浮かぶシィン。飛び交う銃弾やブレスで傷つく仲間達を見ながら、緑と桃色のフィアキィを召喚する。この戦いは短期決戦。リベリスタは全力で攻撃しているので、エネルギー消費が激しい。それを冷静に感じていた。 シィンの口から異世界の祈りが発せられる。新緑世界の祈りは二匹のフィアキィを通じて増幅され、柔らかな緑の光となって仲間を包む。傷が、疲れが、そして纏わりついていた悪影響が、優しい風に吹かれて消え去っていく。 「自分の前では、如何なる消耗も許しませんよ」 「そして俺も癒す!」 『殺さない』ことに神経を注ぐ俊介が、指輪を基点に魔力を篭める。ボトムチャンネルほど殺伐とはしていない戦いだが、それでも仲間が傷つくのは見ていて面白いものではない。全て癒して、勝つ。その心意気で癒しの力を解き放つ。 大空洞を俊介の癒しの光が照らす。並の革醒者なら運命を燃やしかねないほどのダメージすら癒す強い癒しの力。それは理不尽な世界に対抗する為に俊介が求めたモノ。死神を退ける為に欲した強い癒しが仲間を包み込む。 「塔の住人をぎゃふんと言わせてやるぜ!」 「では私は敵の調整をしましょうか」 仲間に防御の結界を展開しながらマリスが戦場を見やる。火力、回復は十分だ。ならば自分のできることは戦場のコントロール。敵の立ち居地をずらしたり、敵の攻撃を邪魔することが自分の役割。 ルーンを刻んだ刃を使い、空間に印を切る。因と果を律する何かに干渉し、運と呼ばれるモノを乱す陣を作り出す。空間に刻んだ陣は双頭の犬に向かって飛び、不可視の鎖となって纏わりつく。 「出来る範囲を精一杯やらせていただきます」 「さあ、此度のショーは出し惜しみなしだ。目一杯楽しんで貰おう」 道化師のマスクを被り、宗二郎が口を開く。その姿も道化師の衣装となり、手にはカードを広げている。笑みを示す道化師のマスク。それは偽りのサイン。他人を傷つけたくないという心を偽り、戦いに赴く為のマスク。 手にしたカードに闇をまとわせる。自らの心にある闇のオーラ。それをカードの乗せて刃と化す。鋭い破壊の力を乗せたカードは真っ直ぐに敵陣に向かって飛び、激しいダメージと共に不吉を告げる闇をばら撒いていく。 「全ての敵を逃しはしない。それが俺の剣(デュランダル)としての在り方だ」 火力、回復、サポート。バランスの取れた構成に犬のアザーバイドたちは色めき立つ。だがそれでおびえるものはいなかった。 「驚いたな。まさかここまでとは」 「こちらも負けてはいられないな」 双頭のアザーバイドが強敵を前に喜びの咆哮を上げる。響き渡る声がリベリスタに耳朶を打つ。 上の階の階段までは、まだ遠い。戦いはまだ始まったばかりだ。 ● リベリスタの攻めは実に多彩だ。 高火力の宗二郎と双葉。戦場全体を狙う杏樹、メイ、シィン。妨害役のマリス。そして回復役である俊介、シィン。リベリスタのパーティバランスは取れていた。 対し、守護者のバランスは攻撃一辺倒である。回復のない構成だが、 「結構タフだなっ!」 「高いタフネスで上に昇りきるまで耐える構成か」 攻めども攻めども倒れる気配がない。疲労の色も見せず、変わらぬリズムで攻めてくる。 「く……ッ!」 最初に膝を折ったのは宗二郎だ。防御を犠牲にして攻撃に徹していたのだが、それが裏目に出た形だ。双頭アザーバイドの気の塊を受けて、運命を燃やす。だがその闘気は折れず。闇のオーラをカードに纏わせ、、相手のフィールドに叩き込む。 ダメージが蓄積していたのは相手も同じだ。闇の一撃がリーヴの一匹に命中し、そのまま動かなくなる。 「付け焼刃なんか剥がれちゃえ……」 メイが裁きの光を放ち、アザーバイドを攻める。的確に相手の足を止めるその精密さは、回避はもちろん満足に構えを取ることすら許さない。リキとシエラは已む無く構えをとることを諦め、攻撃に専念する。 「双星よ、指し示す導きのままに敵を打ち、討ち、滅ぼせ!」 双葉の大魔術が敵陣に降り注ぐ。手の角度と距離により生まれる魔術的な儀式陣。呪文の音程と強弱により発生した因果律への干渉。何よりも双葉自身の積み重ねた努力。それが大魔術詠唱の時間を短縮し、即座に放たれる。 「そういえば頭二つに体一つ、そんな感じの犬がいた気がしますねぇ」 ボトムチャンネルの神話を思い出しながらシィンが回復の光を放つ。攻撃にも回りたいのだが、手を止めると押し切られるだろう。周囲を飛び交うフィアキィを見ながら、上に到達するまでの時間を意識する。あと、もう少しか。 アザーバイドたちの標準は、回復を行う俊介とシィンに集中し始める。事、大魔力で回復する俊介に。 「これは危ないですね。庇わせてもらいます」 俊介に攻撃が集中したのを察して、マリスが庇いに入る。他の人たちに目配せし、回復役を守るために身を挺する。仲間が勝つ為に自分ができる最大限の行動を行う。それがマリスというリベリスタだ。 「俺の前では誰も傷つけさせない!」 庇っている仲間に触発されたのか俊介が大声を上げて回復の光を放つ。その魔力を攻撃に向ければ、一流の魔術師にもなれるだろう。それを気軽に行える覚悟があれば、だが。俊介が持つのは癒す覚悟。この魔力は誰かを救うために。 「そろそろ勝負の決め時ですね」 シェラザードが一歩前に踏み出して魔力を解放する。番えた矢に集まる魔力は熱い炎となって戦場を飛ぶ。例えるなら火の鳥が疾駆するように。見るものを魅了する炎の矢は一度敵陣に到達すれば荒れ狂う炎となって敵を焼く。 「来いよ。自慢じゃないけど、しぶとさなら人一倍だ」 敵の攻撃を受けて流しながら杏樹が相手を挑発する。事実、多くの攻撃を受けても杏樹は立ち尽くしていた。それは肉体面だけではなく、精神面の意味でも。銃使いの矜持がこのフィールドで負けてられないと奮起している。 激化する射撃戦は、リベリスタ側の火力に押される形で少しずつリーヴが倒れていく。倒れるたびに手数が減っていく守護者サイドは、自然と火力不足に陥っていた。最終的に双頭のアザーバイドのみが戦場に残ることになる。 庇い役のマリスを一度追い詰め、運命を削るに至ったがそれまで。 ガコン、と足場に衝撃が走る。上昇していた感覚が止まり、近くには上の階に繋がる階段があった。 「見事だ。異界の戦士達よ」 「この勝負、君達の勝ちだ」 ほとんど倒れた守護者側と、全員戦闘可能なリベリスタ。勝敗は目に見えて明らかだった。 傷だらけのリキとシエラが、勝者を称える。その声が空洞の戦場に響き渡った。 ● 「全てを倒しきれなかったか」 まだまだ足りない部分はあるな、と杏樹は唸る。総合的な意味で勝利したが、それは上を目指さないこととは意味が違う。満足し、且つ貪欲に上昇意識を持つ。それが成長への心構えだ。 「所で頭二つでどうやって身体を動かしているんです? 意見が違ったらどうするんですか?」 「ああ、そういう時は意志が強いほうが勝つな。とはいえ意見が異なることはそうそうない」 シィンが勝者の条件とばかりにリキとシエラに質問をぶつける。生まれたときから一心同体の二人(?)にとって、仲違いという概念は薄いようだ。ないわけではないのだろうが、それでも決定的な破局には至らない。 「力を求める世界か……」 宗二郎は上の階に続く階段を見ながら一人ごちる。人を傷つけることを嫌う青年が与えられたのは破壊の力。そのことに葛藤しながらも刃を振るう。戦い続けることで、この葛藤の答えが見えるのだろうか? 少なくともこの戦いに陰惨なイメージはなかった。 「のわー! ちょ、纏わりつくなー!」 リーヴの傷を癒していた俊介が復活したリーヴにじゃれられていた。恩を感じているのか抱きついて舐めようとしているのだが、重量や吐息の熱気(とか冷気とか)もあり若干怖くある。悪意がないということは十分に伝わるのだが。 「あれだけ攻撃を受けたのにタフですねー」 アザーバイドのタフネスを呆れるように、シェラザードがため息をつく。結構な火力を叩き込んだのだが、大きな傷を受けたように見えない。過日のバイデンを想起させる生命力だ。 「いい経験になりました。ありがとうございます」 一礼するマリス。異世界ならではの特殊な状況は、マリスの戦闘経験を深くする。戦いに明け暮れる世界の中心。そこで物事を学べることに感謝する。そしてその心はもう上の階を向いていた。 「ところで上の階には何があるんです?」 「順当に登っていけば、上で待っているのはセイジだな。君の技に似ている」 「もうひとつはベンケイのエリアだろう。千の武器が待っている」 双葉が上の階に何があるかをリキとシエラに問い書ける。その返答で帰ってきたのはそんな言葉。双葉に似た技ということは魔術だろうか? そして千の武器を持つベンケイ。 「それなりには楽しめたかな」 空洞に吹く風から髪を押さえるようにしながら、メイが告げる。火力という意味では一歩引くが、その的確な射撃能力は確実に敵アザーバイドの動きを制限していた。いざとなれば回復の用意もしていたが、不要に終わったことはよかったことか。 「改めて言おう。よき戦いだった」 「また機会があれば、戦いたいものだ」 笑顔で手を差し出す双頭のアザーバイド。それに応じるようにリベリスタも手を差し出した。 修羅の世界、ルゴ・アムレス。 その中央にある黒塔には、ミラーミスが住むという。 頂上への道を、また一歩進める―― |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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