● ガンパレード 廃城じみたホテルに、3人の女性がやって来た。否、やって来た、というよりも突然その場に現れた、という表現の方が正しいだろうか。 廃城の一室に開いたDホールを潜って、彼女達はこの世界に現れた。理由は定かではないが、あえて言うのなら、逃げて来た、というところだろうか。 彼女達は、元の世界では罪人だった。 『お金持ちからお金を奪ってなにが悪いんだろうねー』 と、小柄で赤い髪の女が言う。腰には6丁の拳銃、身体のあちこちにマガジンを下げていた。 『そうよね。それに、そのお金だって元々は貧民街を強襲して略奪していったものだしね』 そう言ったのは、迷彩柄のパンツとベレー帽を被った黄色い髪の女性である。2丁のマシンガンを肩に担いで、溜め息を零す。 『それでも、盗みは盗みだし、おまけに結構殺したし。私達も犯罪者に違いないわ……。おかげでずっと逃亡生活』 壁際に座り、ライフルの手入れをしていた青い長髪の女性は静かに「諦めなさい」と妹達を諭す。 彼女達は、姉妹のようだ。 元いた世界で犯罪を犯し、追われているうちにこの世界へと迷い込んだのだろう。信じられるのは、姉妹と、己の銃の腕のみ。 とはいえ……。 この世界も、彼女達にとっては安住の地とは成り得ないのだが。 ● ガンマイスターの3姉妹。 「異世界からDホールを潜って逃げて来た彼女達は、アザーバイドのテロリストね。その経緯故に、こちらの話を聞くつもりはなさそう。元の国からの追手だとでも思われているのかも」 極限状態、というやつね、なんて溜め息混じりに『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は言う。 ただでさえ、常日頃からあちこちで神秘がらみの事件が頻発するこの世界に、これ以上混乱の種を持ち込むのは辞めて欲しいものだ。 とはいえ、このまま放置しておくわけにはいかないのも事実。世界の崩壊、という理由がなければ、廃ホテル程度貸してやってもいいのかも知れないが、異世界から来た彼女達を放置しておくと、この世界そのものの危機へと繋がる。 「ホテルがあるのは、ある小山の上。昔は街全体が一望できる、っていう触れ込みで儲けていた古城のような外観のホテルね。今は潰れて、誰も近づかないけど」 それでも、古城を模しただけであって、なかなか雰囲気のある佇まいである。 ホテルへと近づくルートは、正面の坂を昇って来る以外に方法はない。ホテルの出入り口は一箇所。長く広い階段を昇れば、大きな正面入り口が見える。裏口などもあるのだろうが、封鎖されていて開かない。 壁をよじ上れば、窓からの侵入も可能となるだろうか。 6階建てのホテルの上階には、あちこちにバルコニーが作られていて、山や街の風景を楽しむことができるようになっている。 「時間帯は昼間。視界に問題はない。これは、こちらにとって不利なことかもしれないわ。なにせ相手には、スナイパーが居るから」 モニターに映った3人の女性は、皆その手に銃火器を備えていた。それぞれ、持っている銃の種類が違うことから、得意分野の違いが考察できる。 その中の1人、青い長髪の女性が持っているのがスコープを取り付けた、スナイパーライフルだった。 「彼女の役割は作戦立案と、後方支援、指揮ね。一方、赤い髪の末妹は両手に持った拳銃による接近戦、実働、揺動が主な役割。近接格闘も得意としているみたい」 小柄な彼女なら、少しの物陰にでも身を隠すことができるだろう。すばしこい行動も予想される。 「そして、黄色い髪の次女は実動部隊の指揮や中間支援が得意。2丁のマシンガンを主な武器としているわ。また、毎ターン1〜2体ほどの【アザーバイド:機械兵】を呼び出す能力を持っている」 リベリスタで言う所の、影人召還のようなスキルだ。純粋に、数が増えるということは戦力の強化に繋がる。 「以上3人が、ホテルの内外に散開してこちらを迎え打ってくることになる。気付かれずに接近することは、難しいと思うわ」 行ってらっしゃい、とそう言って。 イヴは、仲間達を送り出すのだった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:病み月 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年07月31日(木)22:19 |
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■メイン参加者 7人■ | |||||
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●廃屋の3姉妹 異世界にやって来たことに、不安がないとは言い切れない。偶然、人の住んでいない廃屋に辿り着いて、そこを根城にすることに決めたが、この世界にどのような生き物が存在し、どのような危険があるのか、どのような文化が発展しているのか、何一つ分からない。 だから、頼れるものは少しだけ。 今までずっと、自分達を守ってくれた愛用の銃と、それから姉妹達だけだ。 暫くは、廃屋に留まって、周辺の集落や人間の様子を窺おうと決めていた。まずは、廃屋の安全確認からだ。そう想い、三姉妹は廃屋内に散開する。 けれど、彼女達に安息の時はなかった。 廃屋の上階から、スナイパーライフルのスコープを覗いていた三姉妹の長女サファイアが、廃屋に接近してくる7人の人影を見つけたからだ。 7人の様子から、どうやら観光や散歩でここを訪れたわけではないことが分かる。中には、武器を携えた者も居たからだ。 頭の中で警鐘が鳴り響く。 『お客さんだ。出迎えなさい』 サファイアは、廃屋各所に散った姉妹へ向けて迎撃の指示を下したのだった。 ●籠城と攻略 廃屋は、城を模したような外観をしたホテル跡地である。一見して、なんの変哲もない廃屋だが、よくよく意識を集中させてみれば、じわりと滲みでる、隠し難い殺気を感じることができるだろう。眉間に針や剣の切っ先を突きつけられているような緊張感に、離宮院 三郎太(BNE003381)はぴくりと身を強張らせ、足を止めた。 その瞬間、廃屋から感じていた殺気が一点に収束するのが伝わってくる。渇いた銃声が1つ。音もなく、三郎太の眉間目がけてライフル弾が飛んでくる。 「登ってるのを観察されてるのは覚悟の上だ!」 剣を一閃。『アーク刺客人”悪名狩り”』柳生・麗香(BNE004588)が着弾寸前でサファイアの弾丸の射線を逸らす。正確過ぎる狙いが仇となった。一撃で終わらせるのなら、胸か眉間だと予め読んでいたのだ。相手からの先制攻撃も予想のうち。 最も、いくら攻撃を予想できていたとしても並の反射神経では対処できなかっただろうが。 「汐崎さんはボクの少し後ろへっ」 冷や汗を流しながら、三郎太は魔導杖を片手に掲げ次弾に備えた。 『物騒な来訪者ね……さっさとお帰り願いたいわ。彼女達には帰る場所が無いのかもしれないけど……ね』 脳内に、『蒼碧』汐崎・沙希(BNE001579)の声が響く。ハイテレパスで、直接頭に話しかけられているのだ。くすり、と冷たい頬笑みをこぼして沙希は数歩後じ去った。支援や、回復を担当している彼女を失うわけにはいかない。 沙希の右手が、空中にペンを走らせる。描かれた魔方陣から溢れた燐光が、仲間達の背に疑似的な翼を付与していく。 サファイアの放った次弾を、麗香が斬り捨てた。それと同時に聞こえて来る、ガシャンガシャンと硬質な音。廃屋へと続く坂道の上に、機械で出来た身体を持つ、兵士たちが現れた。その数5体。更に、近くのどこかに身を隠した殺気の塊の存在も感じられる。 ホテルの入口付近に人影が見えた。黄色い髪の軍服の女性だ。恐らく、三姉妹の次女であるトパーズだろう。機械兵の召喚や、指揮を担当しているのだ。トパーズの隣に、更にもう1体、機械兵が召喚された。 殺気の塊はトパーズではない。恐らく、三女のルビーだろう。姿が見えない。隠れているのだ。小柄で、接近戦を得意とするルビーらしい戦術である。 「隠れてる子は炎で燻り出しちゃうわ。派手にいきましょう……骨禍珂珂禍!」 宙へ向けて、『いつか迎える夢の後先』骨牌・亜婆羅(BNE004996)が骨の矢を放った。空中で矢は炎に包まれ、分散して機械兵の頭上へと降り注いだ。炎の雨だ。矢を受けた機械兵が、隊列を乱す。 その瞬間、動き出した影が3つ。 サファイアの元へと奇襲をかけるべく、炎の矢に紛れアズマ・C・ウィンドリスタ(BNE004944)が宙へと飛んだ。 そんなアズマを迎撃すべく、塀の影から小柄な影が宙へと跳びだす。両手に持った拳銃を乱射しながら、ルビーが姿を現したのだ。立て続けに鳴り響く銃声に紛れて、豪快な笑い声。ルビーは凶暴な笑みを浮かべている。 弾丸が、アズマの頬を掠めて行った。急接近するルビーの足刀が、アズマの胴へと突き刺さる。 その直前。 「地の利を活かした襲撃、いい考えだ……しかし!」 同時に動きだした最後の1人。『どっさいさん』翔 小雷(BNE004728)の拳が、ルビーの足を受け止めたのだ。小雷の拳に炎が灯る。 『うえっ!? なにそれ!?』 驚愕に目を見開くルビー。その足を掴んで、小雷はルビーの身体を地面に投げ落とす。 その隙に、アズマは空へと舞い上がりホテルへと飛び去って行った。 空を飛んで接近してくるアズマのことを、サファイアが見逃すはずはない。3発目の弾丸がアズマを狙うが、弾丸がアズマに命中する直前で、地上から放たれた別の弾丸に弾かれ命中しない。 「直撃させる必要はない、こちらも遠2から撃てて、それなりには「当てられる」射手が居ることを意識させれば十分」 金の髪を風に靡かせスティーナ・レフトコスキ(BNE005039)がくすりと笑う。サファイアが4発目を撃つよりも速く、スティーナの弾丸がサファイアの潜む場所へ目がけて、撃ち出される。 亜婆羅の矢に紛れ、小雷に援護され、スティーナの長距離射撃に守られながら全力飛行でホテルへ向かう。刀を引き抜き、アズマは一直線に、転がりこむようにしてホテルの窓へと跳び込んだ。 「高みの見物はさせないぜ……おらぁっ!」 窓枠を蹴り壊し、サファイアの眼前に降り立った。振り抜かれたアズマの刀を、サファイアはライフルの銃身で受け止めた。 『…………銃が傷むじゃない』 「やるな。ならば加減は要るまい。ま、もっとも元よりする気もないが」 くるりとライフルを回転させ、背中側に回す。ライフルの回転に巻き込んで、アズマの刀を足元へと流す。間を置かず至近距離からの射撃。アズマはそれを紙一重で回避して、刀を下段から振り上げた。刀の切っ先が、サファイアの頬を掠める。 遠距離射撃の有利を失い、サファイアの頬を冷や汗が濡らした。 いつの間にか、周囲を機械兵に包囲されていた。機械兵の背後で、トパーズが次々と指示を下している。先ほど、亜婆羅の攻撃で乱れた陣形も、いつの間にか整えられていた。 『………いつの間にか、また1人居ない?』 トパーズは周囲を見回すが、やはりスティーナの姿が見当たらない。機械兵を2体、スティーナの捜索に向かわせて、トパーズ自身は眼前の侵入者達へと視線を向けた。 「さて……僕の役回りは回復と攻撃のバランスが大事ですね。気を引き締めないと」 じわじわと距離を詰めて来る機械兵へ向け、三郎太が気糸を放つ。機械兵の弱点を、正確に貫く。 三郎太の気糸に貫かれながら、機械兵は一斉にマシンガンから弾丸をばら撒く。 回避しきれずに、前線に立っていた麗香と、弓矢を構えていた亜婆羅が体に無数の弾丸を浴びることとなった。しかし、即座に2人の身体を燐光が包み込み、その傷を癒していく。 最後列から使用された沙希の回復術である。 『備えあれば憂いなし……ね』 回復役の存在が、数の上での不利を補う。傷が癒え、銃撃の止んだ一瞬の隙を突いて麗香は跳びだす。大上段から放たれた1撃が、手近にいた機械兵を切り裂いた。 「とっとと穴に戻って自首しておきなさい! こっちは命まではとらずにすませたいんだよ!」 機械兵を呼び出すトパーズへ向かって、麗香は叫ぶ。しかしトパーズはこちらの言葉を無視して、更に機械兵を呼び出し、隊列へと加わるように指示を下した。 どうやら、話を聞くつもりはないらしい。 それならば、と麗香の影に隠れて亜婆羅は弓に矢を番える。矢の先端に魔方陣が展開し、炎が灯った。上空へと放たれた亜婆羅の矢が、無数の炎の矢と化して辺りに降り注ぐ。 矢を回避し、後退するトパーズ目がけて麗香が駆け出す。 「悪と糾弾する気も、善を説くつもりもないわ。ただあんたたちはここにいてはならないもの。大人しく帰りなさい」 麗香の突撃をサポートするように、亜婆羅の矢がトパーズ目がけて放たれる。 「施設にいた頃から子守には慣れていてな、子供の世話なら任せてもらおう」 『こっちも、殴り合いには慣れてるのよ』 銃声を織り交ぜながら、打撃音が鳴り響く。小雷とルビーは、他の仲間達から幾分離れた位置で、至近距離での殴り合いを続けていた。小雷の掌撃が、ルビーの胸へと突き刺さる。ゴボリ、とルビーの口から血が溢れる。 『この距離、なら、外さない、よ』 「っ!?」 ルビーは思いの外、頑丈だった。至近距離から、腹に銃口を突きつけられる。回避も、防御も間に合わない。直後、小雷は腹部に熱を感じた。衝撃、痛み、意識が遠のく。間近で鳴り響く銃声と、激しい痛みが立て続けに襲う。 炎に包まれた右の腕で、小雷は片方の銃を掴んだ。銃が炎に包まれて、思わずルビーは手を離す。地面に転がったルビーの拳銃は、すっかり焼け焦げ、曲がっていた。 それを見届け、小雷の意識はブツンと途切れる。 追ってくる機械兵を、2体ほど撃破しただろうか。スティーナは、ホテル内へ侵入しまっすぐ上階へと駆け上がる。千里眼で、サファイアの居場所は既に把握していた。2体の機械兵以外の追手も妨害も特にないのは、他の仲間がルビーとトパーズを押さえてくれているからだろう。 「長女を戦闘に参加させないか、背後から奇襲することで無力化……。なんとかなりそうね」 階段を駆け上がり、最上階のとある一室へと辿り着いた。厚い木製の扉の向こうで、銃声と金属音が鳴り響いている。どうやら、アズマとサファイアの戦闘は長引いているらしい。 「私を注視するか背後から討たれるか」 コツン、と僅かな音をたて、ライフルの銃口を扉に当てる。 今ので、サファイアはスティーナの接近に気が付いただろうか? 千里眼で、室内の様子を確認し、スティーナはライフルの引き金を引いた。 流石、と言わざるを得ない。たった3人でテロを成功させるだけの事はある。僅かな焦燥感を感じながら、アズマは斬撃を繰りだし続ける。 サファイアは、確かに接近戦が苦手なようだった。銃身の長いライフルを武器としているのだ。それも当然だろう。 しかし、回避、特に攻撃を受け流す術に長けていた。 とにかく、冷静なのだ。いくら責め立てても、ほとんど表情を変えないままこちらの攻撃を捌くのだ。有効な攻撃ほど、上手く捌くのでなかなか勝負を決められないでいる。 『くっ……。離れなさいよっ!』 銃声と共に、弾丸が放たれる。アズマの肩を掠め、サファイアの弾丸は壁を撃ち抜きどこかへ消えた。威力の高い銃弾だ。可能な限り、回避したい。しかし回避を優先すると、思いきった攻撃が繰り出せない。 と、その時だ。 ぴくり、とサファイアの肩が跳ね、その視線が一瞬背後へと向いた。 次いで、鳴り響く銃声。 ドアを撃ち抜き、弾丸が部屋に跳び込んだ。打ち砕かれた扉の向こうに、スティーナの姿が見える。スティーナの弾丸を回避するため、サファイアはその場に身を伏せた。 だが……。 『しまっ……!?』 「オレに届かない相手はいないぜ! 覚悟しな!」 ドン、と床が衝撃に揺れる。 大上段から振り下ろされたアズマの剣が、サファイアのライフルを叩き落す。 悲鳴をあげる暇すらないまま、アズマの刀がサファイアの頭を捉えた。 いつの間に反転させたのか、アズマの攻撃は峰打ちであった。だが、それで十分だ。脳を揺らされたサファイアは、意識を失い床に伏す。 ●落城 トパーズの元へと戻る為、ルビーは踵を返す。 そんな彼女の背後で、倒れた筈の小雷が立ち上がる。 「すまないな、本来ならここの住民として受け入れるべきなのだろうが……」 腹部から、夥しい量の血を流しながら、それでも小雷は立ち上がる。 一瞬、小雷の様子に度肝を抜かれ思考を止めたのがまずかった。或いは、銃を片方、失っていたことも原因の一旦かもしれない。 地面を蹴って、矢のような勢いで小雷が駆けた。 迎撃の為に、いつもの癖で掲げた右手に、しかし拳銃は握られていない。先ほど、小雷に破壊されたからだ。 トン、とルビーの腹部に小雷の掌が押し当てられる。 ドン、と鈍い衝撃がルビーの胴を突き抜ける。攻撃を当てられた、と認識する余裕さえないまま、ルビーの意識は暗転。鼻と口から血を零し、地面に倒れて気絶した。 最後にルビーが目にした光景は、小雷の身体を包む淡い燐光と、その後方でくすりと微笑む沙希の姿であった。 『汐、満ち満ちて、癒しあれ』 沙希の声が脳裏に響く。飛び散った燐光が、仲間の傷を癒す。ギリギリ小雷も、術の射程内に居る。 沙希の治療により、調子を取り戻した三郎太が、杖の先端から無数の気糸を解き放ち、接近していた機械兵を攻撃、その動きを阻害する。 「皆さんは可能な限りの最大攻撃をっ!」 三郎太が叫ぶ。それと同時に、亜婆羅は空へと矢を放つ。展開される魔方陣。降り注ぐ無数の炎の矢。動きの止まった機械兵を、矢が射抜く。機械兵の手から零れたマシンガンが、地面に転がる。機械兵は、バチバチと放電しながら、何処かへと消えて行く。 『くっ! 手数が多いわね!』 新たな機械兵を呼び出すべく、トパーズは懐から赤銅色の薬莢を取り出した。恐らく、その薬莢が機械兵を呼び出すための媒介なのだろう。 だが……。 「このボトムにたどり着いてしまったのが運の尽き、というかんじですね」 下段から振り抜かれた麗香の斬撃が、トパーズの手から薬莢を弾き飛ばす。返す刀で、切っ先をトパーズの喉に突きつけ、にやりと笑った。 『う……』 呻き声を上げるトパーズに視線を投げかけ、後ろと左手を見るように促す。 トパーズの背後からは、サファイアを背負ったアズマとスティーナが。 左手には、地面に伏したルビーと、彼女の傍に立つ血塗れの小雷が。 「諦めて2人連れてかえってね~」 トパーズの手から、マシンガンが落ちた。被っていた帽子を地面に叩きつけ、トパーズは忌々しげに両手を顔の横へと挙げた。降参の姿勢。何も言わず、唇を噛みしめる。 そんなトパーズと、気絶した姉妹達を引き連れて、リベリスタ達はDホールへと向かった。 元の世界に戻れば、彼女達は犯罪者だ。 「もう二度と会うことはないだろうが、強く生きろよ」 小雷の言葉に見送られ、3人は元の世界へと帰って行った。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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