●ハツラツ100倍元気ですか ストレスフルでブラッキーで時間と上司にせかせかネチネチ追い詰められて責任と重圧と寝不足で胃がキリリと痛む現代日本。 そんな修羅の国で生き延びる戦士の味方が――そう、エナジードリンク。元気が出て眠気も吹っ飛ぶ不思議な不思議な合法的活力飲料だ。 どん。 と。一同の眼前に鎮座していたのは他でもない、エナジードリンクが詰まったダンボール×幾つか。 「これが革醒してしまったエナジードリンク、ですか……」 箱の中から無作為に取り上げた一瓶をまじまじと見、『Matka Boska』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)が呟く。 彼女の言葉通り、これらは全て革醒してしまっている。聞いたところによれば、忙殺の渦中に居るとある会社が箱買いしたエナジードリンクが革醒してしまったのでアークに急遽運ばれて来たとの事。そしてこれらを全部飲み干してしまうのが、此度のリベリスタに課せられた任務であった。 「神秘でも魔法でもないのに力が漲るのか? 不思議だ……」 リリと同じように、『金雀枝』ヘンリエッタ・マリア(BNE004330)は瓶を一つ手に取ると日に透かして観察してみる。濃茶色の硝子。フィアキィ達も不思議そうに瓶を眺めている。 「飲めばいいって事は分かったんだが……本当に摂取して命に関わるような事は起きないんだろうな?」 興味を持つ彼女達とは対照的に、『赤き雷光』カルラ・シュトロゼック(BNE003655)は訝しむ様子でサングラスの奥から覚醒したそれらを見据えていた。所謂世界の歪みでもあるモノを口に入れるなんて、と思うけれど、過去に似たような任務が幾つもあるので『どうにでもなる』のだろうと自分自身を無理矢理にでも納得させる。 「でも飲めばいいだけなんだろ、簡単じゃないか」 そんなの朝飯前だ、と『質実傲拳』翔 小雷(BNE004728)は意気揚々だ。 「そうだね、報酬も貰えて元気にもなれて、一石二鳥なお仕事じゃない」 お疲れ女子専用!というコラーゲンやらプラセンタやらイソフラボンやらが入っているらしいドリンクを手に、小島 ヒロ子(BNE004871)。最近はこういう美容にも気を使うものが増えてきたものだ。 と、その時。 「よんできましたですよー」 そんなあどけない声と共に部屋のドアが開いた。一同が目をやれば、そこには声の主である『もそもそそ』荒苦那・まお(BNE003202)と――彼女に袖を引かれる形で小さく瞠目していた、『元・兇姫の懐刀』スタンリー・マツダ (nBNE000605)の姿が。 「……何ですかこれは」 開口一番、状況を見てすぐの声。かくかくしかじか、まおが説明する。まとめれば曰く、いつも通り顔色が悪いスタンリーも、景気づけという名目で。 「……」 嫌な予感はしていた。しかし「どうしても」と知人の蜘蛛少女が袖を引くから来てみたものの。 すっとスタンリーは踵を返した。 「あ…… 帰っちゃうんですか……?」 「そう……ですか……帰ってしまうのですね……」 「え……スタンリー、帰るのか?」 「……止めはしないが……」 「そうかぁ、帰るのかぁ……」 「う~ん、仕方ないね……」 そこに降り注ぐ六の声、六の視線。本心もあれば便乗した愉快犯もあり。 「……」 黙したまま、スタンリーは足を止めるのであった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ガンマ | ||||
■難易度:EASY | ■ リクエストシナリオ | |||
■参加人数制限: 6人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年07月30日(水)22:51 |
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■メイン参加者 6人■ | |||||
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●ガンギマリスタ ででん。 リベリスタ達の前に文字通り『山積み』されているのは、説明不要のエナジードリンク達。 「神秘に拠らず活力が出る飲み物とは、凄いです。人は、私が思うよりずっと強いのでしょう」 一つ一つを見渡し、『Matka Boska』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)は感慨深げに頷いた。「では、いつも通り。『お祈り』を始めましょう」なんて真面目な様子のリリに、苦笑を漏らしたのは『赤き雷光』カルラ・シュトロゼック(BNE003655)である。 「ある人に言われた言葉があるんだ。『例え、君が憎しみに突き動かされていたとしても、君の人としての幸せを捨てる必要など何処にもないんだ』って。最近、少しずつだけどわかってきた気がするってーか……ま、そういうしみじみしたのは、今日はなしだ ぱーっとな、ぱーっと」 そう、今日はワイワイどんちゃん楽しく浮世の事は忘れて、が合言葉だ。 「飲むだけでは味気ないだろう。提案がある」――と『どっさいさん』翔 小雷(BNE004728)が切り出したからだ。あくまで任務だけれども、労いと互いを知る為、交流を深める為、『敢えて』飲み会風に任務を行う。 「エナドリ飲み会なんて超レアよね~ 神秘スゲエ!」 小島 ヒロ子(BNE004871)は楽しげに言いながら、おつまみ用に持参したビーフジャーキー(曰く、意外とカロリー低し!)とナッツ類、味海苔を卓上に置いた。彼女に倣い、他の者もおつまみを机の上に広げてゆく。 「私はからあげを」とリリ、 「まおはお菓子とお口直しのミネラルウォーターを持ってきました」と『もそもそそ』荒苦那・まお(BNE003202)、 「オレは果物やフルーツポンチを持ってきたよ、お口直しになれば」と『金雀枝』ヘンリエッタ・マリア(BNE004330)、 「俺はいちごペッキと杏仁酥と中華えびせんだ、経費で落としたぞ」と小雷。 さぁ始めよう――の前に。つい先日は小雷の誕生日であった。なのでまおが、買ってきたケーキを机の真ん中に置いた。 「まおはちゃんと領収書もらってきますよ」 えっへんと胸を張りながら、蝋燭に火を点ける。そして隅の方であわよくば空気になるとしていたスタンリーも無理やり引っ張ってきて席に座らせ、皆で祝いの歌も歌えば、『今日の主役』は照れ混じりの笑みを零した。 「俺の誕生日? そういえばそうだったな……なんだか誕生会みたいだな、皆ありがとう」 19本の蝋燭も吹き消して。 さぁ、それでは乾杯で始めようではないか。音頭を取るのは小雷だ。 「中国式の乾杯ってどんなだろ?」 「俺も気になるな。ちなみにドイツ式は掛け声から歌だ。グラスを叩きつけて割ったりはしないぞ」 ヒロ子にカルラが興味深げに小雷を見る。頷いた彼は「我が国の乾杯はな……」と説明を始めた。 説明しよう! 中国式の乾杯はその名の通り、杯をカラにしなければならず、皆と一回乾杯した後、今度は一対一の乾杯、返杯を全員分回らないといけない。日本では当たり前の一口飲んで机に置くのは無礼なのだ。 とどのつまり、最低13本は飲まければならないのだが―― 「もとより皆その覚悟でこの任務に参加しているだろうから問題はないな。では、乾杯!」 「乾杯! 小雷様、お誕生日おめでとうございます」 「お誕生日おめでとうございまーす」 リリとまおに続いて祝いの言葉と共に皆は手にしたエナジードリンクを一気飲み。 「う、うわぁ! ヌーの群れが! ヌーの群れがー! 来るなァァァアアァ」 サバンナキングを飲んだらしいスタンリーが椅子からガターンと落ちた。ヒロ子は「効果出るの早すぎでしょ」と笑いながら空になった怪物の瓶を卓上に置いた。 「幾多の一人晩酌を乗り越えた飲兵衛を舐めんじゃウェーイ! 酒じゃーい!」 この即陥落。エナジードリンクになんか絶対負けない!(キリッ)→エナジードリンクには……勝てなかったよぉ……(ビクンビクン)の美しすぎる典型である。そんなベロベロのまま隣の小雷の頭をポムポムと撫でる。 「そういや翔さんはお誕生日だっけ! 大きく育て~」 格好良いから、という理由で武士を一気飲みした小雷はそのスパイシーさに咳き込んでいた。ようやっとヒロ子に気付いて「ふえ?」と上げた顔は――チャイニーズ虎耳美少女@巨乳。しかも涙目上目遣いという天然あざといコンボである。因みにその後ろではスタンリーがヌーの群れ(エア)と戦っている。 それはさておきヒロ子は(なにこれクソかわ)と小雷子ちゃんをナデナデしている。「よーしよしよしよしよし」とムツゴ□ウさん的に首の下もサスサスしちゃう。猫科な小雷子ちゃんはゴロゴロ言っちゃう。 「こうしてもらえるなら、じょ、女性というのも悪くないな……」 と、その時。 むに。 お胸のすいか。大玉すいか。柔らかすいか。 「……どこを触ってる、よせ」 「ゴメン、収まり良かったんでつい……私こんな立派なのないし羨ましいな~これ仰向けで寝れる?」 むにむにごろごろにゃんにゃん。ヒロ子は思わずもふっと抱きしめ、耳元で。 「甘いの……一緒に飲む?」 「地獄の甘味、甘党である俺の相手にとって不足なし!」 二人でせーので怪物一気。 そして「アヒャヒャー酒もってこい酒ーーー!」とベロベロになったのは言うまでもない。 男子たるもの、潔く全てを受け容れよう。 (そう、男子……男。本物の男になれるんだ) ヘンリエッタにとってそれは憧れそのもので、自らもそう在りたいと服や口調を模倣するほど。そわそわ、その手にはもう武士があった。そろそろ効果が出てきただろうか、と身体をぺたぺた触ってみる。 「!」 しなやかな筋肉に包まれた体躯の感触――思わず鏡を見遣った。 「……これが、男」 そこにいたのはヘンリエッタ改め、イケメンフュリエ男子ヘンリー。輝く金髪、凛々しい赤目、キリリと男らしい眉、彫りの深い精悍な顔立ち、全てがまるで命の宿った彫刻だ。 「素晴らしいね。このまま時が止まれば良いのに……」 効果が途切れないように武士を絶え間なくがぶ飲みしながらナルシズム全開。無駄にオールバックに髪をかき上げる動作をしながら斜め45度流し目角度、ほう、と溜息――だがその声は歓喜の嗚咽にかき消された。 「神様ァァァァァ」 彼方の方にロザリオを持って両手を組んで跪いてボロッボロ泣いているのは赤牛によって『神様』を見ているハイなリリである。だがその直後、効果が溶けてリリの前から神が消える。泣き崩れるリリ。 「神は死んだ!! 神様に捨てられて、生きていけませんうわあああん!!」 その一方で、カルラは「甘みが強いのは苦手なので」と辛口な武士を飲み干していた。 「……なんだ……胸が、苦しい……」 これが恋……!?と胸を押さえるカルラ。シャツがおむねでパンッパンだ。胸囲がゲルマン。 その最中、泣き崩れるリリが抱きついてくる。 「うわわぁぁあ!? この暖かさ……やわらかさ……これが しあわせというものなのか……?」 谷間と谷間を合わせて幸せ。 (いかんぜ落ち着け手放したくないとか流石にいかんだろ) オーケィ、クールになれ、何か口に入れよう。リリの頭をぽんぽんしつつ、適当に手を伸ばした先にあったエナジードリンクをぐびり。よしこれで大丈夫だ、とリリを見れば……そこにはリリではなく初恋の相手が! 「義姉さん……? いつ日本に……」 違うんだこれは違うんだよああいやそうじゃないそもそも義姉さんとのあれは間違いでていうかこれはエナジードリンクの幻覚だ胸が痛いこれが恋か……。 そしてその背後には男女見境なく乳を揉むオッパイハンターヒロ子の姿が! 「ん、あれ……ふわふわする……間違えて赤牛を飲んだのかな……?」 酔っ払ってみたい、という思いのままに怪物を飲み干したヘンリーはぽわぽわしていた。 「あぁ、小雷さんは今日が誕生日なんだね。おめでとう。あなたの今と未来に、幸運のあらん事を……乾杯」 イケメンボイスで小雷子ちゃんの腰を抱き寄せ、赤牛を飲むヘンリー。翼ぶわぁでV系のボーカルみたいに。小雷子ちゃんはドキンと顔を真っ赤にしている。 「ほわーなんだか肩が軽くなりました~ スタンリー様、これとっても楽しいですよ」 その傍らでは赤牛で授かった翼で言葉通りふわふわしているまおがニコニコ笑顔でスタンリーに手を振っていた。因みにスタンリーはヌーの群れと戦っていた。 愛らしいまおの姿にヘンリーは微笑みを零す。 「あぁ……まおさん。あなたはいつも可愛らしいね」 「きゃーヘンリエッタ様がイケメンになりましたぁ~オーラ眩しいっ」 「ふふ。オレはまだ恋を知らないけれど、あなたのような人が相手だったらと思うよ。 オレに、恋を教えてくれるかい……?」 「恋っていうのはですね~甘うぁふgyるらあ!」 怪物をグビりながらにしたからこの有様だ。えっへへぇと真っ赤な顔で頭をグラグラさせながら天井中をかさかさがさがさ駆けずり回る。 「ま、まおはまだまだいっけますよぉ~。じゃんじゃんばりばりです~。おかわりどんどん行っちゃいますよぉ~!」 ハイなのと酔ったのとでかなりヤバイ。 それはさておきヘンリーが鏡を見つめて惚れ惚れと溜息をついていて超カオス。そんな王子ヘンリーにリリは思わず合掌。宗教間違えてる。 「あ、貴方が神様でしたか……!」 「リリさん」 スッとリリの顔に手を伸ばすヘンリー。 「な 何ですか!?」 「いいからじっとして」 (このシチュエーション、まさかキス――) スッ…… 「芋けんぴ 髪に付いてたよ」 カリッと芋けんぴを齧ってウインクするヘンリー。 (う……わーーーー) リリはカァァと顔を赤くする他になかった。 (私も人に優しく……そう、ジェントルメンになるのです) そして飲み干すのは武士。 すると、リリが兄もびっくりの美少年神父に! 「使い手の男子が多いようですが……本当の、格好良い格闘術を見せて差し上げましょう」 そして始まる謎カンフー。ものすごいエロオーラ。 「功夫か、相手になるぞ」 翼を授かった上に何故かすごいムキムキ8等身になった小雷がガタッと立ち上がり、謎のカンフー対決勃発。なんだこれ。 「おっぱい無くなったリリ様のダンス(?)もなんか凄いです。まおもイケメンになります。スタンリー様も一緒に武士飲みましょう~」 拍手するまおはスタンリーへと向いた。 「……」 やっとサバンナの幻想から解放されたスタンリーが真顔になる。沈黙。 「え、まおのドリンクが飲めないのですか?」 目をウルウルさせるまお。うぐっと気まずくなるスタンリー。 「し……仕方ないですね、これも任務ですし」 「わーい。乾杯~」 これで二人共イケメンに――……あれ? 「夕日があんなに赤いです。ワイルドですイエーイサバンナサバンナァ~」 「ウワアアアアアアまたヌーの群れがあああああああ」 誤飲ofサバンナキング! 「お嬢さん、お手をどうぞ。女性には優しくするもの――ましてや貴方の様な美女ならば」 「子猫ちゃん、薔薇園で君を抱きしめたい――」 サバンナの一方でカルラちゃんはヘンリーとイケメンリリに言い寄られていた。囲まれた。一度踏み込んでしまえばもう逃げられない、それはイケメンラビリンス……。 「はっ 俺は何を見ていtってうわなんで男で寄ってくんだちょやめおい」 カルラちゃんがハワワと後退る。と、そこでシポンと武士の効果が切れた。 その瞬間――そしてシュガーフリー赤牛でリリがダウナーに。甦るはほものトラウマ。 「何故ですか、何故私と関わった殿方は皆ほもになるのですか!」 そうだ―― ほもを克服するには、ほもになるしかない。 「今、ほもになります!」 更に色んなドリンクをぐいと飲み干し、凄くBLっぽい感じになるとカルラを壁ドン顎クイッ。 「二人で愛のハーレムを作ろう」 「あれ、男性同士でいちゃいちゃしてる……これが、ほも! ですか!」 まおが拍手している。テンパるカルラ。 「うおおおおおやめろおおおおあばばばば あ、あれは、どこだーーー」 そうだせめてこっちが女になれば一応見かけ上はまともになるぜ冴えてんな俺!といのを0,01秒ぐらいで考え、カルラは手探りでガッとエナジードリンクを一気飲みして―― 「あれ、武士は……もうないんだ、残念だな」 ラボで作ってもらえないかな?ヘンリーからヘンリエッタに戻った彼女は、仕方がないから適当に消費するかと手近なエナジードリンクを飲んだ。 「あらあら……?」 エナジードリンクの不思議な効果。なんと記憶はそのままに、心身が数年過去の姿に退行したではないか。ふわふわロングヘアに柔らかい微笑みを浮かべた天然乙女である。 「わたし、どうして……」 「本当にヘンリエッタなのか? か、可愛いっ」 「ふふ、なんだかお恥ずかしい」 小雷の声に頬を薄紅に染めつつ……ヘンリエッタはヒロ子(ネコミミ猫しっぽが生えている)に抱っこされた。膝の上にストン。 「にしてもイケメンにかわいこちゃん勢揃いで……目の保養~!」 ごろごろもふもふ。ヘンリエッタとじゃれあいながら、ヒロ子はスマートホンを取り出して。 「ちなみに見る? 見るよね? 私の初恋の人! 無口だけど逞しくて強くてね……」 「まぁ……ヒロ子さんの恋人さんはとっても硬くていらっしゃるんですね。とってもお強そうです」 エナジードリンクをカクテル代わりに、きゃっきゃうふふとガールズトーク。でも照れているヒロ子の手にある携帯の画面に映っているのは、どう見てもスーパー感溢れるロボットのフィギュアの写真なのであった。三次元興味なし。肌色より鉄色。背の高い(100m級)ひとが好き。 と、盛り上がっていたのだが。 何とはなしに手に取ったビンの名は、デスマーチ。ヒロ子の顔が固まる。 「やべえ……私、ココに来る前ブラック企業の社員でさ、この言葉には嫌な思い出が……」 飲み干した後、ヒロ子が思い出すのは『黒々』とした『黒』歴史。 「だが待て! 今なら……呼べる気がする。私の巨大ロボ! さあ来い、黒き弾丸で赤い月を撃ち砕き、死の行軍の音を響かせろ! 私の」 ズッギャーーーン(なんかカッコイイポーズ) ……。 ……。 「……来ねぇし。ヤダ恥ずかしくなってきた……まっつん、次持って来ーい!」 「ハァ……ハァ……殺ってやりましたよ、ヌーの群れを」 サムズアップのスタンリーが蹌踉めきながらエナジードリンクを手渡した。そして「グフッ」と血を吐いて力尽きた。 そんな様子や、周りのワチャワチャを眺めつつヒロ子はそれを飲む。 「あはは、超面白ーい! もっとやれー ……オイやれっつってんだろ! ブン殴んぞ!」 眼我による破壊衝動。殴ると言いながら、小雷が「あくまで日本語の勉強」と持って来た罰ゲームトランプをブン投げてハニーコムガトリング。 「!?」 それは丁度、ホモリリを撃退せんとカルラがエナジードリンクを飲み干した時だった。なんと、カルラの服がビリビリバリーンと理不尽に爆ぜる。 「そうか、そこまで俺の力を欲するのか……だがっ」 右目を抑えながら、彼は「この力だけは使いたくなかった……」とアンニュイに呟く。パンツ一丁で。 「闇に堕ちし英霊達よ、冥府より黒き絶望を響かせろ――容易く好きには させん!」 指の間にペッキーを持って凄いカッコイイ感じにハニコ投擲。なんか闇のオーラとか纏っちゃう。完全にデスマーチの効果。パンツ一丁だけど「†選ばれし断罪者の罪咎衣†」とか呼んじゃう。あと「喰らえダークネスなんたらかんたら」と必殺技名を叫んじゃう。 「これがペッキーゲームか……!」 赤牛でハイになったのも相まって、眉間にペッキーが刺さった小雷は目をキラキラさせているのであった。そして服がヒロ子のハニコ()でビリビリバリーン。 「いえーい! もう全部混ぜて飲んじゃいます! これで色々な効果が出て楽しそうですひゃっはー」 ドリンクバーで調子こいて混ぜまくる中学生の如し。壁を殴り続けるまおは残り少なくなってきたドリンクを混ぜまくる。恐怖のちゃんぽん。羽授かったりサバンナでダウナーになったりムキムキ8等身の子供になったりぽんぺになりつつ初恋を思い出し誰かに腹パンを決めたり……。 ●そんなこんなで 後日。 「あれ、昨日の記憶が……?」 「へ? 昨日? 何を言って……うっ頭が」 まおとカルラは頭を抱えた。 「最初の方は覚えている……誕生日を祝ってもらって……」 「乾杯をして……それから……?」 小雷とリリは首をかしげ、 「二日酔いはしなかったみたいだけど……」 「一体、オレ達は何を……」 ヒロ子とヘンリエッタは考えてみるけれど何も分からず、 「……」 スタンリーはいつも以上に暗い顔で黙り込んでいた。 因みにあの日、静まり返った部屋をアーク職員が覗き込んでみれば。 飲みつぶれたリベリスタ7人がひっくり返っていたそうです。 ちゃんちゃん! 『了』 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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