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おまえのような織姫がいるか!

●↑と、叫んでいます
「おまえのような織姫がいるか!」



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:どくどく  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2014年07月19日(土)22:55
 どくど……うわなにをするやめろー!
『我が名は織姫! 汝らの願いを叶えるべく馳せ参じた。集え勇者!』

◆説明!
 2014年7月7日、三高平市郊外にエリューション・フォースが発生しました。なんでも織姫の伝説を依り代にしたもの……らしいです。身長二メートルのマッチョ体型。平安時代風の単衣を着ていますが、歩く姿は熟練の格闘家さながらです。……どうしてこうなった!?
 強さそのものは難易度相応です。倒すと誰かが書けばあっさり倒れます。ですがこの存在は厄介な能力を持っていることが判明しています。
『短冊の願いをかなえる』……それも悪意的に。近くにある短冊の願いをかなえるのですが……ちょうど三高平には巨大な短冊があります。具体的には『【七夕2014】星に願いを。』が。

 参加者のID各桁の数字を足しその数字をNとします。男性なら上からN番目の願いを、女性なら下からN番目の願いを。性別不明は実際の性別に関わらず、前の参加者の性別とみなして数えます(白紙プレイングは数に含みません。飛ばします)。

 叶う願い事は基本的に幻覚ですが、受けた人間はリアルにそれを感じ取ります。
 好きな人とデートしたいという願いなら、実際にデートする幻覚が見れます。ただし相手が貴方が望む相手とは限りません。
 お金が欲しいという願いなら、実際に大金持ちになる幻覚が見れます。しかしその結果、仲間の嫉妬を受けて人間不審になるかもしれません。
 強くなりたいという願いなら、最強になる幻覚が見れます。しかし強さゆえの葛藤が付きまといます。

 基本的にかなえる願いは行動もしくは結果部分のみです。『(人名)とデートしたい』の場合、人名は無視されます。プレイングに書かれてあっても描写しません。それっぽい人とデートする程度です。異性だろうが同性だろうが叶えます。強制的に。

 プレイングは如何にその幻覚に苦しむ様と乗り切る様を書いてください。
 幻覚を見る前に織姫を倒すことは不可能です。
 なおプレイングに【覚悟完了】と書くと、どくどくはワル乗りして書きます。
 フェイト? 文字数の無駄です。
 
◆参加NPC
『突撃鉄球れでぃ』水無瀬 夕子(nBNE000279)
 織姫の幻覚でKOして倒れてます。
 彼女を例に取ると『【七夕2014】星に願いを。』の下から(2+7+9=)18番目のプレイングに沿った幻覚を受けています。ID順番は一番最後の扱いです。
 誰も織姫を倒すと書かなければ、彼女が倒します。

◆注意!
 はっきりいってお遊びです。他人の願いでひどい目にあうわけですが、その人を攻める様な事はしないでください。
 参加した時点で『他人のプレイングでひどい目にあう』ことを了承しているものと判断します。そうでない方は参加を控えてください。
 繰り返します。このシナリオはお遊びです。ネタイージーであることをご理解ください。

 皆様のプレイングをお待ちしています。

参加NPC
水無瀬 夕子 (nBNE000279)
 


■メイン参加者 4人■
ノワールオルールソードミラージュ
ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)
ハイジーニアスクロスイージス
白石 明奈(BNE000717)
ハイジーニアススターサジタリー
白雪 陽菜(BNE002652)
メタルフレームクリミナルスタア
烟夢・クローフィ(BNE005025)

●一斉にどうぞ
「「「「「おまえのような織姫がいるか!」」」」」
『そらせん』ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)と『ミサイルガール』白石 明奈(BNE000717)と『三高平の悪戯姫』白雪 陽菜(BNE002652)と『漂う紫煙』烟夢・クローフィ(BNE005025)と『突撃鉄球れでぃ』水無瀬 夕子(nBNE000279)の五人の女性は、目の前の和服マッチョ乙女織姫を指差して、大声で叫んだ。

●また一年、可愛いまんまで過ごせますように☆――ソラ・ヴァイスハイト
「願いとしてはまともな願いなんだけど、嫌な予感しかしないわ」
 ソラは織姫の見せる幻覚の中、渋い顔をして頭を抱える。ソラ・ヴァイスハイト、二十九歳。大人の魅力をかもし出す先生である……と当人は思っている。
 如何せんソラ先生は十歳で見た目の成長が止まっている。お酒が嗜める年齢なのだが、事情を知らない人からは酒の購買を「お父さんのお使い? ごめんね、子供には売れないんだ」と言われるぐらいに見た目は子供である。
「皆に羨まれて、妬まれてアレコレされちゃうのかしらね」
 小学生に告白されたり、子供専用の変態紳士に拉致られたりと散々なことを想像したソラ。高校生以下は真っ平ゴメンである。こう見えても大人なのだ。綺麗と呼ばれたいお年頃である。全くの余談ですが、どくどくの中でのソラさんは、物事の機微をわきまえているいい女性ですよ。閑話休題。
「あ、可愛い」
 ほら来た。ソラは今後の展開を想像する。おそらく可愛いといいながら頭を撫でてきたりして可愛がったりするのだ。ええ、ええ。大人ぶってる子供可愛いとかそんな流れでしょうとも。高速のDAグラスフォッグでまとめて凍らせ泣かしてあげるわ。どくどくSTが地味に嫌がってるいつものパターンで――
「ってなにこれ!?」
 ソラは迫ってくるイヴ(仮)に慄いていた。ウサギのぬいぐるみに白黒ゴシック衣装。しかしそれを着ているのはマッチョ織姫なのだ。身長二メートルを越す巨漢(女)がゴシックを着こなす姿は、なんというか異様である。
「これはあれかしら……『自分より可愛くないものに囲まれれば、相対的に自分は可愛い』とかいうヤツ!?」
 まぁ、可愛がられてムカつくよりはマシかとソラは思ったが、ふと願い事を思い出す。
『また一年、可愛いまんまで過ごせますように☆』
「……もしかして、一年間これと過ごす幻覚を見せられるの?」
 気がつけば、ソラはアークビルにいた。そこにいるのはいつもの仲間達。だが中身は皆織姫だった。
「いけないな、ティーチャー・ソラ。ビアをドリンクするならスチューデントの見えないところでプリーズ」
「NOBUか!? NOBU織姫か!?」
「騒がないでください。撃ちますよ」
「和泉織姫!? って言うか既に撃ってるよね!」
 足元の銃痕を指差しながら、ソラはアーク制服を着た織姫を指差した。
「ハッピーハロウィン!」
「南瓜行列……になってない! 姿隠し切ってないから!」
 シーツを被ってるんだけどサイズが合わず生足がでてるモロバレ仮装織姫。それが集団で練り歩いていた。
 クリスマス。白銀の世界にあふれるだれたサンタ織姫。
「メリークリスマス! さぁ、可愛がってやろう」
「あー、はいはい」
 お正月。神社で巫女姿の織姫(おみくじも織姫仕様)。
 節分。鬼織姫。違和感なかった。
 新学期。教室に並ぶ生徒織姫
「ダイジェストとはいえ、一年分は堪えたわ……」
 ソラはもう突っ込む気力もなかった。この生物としておかしい存在と美醜を比べることに疲れていた――むしろこれと可愛さを比べられることのほうが屈辱だった。
「幻覚から戻ったら織姫倒す」
 ソラは強い決意を持って前を見る。一年経過まで幻覚は後四か月分。

●強くなりたい――白石 明奈
「は、私が?」
 明奈は願い事を復唱して、鼻で笑う。そんな願いはノーサンキューなのだだ。
 意外に思われるかもしれないが白石明奈という娘の望みは『平穏』である。革醒して突如得た力に戸惑い、その力とどう付き合うかを知る為にアークに参加した。力を使って誰かを傷つけることを恐れ、そして誰かを勇気付ける為にアイドルを目指したのだ――神秘の力を利用せずに。
 革醒して得た力から目を逸らさず、一人で悩むことなく、同じ悩みを持つものと手を取り合うことで前に進む。誰かが下を向いていたら、目の前に現れて微笑んで手を差し出し。自分が前を見れないほど辛いことがあったときは、横を見て友と語らう。そんなどこにでもいる普通の『人』としての強さ。それを伝える為に選んだアイドルという道。
 暴力ではなく笑顔を与える力を求めた明奈。彼女はどんな力を持ったとしても、それを正しく扱うだろう。

 プレイングに【覚悟完了】とか書かなきゃ、このままシリアスに心理描写するつもりだったんだけどなぁ……。

『白石明奈、生誕六百七十八年アニバーサリーコンサート、開催です!』
『ア・キ・ナ! ア・キ・ナ!』
「いえーい! おまえ達乗ってるかー!」
 場所は三高平市白石ドーム。五万人を収容できるドームがチケット販売初日から満員になるほどの人気コンサートである。
 あれからかなりの時がたち、なんやかんやあって世界に平和が訪れた。しかし戦いに疲弊したリベリスタの心は荒み、アーク内部で戦争を始めることとなる。
 しかしここに降臨したのは最強のアイドル力を持つ明奈! 彼女の持つアイドルパワーで戦争を収めることに成功した。具体的には触手と水着。
 かくして白石明奈は世界を救ったアイドルとして、超鮮烈なデビューを果たすのであった。アイドルパワーって言うか革醒者なので年も取らず、約六百五十年もの間世界を守り続けてきたのだ。
「皆ー、幸せかー?」
『幸せでーす!』
「不幸なやつはオシオキだZO!」
『我々の業界ではご褒美です!』
 ひどい(多分褒め言葉)ノリだが、明奈の人気は不動である。確かな実力が彼女を支えている。そう、それが七夕の短冊で得た力なのだ!

「L・E・B・E・L・I・S・T・A! YEA!
 今日も朝から学校通って 家帰ったらアークに出張って
 フォーチュナに呼び止められたら ブリーフィングで仲間と挨拶
 敵は強いぞ 殴って解決!
 人質がいるぞ 囮作戦だ!
 数が多いぞ 絨毯爆撃(ぜんたいこうげき)!
 助けられるかも。さてさてどうする?
 嗚呼、今日も今日とて日本は大変。
 嗚呼、平和な日々はいつ訪れるのか。
 L・E・B・E・L・I・S・T・A! YEA!
 L・E・B・E・L・I・S・T・A! YEA!
 いつか日本を解放する為に!」

『ア・キ・ナ! ア・キ・ナ!』
『アンコール! アンコール!』
 鳴り止まぬアンコール。七十二時間耐久コンサートでもこなせるだけの体力もまたアイドル力により備わっている。衣装の着替えも幻想纏いでばっちりだ!
 もはや敵はない。明奈のアイドル生活はまだまだ続く。

●強くなりたい――白雪 陽菜
「私のHPは530000です。本気を出せばリジェネ10000が乗りますが、そこまでするつもりはありませんのでご安心を……」
 敵アザーバイドの一言にリベリスタたちは絶望する。アークの全戦力を総合しても勝ち目がないことが分かったからだ。
「まだだ……! どこかの異世界で修行して得た『テイオーケン』を使えば! 全力でやれば戦闘力を十倍まで引き上げることができるはず!」
「残念ですね……今使ってるのが十倍テイオーケンなのですよ」
 リベリスタの切り札を持ってしても届かない圧倒的な戦力差。そんな絶望の中、陽菜は立っていた。万策つき、死を待つのみ。逃げることも可能だが、それをしても数秒寿命が延びるだけ。それは身に染みてわかっていた。
「きゃあああ!」
「ああ、夕子!?」
 アザーバイドの指先が近くにいた夕子を指す。そこから放たれた光線が、彼女の胸を貫いた。そのまま倒れる夕子。
「夕子……私を庇ってくれたのね」
「いや、射線遮る為にモロ盾にしたじゃないの。幻覚だからってひどくな、もがっ」
「許さない……許さないわよー!」
 何かを言おうとした夕子の口を押さえ、陽菜は激昂する。髪の毛が金色になって逆立ち……元々金髪か。そして圧倒的な力が陽菜を中心に湧き上がる。
「これはまさか……伝説のハイパーリベリスタ!」
「私の名前は白雪陽菜。悪戯好きな心をもちながら、激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士……! みんなのフェイトを私にわけてくれー。ザ・世界!」
「ばかなー!?」
 陽菜の通常物理射撃により、灰燼と化す敵アザーバイド。
 そう。ボトムチャンネルは未曾有の危機から救われたのであった。
 しかし……。
「……予想はしていたけどね」
 圧倒的な力を持つ陽菜は尊敬と畏怖を同時に受けることになる。世界を救った最強の革醒者。頼られ、祭り上げられ、そして依存される。そして畏れられ、恐れられ、努力しても届かぬ壁として絶望を与えられる。
 強者は孤独だと誰かが言った。それを陽菜は身をもって感じている。頂上の風景は確かに壮観だけど、それを見ることができるのは自分ひとりだけ。たとえ中腹でも皆と一緒の風景を見て見たい。
 しかし頂上を降りるわけには行かないのだ。それは今まで陽菜が守ってきた者を見捨てる行為に等しい。
 どれだけ強い心を持ったとしても、人は孤独には耐えられないのだ。
「……でも、私は戦うと決めたから」
 辛くとも、苦しくとも、陽菜は戦う。それが彼女の正義だから。たった一人でも最後まで戦って、そして自分の戦う様を見て後に続く人が現れればいい。そう、自分は後に続くものの道を作るのだ。
「白雪様、エリューションの一軍が迫っています。南門に五千、北門に三千」
「『万華鏡』の予知では陽動です。狙いは手薄になっている西側……でも無視すれば南門に犠牲が出ることになるでしょう」
「わかった。南門を四十秒で片付けながら、北門に援護射撃を。その後に西に瞬間移動して敵の頭を討つわ」
 陽菜は今日も戦う。
 たとえ戦いの果てに力尽きても、きっとその顔は満足しているだろう。

●三食昼寝つき――烟夢・クローフィ
「先手必勝……あれ?」
 織姫に挑もうとした烟夢は、気がつけば豪華な館でドレスを着ていた。
 そういえば厄介な能力を持って痛んだよな、と思いながらどうしたものかと考えていると、メイド服着た織姫が烟夢の背後に回る。烟夢が反応するよりも早く膝に打撃を加えてかっくんと椅子に座らされる。そのまま流れるようにテーブルが用意され、その上に料理が用意された。
「前菜はリフィミシカルシラウオのカルパッチョです」
「聞いたことない食材なんだけど! 食えるの!?」
 目の前にある皿には、見たことのない食材で作った料理があった。見た目は確かにカルパッチョだ。匂いも芳醇で食欲をそそられる。思わず口にしてしまう烟夢。美味い。一口食べればどんどん料理が進む。
「コース料理は食べた後次の料理まで待たないといけないのが難点だよな……っておわぁ!」
 カルパッチョを平らげた烟夢は、椅子ごとメイド織姫にバックドロップを決められる。アーチを描いたその先にあるのは、ふかふかのベッドだった。そこにずさー、と横たわる。気がつけば服もドレスではなく寝巻きになっていた。
「何事……ごふぅ!」
 いきなりのことに文句を言う烟夢だが、メイド中段正拳突きをくらって倒れる烟夢。そのままぐったりと倒れ伏す。
「そうか、三食昼寝つき……このまま食べて寝る生活が続くという幻覚か……!」
 食べて寝るだけの生活。それは実りのないただ生きているという存在。確かに楽だが、煙草を吸わせろと烟夢は叫ぶ。料理中のタバコはマナー違反ということで、許可されずに取り上げられる。
「メインのデュマハトリカルスのカカルサルハソース焼きです」
「……はっ! ちょっと待て! どうしてこうなってるんだ!?」
 気がつくと、烟夢は肩から下を土に埋められていた。顔は土の上にあるが身動き一つ取れない。そして運ばれた料理は無理やり口の中に注がれて、無理やり咀嚼させられて、飲み込まされる。料理は間違いなく美味しいんだけど、これではまるで……。
「フォアグラ……!」
 無理やり餌を食べさせられて肝臓を肥大化させ、その肝臓を食べる料理である。口の中に無理やり料理を入れられて、睡眠薬を投与されて眠らされる。よく食べよく眠る。っていうか身動き一つ取れやしない。
「デザートのリンゴのアイスブレスシャーベットです」
「食後のお酒にどうぞ。『超魔人』です」
「そして寝てください。ぐっすりと」
「どうしてこうなった!?」
 叫ぶ烟夢。それにメイド織姫は一礼して答えた。
「何分プレイングに【覚悟完了】とかかれていましたので」
「ちくしょう! せめて煙草を吸わせろ!」
「適いません。その願いは短冊に書かれていなかったので」
 土に埋められ、黙々と料理を食べて跳ねる生活を続ける烟夢。幻覚とわかっていても、耐えられるものではなかった。

●反撃の時
 現実の時間にすれば、幻覚を見ていたのは僅か数秒程度だったのだろう。
 だがその間にリベリスタたちはかなり疲弊していた。ソラと烟夢は織姫の顔を見たくないとばかりに憔悴し、明奈はマイクを手にして歌っている。陽菜に至っては『これが陽菜2をさらに超えた陽菜3よ!』とかよくわからないものに浸っている。
 しかし彼らは神秘事件のプロだ。幻覚から目覚めれば行動は速かった。
「来年はもうでてこなくていいからね! 顔を見せないでね!」
 一の詠唱で二の魔術を発する。魔力を並列に行使することにより様々な状況に対応するソラ。圧倒的な速度と手数の多さ。そして何よりそれを使いこなすだけの知性の高さ。普段はだらけてダブルアクションで逃げる先生だが、決めるときは決めるのである。
 まぁ、その。若干攻撃に幻覚の仕返しが混じっているのは否めない。時間にすれば数秒程度だが、ソラからすれば一年分の恨みが篭っていた。
「よくも、よくも私の喫煙タイムを!」
 オートマティックとリボルバー。異なる二種の拳銃の引き金を交互に引きながら、烟夢が吼える。高度に、同時に、連続して、ワンクッション置いて。高速に、じっくり狙いをつけて。二の拳銃による様々な技量。
 ナイトメアダウンの悲劇が産んだ復讐の権化。抑えきれない破壊衝動。されど破壊の方向性はけして弱きに向かず。その矜持あっての烟夢。
「君臨せよ天空の王。白く優雅なる龍よ。
 東に飛び、西に吼え、南に渡り、北風を運べ。万物に捕らわれぬ自由なる覇者。
 ただ一度我が命に従い、稲妻の如く我が刃となれ。
 滅びかくなせ。
 陸式弾幕『白雷花吹雪』」
 陽菜はアルテミス・フォームを使いながら呪文を唱え、スターダストブレーカーと共に解き放つ。そして我に帰り、自己嫌悪に陥った。
「織姫、こういう夢はノーサンキューだぜ! ワタシはワタシの寄って立つこのドラマティックでアンタを殴る!
 行くぜ、アキナ☆ドラマティカ! うおおーーーッ!」
 明奈が気合を入れてEXスキルを行使する。なんだかよくわからないが、とにかくドラマティックな攻撃だ!
「残りHP230しかないのに反動1160もあるスキル使わなくてもよくね!?」
「だってこれしか活性化してないもん。そんなわけでくたばれー!」
「我が七夕に、悔いだらけー!」
 織姫は滅びた!
 
 ●そして平和な七夕へ
「煙草が美味いなぁ……」
 夜空に向かって紫煙が伸びる。仕事が終わっての一服は格別だ。烟夢は肺の空気を堪能し、深く長く吐き出した。これほど煙草が美味いと思ったのは久しぶりだ。
「あ、短冊の願い事書き直してこなきゃ……。『戦闘記録が残りませんように!』って」
 陽菜はまだ気を失っている夕子の顔にきゅきゅきゅー、とラクガキをした後で短冊のところに走っていく。ここまで恥ずかしい戦闘記録だけは残したくないが……その願いは叶わないのであった。
「にょあー、どりんが顔に! しかもこれ油性ペンで書かれてる!? 許すまじ織姫!」
 目が覚めた夕子は鏡を見せられて、顔のラクガキに激怒していた。悪戯主が誰かはあえて言わない仲間達。全ての罪を織姫に押し付けて、怒る夕子を見守った。この経験がキミを強くするのだ。弄られレベルUPとかそんな感じで。
「あー、楽しかった。さて帰るか」
 割合マシな幻覚だった明奈は肩をほぐしながら帰路に着く。あのコンサートの臨場感は、確かに心地よかった。いつか本当にあれだけの人を笑顔に出来るようなアイドルになりたい。神秘の力でもなく幻覚でもなく、自分の力で。
「そうね。七夕を楽しみましょう」
 ソラはできれば記憶から消したいとばかりに頭を押さえながら、白衣を翻す。精神的には十日ほど重傷だ。お酒でも飲んで気分をリフレッシュしよう。ため息をついて、足を三高平に向けた。

 空には天の川。本当の彦星と織姫は年に一度の逢瀬を終えただろうか。
 七月七日。七夕戦線、異常なし。


■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 全員【覚悟完了】でした。
 やー、ひどいリプレイになった。