●こいつ絶対無言でほくそ笑んでるよね 『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)は笑っていた。三高平を駆け抜けるその速度はいや増し、既に一般人には色のついた風にしか見えぬほど。彼女に同行する面々も、その勢いには何とか追いついている程度。彼女を衝き動かす「意思」の正体は、付き合いが長い者――ほぼ、居並ぶ全員だが――ならよく分かる。 「舞姫ちゃんすごく生き生きしてるねー☆」 それを傍らで観察する『ハッピーエンド』鴉魔・終(BNE002283)の声もどこか高く、期待しているのは理解できるというもの。 彼らに去来する感情に、果たして期待と喜悦以外の何があるのか、教えて欲しいくらいでも在る。 「なんだかとても……楽しくなりそうな気がします……ね?」 「はいっ、皆さんが楽しそうで何よりですっ」 そんなやりとりをどこか羨ましげに眺め、後を行く『雨上がりの紫苑』シエル・ハルモニア・若月(BNE000650)と離宮院 三郎太(BNE003381)もまた、彼らの感情の理由をよくよく知っている。 遡るに、数十分前。ブリーフィングルームに集められた六名を出迎えた『無貌の予見士』月ヶ瀬 夜倉(nBNE000202)のやっちまった感満載の表情が実に忘れられない。 彼は語る。アザーバイドが出現した、と。続けて、それがとても強力であることを述べ、対策について話しだした。 思えば、その外観にも問題があったのかもしれない。擬態さえしなければ、白くてなんかヒラヒラしたものを巻きつけた何処と無く厨二病チックなヒトガタフォルムだったからだ。 どうやら、そのアザーバイドは強力な精神共感を利用した擬態を行うらしい。能力自体は本来の姿に依存し、違和感はあるが『信じさせる』能力も高いため、大して問題では無いらしい。 空間断絶すらも行い、自らに有利な条件を作り出すのは当然のことだという。 問題は擬態方法。複数の人間がそれを認識して注視した際、『その時一番に頭のなかに思い浮かんでいた人物』に擬態する、と。 それを聞いた瞬間。舞姫が、月杜・とら(BNE002285)が、『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439)さえもが、凶暴な表情を浮かべたのを忘れられはしない。確かに、この面子は大問題だった。 「宮実君、ちょっと彼らを止めてください。然るべきタイミングで然るべき方法で」 そう言って幻想纏いを音声通信モードで固定され、夜倉に同行させられた『Rainy Dawn』兵藤 宮実(nBNE000255)だったが、無論彼女にその意志はあんまり無く。 やがて彼女らの視界に薄くモヤの掛かった姿が映し出された時、咆哮が響き渡った。 「ヒャッハァー! 久々の夜倉狩りだァー!」 本依頼の補足資料を握りしめた舞姫の脳裏を渦巻く黒いものが吐出されるのはもう既定路線だが、誰一人として気付いちゃ居なかった。 宮実の幻想纏いが、音声送信モード(受信不可)になっていたことに。 彼らの今回の言動が全て、ブリーフィングルームに居る夜倉にダイレクトに届くということに……。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:風見鶏 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ リクエストシナリオ | |||
■参加人数制限: 6人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年05月27日(火)22:24 |
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■メイン参加者 6人■ | |||||
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●誰だこいつら喚んだの 「くっ……、なんてゲスで厭らしい空間! これが夜倉精神の具現化!?」 「何だかんだ言って夜倉さん、年頃の小娘に興味ないフリしてノリノリで貶める気じゃないですか、このロリコン」 「そ、そうだそうだー!」 (……こいつらにとってこの貌ってなんなんだろーなー、でもこの感触は確かにキツいんだろーなー) 自らが特殊空間に彼らを押しとどめたのは、確実に仕留めるためでもあり、これから起こすべき行為を邪魔されない為でもあった。しかし、初手からいきなりDisられ始めるとは。よもや、その姿に擬態した異界者も思わなかったろう。 『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)の憎々しげな声に向かい側から『Rainy Dawn』兵藤 宮実 (nBNE000255)が追随、思い出したように舞姫側から離宮院 三郎太(BNE003381)が声を続けるが何というか、彼だけは無理やり言わされてる感が凄い。 あと、挟み撃ちの布陣にしたからか罵倒サラウンドで酷いことになっても居る。 かと思えば、女性陣二人の視線はクッソ鋭くて、後者は懐中電灯の照り返しで明らかになんか終わってる感が凄かった。 よく見れば僅かに宙に浮いていることからすればそれが彼らの『能力』なんだろうが、言葉の怜悧さもなかなかどうして抉りに来ている。 「ねえ、あれ偽者だよね? ホントに倒しちゃっていいの?」(ひそひそ) 『そうはいってもアザーバイドですよ? 気兼ねされても崩界が進まれたら困りますし、何より僕の地位が底なしになります』(ぼそぼそ) 既に臨戦態勢といった風情で言いたい放題な仲間をよそに、月杜・とら(BNE002285)は密かに幻想纏の通信機能を入れ、夜倉とコンタクトを取り始めていた。理由は本当に些細なもので、精神感応能力を危惧した上で、それが偽物だときちんと理解するため、だったのだが……どこか疑念混じりの声には、含むものがあるのも感じられようか。 「クミちゃん、モルライト使ってもいいのに……あ、今つけた」 とらに渡されたライトを遅まきながら準備する宮実の様子はなんというか、実に、こう。 「夜倉(偽)狩り5月の陣! はっじまるよ~☆」 どんどんぱふぱふ~☆ と、何処から音を出しているのか全く理解できない『ハッピーエンド』鴉魔・終(BNE002283)の声は何というか、実に夜倉(とその偽物)を不安にさせる。陣て。最初からイクサせよみたいな雰囲気じゃないですか。 ホラ見てよあの“氷棺”を構えた姿とか可愛い物言いしといて完全に獲物をねらう目なんですわ恐っ。 これにはその視線を向けられた偽物もたじたじだ。視線だけで戦闘のイニシアチブをとってしまうとかこの子どこまでぶっ飛んでるのかちょっと分からないんですが。 だが、まだ終のように露骨にド明確に言葉やら意思やらを叩きつけてくる類は恐らく、健全な部類なのかもしれなかった。それ以上に大問題な存在が列席している事実を、他ならぬ夜倉本人が知っている。 「夜倉様……実はゲスでエロスだったんですか!?」 とまあ、そんなことを真面目に驚いたような表情で口にした『雨上がりの紫苑』シエル・ハルモニア・若月(BNE000650)の様子を、それに釣られて驚いた三郎太を、夜倉は一切忘れていない。っていうかそれを再度、正面の偽物に言い放ったその胆力を推し量るのも面倒になってくる。 「なに『コイツ』俺と同類? 過ごしやすくてそれはいいんだけどなんていうか……この世界って無いわー」 ついぞ口を開いた異界者の言葉のフランクなことこの上ない様子はしかし、最初から盛大な勘違いが始まってしまっているのは概ね彼ら全員のせいなのだが、制止したら作戦に影響が出る二律背反。 とらの幻想纏を通して言葉にしようとして、しかし声にならない予見士の苦悩をお楽しみ下さい。最後までな! 「残念ながらその通りだ。だが、だからこそ『そんな奴は一人でいい』!」 精神攻撃が始まる前に風評被害に全力でトドメをさしに来たのは誰か。ここまで肚から張り上げたような声を出すのは誰か……もう、言わずもがなの『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439)なのだがこの男は果たしてあの包帯に何の恨みがあったのか。無いのだろう。依頼だから涙を飲んで風評被害を積極的にばら撒き、そのアレとかそれをここで留める覚悟なんだろう。 アーク随一の戦術評価を受ける男は格が違うなー憧れちゃうなー。そうとでも思ってなきゃこれはただの被害助長である。 「あーら、おじさま? 舞姫ちゃんのキュートさに魅了されてメロメロキュンなのね♪」 「えっ」 「やだー、中年のねちっこいリビドーに塗れた視線がきもーい☆」 「コイツ自身は兎も角俺まで少女趣味とか思われてんの……?」 音もなく(実際地に足が付いていない)偽物の視界に滑り込んだ舞姫の“黒曜”が滑るように抜き放たれ、その身を連続して貫きにかかると共に放たれた言葉は、本人の意思に強く影響したのは確かだ。 曰く、こんなものに擬態したばかりに自分の性癖が勘違いされているという事実。 曰く、それでも艶めかしく『見えてしまった』その事実に、全夜倉(偽)が盛大に萎えた。 すごいぞ舞姫! 死ぬほど不本意だけど効果は抜群だ! もっとやれ! ●ひどい話だ 「やっほー夜倉さん☆ 相変わらずそのサングラス似合ってないね☆ 良い歳して厨二病??」 「いや、そのこれは」 「その包帯も中途半端で格好良くないし、男らしく全部取っ払っちゃいなよ☆」 ブロック役二人に声をかけ、彼らより更に一歩踏み込んだ終の声がその刃の軌道よりも冷たく鋭く滑りこむ。斬撃の冷徹さなど児戯であるかの如く、その指摘はざくざくと目の前の相手を苛んでいく。 恐ろしいことに、それでも凍りつくことを避け、反撃を繰り出してはいたがその動作にはやはり想像ほどのキレが無いように終には感じられた。というか、彼は割りと本気でこの戦闘で偽物の包帯を剥ぎとってしまおうと思っている、のかもしれない。それはそれで恐ろしい話である。 「や、やーい! 包帯ぐるぐる巻きー!」 何かそんなとんでも無い精神攻撃が来た後だと割りと見過ごしてもいいレベルに微笑ましいけど、これはこれで痛い。三郎太が必死の覚悟で罵倒(?)を繰り返しながら気糸を練り上げている様子は実にシュールで平和なものである。 ……ここで、状況を整理する意味も兼ねて布陣について再度確認しよう。 終がグラスフォッグのためにブロック役二人が若干下がっているが、舞姫と快が双方から挟撃の形を取りブロックに進み出ている。快の側には終、宮美、とら。舞姫側には三郎太とシエルが控えている。片一方に攻撃が集中しても、回復は最低限維持される的確な状態といえた。さて、この状況でどちらを狙えば『オイシイ』のだろうか――? ――ああ、なんということだ! エクストラバッシュを後衛に向かわせないために夜倉(仮)をここでブロックしている結果、後衛が触手に襲われているけど庇える距離じゃない! 「だってさ、夜倉兄。いいの?」 『まあ、僕現場に居ませんから止められませんし。か……いえ新田君はあとで厳重な処分にかけましょう。とら君も報告よろしく』 「じゃあ、とらは空気読んでクミちゃん盾にするね☆」 「……え…………っ?」 Yeah,I'ts show time!! ……らしかった。 ぞぶ、と夜倉を装っていた影にくろぐろとした霧が刺す。 ぐねんぐねんぐねん、と三度脈動したその姿から現れた触手は、しかしこの世に生まれ進化を続けたどの生物体系とも違っていた。強いて近いものを上げるならばダイオウホウズキイカのそれだが……あれはそもそも、進化圧を受けたものではない偶発性の高い進化の産物だ。鉤爪が『夜倉の求める進化圧』を受けたのだとしたら、なるほど。この状況は彼が産んだと言っても差し支えない。少なくとも、全員そう思った。 「夜な夜な出現する包帯で顔を隠した変態ってまさか……いえ、それどころじゃありません、あの姿は、そんなものでは……きゃっ」 シエルの落ち着き払った、しかし彼を打ちのめさんと構えていた言葉はそこで霧散した。背後からするりと忍び寄った触手は、鉤爪を器用に帯にひっかけ、それをしゅるりと解いたのだ。 ああ、独楽か何かのよオに彼女の帯が巻き取られていく! これが渇望の書の何処かを埋めていたと言われる「よいではないか渇望」だというのか! 酷い! 既に回転で視界もふらふらになった年頃の少女の谷間が晒され……ない! 彼女の谷間はKEN-ZENを保つためにこの上なく慎ましいのだ! 「夜倉! 貴様俺が助けられないからって、よくも……! 護り手の意思(ラストクルセイド)を放つべく振りかぶった“砂蛇のナイフ”を隠すように突き出した“守護神の左腕”が、奇妙な位置で静止する。そして、奇妙に指先が動く。その動きから、偽夜倉は全てを悟った。 そして快は、彼と意思の疎通が成功したと言わんばかりの会心の笑みで指先を、誰にも見えないように―― 「あぁーっ!? ボクなんて襲ったって何もいいこと……んっ……くっ……う、動けません……っ」 触手は男女平等だった。否、女性と見まごう美形であった三郎太が全て悪いのだ。その華奢な肉体に触手なんて絡まったらどうなるか分かるだろう! なあ! こ う な る ん だ よ ! もう微妙に裂けた上着の肌色具合がそうでなくてもソソるんだよ! 想像しろ! そうだ、そういう破け方だ! もっとだ! ああ、もっとやれ! 「……舞ちゃんの話によると、夜倉兄は実はガチホモでシュゴシンさんに劣情というのを持っているらしいし? RECる?」 『RECんな頼むから』 「あ……嫌ァ、こんなゲスの塊みたいな、三十路絡みのどっかの黒っぽいアレ持った童貞の妄想が凝り固まったような触手にいいようにされるなんて絶対嫌……!」 あの、宮美さんはNPCなんだから他のお株を奪うような色気と罵倒はやめて差し上げろと言っただろうが。何書いてんだ。主に俺。 「自分のモノに自信がないから、にょろにょろ生やして数で勝負かし……あっ、っ、~~~~~~!?」 舞姫が、声を失う。いや、まあ詳しい描写は全年齢ゆえ差し控えるが、CERO-Cに差し掛かる勢いで舞姫の衣類を裂き、しかし全てを引き裂かないように絶妙に剥ぎ取る。そしてひっかく。引っ掻く。引っ掻くのだ。どこをとは言わない! 言えないのだ! ここから先は諸君の妄想力で補完して頂きたい! 声も? 声もだ! あの声音に艶をのせて体をくねらせながら声をあげたらそれはどれほど至高の楽器として機能するだろうか! 夜倉は常に舞姫を……そう、『黙っていれば美人だ』と、そう言っていたのだ! 快が……親指を……上げた! だが舞姫には見えない! なんという角度の妙味によるファインプレー! 「夜倉先生って生徒をそういう目で……?」 「えっ」 「『担当が保健体育って、もう性犯罪ね!』って舞ちゃん言ってたもんね! オレも分かってきた気がする! ケダモノなんでしょ?」 「いや、ケダモノて……お前ら的にこれ健全な性欲なんだろ? そうなんだろ?」 「流石に年端も行かない女の子を縛り上げて引っ掻き回してキズモノにする行為を30そこそこのオトナがやるのはオレとしては引くけどなあ」 「……マジで?」 「うんマジ」 触手タイム、終の醒めた視線のせいで終了。 ●酷いあとに「ひどい」話をするお話。 「えっ、宮美たんにあんなことやこんなことまで!? 授業中も、そんな目でわたしたちを見てたんだー」 舞姫は、あれで中々強かである。自分の美的価値がどれほどかを身をもって理解している。 ので、微妙に裂けてでろんでろんになったセーラーをはだけたまま、ゆっくりと偽夜倉に近づいていく。 「夜倉おじさまも、そろそろお歳よね……最近、頭頂部が寂しくなってません?」 「私見たことありますよ。ブリーフィングルームに明らかに一日で消耗した薬用発毛剤の空きボトルが散乱してるの」 「大丈夫だよ、夜倉さん……世界は思っているより優しいから……」 捏造情報ソースによる鮮やかな夜倉いぢりが開始される。だが、マスクマン系の定めのひとつとしてその辺りはさも当然と言わんばかりに語られる教義のひとつなので致し方無いというしかないのだ。悲しいかな、それを否定するソースがむしろ無いのだ。 「夜倉様……『嘗て、僕から別れを告げた相手』と平音様を評しておられましたね?」 ここで知らない人の為に説明すると、平音(ひらね)っていうのはアークに救出された夜倉の元恋人の覇界闘士のお嬢さんです。モトサヤにはなってないそうです。 「充分堪能し飽きたとか……ケダモノです」 「えっなにコイツそこまで後ろ暗いことしてたの」 「更に、一昨年の誕生日には彼女を部屋に連れ込んでらっしゃいましたね……真実を知ってしまうと、その真意が分かる気がします……さりげなく眠り薬とか盛っていた可能性……否定できません…GEDOU!」 「えっ夜倉さんがそんな……いや、そーだそーだ! 何を考えてるかさっぱり分からないのだ!」 痛い。良心の呵責と依頼達成への意欲の両天秤にかけられた三郎太が必死に結論を絞り出すその姿が痛すぎる。 「ガチホモだったり玩具みたいに扱ったりじゃ、平音さんと、ヨリを戻そうとしないのも頷ける理由だよねぇ」 『……………』 ザザッ、とノイズが聞こえたのにとらは気づき、今更のように「AF通信してたっけ☆」だそうだ。この外道めが。 因みに、彼らだって一流のりベリスタだ。言葉の暴力が全てな筈がない。戦術的重要存在のフォーチュナを再起不能にしたところで彼らに何の旨味もない。 そう、これは仕方ないこと。真正面から戦ったら半数が重症、全員がフェイトを使用しなければいけない強力なアザーバイドに対する決死の覚悟なのである! 「でもさぁ……俺思うんだよ」 ここで、一言の罵倒もなく、あまつさえ戦闘に全力を振り絞ってきた(語弊)快が動いた。誰もが、戦闘行為を繰り返しながらこの男の次の言葉を待った。こいつは酷いことをいってくれるんだ、俺達は詳しいんだ、と言わんばかりに。 「この人、正面から褒められる方がもっと効くんじゃないかな。慣れて無さそうだし」 「えっ」 「えっ」 『えっ』 そして、地獄が始まった。 「狩られるとわかっていても付き合ってくれてサンキュー!」 「夜倉さんが狩る側になるわけないって思ったらそういうことかー! やはり……天才……?!」 「うわぁ本人じゃねえけど狩られることに感謝されるとかありえねえ! マゾ認定じゃねーか何だよこいつら!」 「実は結構リベリスタ個人の事良く見て気遣い心配もしてくれてるのに敢えて憎まれ役になろうとしている性格イケメン!」 「変態でケダモノでGEDOUだと思ったら違うのですか……?」 「何だこれ! どんな経緯があったか知ったこっちゃねえけど性格イケメンとかこの世界じゃ非モテの類義語じゃねえか! お前らよく未婚男性にそんなこと言えるな鬼かよ!」 「シ……(マスタリング)な!」 「おい罵倒とかいいながらメタ話題ふってきたコイツは本当にさっきまで俺の攻撃を受け止めてたクッソ鬱陶しくて硬いだけの壁か?! 刺まみれじゃねえか!」 「……夜倉兄?」 『[このあとめちゃくちゃ重症判定にした]』 「メタだね」 「酷いこと言って、ゴメンなさい、夜倉おじさま……本当は、大好きですよ?」 「あれ、こいつなぶり過ぎたかな……怖い……」 舞姫の動きは、偽夜倉に原初の恐怖を呼び起こさせるに足る動きだった。腕をだらりとさげ、小首を傾げさながらゾンビの用に動く。首が、酷く重く見えた。 「あ……ア?」 そう。 それは数百キロを超えるオブジェクトを頭部に据えたあの姿を想像させる。見たことがないのに、その恐怖が迫ってくる。 「だから……だから……」 「アアアアアアアーっ! アアアーっ!」 絶叫が迸った。それが、最後だった。 「やっぱしこういうのは仲間を攻撃してるみたいで、気分がいいものじゃないね」 『えっと、とら君?』 「元の姿に戻ってよかったよねホント」 「まあ、メンタルヘルス的にいいものじゃないですよね……」 「楽しかった☆ もう一狩り行く??」 『えっ』 「これからも、ずっと夜倉狩りだ! ヒャッハー!!」 『えっ……』 このあと、無茶苦茶、夜倉狩りされた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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