●深夜のお悩み相談 「突然だけど、この中でキャバクラに興味ある人いない?」 『Bell Liberty』伊藤 蘭子(nBNE000271)がにやりとした表情でブリーフィングルームに姿を現した。突然の台詞に集まったリベリスタが困惑の表情を浮かべる。 蘭子はなぜかいつもより露出の多い服装だ。心なしかキャミソールの紐が肩から外れかかっている。口紅も化粧も派手で光っていた。 頻繁に脚を組み替えては何度も上目遣いで見てくる。これでは気になって集中できないとリベリスタ達が思った所でようやく蘭子が真面目に説明の続きに入った。 「依頼はシンプルで簡単よ。ノーフェイスの男達が客としてやってくるから貴方達は店員に成りすまして奴らを倒してきて欲しい」 ノーフェイスは狼藉を働こうとしているサラリーマン達だ。金だけは持っているが、すでに腹は狸のように膨れ上がり頭はすっかりハゲ散らかしている。 肌は脂ぎっておりそれだけに性格は陰湿で粘着質だ。仕事でなければ絶対に近寄りたくない人種が揃いもそろっている。 「もちろん、キャバ嬢に扮装して彼らの相手をするのが効果的よ。ノーフェイスはそれ程強くはないけれど例によって粘着質でお触りしてくるから気をつけて。現場には他の客やキャバ嬢たちもいるから注意して。悩み相談やお酒を飲みながら程よく色仕掛けをして彼らを釣ってくるといいわ。貴方達のキャバ嬢の腕前をぜひ発揮して来てちょうだいね」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:凸一 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年05月23日(金)23:08 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●はじめてのお仕事 怪しい深夜のホテル街だった。行き交う人々はお酒によって顔を赤くしている。路地裏で何やらいい雰囲気になっている男女のカップルも見受けられる。 大人の魅力が溢れる繁華街の片隅だった。今宵も一時の快楽を求めて片隅で営業しているキャバクラに大勢の客が男女問わず馬鹿騒ぎを起こしていた。 客もキャバ嬢もコスプレをしている者もいた。なぜか中に陰陽師の服を着た若い男がいたがそれはきっと誰かの気のせいだろう。 「接客、に自信、はないけど頑張ろう。キャバクラ、は用心棒として入った事あるし、知ってるし、ね」 ダボダボシャツを着た『無軌道の戦姫(ゼログラヴィティ』星川・天乃(BNE000016)が眠たそうな目で店内を見つめた。隙のある服装と表情は男からしたらたまらない。すでに何人かの如何わしい視線が天乃のシャツの隙間に注がれている。 「ところで『いい国つくろう、キャバクラ幕府』とかのギャグのねたは聞いた事有るんだけど、キャバクラって何? 要するにお酌するサービス付きの居酒屋さんみたいなものでいいのかな?」 同じくロリフェイスの『NonStarter』メイ・リィ・ルゥ(BNE003539)が好奇心旺盛な表情で辺りをキョロキョロ見回す。全くキャバクラがどういう所かわかっていない。そのあどけない容姿はこの場所では犯罪級だ。密かに熱い想いを抱く野獣たちが一般客に紛れてメイのことを狙っていた。 「キャバクラの仕事ねェ。だいぶ前にやったよ、最近はさっぱりだけどさ。テーブルチャージが5万円(メニューには書いてない)とか、フルーツ10万円、だっけかな?」 煙草を蒸してギラギラな衣装を纏っている篠ヶ瀬 杏香(BNE004601)が慣れた手つきで触ってくる客の手をさり気なく退かす。 杏香は昔キャバクラで接待をしていいたことがありお手のものだった。戸惑っている他のメンバーに比べて落ち着いて店内を闊歩する。 「あらあら、もう鼻息を荒らしくして? まだお楽しみには早いわよ」 谷間が思いっきり開いてその豊かな胸が零れ落ちそうになっている『ハンドリングマスター』杜若・瑠桐恵(BNE004127)は巨乳好きの獣の視線を独り占めにする。 近寄ってくる酒臭い一般人の客をもう一歩の所でおあずけを食らわす。 「キャバクラ? はじめてのお仕事ねぇ。あたし清純派なので水商売とか全然やったことないんです~~」 『ラビリンス・ウォーカー』セレア・アレイン(BNE003170)はすっとぼけた。清純で可憐なな少女を演じるが誰も全く相手にしない。もうすぐ三十路になるとは思えないミニスカートを履いていて思わず目を背けたくなる者もいた。誰も関係ない振りを装う。 「こ、これでどう!? きゃ、キャバ嬢……?」 『腐敗の王』羽柴 壱也(BNE002639)は恥ずかしさに顔を真赤にしていた。キャバ嬢の服装を真似て胸元が開いた服に茶色の巻き髪で魅力をアピールしている。 だが、あまりに残念なことに肝心な部分がなさすぎる。それでは彼氏はできないのは仕方ないと居合わせた若い男の客から同情の視線を密かに送られていた。 「そうだ、いっちー今日さ、こうしない?」 『撃鉄彼女』御経塚 しのぎ(BNE004600)は怪しく壱也に近寄って耳元で囁く。何やら作戦について話しているようだが店内はうるさくて誰も聞き取ることが出来ない。おそらく壱也の彼氏候補を紹介しているのだろうと客の誰かが一人で納得している。 「誰がキャバクラにいっても問題はないと思うんですが――それはそれとして蘭子さんその姿似合っていますよ。蘭子さんもいかれるんですよね?」 「ちょっと騙したわね、桐ちゃん! もう、私はいかないわよ!!」 雪白 桐(BNE000185)はミニスカートに白い化粧に口紅を塗って完全にキャバ嬢化していた。桐の横にいたフォーチュナの伊藤蘭子が逃げ出していく。桐に騙されて危うく依頼に同行させられそうになったが寸前の所で気がついて逃げ出した。 ●指名間違い リベリスタたちがキャバ嬢を装って一般客を惹きつけていると、ちょうどとても危ないオーラーを放った見るからに危ない男達が店内に現れた。 先頭になって入ってきたのはお腹がでっぷりと太った吾妻だった。頭は見事に禿げあがって熱い瓶底眼鏡の奥から獲物を舐めまわすように探っている。 早速お目当てのキャバ嬢の腕を強引に掴んで奥のVIP席へと連れ込もうとした。 「吾妻さん、ごめんなさいネ。カナちゃん、指名入っちゃったんです。でもでも、吾妻さんときっと、話が弾みそうな子、今呼びますから。あ、これは話を中断しちゃって申し訳ないから、ってお店からのサービスです」 杏香はキャバ嬢の危機を救うべくすかさず割って入った。吾妻は抗議をしようとしたが、杏香は代わりに水割りを差し出した。これには吾妻も文句を引っ込める。 さすがに手慣れた応対だった。これまでの経験を活かした機転にキャバ嬢のピンチを救うことが出来てほっと一息吐く。 「こんばんわー! ちーちゃんって呼んでね!」 代わりにやってきたのは壱也だった。すぐに吾妻の横に座って笑顔を振りまく。胸元の開いた所をさりげなく強調して吾妻の気を引く作戦だった。 「おい、この店どうなってんだ!? 俺は男を呼んだ覚えはないぞ!」 壱也をひと目見た瞬間に、吾妻は激怒した。 カナの代わりにやって来た壱也は確かに見た目は派手な女だった。だが、あまりにもないその胸を見せられて男が女装していると吾妻は勘違いした。 壱也は必死に男ではないとアピールするが、吾妻は信じない。 「お前が女なんて信じられるか! だったら証拠に服を脱いでみせろ」 吾妻は白くてベタベタした手で壱也のスカートの裾を引っ張ってくる。ぬめぬめした液体が壱也の太腿にべったりと張り付いて思わず怖気が走った。 「男、男って!! そんなに胸がないのが悪いのか!!」 激怒した壱也は拳を握り締める。吾妻の顔面に向かって強烈なパンチを繰り出した。 その瞬間に店内に盛大に何かが潰れる音が響き渡る。 壱也はそのまま吾妻の元から逃げ出した。 「あっちのテーブルで何か音が……」 「気のせいですよ、それじゃもっと飲みましょう」 伊藤は立ち上がろうとしたが、瑠桐恵が腕をとって横にぴったりとくっついて離さない。その豊かな胸を魅せられて伊藤も思わず頬が緩む。 さり気なく太腿や下半身の敏感な所をタッチして気を引いた。次第に伊藤がムラムラと顔を緩ませて瑠桐恵に手を伸ばしていく。 「ところで、こっちの一戸建ては、まだ買い手が見つかってないようね?」 瑠桐恵が勝ち誇ったように上目遣いに伊藤に甘く囁いた。 ●君みたいな子がタイプ 「こんばんわー! 体験入店の『しの』でぇ~す✩ どう? ハマってる?」 しのぎがもう片脇を固めるように入ってくる。ちょうど伊藤が瑠桐恵を連れて外へ行こうとしていた時だった。邪魔をして片方を固めてそれ以上は進めさせない。 両手に花になった伊藤はご満悦の様子だ。今まで全く女性経験がない伊藤はしのぎにウィンクをさせられた時点ですでに欲望のマグナムを爆発させそうになっていた。 「えー! モテそうなのに恋愛経験ないんですか!? でも、それ位ならまだ大丈夫ですよ!」 しのぎはここ過去一年以外の自分の記憶がないことを告げた。お互いに苦労していることがわかって伊藤はしのぎの話を聞く内に親近感を覚え始めていた。 「あ、なんか呼ばれちゃったので行ってきまーす✩」 しのぎは頃合いを見て突然伊藤から離れるように席を立ち去った。 「俺は娘が恋しい。どうしていいのかわからないんだ」 林は天乃に向かって心情を吐露していた。親身に頷く娘に似たロリタイプの天乃に甘えてついつい話に熱が入ってしまう。 「拒絶された、のが想いを知られたせい?」 「いいや違う」 「もし、ばれてないのであれば、ただの距離無し、子離れしてなかった自分、を謝罪して少し干渉を緩めたら、どうだろう?」 「謝るのか……自分から言うのは照れくさいな」 天乃のアドバイスで林も幾分か心が気が楽になる。 そこへメイが休憩にと水割りを持ってきた。 「君はいったいいくつなんだい? まるで君は小学生みたいにみえるけど」 「良くそーいわれるんだよー、そんなに子供っぽいかな?」 メイは林の言葉に白々しく答える。どこからどう見ても小学生にしかみえないメイに対して林も疑いの目を持っていた。だが、メイは思考を奪うかのように盛んにお酒を勧める。林は薦められるがままに飲み干す。もちろんメイは何も口にしない。 「オジサンはねえ、君みたいな子がタイプなんだよ」 林はメイを執拗に抱きしめようと腕を回してくる。すでに酔っ払って見境がなくなった林はメイを我が物にしようとして襲いかかってきた。 「みゃー! そこは●●で、撫でたりするとこじゃないよ~。くすぐったいよー」 手でメイの敏感な所を舐めまわしてくる。なぜか身体が火照ったように熱くなって、へんな声が出てしまうメイの危機を悟って天乃がタックルを食らわす。 メイがお返しに強烈な焼けつく閃光を放って林を後退させる。 すぐに天乃も林の動きを封じるべく攻撃を仕掛けて縛り上げた。うねり声を出す林に対してさらにオーラーの爆弾を下半身に貼り付けて爆発させる。林は絶叫してついに果てた。 ●乙女の純情 「ごめんなさい、あちらで乾かしましょう」 セレアはわざと水をこぼして謝った。オムニバス松本がしつこく絡んでいたボーイにわざと水をこぼして避難させる。これでようやく松本がフリーになった。まずは天乃が松本に近づいて話を聞く。 松本はすぐにニューハーフとしての自分に自信がないことを告げる。 「私、も女として見られない、部類…だから、少しはわかる、かもしれない。でも、結局はそうなるよう…進んできたのも自分……そんな生き方、を選んで後悔、してる?」 「私は、これからもニューハーフとして誇りを持って生きていきたいわ」 松本が笑顔をみせる。後もう一息だった。 天乃と打ち解けたところで第二の刺客を送り込む。 「新人の雪白といいます、よろしくお願いしますね」 桐は恭しく礼をしてオムニバス松本の待つ隣の席に座った。桐はとても白くて清潔な太腿と脚を短く切り詰めたミニスカートから晒していた。 「松本さんも同じ雰囲気を感じますから話しちゃいますけど、実は私、ニューハーフなんです」と桐はこっそり告白した。 あまりの可憐さに思わず松本も嗤う。ごつごつとした屈強な胸板を桐の腰と背中に擦りつけるようにして座る。後ろで水割りを作っていたセレアが足音を殺して近寄る。 ニューハーフの屈強な男に太腿を桐は舐め回されていた。 「ちょっとセレアさんも、見てないで助けてください――」 「ああ、この背徳感……いい、いいわ、桐ちゃんサイコー」 思わず涎を垂らしながらセレアはビデオを回し続ける。助けを求めるような視線を桐は向けてきたがセレアはもちろん敢えて無視した。 「蘭子も来ればよかったのに。惜しいわ」 後で友達の蘭子にも秘蔵の映像を見せてあげようとほくそ笑む。 もっと激しく絡んで欲しいと逆に心の中でお願いする。桐はすでにがっちりとその厚い腕と胸板でホールドされて動けなくなっていた。 「あたしと一緒に、未知の世界へイキましょう。どうか私に自信を付けさしてえええ」 松本はついに桐の上へ覆い被さった。 「ちょ、ちょとととあああああああああっ!! ダメダメああああ―――っ!!」 桐がこの世ともおぼつかない絶叫を木霊させる。 セレアも桐の痴態に興奮で頭がどうにかなりそうだった。 だが、ようやく気がついて桐に助け舟を出す。素早く詠唱すると星の鉄槌を天から降らせて容赦無く松本を巻き込んだ。絶叫する松本に桐もお返しとばかり剣を振りかぶる。 「乙女の純情を踏みにじった罪は許しませんよ」 桐はミニスカートがめくり上がるのも気にせず大きく脚を振り上げた。 松本がその中身を見てしまった瞬間、頭に強烈な一撃を叩き込まれる。 怒りの鉄剣で頭をかち割られて松本も地に伏した。 「おい、この騒ぎはどうなってるんだ?」 ようやく伊藤も店内で起こる騒ぎに声を大きくした。そこへ向こうに行っていたしのぎが伊藤を収めるために再び戻ってくる。 「なんか向こうのお客さん、ヤな人だったよ……しのはやっぱり伊藤さんが良いなぁ。なーんて!」 「そうか……吾妻のやつよくも! って君は本当は俺のことを……」 「やっぱり眼鏡の所為かなって思いますよ? ほら、外すだけで凄い印象も変わるし!」 しのぎは伊藤に眼鏡を外させることに成功させる。しのぎは眼鏡を叩き割る。前が見えなくなった伊藤はようやく罠だと気がついて喚いた。 「フフッ、ピュアな紳士と思ってたんだけど、意外と肉食系なのね……」 瑠桐恵がアッパーを放ってさらに敵を惹きつける。その間にセレアが陣地を作成して他の一般客を避難させた。 「怪我したひとはこっちに来て」 メイは怪我人を介抱して優しく回復させて支援する。 壱也は再び吾妻の方へ助けを呼びに行った。 「伊藤のやつ……! よくも俺の女に手を出すな!」 事態を悟った吾妻が伊藤の元へと走り寄っていく。勘違いした吾妻は伊藤に殴りかかって同士討ちでノックダウンさせた。吾妻はこれで全ての女は俺のものだと胸を張る。 「残念だけど、わたしはあんたの女じゃないの!」 壱也は隠し持っていたその鋭利な巨剣を前に出して容赦無く振り下ろす。 杏香も壱也を手助けして後ろから吾妻を羽交い締めにした。思いっきり後ろから締めあげて腕を取ると地面に吾妻を叩きつける。 そこに壱也がどす黒い笑みを浮かべて立ちはだかった。 助命を懇願する吾妻に怒りの一撃をお見舞いする。 「さあ観念して、ふふふふふふふふふふふふふ」 「ぎゃあああああああっ!!」 壱也に切り刻まれた吾妻はまるでひき肉のように地面に伏した。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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