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声は届かない

●不信感
 どうしてこうなってしまったんだろう。
 皆が自分を笑っているように聞こえる。
 仲よかった友人も、部活の仲間も、家族も、知らない人さえも。

●亀裂
 繁華街。
 飲食店のアルバイトの帰り、坂本徹は同じ高校のクラスメイトである嵐山カズキに偶然出会った。
 普段は遅くまで部活の練習をしていて、こんな時間に街を出歩くはずがないカズキであったが、ふらふらと路地に入っていくのが徹の目に写ったのだ。
「嵐山、どうしたんだ、おい!」
 その様子が普通ではなかったので徹はカズキに声をかける。
「……坂本?」
 カズキは徹に気づくが、その顔は真っ青だ。
「具合でも悪いのか? あれ、その袋……?」

 徹は心配そうに声をかけ続けるが、その言葉はカズキには実は届いていない。
(坂本……何を言ってるんだ、そうか、笑ってるんだな君も……)
 カズキはいつの間にか、袋に手を伸ばしていた。

「嵐山……ひっ!」
 徹はカズキが袋から剣を抜き出したため、息を飲む。
「その剣は一体……いや、やめろ……やめ……!」

 カズキは青ざめたまま、徹に向かって剣を振り下ろす。
「僕を笑うものは、みんな許さない!」

●アーク本部
「……ということが、近い未来に起こる」
『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)がモニターの映像を止めて振り返る。
「この事件の中心人物の名は嵐山カズキ。つい最近革醒したばかりだけど、本人にはまだその自覚がないみたいね」
 カズキは革醒とほぼ同時期に、アーティファクトである「銀色の剣」を手にする。
 本人は模型だと思っているが、実はかなりの力を持つ魔剣だ。
「ただし、それだけの力を持つ剣が、代償なしに革醒したてのひよっ子に扱えるわけない。じつはこのアーティファクト、手にすると周りの人の言葉が通じなくなり、皆が自分のことを馬鹿にしているような印象を持つようになってしまう」
 リベリスタたちは嫌な予感がして、イヴを見つめる。
「……だから、時間が経つほど周囲への不信感が募り、やがて周りを傷つけるようになってしまう」
「どうすればいい?」
 リベリスタの一人がイヴにたずねる。
「彼は魔剣に振り回されているだけだから、彼を剣から引き離し、剣を破壊して欲しい」
 剣から解放されればカズキは正気に戻る。アーティファクトは危険だから破壊するしかないだろう。
「彼自体は革醒したてだけど、魔剣の力でいくらか強くなっているから、それだけ注意して」
 言葉が通じないばかりに彼や周りの人間に不幸が起きないようにしてほしい、最後にイヴはそう付け加えた。



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:青猫格子  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年08月14日(日)22:14
どうもこんにちは、青猫格子です。
今回の目的は「危険なアーティファクトの破壊」です。
以下補足です。

・場所、時刻など
繁華街の脇の人気のない路地。
リベリスタたちが到着するのは、カズキが徹に斬りかかる直前になる予定です。

・嵐山カズキ
革醒してフェイトを得たばかりですが、本人には自覚がないのでまだリベリスタでもフィクサードでもない状態です。
ジーニアスのデュランダルです。
スキルはオーララッシュ、疾風居合い斬り、メガクラッシュ、フレアバースト、剣熟練Lv1、火炎無効
剣によって強化とスキル追加されているので革醒したてとはいえ油断はできません。

・銀色の剣
銀色で炎をイメージしたような形をしたロングソードです。
持ち主を強化しますが、周りの声が聞こえなくなり、不信感をつのらせるというアーティファクトです。
この剣が自分のものだと強く思い、剣がそれに応じた場合、持ち主になります。
持ち主を気絶などさせれば奪うことができるでしょう。
持ち主でない他人が触っても、周りの声が聞こえなくなったり強化されたりはしません。

それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。

参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
ナイトクリーク
ウーニャ・タランテラ(BNE000010)
デュランダル
日下禰・真名(BNE000050)
デュランダル
雪白 桐(BNE000185)
マグメイガス
アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)
ソードミラージュ
仁科 孝平(BNE000933)
インヤンマスター
東雲・まこと(BNE001895)
マグメイガス
音更 鬱穂(BNE001949)
クリミナルスタア
坂本 瀬恋(BNE002749)


 夜の繁華街。その路地裏で今まさに起こっていることを知るものはほぼいなかった。
「嵐山……一体、どうしたって言うんだよ!」
 徹が叫ぶ。しかし、カズキにその声は届かない。
 カズキは死にそうな顔をして、剣を構えたままだ。
 やがて、カズキは剣を振り上げ、ついに徹に手をかけようとした、そのとき、

「やめて!その人から離れなさい!」
 女性の声が路地裏に響く。『存在しない月』ウーニャ・タランテラ(BNE000010)だ。
 そして次の瞬間、カズキの手のすぐ近くを銃弾がかすっていった。
「ちっ……はずしたか」
『ザミエルの弾丸』坂本 瀬恋(BNE002749)がライフルを構えたままつぶやく。
「……?」
「な、なんなんだあんたたち?」
 予定外の事態にカズキ、徹の双方とも動きを止め、リベリスタたちの方を見た。
 その隙に、『宵闇に紛れる狩人』仁科 孝平(BNE000933)は素早く移動してカズキと徹の間に割り込む。もしカズキが攻撃に出た時、徹をかばうためだ。

「何の真似だ? 君たちも邪魔するつもりなら……」
 カズキが孝平をにらむ。剣を持つ手に力がこもる。
「お、おい……」
 彼らが自分を助けるつもりなのだと分かったが、徹は未だに事態を飲み込めない。
「すみませんが、徹様は、こちらへ」
 『銀の月』アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)が徹を路地の出口へ向かうよう、促す。
「カズキ様はあの剣の呪いによって正気を失っております。解決方法は彼を取り押さえて剣を破壊する事……急を要しますので、疑問は後程に」
「呪い!?」
 冗談だろう、と徹は彼女を見るが、アーデルハイトの瞳から本気である様子が読みとれた。
「わ、わかった……」
 疑問は残るが自分より彼らに任せた方が良さそうだ、と徹は判断し、路地を飛び出す。

 それと前後する形で、二つの影が路地に飛び込み、カズキに向かって突進した。
「いきます!」
「はいはい、わかったわよ」
 雪白 桐(BNE000185)と『夢幻の住人』日下禰・真名(BNE000050)である。二人が全力を込めて、カズキを路地の奥に追いやるためにぶつかる。
「くっ……!」
 カズキは二人の攻撃を剣で受け止め、かろうじて踏みとどまる。
「あんたたち、ぼくを殺しにきたのか!? 答えてくれ、何者なんだ!」
 カズキが叫ぶ。本当ならすぐにでも説明したい。だが今の彼にはそれができないのだった。
「厄介ですね……」
『ネガデレ少女』音更 鬱穂(BNE001949)が残念そうに言う。だからこそ、リベリスタたちが派遣されてきたともいえるが。
「ったく。どうせなら、彼が剣を手に入れる前に予知してくれればよいものを」
『スレッシャー・ガール』東雲・まこと(BNE001895)も彼女の言葉に同意していた。
 説明するにせよ何にせよ、まずは彼から剣を奪い、破壊しないといけない。
 二人も武器を構え、カズキを囲むように移動する。

「まただ……またみんなしてぼくを馬鹿にするんだ……」
 カズキはリベリスタたちを前にして、悲しそうにつぶやく。
「聞こえないかもしれないけど、その剣は危険よ。あなたに使いこなせる代物じゃないわ」
 ウーニャは声をかけ続けている。声が聞こえなくても、少しでも注意を引けるように。
 しかし、カズキは聞こえれないのか、聞くことに嫌気がさしてしまったのか、ウーニャの顔を見ようともしなかった。
「カズキくん……」
「嵐山君には今は何を伝えた所であの剣を手にしている限り無駄でしょう」
 桐がその様子を観て残念そうに言う。やむなく彼女もアクセス・ファンタズムから武器を取り出す。
「まったく、これだから坊やは。馬鹿にされてる? だからなんだっていうんだ」
 瀬恋が吐き捨てるように言う。
「その程度で動揺する甘ちゃんを持ち主に選ぶなんて、銀の剣も人を見る目が無いね。持ち主を操ろうなんていう大した剣のわりには」
 そして、剣を見つめ、まっすぐ手を伸ばして叫んだ。
「どうせならアタシを操ってみろってんだ、操れるものならな。アンタはアタシのもんだ!来やがれ、銀の剣!」
 しかし、銀の剣は鈍い光を放つのみで、微動だにしない。
「……ふん、来ないか。なら実力で奪うのみだよ!」
「アーティファクトだけ狙って攻撃が出来ればよいのですが……無理そうですね」
 鬱穂も魔法を使用する準備を整えた。
「皆さん、フレアバーストに気をつけてください」
 孝平が皆に呼びかける。
「ああ、わかった」
 まことがうなずいて、路地の壁に飛び移る。そのまま壁を伝って、カズキの背後へと移動した。


 カズキは言葉はわからずとも、周囲の微妙な気配を感じ取ったらしい。
「来るなっ……!」
 旋回して距離を広げていくリベリスタたちに向かって、剣を振り上げる。すると、宙に炎の爆発が起こり、近くにいた桐と真名を巻き込んだ。
「大丈夫!?」
 ウーニャが二人に向かって叫ぶ。
「はい……なんとか大丈夫です」
「いきなり手荒いわね」
 二人ともそれほどの傷は負っておらず、立ったままであったが、魔法の火炎は二人を焦がし続けていた。
「まずいわね、丸焦げになる前にカズキ君を何とかしないと……」
 悠長に戦ってはいられない。ウーニャは気糸を放ち、カズキを拘束した。そこへ高速ジャンプで近づいた孝平が大太刀で強襲を仕掛ける。
「なんだ……ぐ、動けない……」
 カズキは動きを封じられた上に、孝平の素早い動きに翻弄され、戸惑う。
「おお、連携がとれてるなあ」
 まことがウーニャと孝平たちの動きに感心する。
「このまま畳み掛けましょう」
 桐が真名に呼びかける。
「ふふ……手加減してたらこっちが危ないものね」
 そしてさらに追い打ちをかけるために、桐と真名がそれぞれ全身にオーラを纏い、カズキに斬りかかった。
「失礼いたします」
 アーデルハイトも強力な一条の雷を放ち、カズキの身体を貫く。
「ぐあっ……!」
 手加減しているとはいえ、電撃の衝撃は強烈だったようだ。
「くっ、や、やめろっ……!!」
 状況がわからなくても、カズキは危険であると感じ、力を込める。そして全身からオーラを爆発させ、気糸を弾き飛ばした。
「しまった!」
 ウーニャが再びカズキを拘束しようとするが間に合わない。カズキはその場で大きく跳躍し、そのまま桐に剣を振りおろした。
「危ない!」
 まことが叫ぶ。まことの目の前で、カズキと桐がぶつかった。

「……っ!」
 桐は武器で攻撃を防ごうとしたが、力に負けて路地の入り口まで弾き飛ばされた。
「くっ……油断してしまいました……ね……」
 先ほどの火炎と今の打ち所が悪かったらしく、桐はそのまま瞳を閉じた。
「はあ……は……!」
 カズキが大きく息をしながら、剣を持ち直す。

「これが『銀の剣』の力……恐ろしいですね」
 鬱穂がカズキの放った力の大きさに目を見張る。
 そして大きすぎる力はやがて彼やその周囲を滅ぼすだろう、ということが容易に想像できた。
「危険なアーティファクト……なんとしても、壊さなければいけません」
 鬱穂は改めてその脅威を認識し、カズキを助けたいと思ったのだろう。メイジスタッフを今一度カズキに向けて、魔法を放った。
「その通り。虚偽の銀、其の存在を認めず」
 アーデルハイトも続いて魔力の弾をを放つ。
「やれやれ、じゃあ一気にいくか」
 まこともそう言って式神の鴉を使い、なるべくカズキの隙になる部分を狙って撃ち込んだ。
「そういうことなら……」
 ウーニャもカズキの足止めばかりではなく、早く気絶させた方がよいと判断し、攻撃を変える。
 彼女は魔力でカードを作り出し、カズキに向かって投げた。カードはナイフのように鋭くカズキを斬りつける。
「そろそろ坊やも限界じゃないかね……」
 瀬恋がカズキの様子を見つつ、再びライフルを構え、カズキを狙う。
「今度こそ……!」
 彼女の撃った弾はまっすぐ、カズキの持つ剣の柄部分に命中した。その衝撃でカズキの手から離れた剣は大きく宙を舞った。

 銀色の剣が夜空に一瞬光り、回転しながらカズキの後方の地面に落下した。
「……剣が!」
 ウーニャがカズキの方を見る。だがカズキは剣を取りには行かず、驚いたような顔をして彼女たちを見つめていた。
「声が、聞こえる……」
 そしてそのまま目を閉じて地面に倒れこんでしまった。


「カズキくん!」
 ウーニャたちが慌ててカズキに駆け寄る。傷ついてはいたが、今は気を失っているだけのようだった。
「さて……では今のうちにこの剣を何とかしないといけないわね」
 真名がクスリと笑いながら、前方に転がる剣を見た。それからどうする? とでも聞くように仲間たちの顔を見る。
「問われるまでもありません」
 アーデルハイトと鬱穂が前に進み出る。
「こんなものっ……」
 二人が魔法を同時に放ち、何度か攻撃を加えると、剣に小さなひびが入った。
 ピキッ……
 剣はきしむような音を立てると、あっという間に真っ二つに割れた。

「まあ、坊やには過ぎた玩具だったってことだ。残念だが破壊するしかないね」
 瀬恋が二つに割れた剣を見下ろしてつぶやいた。その間にも剣の形は次第に崩れ、とうとう完全に砂のようになって風に乗って消えてしまった。

 ウーニャ、孝平、まことは倒れたカズキと桐の治療を急いでいた。
「カズキ君、聞こえますか……?」
 ウーニャが傷癒術で治療している間に、孝平はカズキに呼びかけた。
「うん……」
 いくらか回復したらしい。カズキは声に反応して、ゆっくり目を開けた。

 カズキはゆっくりと回りの人間を見渡す。
「すぐに治って良かったわ」
 ウーニャがカズキの意識が戻ったことを喜び、微笑んだ。
「なんだ坊や、剣がなくてもなかなか骨があるじゃないか」
 心なしか瀬恋もうれしそうに言う。
「ごめんなさい。皆さん、あの剣からぼくを助けてくれたんですよね? それなのにぼくは皆さんのことを……」
 カズキはそう言って、うつむいてしまう。
 剣がなくなって初めて、声が聞こえなくなった原因が剣だと理解できたのだ。もしかしたら理解できなかったのも剣の呪いだったのかもしれないが……それでも、助けに来た者たちを傷つけてしまった事実は変わらない。
「カズキ君、君は今不思議な力を使えるということは知ってますね。剣がなくなった今、だいぶ弱くはなったがそれでも、力のない人間に比べれば遥かに大きな力です」
 孝平がカズキに話しかけた。
「ぼくはこんな力、欲しくない……」
 カズキはうつむいたままつぶやく。
 瀬恋は見かねてカズキの肩をつかみ、顔を上げさせた。
「甘えてるんじゃないよ、坊や。あんたは『運命に愛された』から今もこうして生きていられるんだ。たとえ革醒して、力を得ても、運命に愛されなければ化物になってしまうんだから!」
「……!」
 カズキが驚く。

「ば、化物!?」
 そのとき、路地の入り口付近から聞き覚えのある声がして、皆一斉に振り向いた。
「さ、坂本!?」
 カズキが声を上げた。孝平たちも戸惑っていた。てっきり帰ったのかと思っていたようだ。
「あの、俺、ここを離れた後やっぱり嵐山のことが心配で、それで少し前に戻ってきたんだ……」
 徹が申し訳ないという表情でこちらに近づいてきた。
「すいません、盗み聞きしてしまって。でも、嵐山をたすけてくれてありがとうございます」
 徹はそう言って、孝平たちに頭を下げた。


「どうしましょう……?」
 ウーニャは戸惑って、孝平たちの方を向いた。
「ふむ……こうなってしまったら誤魔化すよりは、きちんと話しておいたほうがいいと思います。元々カズキ君には話しておこうと思っていたわけですし」
 孝平が腕を組んで考えながら言う。
「そうですね」
 アーデルハイトが頷いた。
「ご覧のとおり、これが世界の裏側です。超常の力が人々に恩恵と災禍をもたらす。私共はそのような事件の対処にあたっております」
「あなた達が……?」
 カズキが言う。
「といっても、俺たちだけじゃない。アークっていう組織があって、そこで化物や、俺達のような力で悪いことをしている奴らが起こす事件を解決するために動いている」
 まことが説明した。
「事件……今までそんなことが起きてるなんて知らなかったけど、あなた達が影で戦っていたんですね」
 そして今回の事件もそうしてアークのリベリスタが派遣されてきたのだと。
「カズキ君、アークに来れば、その力を制御する方法を教えることができます。そうすれば、今回のような事故を防ぐことが可能になるでしょう」
 孝平が再び、カズキに語りかけた。
「まあ、そこはカズキ次第だな。己で考えて行動してこそ、自然と強い意志となる。リベリスタとなって日常を守るために戦うのもいいし、あえてフィクサードとなり利益に走るのも全てお前次第だ……さぁ、お前は、どうしたい?」
 まことがカズキに問いかけた。カズキはしばし考えて、答えた。
「ぼくは、知ってしまった、力を手に入れた以上は、その力で日常を守りたいです。そしてぼくみたいに苦しんでいる人がいたら助けたい」
「カズキさん!」
 鬱穂の表情が明るくなる。彼女はカズキに仲間になって欲しかったのだろう。
「決まりだな、じゃあこれ以上の詳しい説明はアークに行ってしたほうがいいな」
「はい!」
 カズキは瀬恋に元気よく返事をした後、徹の方を見た。
「坂本、ぼくはさっき君にひどい事をしたよね」
「いや、正気じゃなかったんだろう。だったら仕方ないさ」
 徹はもう今更気にしてないという様子だった。
「徹くん、くれぐれも今回聞いたことは、内密にお願いしますね……」
 ウーニャが徹に念のため、付け加えておく。
「はい。まあ言っても誰も信じませんよ。俺だってカズキの様子を見なければ信じませんでしたから」

 最後にまことたちは三平高市、アークの場所を伝えて二人と別れた。
 繁華街の雑踏に姿を消す面々を、二人は長い間、見送っていた。
 カズキはおそらく、近いうちに三平高市を訪れるだろう。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした。
無事、カズキは剣から解放されました。
おそらく今後は、駈け出しのリベリスタとなって活躍していくのでしょう。
それでは、また次回もご縁がありましたらよろしくお願いいたします。