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技を受け継ぎし者

●道を究めるために
「オレはタコの触手が生えたノーフェイス! 闇夜から迫ってあの女性リベリスタを襲うぜ!」
「きゃー! オーララッシュ!」
「ぶべらぁ! 逃げるんだよォー!」
「あ、待てー!」

 そんなことがあって五分後。無事逃げおおせた触手ノーフェイスは路地裏で悔しそうに壁を叩いていた。
「ちくしょう、どうしてなんだ! 触手があれば女を襲えてうふふでむふふなことができるんじゃなかったのか!?」
「一部始終見せてもらったぜ、坊や」
「誰だ! その機械触手と白衣……まさか貴方は伝説のDrテンタクル!」
「さてな。オレがお前に言えることは、お前は触手の扱いがまだ甘いということだ」
「触手の扱い……?」
「ついて来な。俺も持ってる触手技を伝授してやる」

「まずはスキンケアだ。表面に粘性を持たせると同時に相手に病原菌を与えないように清潔を保つ必要がある。
 敢えて不快感を与えない為に、すべすべの肌にするのもいいだろう」
「なるほど! 細かな気遣いが重要なんですね!」

「力で絡めとっちゃ痛みを与えるだけだ! 必要最低限の力で相手を押さえ込め! 人体の構造を理解し、最も適した動きをするんだ!
 梃子の原理を常に意識し、関節の曲がる方向を頭に叩き込め!」
「こ、こうっすか?」

「革醒した能力に溺れるな! 常に研鑽を積み、勝利の為に自分が何ができるかを考えるんだ! お前の持つ触手の持ちうる触手の最大の持ち味はなんだ!」
「吸盤によるBS効果とパワーッす!」
「そうだ。ならどう育成したらいいか分かるだろう。スキルPの使用は計画的にな」

「オレはどうやら、ここまでのようだ……」
「Drテンタクル……!」
「後は実戦で学ぶがいい。ひたむきなお前なら、オレが届かなかった所までいけるはずだ」
「最後に……師匠と呼んでもいいですか?」
「馬鹿野郎! お前はオレの、自慢の生徒だ……!」
「し、ししょおおおおおおおおお!」
「……あのー。攻撃続けてもいいでござるか?」

●アーク
「ノーフェイスを倒す依頼です」
『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)は集まったリベリスタたちの顔を見ながら、これから起こるであろう神秘の説明を始めた。声には若干怒りが混じっている。
「元々は『Drテンタクル』を名乗るフィクサードとノーフェイスを倒す依頼でした。フィクサードは知識系で戦闘力が低く、護衛のノーフェイスも革醒したてでフェーズが低い状態でした。
 なので単独任務で十分と思ったのですが」
「ですが?」
「フィクサードを殺された怒りでフェーズが跳ね上がったようです。戦闘力があがり、先発隊を圧倒しました」
 モニターにはタコの触手に絡まって動けなくなっている『クノイチフュリエ』リシェナ・ミスカルフォ(nBNE000256)がいた。手足を完全に拘束され、タコの触手が体をなぞるたびに体が震えてる。
『ひやあっ、きゃふ、にゃあん、んぅ……』
 などと艶かしい声を上げたりしているリシェナ。
「即刻倒してください」
 和泉の声がちょっと怖い。フォーチュナは見る未来を選択できない。和泉も若き乙女だ。こんな映像を見せられた日には、色々ストレスがかかるものである。
 どの道、世界のためにノーフェイスは倒さなければならないのだ。それを躊躇う理由は……。
「えーと、やっぱり捕まるとああなるの?」
「ええ。老若男女無関係です」
 モニターの中で弄ばれるリシェナを見ながら、リベリスタはげんなりしたり顔を赤らめたりした。やだなぁ。
 そんな様々な思いを篭めながら、リベリスタたちはブリーフィングルームを出た。



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:どくどく  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2014年04月28日(月)22:15
 どくどくです。
 お願い、死なないでリシェナ! 次回、『リシェナ死す』、ニンジャスタンバイ!(※ももんがSTのイベシナからコピペ)
 真面目なタイトルですが、ギャグシナリオです。


◆成功条件
 ノーフェイスの打破。


◆敵情報
・八雲静馬
 ノーフェイス。フェーズ2。
 二十歳近くの男性ですが、右腕から六本のタコ触手と、師匠から受け継いだ機械触手が四本生えています。触手は途中で細かく分かれ、細いながらも革醒者の動きを封じるには十分な力を持っています。
 火力は低いですが、相手を捕縛して無力化することにかけてはそれなりです。あと十二歳以下は紳士協定で優しく扱います。

 絡み付く 物遠複 絡み付いて動きを封じます。[鈍化][虚脱]
 剥ぎ取り 物遠全 吸盤で衣服を剥ぎ取ります。[隙][圧倒][崩壊]
 愛撫の極 神近範 優しく攻めます、あるいは激しく攻めます。[不殺]
 師弟の絆   P  生体と機械の二重の触手で攻め続けます。DA値上昇
 リシェナシールド P 人質を盾にしています。範囲攻撃、複数攻撃、全体攻撃の対象になったとき、リシェナにもダメージが入ります。

 防御値がマイナスのときは余分にダメージを食らいます。だめ、いつもより感じちゃ(ry

◆NPC
・『クノイチフュリエ』リシェナ・ミスカルフォ(nBNE000256)
「戦闘力のないフィクサードとノーフェイスなら拙者一人で楽勝でござるよ!」
 と、フラグをふんで単身戦いに挑みました。『万華鏡』の予測でもまず負けないと予測されていました。まさかのトラブルで危機に陥っています。
 現在リシェナはノーフェイスに拘束されています。部位狙いで拘束している触手に一定のダメージを与えると拘束が融け、ノーフェイスの『リシェナシールド』が解除されます。
 色々あって体の力が抜けているため、助け出しても戦闘続行は不可能です。
 データとしてHPは存在しますが、所詮ギャグシナリオです。

◆場所情報
 山中。『触手道』と書かれた看板が掲げられた小屋が近くにあります。
 時刻は昼。足場と明るさは十分。
 戦闘開始時、八雲とリシェナが同じ位置にいて、リベリスタはその十メートル離れたところからスタートです。Drテンタクルを名乗るフィクサードの遺体はすぐ側に転がっています。
 木陰に隠れての事前付与はいくらでも行って構いません。集中も可能です。その間、リシェナが八雲に色々されますが、たいした問題じゃありません。
 
◆でんじゃー!
 このシナリオはフェイトの残量に拠らないネタキャラ化の可能性があります。
 参加の際はくれぐれもご注意下さい。ギャグに落ちるときは一瞬です。

◆備考
 参加者全員が12歳未満だった場合、純戦になります。
 ネタ依頼です。参加される方は色々覚悟完了でお願いします。
 
 皆様のプレイングをお待ちしています。
参加NPC
リシェナ・ミスカルフォ (nBNE000256)
 


■メイン参加者 8人■
メタルフレーム覇界闘士
レイ・マクガイア(BNE001078)
ビーストハーフソードミラージュ
喜連川 秋火(BNE003597)
ジーニアスデュランダル
ルー・ガルー(BNE003931)
ビーストハーフ覇界闘士
翔 小雷(BNE004728)
アウトサイドスターサジタリー
クリス・キャンベル(BNE004747)
ビーストハーフインヤンマスター
明覚 すず(BNE004811)
ジーニアスナイトクリーク
鼎 ヒロム(BNE004824)
ジーニアスアークリベリオン
富士宮 駿河(BNE004951)

●でんじゃー!
 このシナリオはフェイトの残量に拠らないネタキャラ化の可能性があります。
 参加の際はくれぐれもご注意下さい。ギャグに落ちるときは一瞬です。

●触手になんか負けない(きりっ
「既にネタキャラとしか見て貰えないあたしがネタキャラ化の危険を今更どうこう言うても、ねぇ?」
 開き直るように『もうだめ駄狐いつ』明覚 すず(BNE004811)が腕を組んで頷く。だがすずはまだ理解していない。ネタキャラ化には際限がないことを。極めたと思ったら上げ底でさらに下があることに。
「何を言っているのかわかりませんが、相手にとって不足はありません」
 冷静に突っ込みを入れる『アメリカンサイファイ』レイ・マクガイア(BNE001078)。相手は一つの道を極めようとし、そしてその技と志を受け継いだ存在。運命を失った者とはいえ、学ぶべきところはある。
「ノーフェイスを排除し捕らえられた味方を救出する。そう聞いて依頼を受けたんだが……これは、な」
『Killer Rabbit』クリス・キャンベル(BNE004747)は眼前で繰り広げられる触手とリシェナの戯れを身ながら腕を組んだ。見るだけなら眼福なのだが、自分がされる分にはお断りだ。
「リシェナの二の舞にならないようにしないと……」
 何かに怯えながら『双刃飛閃』喜連川 秋火(BNE003597)が二本の刀を構える。報告では師匠であるフィクサードは倒れている。それがフェーズ進行のきっかけになったとはいえ、触手フィクサードは真っ平ごめんだ。いやま、そういう破界器なんだろうけど。
「触手でクノイチがあんな事やこんな事に?」
 伊達メガネをかけなおし、『暁』富士宮 駿河(BNE004951)がうむり、と腕を組む。駿河はまだ十六歳二〇一四年四月現在)と若い身だ。眼前のシチュエーションに色々思うことや続けて欲しいことがある。口には出さないが。
「あー、触手モノを観たい人にとっては堪らないシチュエーションなんだろうね」
『純潔<バンクロール』鼎 ヒロム(BNE004824)はむしろ目の前の光景を売ればいくらになるかな、と考えていた。巨乳妖精耳クノイチと触手の組み合わせ。きっと高く売れるに違いない。さて如何にして合法的に撮影するか……。
「テキ、タオス。サツエイ、キンシ?」
 ルー・ガルー(BNE003931)が指先に凍える爪を填めながら、吼えるように口を開く。白狼の毛皮のみを纏ったルーは、目の前のリシェナ以上に目のやり場にこまる。ルー本人は触手の動きを真剣に見ながら、隙をうかがっているのだが。
「うむ。早く彼女を助けなくては」
 と口を開いたのは質実傲拳』翔 小雷(BNE004728)だ。リシェナを助けたい。胸に宿る確かな鼓動。小雷はその衝動のままに拳を握っていた。黒の三つ編を風に揺らし、黒の拳法着には大きなふくらみ。細くしなやかな腕を空気に晒していた。
(なあ……何故小雷は女装してるんだ……?)
(ブリーフィングルームで『いい考えがある』といっていたのは、もしかしてこれか?)
(えーと、とりあえず盾一つ増えたってことで)
 ぼそぼそと囁きあうリベリスタ。そしてツッコまないでおこうと結論付ける。この間わずか二秒。戦闘行動『その他』の範疇である。
「リベリスタ……! そうかこのクノイチの仲間か!」
 師を失い怒りに燃えるノーフェイス。その怒りは当然のようにやってきたリベリスタにも向けられる。リベリスタは世界の為にノーフェイスを見逃せず、ノーフェイスも自らの命を守るために拳……触手を振るう。互いに妥協の道はない――
 なんてシリアスな空気は似合わない戦いが、始まるのであった。
 
●プレイングを見た結果をギャグ描写多めで書いてみました
「事前付与はなしだ。これ以上リシェナを辱めるわけにもいかないしな」
「ああ、早く彼女を救わなくては! 流水の構え!」
「付与してるー!」
 秋火がリシェナを助けるべく刃を抜き、小雷が付与を行う。「え? あれ?」と構えながら顔で問いかける小雷。
「あーちょっとまった、今暫く待ったっ。皆の勇姿をしっかり撮っておきたいんでね、それに勝てばこのデータはお前のものになるよ?」
「こっちはこっちで事前付与使ってデジカメ用意してる! 馬鹿、撮影するんじゃない!」
 ヒロムがデジカメを起動させ、撮影を開始する。止める声はあるが、怒りの声で電子機器のスイッチは止まらない。
「あたしの姿限定やったら撮影してええよ」
「なん……だと……?」
 自分を指差し、撮影を求めるすず。
「あたしの触手力は530000です。ですがもちろんR18(フルパワー)で戦うつもりはないのでご心配なく……」
 ほっほっほ、と立ち尽くすすずであった。
「集音装置で触手の動きを把握しながら部位狙いで――」
「ぬるぬるが、そんなところ……ふぁあん!」
「……触手の蠢く音とリシェナの声で変な気分に……」
 聴覚に意識を集中して攻撃をするクリスの顔が、若干赤くなる。落ち着け、オレ。
「ルー、ウシロカラ、セメル」
 ルーはノーフェイスの背後を取るべく走り出す 
 だが、相手の背後を取るためには大きく回りこむ必要が在り、初期位置十メートルでは通常移動では足りないのであった。全力移動するしかなく、手番を一度消費してしまう。
「それじゃ、右に三メートル移動して横向きます」
「アレ? ショウメン、ムカレタ」
 そして囲んだわけじゃないので、普通に横向いておしまいである。
「ふん……!」
 レイがノーフェイスとリシェナの横を通り過ぎて、フィクサードの死体に迫る。その隣に穴を開けるように、一撃を放った。フィクサードを抱え、あけた穴に埋葬しようとする。
「……どのような者であれど、求道者に変わりはな――」
「師匠に障るなァ!」
「あーれー?」
 怒りの言葉と共に触手に襲われるレイ。何事と疑問に思うレイにリシェナとクリスが答える。
「レイ殿……許可取らずに遺体を埋葬しようすれば、怒られても当然でござるよ」
「ましてやオレ達はフィクサード含めて討伐しにきた立場からな。どのツラ下げて、ってやつだぜ」
「……なるほど」
「くっ、女性の服を剥ぎ取るなんて何て奴だ!」
「否! 師は言った。半脱ぎもまたよしと。故に俺は攻撃方法に剥ぎ取りとあるが半脱ぎに徹する!」
 拳を握り、駿河がノーフェイスの行動を責める。しかしノーフェイスは駿河を睨み、全身全霊を持って否定した。
「なんだと!? そんなのおもしろk……いや、それもそれでありか!」
 この時駿河に電撃走る!
「気持ち悪い触手だな。それに止まって見えるほど動きが遅いな」
 囮となるべくノーフェイスを挑発しながら秋火が走る。
「師は言った。武において大切なのは『拍子』だと。その動き、捕らえることはできずとも」
「そんな動きでボクが捕まるとでも思うかい? 存分に切り刻んでやるよ……うわあああ!」
 二刀を構えた秋火の足に絡まる触手。攻撃の隙を捕らわれたのだ。
「攻撃の瞬間を読むことはできる。さすれば我が触手は虹すら捕らえる」
 シリアスに決めるノーフェイスだが、この依頼ギャグですからね。
 あと触手依頼なので、次のパートはあれです。

●触手のターン、ドロー!
 男に絡めば男への締め付けを。女に絡めば女への締め付けを。人は流水に鑑すること莫くして 止水に鑑す。相手を自らの心鏡に捕らえ、流れに逆らわず触手を絡ませるのだ。
「その成り立ちは各種格闘技の関節技や、日本の合気道や古武術、中国武術にも通ずる。相手のベクトルと人体の可動範囲を利用した高度な戦闘法と思われます」
 レイが触手に拘束されながら、なるほどと言った顔で頷いた。レイはストイックである。触手を用いた格闘法とその心意気を学ぼうとしていた。
「身を持って道を知るのも一つの手ですね。習うより慣れろという事ですか……っ!」
 豊満な胸に触手が絡み、思わず声がこわばる。続けられる責めに少しずつ力が抜けてきた。
「これは……ぁ……なかなかの、ん!」
「残念だったな。俺は男だ」
 女装を解いた小雷が、したり顔でノーフェイスに告げる。一瞬驚きの表情をあげるが、すぐに攻めを再会するノーフェイス
「なん……だと……!? まぁいいや」
「なに!? 貴様まさかそういう趣味が!?」
 和泉さんも言ってたもんね。
 小雷の足首からふとももを這い上がる粘性を持った肉の蔓。蛇のようにくねり、刺激を与えながら這い上がってくる。
「く……こんな屈辱的な……!」
「ふっふっふ。少年よ、貴様はそのような姿を女性たちに見られて男としてどうなのかな?」
「何……!? こ、こっちを見るな!」
 熱血系少年の弱点を衝くような発言をするノーフェイス。師の教えの賜物である。
「ルー、カマワズ、セメル」
 触手に攻められても構わず前に進むルー。絶対者つよい。
「むぅ、クノイチエルフシールド!」
「タタカイ、ヒジョー。ナカマ、ミステル、ヒツヨー、アル」
「ちょ、目の前に爪が! 本気で躊躇しないでござるよルー殿!?」
 ノーフェイスがリシェナを盾にするが、構わずルーは攻撃を続けた。
「スコシ、イワカン、カンジル」
 しかし何度も触手に攻められて、今まで感じたことのない熱が体を駆け巡るルーであった。
「いややぁ、こっちこんといて!」
 恥じらいながら触手に絡まれるすず。その後でカメラ目線で涙目を見せてから、こっそり親指を立てた。恥じらう乙女の演技は完璧である。
「ええか。魅せるための触手というのもあるんで。健全範囲を守りつつ、しかしこれは大丈夫かという攻めが重要なんや!」
「武術は舞踏に通じると聞く。よかろう、鍛えられたこの触手。研ぎ澄まされた技にて汝を攻め立てよう」
「やりすぎはアカンで! 今後BNEにら触手フィクサードが出られなくなるやん! そこは自重せんとな!」
 すずさん、何の心配をしてるんですか?
「……捕まるのは駄目だ。そういう刺激でオレがどうなるか判らない」
 唇をかみ締め、クリスはノーフェイスを見る。触手の刺激を受ければどうなるか。クリス自身にも分からない。だがあれはだめだと理解しながら、触手に追い詰められていく。
「絶望に染まるがいい、リベリスタ。もはや逃れる術はない」
「そうかな? オレには頼れる仲間がいる。――許せ駿河」
「ちょ!?」
 クリスは駿河を触手の方に蹴り飛ばす。ひどい。駿河は触手に絡まれ手、身動きが取れなくなった。
「悪いな相棒、身を守るためには仕方ないんだ」
「それでいいのかリベリスタ!?」
「問題ない。それに『仲間』はまだいるからな」
「……あれ? 何気にピンチ?」
 ヒロムが汗を流しながら、クリスと距離を取り合う。やべぇ。味方がいない。
「って、オイ馬鹿止めろ。男の触手何て誰得だよお前ホモかよぉ!?」
「師は言った。触手×男の供給もあるから技を磨けと」
 触手に絡まれた駿河がノーフェイスに抗議するが、逆に世界の広さを教えられてしまった。
「なん……だと……!?」
「進化とは常に前に進むこと。固定観念を捨て、茨の道を進むべし。リベリスタよ、汝らがあえて苦難の道を歩み世界を護るように、俺は触手道を究める」
 迷いない瞳に駿河はシンパシーを感じていた。何かの道を貫こうとする強い意思。世間に愚かと罵られても、彼は道を曲げないだろう。エロの趣味もいいってところも、うん、ちょっとはあるかな。
「お前のそういうところ、嫌いじゃないぜ。だけどこんな扱いはやだああああああ!」
 じったんばったんと駿河が暴れる。まぁでも視線は近くで弄られている秋火に向けられていた。
「こんなものに絡め取られて喜ぶ趣味はボクにはな、ないん……っ!? こら、変なとこ触るなぁ……んっ!」
 秋火の着物の隙間に入ってくる触手。それが少しずつ乙女のビンカンな部分に近づいていく。たとえば、
「だめ……耳と尻尾……力が、抜けちゃう……!」
 キツネビーストハーフの耳と尻尾。そこを触手が撫でれば、秋火の体が震えて力が抜けていく。抵抗する力を少しずつ失い、ただ瞳を閉じて流されていく。
「動物のハンドリングの基本は、力を篭めすぎないこと。動物が心地よい程度の力で撫でる。けして自分自身の欲望のままになでてはいけない」
「誰が動物……ボクはぁ、こんな程度で……きゅうう……!」
 触手に撫でられ、ぐったりする秋火。
「うむ、いいムービーが取れそうだ」
 ヒロムがデジカメの部分まで下がって拳を握る。
「そこのカメラ班。撮影モードをスポーツかアニマル設定にしておかないと画像ぶれるぞ」
「マジで!? ちょっと今のシーン撮りなおしていい?」
 ノーフェイスに指摘され、ヒロムはデータを確認する。確かに触手が動くシーンのムービが若干粗い。モードを変更する。
「うむり。あとブレを塞ぎたかったら三脚は必須。手ブレ補正に過度の期待は禁止だ」
「仕方ない。撮った部分は電子の妖精で修正するとして今は撮りなおすか」
「「撮りなおすなー!」」
 触手の被害者から抗議の声があがった。ヒロムは容赦なく撮影ボタンを押した。
 心なき電子機器は、慈悲なく地帯を記録し始める。

●あ、戦闘はきちんとしていました。
「まぁさすがにやることはきちんとやらないとな」
「ビリビリ、イッパツ、オオキイ!」
「地獄の鬼相手に、触手を向けるのも、悪くない……ぐふぅ!」
 ばたっ! ノーフェイスは倒れた!

●俺はようやく登り始めたばかりだからな。この果て無く長い触手道を!(完)
「危ないところだった……でござる」
 ぐったりと地面に伏すリシェナ。そして他の面々も散々であった。HP的な意味ではなく社会的に。社会HPとかあったら、間違いなくガリガリ削れている。
「……くすん。ボク……ボク……」
 木に寄り添って、秋火が泣きじゃくっていた。話しかけないでくれ、と無言で訴えノーフェイスに与えられた痴態を思い出し、さらに陰鬱な空気を作っていた。
「待ってくれ! このデシカメは報告書の資料として提出するものでけして売り払ったりはしな……ぎゃああああ!」
 存外元気なヒロムが戦いの記録を録画したデジカメを掲げ、逃げようとする。だが、女性陣の怒りの鉄拳が全てを粉砕した。膝をつき、脱力するヒロム。
「ノーフェイスとは言え、貴方の道は立派でした」
「せめて師の側で安らかに眠るがいい」
「じゃあな、強敵よ。良い夢、見れたぜ?」
 レイと小雷と駿河はノーフェイスの遺体を、Drテンタクルと一緒に埋葬する。どういう形であれ、一つの道を突き詰めようとした者たちだ。技の内容はさておき、その心意気だけは立派なものである。駿河のは少し違う気もするが、まぁ瑣末である。
「いや、世に出していい技じゃないからな、あれ」
 祈る三人にクリスが冷静に突っ込みを入れた。神秘の力を使って相手を拘束し、倫理的に正しくない行為をするのだ。リベリスタとしては封じておくべきだろう。
「……むぅ。参考資料にうちの書いた薄い本がある」
 小屋の中をまさぐっていたすずは、『「静岡県在住の正義のヒーローRさん」が触手責めに遭う』薄い本や『「静岡県在住の仕事人Sさん」が触手責めに遭う』薄い本を見て微妙な気分になった。書いたのうちや。
「ルー、イツモヨリ、ツカレタ。……サキ、ネル」
 ルーは戦いの後にぐったりと疲れて寝入っていた。それはいつもと勝手の違う相手との戦いゆえか。
「今回のことは犬に噛まれたと思って忘れようぜ! こんな変な依頼はそんなに起きるものじゃないさ!」
 駿河が落ち込む人たちを励ますように、明るく言った。それもそうかと頷くリベリスタ達。とりあえず報告を書くのが恥ずかしいが、それが終わればこんな事件は記憶から葬り去ろう。そう誓うのであった。

●ここではない場所で。
「Drテンタクルが倒れたか」
「やつはソフト系の理論を追求し、戦闘力をおろそかにした甘ちゃんだ」
「我等触手十二神将のなかでも一番の小物」
「愛と触手で世界を変えようなど、所詮は妄言」
「やはり触手に愛は不要。それを自ら証明したも同然よ」
「だが触手十二神将の一角を崩されたのも事実」
「いずれ煮え湯を飲ませてくれよう、アーク……!」


■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
つづかない。