●そんなの居ない 白くてモフモフしたアルパカは後ろ足で地面を蹴っている。 何故だろうか、そのアルパカの頭には王冠が乗っている。 何故だろうか、そのアルパカの背中には翼が生えている。 もはやノーマルアルパカの域を越えたアルパカは「パ→カァ↓」とダンディな声を出してどこぞのスナックのママにも大モテではありませんか。 「キングちゃんったらー」 スナックのママの声に踏ん反り返ったアルパカ(キング)はパカァと鳴き声を上げている。 そのうちスクッと立ち上がりアルパカは霧の中に消え……。 消え――てなかった。 「パ→カァ↓……(余韻)」 どすどすと走ってくるアルパカ。 何故か背中には「てんかとういつ」とひらがなのノボリを背負っている。 (・´ェ`・)ってな顔したアルパカが「武将アルパカ……」と囁いた。 ●事件はVTRで! 「ってなわけで、なんかアルパカがいるらしいんだけど、俺らでやっつけてやるぜ! あ、思う存分モフモフしていいらしいんだけど、春の爽やかな陽気に誘われて現れた『戦国アルパカ』を倒すんだってさ! 神様の次は戦国だってさ! 武将ってなんか強そうだよな。俺、あんまり歴史得意じゃないけど知ってる。凄い奴らなんだよ、あいつら! ああ、それにキングアルパカとかその臣下アルパカも居るってもっぱらの噂! 噂っていうか、居た。見てきたし! 強いってうちの桃色エンジェル(25)がいってた。凄い強そうな雰囲気だし油断はしちゃいけないってやっぱり地元で最強な桃色エンジェル(25)が言ってたけど何とかなるよな、きっと皆だったら! 大丈夫! 信じてる! 関係ないけど、愛は世界を救う! 2014スプリングフェスティバル!」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:椿しいな | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 6人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年04月10日(木)22:14 |
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■メイン参加者 6人■ | |||||
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● 空は晴れ渡っている。美しい空は春の訪れを感じさせると共に『祈鴉』宇賀神・遥紀(BNE003750)の心を激しく揺さぶった。 しっかりと地に足付けた四本。何故か生えた翼に背負ったノボリ。 王冠を付けている者も居れば、スリやワカイヤの二種類の気弱そうな者もいる。 ふわふわもこもこを纏ったソレは突然暖かくなった陽気では少し暑そう。 街中の裏路地には到底存在しないだろうそんな姿を目にして遥紀は愕然とした様に「お前……」と『ソレ』に声をかけた。 「何度目かの邂逅だけれど……」 ふるふると震える遥紀を気遣う様に『告死の蝶』斬風 糾華(BNE000390)は溜め息を吐いて彼の肩を叩く。 普段は玲瓏な美貌を湛えた糾華の表情に浮かんだのは何とも言えない苦悶だ。 そっと、手に握りしめられていたデジタルカメラを「あざちゃんポシェット」に仕舞いこみ首をふるふると振った。 「――まさか、」 強敵を目にしたかのように柘榴の瞳には絶望が滲みだす。それは彼女と共に戦場に駆け参じた『鏡操り人形』リンシード・フラックス(BNE002684)も同じだったのだろう。 「ええ、まさか……まさか、です……お姉様……」 「どうして……ッ! 二人を別つ時が来るだなんて……!」 糾華の言葉にリンシードが首を振る。遥紀はぐ、と拳を強く握りこんだ。 今から糾華には使命がある。愛しのリンシードの姿を心の聖書に刻みこむ筈だったのに……。 「すまない……! 今は斬風に任せるしかないんだっ……」 悔しげに眉を寄せた『暁』富士宮 駿河(BNE004951)の言葉に斧を握りしめていた『空色の飢獣』スォウ・メモロスト(BNE004952)がこくこくと頷く。 そう、今から糾華には使命があるのだ―― 「だいじょぶだよ。りんしーさんのことはわたしたちに任せて!」 『囀ることり』喜多川・旭(BNE004015)が「あざさま……」と心配そうに視線を送るのを感じ、糾華は笑みを浮かべてしっかりと地面を踏みしめた。 「仕方ないわね。役目として適任だと言うならば、全うするのみよ……! 斬風 糾華! にわかアイドル始めます!」 裏路地で一人のアイドルが今、爆誕した――! (・´ェ`・)<あっざにゃ~ん! って、あんまり本編に関係ない! 「そうだった、忘れてた! 何時だってお前には突っ込みたいんだ! 突っ込みどころ加減だけは変わらないぱかぁっ!」 「ぱ、ぱかぁ!?」 しっかりしてよ! 子供達が泣いちゃう! と『槿花』桜庭 蒐 (nBNE000252) が遥紀の肩を揺さぶる。 あ、駄目だ。目の前の白くてもふもふした存在の所為で遥紀が色んな意味で深淵を覗いている。 緊張を胸に駿河は心して一言、発した「(・´ェ`・)パ→カァ↓……」 ● 目の前に存在する白い物体に旭は魔力鉄甲を嵌めた両手を組み合わせキラキラと瞳を輝かしている。 しゃなり、と足を上げたアルパカ――いや、こいつは普通のアルパカじゃない! アザーバイドだ――に旭が「アルパカさん! かわわっ!」と瞳を輝かせる。 ……が、ふと、記憶を辿る。 あの暑い夏の日を。パカァと余韻を残す様に鳴いていた不思議なアルパカの事を。 「でも、あれだね……キングってまえにもいたよね。王様いっぱい? ぐんゆーかっきょなの?」 「そう、気になるんだ……何故、戦国なんだ! 『てんかとういつ』は何故ひらがななんだ! ゆるバイト狙いなのぱかぁっ! クッ……今回ほど深淵ヲ覗クを使いたいと思った事はないよ」 首を傾げる旭の隣でミスティコアを握りしめながら哀しげに眉を寄せる遥紀。 草でも食ってるのかといった具合にもごもごと何かを食べる仕草を見せるアルパカ(武将)。 雑草もない裏路地でアルパカを見詰めながら惑うリベリスタ――を見詰める新米リベリスタ。 「アルパカ……もふもふ……もふもふしたいなぁ」 緑色の瞳はきらきらと輝いている。浮き出た肋骨が暗がりの裏路地では一寸した魅力を持ってる気がするが……いやはや、病的な外見を持っているスォウにとっては『アルパカ』は憧憬の対象だったのだろう。 くちゃくちゃと唇を蠢かすアルパカ(キング)。頭の王冠はさて置いても手触りは良さそうだ。とても、ふわふわしている。 (私ってそういう柔らかさとかいうか、厚みが全然ないし……。無い物ねだりだけど……。 ううん、でも、倒さなきゃいけないんだよね……? よしっ、出来るだけ堪能してから倒そう!) どうやら、スォウの中での『VSアルパカ』は決まった様だ。 もふもふしたアルパカを相手に心を惑いを生んでいるリベリスタ達。一風変わった雰囲気なのは駿河とロミオとジュリエットのジュリエット側、リンシードだった。 「市街地の裏路地にアルパカ……こう、話しは聞いてたんだけど、改めて考えるとシュールだよな……」 「あいつが連続殺人犯みたいなカッコよさがあれば違うんだろうけど……」 「い、いや、桜庭、待てッ……あの毛並みを見ろ! 一目見てわかったぜ、あれはアルパカ界の強者だって事はな……!」 ごくり、と生唾を飲みこむ高校生男子二人。駿河の言葉に蒐に緊張が走る。 一般人が居る中で闘うのは難しい。ここはスーパーアイドルあざにゃんの頑張りを待つだけだ。 (・´ェ`・)<あ、闘って良い? 「あ、一寸待って、一寸待って。ドーモ。アルパカ=サン。富士宮駿河です。 戦国武将なんだろ? やっぱりお辞儀って必要だよな? サツバツ!」 (・´ェ`・)<ア、ドーモ……。 へにょり、と長い首を垂れる戦国アルパカ。アルパカは丁寧な男子は嫌いじゃない。 その頃、ジュリエット(リンシード)と言えば……。 「ああ……お姉様……、お姉様は本当は私だけのアイドルの筈なのに……。 いつか、こうして、私の手の届かない所に行ってしまうんですか……?」 きゅ、と握りこんだPrism Misdirection。悲しみを抱いたリンシードは目の前のアルパカをら見つけ、首を振る。 「そうしたら、私は……私はッ……!」 何処か切なげに眉を寄せて唇を動かすアルパカ。リンシードはハッとした様に振り返り、息を吐いた。 「いえ、考えても仕方ありません……今はアルパカァのアイドルになることを考えないと」 結局、なんかそれも哀しくなっちゃって、牧羊犬ってことになったそうです。 ジュリエットの嘆きを知ってか知らずか、ゴシックロリータのワンピースを見に纏い、拡声器を手にした糾華は裏路地からも見える様な位置でくるんとターン。 「みんなーっ! 集まれぇー!!」 アイドルオーラを放ちながら周囲の人間の目を奪う糾華。ワールドイズマインも併用すれば一躍ここのアイドルだ。 透けるような白い肌を持った美少女が拡声器を通して歌い出す。流石は(にわか)アイドル。 因みに、このアイドル、リンシードだけの私(アイドル)らしいのでファンの皆には哀しいお知らせだっただろうか。 \あざにゃん! あざにゃん!/ ……良く分からないファンが混ざっている。 裏路地から引き離す様に糾華は懸命に歌っている。時にはウインクだって飛ばして居る。 その頃、彼女のジュリエットは牧羊犬になって居ても! これが役目なのだと言う様に糾華はキュルルン♪ としているのだ。 \あざにゃん! あざにゃん!/ 一般人達が糾華に視線を向け、彼女の誘導に従う様に裏路地から離れていく。 安心した様に、糾華は心を落ち着かせるのだった。 (もう少し……もう少しよ……! 間に合え、私!) ● なんちゃってアイドル(いとしのおねえさま)の歌声を聴きながらスッと回りこむ様にリンシードはアイドルサイドとは別方向にかけ出す。 「ぱかぱかばかーっ……!」 訳:全員丸刈りにしてやります……! ばか……! リンシードのアッパーアルパカハート。アルパカ語なんて分からないと『多分』伝わってるし、『結構』ニュアンスは間違ってないよね、なんて雰囲気のリンシード。 (・´ェ`・)<のぅ、殿よ。あやつ、我等へ面妖な言葉を話しておるぞ……。 (# ・´ェ`・)<此処でやるしかないぞな! 武将のパカパカボイスに頷く様にキングアルパカが「パ→カァ↑」とテンションを上げてリンシード乃下へと走り込む。 「は、早い!? やっぱりあいつの深淵を覗いたら正気度チェックもファンブルしそうぱかぁっ!」 「何で遥紀さん、語尾がパカってるんだよー!?」 リンシードに誘われるアルパカを眺めながらアルパカとの様子を眺めていた一般人を「こっちですよ」と案内する遥紀。 慌てて突っ込みを入れる蒐へ「断じて気のせいぱかぁ……」と爽やかな笑みを浮かべていた。 (ワザとか!?) 「お姉さん、こっちパカァ!」 (ワザとじゃない!? どっち!!?) 混乱が混乱を生む戦場。もしかすると遥紀は武将アルパカのオーラに飲まれてしまったのかもしれない。 流石は武将――! こいつ、できる……! ごくり、と唾を飲む駿河はさて置いて。きらきらと輝いた瞳を向ける旭がアルパカを押し留める。 「よぉ、ねぇちゃん」なんてニヒルな笑みを浮かべるアルパカに「あるぱかさん……! きもかわ、もふもふ!」と輝く笑みを向ける旭。 旭だってお年頃。気になっちゃうんです。武将あるぱかさんたちは王様たち降ろしたのかな、とか。 人間模様……ではなく、アルパカ模様がたいへん気になっちゃうお年頃。 聞きたいけど、聞いていいのか分からない青春グラフィティでスプリングフェスティバル☆なアルパカ模様。 「ぱぱさん! 一般人のお姉さんはお任せするの!」 キングアルパカが凄まじい勢いで走り込む。咄嗟に受けとめた旭の足がじり、と地面を擦る時、決意を固めた駿河がスォウに「行くぜ……!」と猛烈アピール。 もう何が何だか分からない空間で駿河は大業物を握りしめ地面を蹴る。 「いざ、出陣! エイエイ、オーッ!」 ←ちょっと武将っぽい。 今の自分じゃやれることも限られてる。だからこそ、駿河が目指すのは『やられる前にやれ!』の一言だけだ。 矜持を纏う駿河の前に滑り込み、華奢な腕で抱えた斧を一気に振り下ろす。スォウの放つ衝撃がアルパカの足をがくがくと震わせた。 「ちゃんと順番は護ろうね? 割り込み厳禁だよ」 緩く微笑んだスォウにアルパカがパカと鳴いて愛のキスを向けようとする。 「っ!? スォウさん! だ、大丈夫かっ!」 「だ、大丈夫。アークリベリオンとしての初陣は……な、何とかして成功させないと。 フュリエでも前に出て戦えるんだって、証明するんだ。 い、いや、私みたいにチビで痩せっぽっちでも戦えるんだって、かな……? だから、が、頑張る……泣かない……キスされたって泣かない……気持ち悪くたって……。 あれ? 汗かな、汗かいちゃった。うん、汗だからね?」 スォウ、21歳。フュリエ。ラ・ル・カーナでは味わえない気持ちを今此処で、味わった。 痩せて小さなスォウ。自分でも前衛に立てるとカッコイイ姿を見せたその時、アルパカは無情にも愛をもってキッスを頬に与えてくれたのだった。 「き、気持ち悪い……」 やっぱり唇の動きが気持ち悪かった。やるせなさを感じながら大きなマントを揺らすスォウの目の前のアルパカに駿河は猛烈な勢いを以って果敢に攻めの姿勢を見せる。 体勢を崩すアルパカが「パカッ!」と不思議な鳴き声を上げる中、牧羊犬(リンシード)は「ぱかぱか」と鳴いていた。 「そう……牧羊犬、牧羊犬なんです……あっふぅ……ぶさいくな顔しながらも毛並みは吸い込まれるような柔らかさ……」 「待たせたわね!! 大丈夫、私が来たからには押し切るわよ! 珍妙過ぎるもの! 成敗っ!」 \カシャッ/ 糾華さん、刹那的ステップを踏みながらアルパカを刻みつつ、まさかの激写だった。 ● 武将によるオーラを感じとりながらも遥紀は「何故分裂するぱかぁ……!」と切なげに眉を寄せている。 駆け寄るアルパカ達から来るダメージを受ける駿河やスォウを回復しながら遥紀は思い悩んでいた。 戦場に於いて迷う事は無かった。戸惑いが産む結果等決して良い物ではないのだから。それでも、遥紀には戸惑いが生まれていた。 「唇を直視すると心が折れる……ッ!」 どうしてだろう、遥紀の心はブリーフィングの時点で折れそうだったのだ。 「だいじょーぶだよ! ぱぱさん、頑張ろう!」 励ましを向ける旭。そんな彼女が放つ焔がアルパカの自慢の毛を焦がしていっている。最早、アルパカも切なげな声を上げている様だ。 彼女の目の前に居るキングも巻き込んで武将を狙った様にアルパカを討ちとりに行く! 「あるぱかさんきもかわだし、ちょっとかわいそだけど……」 きゅ、と握りしめた拳、蒐の雷撃が臣下を抉る。哀しげなスォウの汗はまだ止まって居ない様だった。 愛のキッスを受けそうになって思わず肩を竦める男子高校生(17歳)に自分はそうなりたくないなって感じるお坊ちゃま高校生(16歳)。 瞳から零れる汗に青春を感じるどころか悲しみを感じるスォウは全力でアルパカを吹き飛ばす。 「足元がお留守だよ。次、任せた」 「OK! スォウさん、アルパカさんに乗るなら今だよ!」 リンシードが引き付けているうちにGOGOと誘う旭に頷いてスォウの指先が焦げてないアルパカの背に触れた。 前衛の特権はアルパカを思う存分もふもふできること。同時に愛のキッスや唾を掛けられる可能性だってあるけど、そんなの今のスォウには気にならない。 目の前には『世界が嫉妬する程の毛並み』が待っていたのだから。 あ――……やわらかい……もふもふ……。 「そう……柔らかいんです……憎い……顔も毛並みも憎い……。 しっかり私……正気を保って……! パ→カァ↓……ち、ちがう、正気を……!」 緩んだ顔を取られない様にと気を引き締めるリンシード。それでも隙をついてでる表情に糾華が激写の嵐。 凄まじい唇の動きに「気を付けるんだ、メモロスト……!」と背後から声をかける遥紀。 遥紀の超直観が色んな意味で告げていた。やばい(確信)。 「遥紀さん! 俺が、君を護るよ!」 「有難う、桜庭……桜庭ーー!?」 「あ、」と言う間に何事かが起こっていた。 緊張を浮かべ、明日は我が身だといった表情の駿河とは対照的な旭が哀しげに眉を寄せて目の前の武将を見詰めている。 『てんかとういつ』のノボリはゆっくりと裏路地の風に吹かれて揺れていた。 「ごめんねっ、どうしても……どうしてもっ! 諸行無常なの。盛者必衰なの。おごれるものはひさしからずなの。ごめんねぇ!」 気付いた時には旭に存分にモフモフしあわせとされていたアルパカ達は消えている。 翼を生やし、背なかに「てんかとういつ」というノボリを背負った武将アルパカなんて世界が嫉妬する毛並みを焦がしながら力尽き掛けている。 げに恐ろしきリベリスタの猛攻。回復のないアルパカ達にできたのは唾を吐きながらキッスを送ることだけではないですか! 矢張り強かったキングアルパ→カァ↓……(切なげな吐息)は懸命に目の前の旭に威厳のあるボイスを放っているが逆効果。 アルパカの体を貫く蹴りに加えて背後でアルパカのキスに「唇はだめ! ファーストキッスアルパカはだめ!」と涙を拭う蒐からの蹴激が重なっていく。 (・´ェ`・)<パ……カァ……(余韻) 「それはコッチのセリフだ! 落ち着け、俺。俺だってやれる。 守られてばかりじゃ、カッコ付かねーだろ! 勝ち鬨を上げるのは俺達のほうだ、行くぜっ!」 何故アルパカの言葉が分かったのかは分からないが、やる気を淹れなおした駿河が前進する。 駿河の放った攻撃にアルパカがすっ転ぶ。やはり前で見ると出かかった。 緊張する駿河に「富士宮! そのままいくんだ!」と解析しながら心の折れそうになる遥紀の声が掛かる。 パパさんの心温まる回復を受けながら、前線に走る駿河。けれど、旭の前には出れなかった。怖いから。 もふもふに飲まれるリンシードが時を刻む要領でアルパカを刻んでいる中、光と共に五重の残像を展開する糾華が幸せそうに心の聖書に可愛い恋人(とアルパカ)の姿を保存している。 「ねぇ、そこのアルパカ、聞いてくれる? むしろ聞け!」 (・´ェ`・)<あ、はい。 「うちの恋人ね、やっぱり可愛いのよ? わかる? クールに決めようとしつつ、上手く行ってなくてむぅってなってるところとか ね、いいでしょ? わかるかしら? わからない?」 ロイヤルストレートフラッシュ(アイドル的な技)を放ちながら糾華は瞳を輝かせる。 手にした鎌が彼女のほっそりとした指の間で揺れている。手にしたデジカメのメモリーもそろそろ一杯だし、糾華の心のデータフォルダにデータも沢山蓄積して居る。 草臥れてもはや力尽きそうになっているアルパカへ追い打ちをかける様な糾華さんは鎌を向けて「どうかしら? わかる? わからないかしら?」と微笑んでいる。 恋する乙女は強いのだろうか――……。 (・´ェ`・)<パ→カァ↓……(切なげな吐息)。 「ぱかぁ? ぱかぁじゃ通じないわよ。ほら、わかるの? わからないの? ぱかぁ……。ふふふ、バカね。バ→カァ↓……。ふふ、所詮はアルパカね」 その後、糾華の惚気を聞きながらアルパカは切なげにパカァと鳴いたんだとかなんとか。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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